NEWご挨拶/8月月例ネット句会を終えて

ご挨拶
●酷暑と言われた夏でした。台風15号が過ぎ去ってからも、天気が不安定で、災害をもたらしました。熊本の地震も暑さので復旧が思うように進まないようです。こんな状況のなか、8月月例ネット句会にご参加いただきありがとうございました。どん状況からも俳句が生まれていることを実感しました。暑さそのものがもたらす、日常でない変化も俳句の素材になっています。暑さのなかにも涼し気な時間や景色があることを知りました。それぞれがお住いのところや、旅先から、変化に富んだ俳句が寄せられたことを嬉しく思いました。

入賞の皆様おめでとうございます。また、選とコメントをありがとうございました。どの句にもコメントを書いてくださり、嬉しいことに加え、それが、俳句の学びになっていることも確かです。よい所を見つけ合って、次の句へつなげたいと思いました。

これで8月月例ネット句会を終わります。今日8月16日から8月31日まで、花冠のネット上での活動はお休みになります。9月1日の再開まで、よい時間をお過ごしください。
これで、8月月例ネット句会を終わります。
2026年8月16日
花冠代表 髙橋正子

■8月月例ネット句会入賞発表■

■8月月例ネット句会入賞発表■
2026年8月10日
【金賞】
12.風青々とんぼ吹かれて田に浮けば/吉田 晃
「とんぼ吹かれて」に風の心地良さを感じる。とんぼは、田の上を飛んでいるのではなく、浮いている。浮いているより、浮かされている自然体が軽やかだ。その結果風が青々としてくるのだ。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
16.田の上に熱帯夜の月熟れるごと/柳原美知子
田の上の月は、涼しさを誘うものだが、熱帯夜では、違ってくる。月が赤みを帯びて「熟れるごと」なのだ。無生物の月が生き物のように熟れる。この感覚が熱帯夜のやりきれない暑さを表現している。(髙橋正子)

27.水馬の清水に逆らう波の紋/上島祥子
清水にいる水馬を見ると、目にもすずしい。その水馬が流れる清水に逆らうと、波の紋が生まれる。水馬の小さな動きに生まれた波紋が絵画のように目に止まる。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
02.石狩川に瀬音高まる秋の風/土橋みよ
石狩川に瀬音が高まっている。秋の風が吹いてくるからなのだ。夏から秋へ急に進んだ季節に、すこし心寂しさを感じる。(髙橋正子)

13.陽が出ればすでに残暑の兆しおり/多田 有花
捉えにくい、目に見えない瞬間を的確に捉えている。残暑というのは、陽が出ればすぐにも暑くなるのだ。「兆しおり」は陽が出た瞬間を捉えて過不足ない。(髙橋正子)

21.炎天や空見上ぐれば目細む/西村友宏
炎天の眩しさが思わず、目を細めさせる。ただ、それだけのことであるが、炎天の厳しさと人間の関係が瞬間に捉えられている。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
02.石狩川に瀬音高まる秋の風/土橋みよ
立秋を過ぎ北海道では一足先に秋が進んでいることでしょう。大河石狩川を渡る秋風の雄大な風景が思い浮かびます。(多田 有花)

12.風青々とんぼ吹かれて田に浮けば/吉田 晃
とんぼがふわふわと青田の上に浮き、青田の風にともに吹かれる心地よさ。猛暑を耐えてようやく爽やかな秋の訪れが実感されるうれしいひとときです。(柳原美知子)

16.田の上に熱帯夜の月熟れるごと/柳原美知子
夏の月は、低い軌道で、地上の風景に馴染んでいます。大きく見えるのは目の錯覚だそうですが、金色に輝く月を「熟れるごと」と表現されたのが、確かにその通りと納得しました。(上島祥子)

27.水馬の清水に逆らう波の紋/上島祥子
あめんぼうの後ろ足から周囲に波紋が立つ様子から、水の清らかな流れが見えるようです。(土橋みよ)

13.陽が出ればすでに残暑の兆しおり/多田 有花
17.白鷺群れ明けの天地をほしいまま/柳原美知子
21.炎天や空見上ぐれば目細む/西村友宏

【入選/7句】
03.早稲の風川の蛇行を横切れり/土橋みよ
早稲の風のやわらかな感覚と、川の蛇行が眼前に広がる光景が、横切れりで繋ぎ合わさる。大きな句だと感じます。(高橋秀之)

04.木洩れ日の明るき園や蝉時雨/廣田洋一
植物園でしょうか。背の高い木が気持ちのいい木陰を作っています。その中では降るような蝉の鳴き声も涼しさを感じさせるものになっています。(多田有花)

