■7月月例ネット句会入賞発表■

■7月月例ネット句会入賞発表■
2026年7月13日
【金賞】
31.有松の浴衣行き交う下駄の音/上島祥子
目にも耳にも涼やかな句。有松絞の浴衣を着た人が大勢行き交う雑踏の揺れや、カラコロ響く下駄の音。賑わいのなかにも下駄の音がいっそうの涼を呼んでいる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
18.梅雨明けの旅荷小さく纏め置く/藤田洋子
梅雨明けと聞いて旅の心が湧く。大げさではない旅支度に、生活の延長としての旅、あるいは家族のもとへ向かう静かな決意が滲んでいる。季語の明るさと心の静けさが美しく重なる句。(髙橋正子)

24.風軽く陽はくっきりと梅雨明ける/多田有花
梅雨明けの瞬間を、身体の感覚で捉えた句。湿気の抜けた風の「軽さ」、迷いなく照り出す陽の「くっきり」が、読み手の感覚にそのまま届く。すくっきり」を光に用いた新鮮さが句を引き締め、季節の切り替わりの明瞭さを鮮やかに描いている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
11.石垣の村に白南風吹き匂う/吉田 晃
「石垣の村」と聞き、私は、愛媛県南端の石垣を積んだ段々畑の村を思い起こす。梅雨が明けて吹く白南風は、潮の香がする。海風の明るさと、石垣のある村の素朴な風景が重なり、梅雨明けの清々しさがよく伝わる句。景と季語が自然に結びついているのがよい。(髙橋正子)

15.梅雨の雷一村いよいよ鎮もれり/柳原美知子
梅雨末期の雷は、梅雨明けを告げる大きな音。その音に気持ちは一瞬神妙になる。「鎮もれり」の描写が、村の静かな時間の流れを感じさせている。激しい雷鳴と静かな村の対比の深さが、この句の深さとなっている。(髙橋正子)

28.昼顔の雨後の匂える空を向く/川名ますみ
「雨後の匂える空」がこの句の生命。雨上がりの空に漂う匂いを、昼顔が向くという姿で捉えた句。昼顔の可憐さと、雨後の空の感覚的な広がりが美しく響き合っている。「匂える空」という表現が、視覚だけでなく嗅覚まで開くようで、句に生命力を与えている。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
20.青葉風コップ傾け小さき手/西村友宏
窓からの心地よい青葉風の中、幼子が小さい手で自分でコップを持ち、傾けてごくごくと飲み物を飲んでいる。ここまで成長したことを喜び、愛しんで見守る父と安心して心をひらく子の温かく明るい情景が目に浮かぶようです。(柳原美知子)

28.昼顔の雨後の匂える空を向く/川名ますみ
雨音の静まる中、世界は「聴覚」から、匂いと色彩が満ちる「感覚」の世界へと切り替わります。その変化を空を仰ぐ野草の昼顔にみるのが 句に生命力を与えていると思いました。(上島祥子)

11.石垣の村に白南風吹き匂う/吉田 晃
15.梅雨の雷一村いよいよ鎮もれり/柳原美知子
18.梅雨明けの旅荷小さく纏め置く/藤田洋子
24.風軽く陽はくっきりと梅雨明ける/多田有花
31.有松の浴衣行き交う下駄の音/上島祥子

【入選/15句】
01.間合いとり二塁を狙う夏の空/廣田洋一
バッテリーの呼吸を観察し、牽制球を警戒しつつ、二塁を狙う一塁ランナー。その姿が「間合いとり」に緊張感をもって表現されています。明るい夏空の下、試合が動き始める気配に、胸が躍ります。(川名ますみ)

02.連なれるビルの灯涼し丸の内/廣田洋一
照りつける日差しが和らぎ、無数に点るビルの灯に、都心の涼やかな静けさが感じられます。(藤田洋子)

06.初蝉の鳴き声響く空を見る/高橋秀之
梅雨があけ、真っ先に聞こえてくるのは蝉の声です。いくつになっても子供の頃の夏休みを連想します。空は真夏、入道雲も午後には立ち上がってきます。(多田有花)

