※当季雑詠(夏)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子
●「自由な投句箱・添削教室」は、下方↓ の欄にあります。
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7月20日(1句)
★夏深し燕目覚める午前五時/多田有花
「夏深し」には精神の大きな静かさがあって、その静かさの中の小さい燕の動きが対照的に詠まれている。「午前五時」と時刻の明記は、夏の早朝の涼やかさが目に見える感じとなっている。(髙橋正子)
7月19日
該当句なし。
7月18日(2句)
★暑き日の水面を見るやあめんぼう/小口泰與
暑い日には、水が恋しいくなる。水面に目をやると、あめんぼうが泳ぐのが涼を呼んでいる。(髙橋正子)
★縁側に円座を敷きて友を待つ/廣田洋一
縁側に円座を敷いて、静かに友を待っている。縁側であれば、訪ねて来る友がすぐに見える。円座の涼しさと、友を待つ心の温かさが静かに読まれている。(髙橋正子)
7月17日(2句)
<芦屋・ヨドコウ迎賓館>
★白南風や街広々とバルコニー/多田有花
ヨドコウ迎賓館はライトの設計と知れば、句の味わい方が違ってくる。バルコニーから街が一望でき、梅雨明けが明けた風が吹いて心地良い。その心地良さが句にもある。(髙橋正子)
★特急の窓を明るく青田邑/上島祥子
特急列車の窓から、青田のひろがる邑が見える。「特急の窓を明るく」と青田邑の景色を端的に過不足なく表現できている。鮮明な句。(髙橋正子)
7月16日()
★沈まざる夕日に乾杯ビールかな/廣田洋一
「沈まざる夕日」の措辞に詩がある。乾杯を交わす人の顔も、ビールも、が夕日に輝いている。(髙橋正子)
<芦屋・ヨドコウ迎賓館>
★万緑の光を透かせ下地窓/多田有花
洋館の下地窓から光が透けて、模様が映っているのであろう。その美しさは、万緑に囲まれていれば、静かな光となる。(髙橋正子)
7月15日(2名)
該当句無し
7月14日(1句)
★釣人の魚籠は空っぽ夏の朝/小口泰與
夏の朝、釣り人の魚籠を覗くと、ほかはともかく魚籠は空っぽである。風景のなかでの「空っぽ」は、夏の朝の涼しさ、静けさを呼び込んでいる。そこがよい。(髙橋正子)
7月13日(1句)
★雨上がり草刈り鎌の光りけり/廣田洋一
雨上がりに草を刈ると、草についている雨滴で鎌が濡れ、鎌の刃が日を反射して光る。その光に目をつけた写生が的確な句。(髙橋正子)
7月12日(1句)
★庭石にたばしる雨の夕立かな/小口泰與
「庭石」に着目したのがよい。庭石にたばしる夕立の雨が、映像としてしっかり目に浮かぶ。(髙橋正子)
7月11日(2句)
★旅人われ滝の飛沫を浴びており/小口泰與
清々しい一句です。「旅人われ」と先ず名乗り出ることで、主体の位置が定まり、読者もその場に立ち会うようです。読み手の旅人(作者)の「視線」か「感情」のどちらかがもう一歩前に出ると、より深い句になると思います。(髙橋正子)
★それぞれに傾ぐ角度やグラジオラス/多田 有花
グラジオラスは、丈が伸びるとグラジオラスは、それぞれの角度で傾きます。一本一本の花茎の傾きに目を留めたことで、グラジオラスの群れの立ち姿が立体的に見えてきます。(髙橋正子)
7月20日(2名)
多田 有花
死ぬ夢を静かにみたり真夏の夜★★★★
夏深し燕目覚める午前五時★★★★
住宅の取り壊されし夏真昼★★★
小口泰與
四方より鳥声聞ゆ初夏の朝★★★
水面をすれすれに飛ぶ燕かな★★★
玉浮子にとまる蜻蛉の忙しげに★★★
7月19日(2名)
多田 有花
今日すべきことを始める夏の暁★★★
風通る部屋で昼寝の極楽よ★★★
「極楽よ」が感情の出すぎかな、と思います。(髙橋正子)
夏芝に並び停められている車★★★
小口泰與
大沼に翡翠鳴く声絶えずなり★★★
