7月11日~7月20日

7月20日(2名)
多田 有花
死ぬ夢を静かにみたり真夏の夜★★★★
夏深し燕目覚める午前五時★★★★
住宅の取り壊されし夏真昼★★★

小口泰與
四方より鳥声聞ゆ初夏の朝★★★
水面をすれすれに飛ぶ燕かな★★★
玉浮子にとまる蜻蛉の忙しげに★★★

7月19日(2名)

多田 有花
今日すべきことを始める夏の暁★★★
風通る部屋で昼寝の極楽よ★★★
「極楽よ」が感情の出すぎかな、と思います。(髙橋正子)
夏芝に並び停められている車★★★

小口泰與
大沼に翡翠鳴く声絶えずなり★★★
「絶えずなり」は説明なので、描写で示すとよいです。(髙橋正子)
ためらわで翡翠沼へ飛び込みし★★★
空梅雨の空の広さや鳥も居ぬ★★★

7月18日(3名)
多田 有花
片影に真っ赤なポルシェ停めてあり★★★
鬼百合や美術館は閉館中★★★
緑陰に座りいつものティータイム★★★

小口泰與
暑き日の水面を見るやあめんぼう★★★★
耐えがたき噴煙降るや夕暮れは★★★
大木に耳を当てるや夏館★★★

廣田洋一
縁側に円座を敷きて友を待つ★★★★
年取らぬ妻子の前にメロン切る★★★
釣舟や腰越沖の海霧に消ゆ★★★

7月17日(3名)
多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
白南風や街広々とバルコニー★★★★
夏空や東六甲稜線に★★★
飾り石の煙突青葉へ立つ★★★

小口泰與
木刀を手挟む脇や夏の朝★★★
行く水の平らか願ふ鮎の群★★★
浅間へと雷火たばしる夕まずめ★★★

上島祥子
特急の窓を明るく青田邑★★★★
夏野行く方位磁石の頼もしき★★★★
噴水の挨拶かき消す水柱★★★

7月16日(2名)
廣田洋一
電柱の影を片蔭信号待ち★★★
沈まざる夕日に乾杯ビールかな★★★★
水羊羹硝子皿まで冷やしけり★★★

多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
緑青吹く銅板欄間夏座敷★★★
万緑の光を透かせ下地窓★★★★
食堂の天井高し夏館★★★★

7月15日(2名)
多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
大谷石囲む空間の涼し★★★
飾り銅板夏の光をやわらかに★★★
竹筒に額紫陽花のある和室★★★

小口泰與
鳥声につつまる森や夏の朝★★★
たはやすく真夜に起きたり夏の旅★★★
里人みな袴を着けて夏祭★★★

7月14日(3名)
小口泰與
釣人の魚籠は空っぽ夏の朝★★★★
またぐらに手挟む櫂や夏の湖★★★
巖打ってたばしる波や夏の湖★★★

多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
夏の風エントランスを抜けていく★★★
斜張橋の先に真夏の淡路島★★★
万緑に包まれヨドコウ迎賓館★★★★
「ヨドコウ迎賓館」は前書きにあるので、ここは別の表現にするのがいいと思います。(髙橋正子)

廣田洋一
扉開け熱風入る昼下がり★★★
日盛りや公園抜ける風の有り★★★★
侵入の蔓草を刈る梅雨晴間★★★

7月13日(3名)
多田 有花
茄子天ぷら添えて海鮮丼定食★★★
木苺を玄関に植え芦屋の街★★★
ゆっくりと登る盛夏のライト坂★★★

小口泰與
三塁へ駆け込む顔に玉の汗★★★
「玉」が常套的なので惜しいです。(髙橋正子)
我が庭の薔薇の剪定蒼き棘★★★
「青き棘」では言い放しになります。「棘青し」「棘青き」など工夫がいります。(髙橋正子)
山風に水面壊る夏の沼★★★

廣田洋一
雨上がり草刈り鎌の光りけり★★★★
「光りけり」は気づきを述べていて、やや平板な印象です。「光りかな」も考えられます。こちらは、光そのものへの驚き・感嘆・観照を句の中心に据える言い方になります。(髙橋正子)

やわき風青芝渡る昼下がり★★★
古池や木々の緑を映しおり★★★

7月12日(2名)
小口泰與
庭石にたばしる雨の夕立かな★★★★
紫陽花や八塩の里にしっとりと★★★
望遠鏡湯あみの姿とらまえる★★★

多田 有花
明易き朝日は深く部屋にさす★★★
薄紅の小さきカラー玄関に★★★
片影を選び郵便局まで歩く★★★

7月11日(3名)

小口泰與
旅人われ滝の飛沫を浴びており★★★★
百本の薔薇の手入れや雨の中★★★
夕立や洗車いたせし我が愛車★★★

廣田洋一
白靴や灼熱の日を返す★★★
地震後の瓦礫の山や夏の空★★★
濁りたる水を替えたり水中花★★★
「濁りたる」は説明なので省くのが良いと思います。「濁りたる」のイメージが読み手に強くつたわります。(髙橋正子)

多田 有花
酒饅頭残り冷やしてアイスとす★★★
その甘さを楽しみ大粒ブルーベリー★★★
それぞれに傾ぐ角度やグラジオラス★★★★


コメント

  1. 多田 有花
    2026年7月16日 13:17

    正子先生、ご指導いただきありがとうございます。
    「万緑に包まれヨドコウ迎賓館」を
    「万緑に包まれ旧山村家別邸」と変えました。
    ヨドコウ迎賓館はフランク・ロイド・ライトが
    灘の酒造家八代目・山邑太左衛門の依頼を受けて設計したものです。
    芦屋の東六甲に向かう南斜面にあります。

    • 髙橋正子
      2026年7月19日 9:42

      有花さんへ
      ヨドコウ記念館を、ネットの写真でみました。ライトの設計なのですね。
      俳句と言う立場でいうと、もとの句の「ヨドコウ記念館」がリズムがよく、わかりやすいと思います。俳句で何を表現するかは、その人によって違うので、もとの句のままが良いと思います。