10.機首を上げ機は白南風を海原へ/吉田 晃
梅雨明けの旅でしょうか。沖縄を想像します。盛夏の日差しが降り注ぐ離陸した飛行機はぐんぐんと高度をあげエメラルドグリーンの海の上です。(多田有花)

13.紫陽花剪り水引き結ぶ守りとて/柳原美知子
庭に咲く紫陽花を剪って飾られるのですね。水引を結ばれるというのが何か象徴的で物語を感じます。(多田有花)

16.雨上がり胡瓜の先に花残る/藤田洋子
雨上がりの朝、胡瓜を採ろうと見ると雨露のついた胡瓜の先にはまだみずみずしい黄色い花が残っていてその生命力に驚き、野菜を育てる喜びを改めて感じられる作者です。(柳原美知子)

17.朝に捥ぐトマトの輪切りガラス皿/藤田洋子
朝に捥いだばかりのトマトを輪切りにし、ガラス皿に載せるまでの一連の流れが伺えます。ガラス皿の透明感が、捥ぎたてトマトの瑞々しさをいっそう引き立てます。(高橋秀之)

19.夏服や裾を揺らして二歩三歩/西村友宏
少し大きめの夏服なのでしょうか。裾を揺らしながらも確かな歩みに子どもの成長が感じられます。(高橋秀之)

21.短夜や眠れる吾子の熱き頬/西村友宏
ご一家でお風邪を召され、大変だったようですね。赤ちゃんが熱っぽいながらも、なんとか眠ってくれるとほっとしますね。(多田有花)

22.小さくも向日葵まっすぐに立てり/多田有花
大輪のイメージある向日葵ですが、小さくてもしっかりとした向日葵。真っ直ぐに立てるところに向日葵の強い生命力が見てとれます。(高橋秀之)

23.ほととぎす町の目覚めゆく時刻/多田有花
ほととぎすが鳴くと、まるで町を起こすかのように丁度その時刻にしらじらと町が目覚めていく。鳥は自然の目覚まし時計のようですね。(柳原美知子)

26.イサキおろす俎板に鱗の光飛ぶ/土橋みよ
梅雨の頃が旬のイサキは、この時期油がのって美味しいです。新鮮なイサキをおろしてこれからお刺身でしょうか。(多田有花)

29.紫陽花の紺すくと立ち晴れきたる/川名ますみ
雨の雫が少し残る深い紺色の紫陽花が、空が晴れてくると急に輪郭を取り戻すように生き生きとしてきた様子が想像されました。すくと立った紫陽花の凛とした美しさが印象に残りました。(土橋みよ)

32.絞り染め勧めのままに紗を纏い/上島祥子
 夏の着物を着て涼しげな様が良く見える。紗を纏いが効いている。(廣田洋一)

33.高台に薊咲き満つ開拓碑/上島祥子
開拓碑に厳しい自然を切り開いてきた歴史を想い、周囲を紫色に染めて咲くみずみずしい夏薊にその名残りが感じられ、勇気が湧いてくる晴れ渡った高台が思われます。(柳原美知子)

13.紫陽花剪り水引き結ぶ守りとて/柳原美知子

■選者詠/髙橋正子
07.真っ直ぐに青田の見える車窓なり
ローカル線に乗ってトンネルを抜けて平野部に出たらぱーっと目の前に青田が広がった、その開放感。日本の原風景の一つです。(多田有花)

08.風鈴の短冊夫の名の書かれ
信之先生の俳句が記された短冊でしょうか。ふとした瞬間に追憶がよみがえる、その思いが詰まっています。(多田有花)

09.夕顔のあおき実を売る盆の寺
 身内の人たちと面会できる大切な日。人出はあるが、誰もが静かに行き交う。境内にある小さな店には、暑気払いの食材として夕顔の実を売っている。ふと足を止め大きな実を手に取る。酢の物にして仏様に供え、家族も一緒に味わうのだろう。逝きし人を思い浮かべている静かな雰囲気に魅かれる。(吉田 晃)