「絶えずなり」は説明なので、描写で示すとよいです。(髙橋正子)
ためらわで翡翠沼へ飛び込みし★★★
空梅雨の空の広さや鳥も居ぬ★★★
7月18日(3名)
多田 有花
片影に真っ赤なポルシェ停めてあり★★★
鬼百合や美術館は閉館中★★★
緑陰に座りいつものティータイム★★★
小口泰與
暑き日の水面を見るやあめんぼう★★★★
耐えがたき噴煙降るや夕暮れは★★★
大木に耳を当てるや夏館★★★
廣田洋一
縁側に円座を敷きて友を待つ★★★★
年取らぬ妻子の前にメロン切る★★★
釣舟や腰越沖の海霧に消ゆ★★★
7月17日(3名)
多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
白南風や街広々とバルコニー★★★★
夏空や東六甲稜線に★★★
飾り石の煙突青葉へ立つ★★★
小口泰與
木刀を手挟む脇や夏の朝★★★
行く水の平らか願ふ鮎の群★★★
浅間へと雷火たばしる夕まずめ★★★
上島祥子
特急の窓を明るく青田邑★★★★
夏野行く方位磁石の頼もしき★★★★
噴水の挨拶かき消す水柱★★★
7月16日(2名)
廣田洋一
電柱の影を片蔭信号待ち★★★
沈まざる夕日に乾杯ビールかな★★★★
水羊羹硝子皿まで冷やしけり★★★
多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
緑青吹く銅板欄間夏座敷★★★
万緑の光を透かせ下地窓★★★★
食堂の天井高し夏館★★★★
7月15日(2名)
多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
大谷石囲む空間の涼し★★★
飾り銅板夏の光をやわらかに★★★
竹筒に額紫陽花のある和室★★★
小口泰與
鳥声につつまる森や夏の朝★★★
たはやすく真夜に起きたり夏の旅★★★
里人みな袴を着けて夏祭★★★
7月14日(3名)
小口泰與
釣人の魚籠は空っぽ夏の朝★★★★
またぐらに手挟む櫂や夏の湖★★★
巖打ってたばしる波や夏の湖★★★
多田 有花
<芦屋・ヨドコウ迎賓館三句>
夏の風エントランスを抜けていく★★★
斜張橋の先に真夏の淡路島★★★
万緑に包まれヨドコウ迎賓館★★★★
「ヨドコウ迎賓館」は前書きにあるので、ここは別の表現にするのがいいと思います。(髙橋正子)
廣田洋一
扉開け熱風入る昼下がり★★★
日盛りや公園抜ける風の有り★★★★
侵入の蔓草を刈る梅雨晴間★★★
7月13日(3名)
多田 有花
茄子天ぷら添えて海鮮丼定食★★★
木苺を玄関に植え芦屋の街★★★
ゆっくりと登る盛夏のライト坂★★★
小口泰與
三塁へ駆け込む顔に玉の汗★★★
「玉」が常套的なので惜しいです。(髙橋正子)
我が庭の薔薇の剪定蒼き棘★★★
「青き棘」では言い放しになります。「棘青し」「棘青き」など工夫がいります。(髙橋正子)
山風に水面壊る夏の沼★★★
廣田洋一
雨上がり草刈り鎌の光りけり★★★★
「光りけり」は気づきを述べていて、やや平板な印象です。「光りかな」も考えられます。こちらは、光そのものへの驚き・感嘆・観照を句の中心に据える言い方になります。(髙橋正子)
やわき風青芝渡る昼下がり★★★
古池や木々の緑を映しおり★★★
7月12日(2名)
小口泰與
庭石にたばしる雨の夕立かな★★★★
紫陽花や八塩の里にしっとりと★★★
望遠鏡湯あみの姿とらまえる★★★
多田 有花
明易き朝日は深く部屋にさす★★★
薄紅の小さきカラー玄関に★★★
片影を選び郵便局まで歩く★★★
7月11日(3名)
小口泰與
旅人われ滝の飛沫を浴びており★★★★
百本の薔薇の手入れや雨の中★★★
夕立や洗車いたせし我が愛車★★★
廣田洋一
白靴や灼熱の日を返す★★★
地震後の瓦礫の山や夏の空★★★
濁りたる水を替えたり水中花★★★
「濁りたる」は説明なので省くのが良いと思います。「濁りたる」のイメージが読み手に強くつたわります。(髙橋正子)