08.とんぼ舞う丘をまっすぐ人が行く/高橋秀之
とても広々とした風景の広がりを感じます。見えるのは丘とその人影と飛び交うとんぼのみ。どこまでも歩いていける丘の景色です。(多田有花)

10.晩夏光錆びたドックの錆びた船/吉田 晃
愛媛県といえば日本最大手の今治造船など造船業の盛んなところです。ドックの風景もお馴染みの景色でしょう。錆びた船がドックに入っており、そこに晩夏の日差しが降り注いでいます。(多田 有花)
歴史を重ねた重厚な錆びたドックが晩夏の光を返して輝き、その影の中には錆びた船が静かに姿を留めている。晩夏に漂うさびしさと時の流れを感じ心惹かれます。(柳原美知子)

18.熱風に田の靡きたる原爆忌/柳原美知子
原爆忌前の八月初めの暑さは尋常ではありませんでした。風ももはや「熱風」といえるほどの暑さ。そこにあの日の激しい原爆の熱風が重なります。(多田有花)

19.酷暑かなミルク飲み干す小さき口/西村友宏
今年の夏の暑さも「異常」といえるものでした。連日40℃近くまであがりました。大人もへとへとになる暑さ、赤ちゃんも当然体力を消耗します。
ミルクをぐいぐい飲み干す姿に小さいながらもたくましさを感じられますね。(多田 有花)

26.清流に木漏れ日招く西日かな/上島祥子
一読して涼しげです。西日は強烈な暑さを連想しますが、それが清流の木漏れ日を招いている。思わずほっと息を漏らしてその木漏れ日の様を楽しみます。(多田 有花)

■選者詠/髙橋正子
22.長崎忌海あおあおと開けたり
長崎忌に丘に登ると眼前にあおあおと海が開け、空は澄んですっかり秋となっている。巡りくる季節の確かさと美しさに感動し、心の安らぎを想われ、世の安寧を祈られる丘の上です。(柳原美知子)

23.夕日の坂下りて真菰を買いにゆく
 「夕日の坂下りて」に作者の想いが強く感じられた。盆のお供え物を買いに出たのであるが、日が沈みかけた方へ坂を下っていくのである。その姿に故人への想いが見えている。「夕日の坂」「下りて」「真菰」「買いにゆく」が無駄なくつながっていて、光景がはっきり目に浮かんで来る。一つの無駄もなく、深い味わいのある句だと思う。また一つ勉強をさせていただいた。(吉田 晃)

24.青紫蘇を一枚二枚と重ね採る

互選高点句(5点)
12.風青々とんぼ吹かれて田に浮けば/吉田 晃

集計:髙橋正子
※コメントのない句に、コメントをよろしくお願いいたします。

■8月月例ネット句会清記■

■8月月例ネット句会清記■
2026年8月9日
27句(9名)

01.刈跡へ蜻蛉戻りて同じ円
02.石狩川に瀬音高まる秋の風
03.早稲の風川の蛇行を横切れり
04.木洩れ日の明るき園や蝉時雨
05.入選句集薄き青色夏の果
06.秋立ちぬ朝の日差しは変わらざる
07.夕暮れて友の奏でる夏の歌
08.とんぼ舞う丘をまっすぐ人が行く
09.車窓より夏富士望む岳南車
10.晩夏光錆びたドックの錆びた船

11.丸い瞳の子抱かれて白い夏帽子
12.風青々とんぼ吹かれて田に浮けば
13.陽が出ればすでに残暑の兆しおり
14.初秋の芝生に差せる朝日かな
15.長崎忌祈りの曲を聴く朝
16.田の上に熱帯夜の月熟れるごと
17.白鷺群れ明けの天地をほしいまま
18.熱風に田の靡きたる原爆忌
19.酷暑かなミルク飲み干す小さき口
20.冷房や風船追いて跳ねる吾子

21.炎天や空見上ぐれば目細む
22.長崎忌海あおあおと開けたり
23.夕日の坂下りて真菰を買いにゆく
24.青紫蘇を一枚二枚と重ね採る
25.木曽川の流れ煌めく日盛り
26.清流に木漏れ日招く西日かな
27.水馬の清水に逆らう波の紋

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■8月月例ネット句会ご案内■

■8月月例ネット句会ご案内■
8月月例ネット句会を下記の通り開催しますので、ご参加くださいますよう、ご案内いたします。

期 日  :8月9日(日)
①投句:当季雑詠3句
8月3日(月)午前6時~8月9日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句できます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:8月9(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:8月10日(月)
③伝言・お礼等の投稿は、8月10日(月)~
8月13日(木)
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