互選高点句(6点)
31.有松の浴衣行き交う下駄の音/上島祥子

集計:髙橋正子
※コメントのない句に、コメントをよろしくお願いいたします。

■7月月例ネット句会清記■

■7月月例ネット句会清記■
2026年7月12日
33句(11名)

01.間合いとり二塁を狙う夏の空
02.連なれるビルの灯涼し丸の内
03.ナイターや快投続く九回裏
04.夏の夜辛子蓮根友と分け
05.別の機で飛び立つ思い夏空へ
06.初蝉の鳴き声響く空を見る
07.真っ直ぐに青田の見える車窓なり
08.風鈴の短冊夫の名の書かれ
09.夕顔のあおき実を売る盆の寺
10.機首を上げ機は白南風を海原へ

11.石垣の村に白南風吹き匂う
12.湧く雲と森が広がる窓の夏
13.紫陽花剪り水引き結ぶ守りとて
14.守宮来るガラス戸の山雨にけぶり
15.梅雨の雷一村いよいよ鎮もれり
16.雨上がり胡瓜の先に花残る
17.朝に捥ぐトマトの輪切りガラス皿
18.梅雨明けの旅荷小さく纏め置く
19.夏服や裾を揺らして二歩三歩
20.青葉風コップ傾け小さき手

21.短夜や眠れる吾子の熱き頬
22.小さくも向日葵まっすぐに立てり
23.ほととぎす町の目覚めゆく時刻
24.風軽く陽はくっきりと梅雨明ける
25.盆近し文箱の底の旅の文
26.イサキおろす俎板に鱗の光飛ぶ
27.笑い上戸の肩に桜の実ひとつ
28.昼顔の雨後の匂える空を向く
29.紫陽花の紺すくと立ち晴れきたる
30.雨音の消え昼顔は空仰ぐ

31.有松の浴衣行き交う下駄の音
32.絞り染め勧めのままに紗を纏い
33.高台に薊咲き満つ開拓碑

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
※おことわり  
前書きのある句について
句会では慣例として前書きをつけないで投句します。慣例に従い、前書きをはずしました。ご了承ください。(髙橋正子)

■7月月例ネット句会ご案内■

■7月月例ネット句会ご案内■
7月月例ネット句会を下記の通り開催しますので、ご参加くださいますよう、ご案内いたします。

期 日  :7月12日(日)
①投句:当季雑詠3句
    7月6日(月)午前6時~7月12日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
              ※どなたでも投句できます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月12(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月13日(月)
③伝言・お礼等の投稿は、7月13日(月)~
                 7月16日(木)
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

■6月月例ネット句会/入賞発表■

■6月月例ネット句会/入賞発表■
2026年6月14日
【金賞】
19.草匂う疏水のひかり蛍来る/柳原美知子
「草匂う」に疎水の景色が一気に立ち上がる。疎水を流れながら光る水。その流れの上をほう、ほうと蛍が光ながら飛んで近づいてくる。青草も水に濡れながら、蛍の光を息づかせている。しずかで、なつかしい、日本の失いたくない景色がここにある。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
01.紫陽花の滴に青空うすく差す/高橋秀之
雨のあがった紫陽花にまだ滴が残っている。その滴を観察すると、青空がうすく見える。「青空うすく差す」は、紫陽花に残る雨滴の透明感と美しさを余すところなく表現している。美しい句だ。(髙橋正子)

14.緑陰に人待つ風の心地良し/多田 有花
「緑蔭」という季語が、季節を表わす以上に働いて、人の心に働きかけ、句全体を心地よい風のすずしさで包んでいる。季語「緑蔭」が「人待つ」心を表現していて、待ち人とのたのしい時間が想像される。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.豆植えし庭へ静かに夜半の雨/土橋みよ
「豆植う」は、郭公が鳴いたら豆を植えるなど言われるように、農事の区切りでもある。豆を植えた夜半、しずかに地面を潤して雨が降っている。心もしっとり潤うようで、やすらかな気持ちになるのである。(髙橋正子)