多田 有花
酒饅頭残り冷やしてアイスとす★★★
その甘さを楽しみ大粒ブルーベリー★★★
それぞれに傾ぐ角度やグラジオラス★★★★
音楽と詩は似ていますが、違うところは、次のようなことではないかと思います。
音楽は音を丁寧に表現する。
詩は丁寧に言葉を省略する。
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7月10日
該当句無し
7月9日(1句)
★擬宝珠の花や一日淡き花/多田有花
擬宝珠のうす紫の花は、その色が一日で色が濃くなったり、うすくなったりすることはありません。一日淡い色で咲き続けています。
そこに擬宝珠の花の慎ましさ、平静さ、また芯の強さが見てとれます。まなざしの静けさがそのまま句境になっています。(髙橋正子)
7月8日
該当句は、ありませんでした。(髙橋正子)
7月7日(2句)
★七夕の願いを結ぶ笹の音/上島祥子
七夕笹に願いの短冊を結ぶときに、さらさらと笹の音がします。
願いを結ぶ行為が、笹の音によって季節の深みに触れる。動作と音が一体になった、七夕らしい句です。(髙橋正子)
函館の七夕
★七夕や子の声渡る路地の空/土橋みよ
函館の七夕がなつかしく蘇る句です。「子の声渡る路地の空」のこ措辞がよくて、声がと空を横切るという捉え方が、函館の七夕の伸びやかな広がりを思い出させます。(髙橋正子)
7月6日(2句)
★作り滝眺めつつゆく好古園/多田有花
「作り滝」が上五にあり、句全体に涼を呼んでいる。「眺めつつゆく」の運動性があって、面白い。(髙橋正子)
★堰落ちる清水の音や途切れ無き/廣田洋一
「途切れ無き」がこの句のよさ。耳に清水の音の涼が残る。(髙橋正子)
7月5日(4句)
★昼顔の雨後の匂える空を向く/川名ますみ
「雨後の匂える」には、強い実感があります。それが句の強みで、読み手の共感を誘います。雨滴を宿した昼顔のみずみずしさが伝わってきます。(髙橋正子)
★郭公や長きすそ野を称えける/小口泰與
大きな景色を捉えながら、抽象的にならず景色を立ち上げているのは成功です。郭公の声がすそ野の長さを称えるように響いています。(髙橋正子)
★睡蓮や葉を揺らしたる鯉のおり/廣田洋一
観察の精度が高いです。睡蓮の葉が揺れていると思い見ると、そこに鯉がいて、揺れていたと言う気づきとその観察が、すずやかに詠まれています。(髙橋正子)
姫路城
★夏の日の真白き連立天守群/多田有花
姫路城の天守群の「真白き連立」の表現は、新しく、現代性があります。姫路城に現代性がもたらされました。(髙橋正子)
7月4日(1句)
★全身に南風受け天守に立つ/多田有花
天守の高さを説明せずに、高さが自然に立ち上がるのは「全身に南風受け」と「立つ」の働きによる。 南風の質感がよく、天守で受ける風のすずしさ、心地よさがそのまま伝わってくる。(髙橋正子)
7月3日(3句)
★鉋引く手力微妙夏の夕/小口泰與
鉋を引く「手力」の加減は、慣れないと難しい。その微妙な力加減がが、なかなか暮れない、少し倦怠感のある夏の夕べの気配によく合っている。(髙橋正子)
★扇風機のめくる古日記午後深し/土橋みよ
扇風機が偶然めくった古日記。時間が過去へ軽くめくられた感じが「午後深し」によく出ている。(髙橋正子)
★半夏生明るきうちに湯を使う/多田有花
「半夏生」と「明るきうちに湯を使う」の気分と気配がよく合っている。生活の律動がいい。(髙橋正子)
7月2日(1句)
★昆布干す浜に広がる青き帯/廣田洋一
浜に立つ作者の目に、干された昆布が一続きの青い帯として現れている。その「見え方」が句の中心で、「青き帯」の直截さが、浜の初夏の気息をそのまま伝えている。(髙橋正子)
7月1日(2句)
★土手道に風生まれたり待宵草/廣田洋一
句が生まれた場所が涼やかに思われます。土手道、風生まれ、待宵草の言葉のやさしさが、句にそよぎを生んでいるのがよいです。(髙橋正子)
★夏野来て道細りゆく国境/小口泰與
夏野をはるばるやって来て、国境に来ると道も細っていき、心細さが湧いてくる。国境と言う特別な場所での思いが伝わってくる。
7月10日(1名)
多田 有花
ガラス器に盛られし鱧の白さかな★★★
神戸牛青唐辛子を載せて来る★★★
歓迎の夕食会は鮨で締め★★★
7月9日(4名)
多田 有花
<姫路城好古園三句>
庭園に青さを深め額の花★★★
擬宝珠の花や一日淡き花★★★★
竹林に薮萱草の点々と★★★
廣田洋一
五月晴きらきら光る潦★★★
願い込め短冊揺れる夏の夕★★★
紫陽花や色変えぬ花咲きいたり★★★
小口泰與
雨に濡れ潤いたもつ花榊★★★
たのみたる雨は降らずや七変化★★★
翡翠の飛び込む姿頼もしき★★★
上島祥子
ベランダの糸瓜の蔓は空に伸び★★★
生垣の朝陽を弾く茂りかな★★★
軽々と母持ち帰るトマト鉢★★★
7月8日(2名)
多田 有花
<姫路城好古園三句>
庭巡りゆけばくちなしの花香る★★★
七月の庭に咲き初め萩の花★★★
半化粧水に親しく群れ咲きぬ★★★
小口泰與
谷蝦の忽と鳴きけり朝まだき★★★
釣り上げし鮎を掴みしたなごころ★★★
たとうれば餌を運びし燕かな★★★
7月7日(4名)
小口泰與
雷雲や長きすそ野の赤城山★★★
上州の風ただならず夏赤城★★★
夏の朝すそ野を称う赤城山★★★
多田 有花
<姫路城好古園三句>
石橋に群がり寄りぬ錦鯉★★★
夏の庭一点赤し猩々蜻蛉
「夏の庭」「一点赤し」「猩々蜻蛉」と切れていますが、これは避けます。二句一章とします。(髙橋正子)
梅雨晴れの陽に赤々とローズヒップ★★★
上島祥子
一葉に一つの願い星今宵★★★
大笹の願いを結ぶ五色糸★★★
この句に季語はありませんが、季感はあります。(髙橋正子)
七夕の願いを結ぶ笹の音★★★★
土橋みよ
七夕や盥の水のまだ暗し★★★
初鰹包丁のひかり俎板に★★★
函館の七夕
七夕や子の声渡る路地の空★★★★
7月6日(3名)
多田 有花
<姫路城好古園三句>
作り滝眺めつつゆく好古園★★★★
御屋敷の庭渡りゆく夏の風★★★
西洋人みな半ズボン観庭台★★★
小口泰與
山端に吊り橋ありて夏の風★★★
たちまちに翡翠沼へ飛び込みし★★★
上州の山たたなわり雲の峰★★★
廣田洋一
妻誘いナイター熱きネット裏★★★
向日葵や三本揃いし園の隅★★★
堰落ちる清水の音や途切れ無き★★★★
7月5日(4名)
川名ますみ
昼顔の雨後の匂える空を向く★★★★
雨音の消え昼顔は空仰ぐ★★★
昼顔の空を仰げば雨後の香に★★★
「香に」の「に」が句を説明的、そして曖昧にしています。(髙橋正子)
小口泰與
郭公や長きすそ野を称えける★★★★
たちまちに釣り上がりたる鯰かな★★★
からからの上州台地夏の風★★★
廣田洋一
睡蓮や葉を揺らしたる鯉のおり★★★★
乾杯の声を弾ませ夏灯し★★★
庭の木をよじ登りたる凌霄花★★★
多田 有花
<姫路城三句>
梅雨晴れのはるかに家島小豆島★★★★
夏の日の真白き連立天守群★★★★
涼風に歴代鯱の並ぶ★★★
7月4日(3名)
廣田洋一
川縁に黄色はためく錦鶏菊★★★
快走艇白波曳きて湘南ヘ★★★
梅雨晴や木の葉の滴光りおり★★★★
小口泰與
夏山へ黒雲現れただならず★★★
「ただならず」が惜しいです。(髙橋正子)
夏野来て野鳥の鳴き声聴きにけり★★★
上州の山たたなはり夏の湖★★★★
多田 有花
<姫路城三句>
友来る梅雨の晴れ間の姫路城★★★
全身に南風受け天守に立つ★★★★
鯱や彼方に見える七月の町★★★
7月3日(4名)
小口泰與
凌駕せる我が庭狭し牡丹かな★★★
山雀の手にきて鳴くや森の朝★★★★
鉋引く手力微妙夏の夕★★★★
廣田洋一
葉の陰に小さく垂れし米茄子★★★
梅雨空にマリーゴールド輝けり★★★
新築の庭に色添うダリアかな★★★
土橋みよ
揺れのあと既読の付きて水羊羹★★★
扇風機のめくる古日記午後深し★★★★
師に告げし言葉余りぬ半夏生★★★
多田 有花
半夏生明るきうちに湯を使う★★★★
百合見上ぐ飛行機雲がその先に★★★
陽を受けてグラジオラスの高く立つ★★★
7月2日(3名)
廣田洋一
五月雨や路傍の草の色深む★★★
昆布干す浜に広がる青き帯★★★★
どこからか湧き出でたるや小蝿飛ぶ★★★
多田 有花
雨あがる中を飛び交う夏つばめ★★★
実るまで頭は垂れぬひまわりよ★★★
紫陽花にあたる日差しの強さかな★★★
小口泰與
空梅雨の上州の山くっきりと★★★
以下2句については、添削欄をご覧ください。(髙橋正子)
滑らかに田植機駆ける田植かな
まなかいの三山見事夏の朝
7月1日(3名)
廣田洋一
朝日浴び同じ姿の百日草★★★
ペチュニアや雨に打たれてペチャンコに★★★
土手道に風生まれたり待宵草★★★★
小口泰與
夏野来て道細りゆく国境★★★★
老農の夏陽を背負い畑を打つ★★★
浅間山覆う夏雲ただならず★★★
多田 有花
潤みつつ梅雨満月の昇り来る★★★★
起床して窓開け放つ夏の朝★★★
虹色の剣地に立てりグラジオラス★★★
7月6日
〇土橋みよ
★踏み台を降りて笊満つ鞘インゲン
網を伝って屋根まで大きく育ったインゲンを、踏み台に上って摘んだ後の実景を詠んだものですが、鞘インゲンは秋の季語なので、今日(7月6日)詠むためにはどのように直したらよいでしょうか。(みよ)
〇お答え(髙橋正子)
●歳時記には「隠元豆」とし、秋の季語になっています。これは、豆として熟したものを指します。歳時記の例句を見ますと、鞘インゲンを詠んだものと思われる句もあります。
●季語を含んだ句について、大まかに二つの詠み方があります。これは主として流派の違いでもあります。
①季語「隠元豆」をはじめに決めておき、その季語で詠む場合。これはホトトギス系の流派が詠む方法です。ですから、季語と実際がずれることはありません。
②一方、私たちのように、実景を見てそれを詠む方法をとると、季語と季節が少しずれることが、ときどきあります。
この場合は、そのまま詠みます。ですが、ここで大切なのは、季節感です。「季感」と言います。これが大事です。「鞘インゲン」となれば、これは青い鞘を思うわけですから、夏のものになります。
●みよさんの今回の句では、鞘インゲンとして詠んでさしつかえないです。これを秋の句とするか、夏の句とするかは、主宰の考えによります。実景を詠んだ場合は、ずれることがあります。
●今回の句の場合、一度に多くを言って少し無理があります。俳句は器が小さいので、一つの事しか言えません。
「踏み台を降りて笊満つ鞘インゲン」の
「踏み台を降りて笊満つ」は、なぜ、踏み台を降りて笊が満つのか、わかりにくいです。語順を変えるとわかりやすくなります。
★踏み台を降りて満ちたる鞘インゲン(正子添削)
★梅雨晴れや葉陰ふくらむズッキーニ(原句)
梅雨晴れや葉陰にふくらむズッキーニ(正子添削)
「葉陰ふくらむ」となった場合、「葉陰」が「ふくらむ」の意味になります。助詞の「に」は省略できません。(髙橋正子)
★明日七夕求肥の星を皿に置く(原句)
★明日七夕求肥の星を皿に置き(正子添削)
「皿に置く」は間違いではありませんが、説明的ですので、余情が少なくなります。「置き」と連用形で止めて余情を出しました。(髙橋正子)
7月1日
〇小口泰與
★空梅雨の上州の山くっきりと★★★
★滑らかに田植機駆ける田植かな(原句)
田植機が滑らに動いている様子ですが、「駆ける」は、速く走る意味ですので、そこまでのスピードはないと思えます。適切な語を選ぶ必要があります。
★滑らかに田植機進み田植かな(正子添削)
★まなかいの三山見事夏の朝(原句)
「見事」が散文てきなので、ここをなおします。
★まなかいの三山あざやか夏の朝(正子添削)