26.蓮の葉の巻きほどけゆく朝陽かな/上島祥子
蓮の巻葉はつやつやと細い。水面から覗いた巻葉は、朝日に当たりながら、ほどけてゆく。巻葉の形も面白いが、しずかにほどける様子は、俳味があって、植物のしずかな動きを見せてくれて、楽しいものだ。(髙橋正子)

16.青葉風手を離れたる吾子一歩/西村友宏
ようやく歩き始めたわが子が、つないでいる手を離れて一歩青葉の風のなかへ歩み出た。歩き始めた子どもの一歩に、手を離した親の緊張感が伝わってくる。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
01.紫陽花の滴に青空うすく差す/高橋秀之
紫陽花の雨雫に映る淡い青空の色と濡れた紫陽花の色が美しく、ひんやりとした質感まで感じられます。透明感と清涼感溢れる滴に心洗われるようです。(柳原美知子)

16.青葉風手を離れたる吾子一歩/西村友宏
わずか一歩が大いなる一歩の赤ちゃんの歩き始め、これを見守る親の、嬉しさと緊張感が伝わってきます。青葉風の良き季節、たくさん歩いてねと願うばかりです。(上島祥子)
 懸命に一歩を踏み出そうとする我が子と、それをうれしそうに見ている両親。その成長を後押しするかのように、青葉風が優しく吹きよせている。(吉田晃)

19.草匂う疏水のひかり蛍来る/柳原美知子
初夏の夕暮れ、用水路の周りに水草が青々と茂っている情景が浮かびます。どこから飛んできたのでしょうか。蛍のほんのりとした発光が水面に映り、静かな日本古来から詠われてきた美しい時間が始まります。(土橋みよ)
草匂うが草が生い茂る疎水を、そしてそんな疎水にどこからともなく蛍が光る。何とも言えない夏の風物詩を視覚からも、嗅覚からも感じさせてくれます。(高橋秀之)

05.名残雨きらきらと白い紫陽花に/吉田晃
何かが過ぎ去っていく惜しさを表すようなしっとりした名残雨が、一方で、白い紫陽花の葉や花を輝かせてくれている情景に静かな余韻を感じました。(土橋みよ)

10.豆植えし庭へ静かに夜半の雨/土橋みよ
14.緑陰に人待つ風の心地良し/多田 有花
26.蓮の葉の巻きほどけゆく朝陽かな/上島祥子

【入選/7句】
02.木陰からこぼれる光ゆるく揺れ/高橋秀之
木漏れ日の揺れというのはいいものです。風が木の葉を揺らしそれが光の揺れとして現れます。穏やかな心地よさ、涼しさを感じます。(多田有花)
※「木陰」は単独では、季語になりません。「夏木陰」のように使います。(髙橋正子)

04.興居島は雨に霞めり青蜜柑/吉田晃
興居島(ごごしま)は、瀬戸内海西部にある忽那諸島で二番目に大きい島。温州ミカンや伊予柑などの栽培で知られています。梅雨のこの時期雨に煙った島の姿が沖合に見えるのでしょう。(多田有花)

06.夏雲の無言の白の高さかな/吉田晃
高く高くふくらんでゆく夏雲は真っ白で、天空から黙って下界の私たちを見おろしているけれど、実は何かを語りかけているようでもあります。「無言の白」に意表をつかれます。(柳原美知子)

07.水瓶の縦横無尽目高かな/小口泰與
わが家もめだかを買っていますが、四角い水槽の中を横から見ています。水瓶を所狭しと縦横無地に泳ぐ様子をきっと上から見ているのでしょう。水槽とは違う目高の活発な動きがそこに感じられます。(高橋秀之)

09.鳴き声の湖面に乗りて夏の鳥/小口泰與
静かな湖面に、さわやかな風に乗って響く夏鳥の声。澄み渡る声の中、湖面に揺れる樹々の緑も美しく、心安らぐ心地よい夏のひと時です。(柳原美知子)

21.夕窓に植田の灯り星光る/柳原美知子
整然と苗が並んだ田に集落の灯りが映っています。視線を空に向ければ星がまたたいています。変わらぬ日本の水田の風景にほっとするものがあります。(多田有花)

25.閉門の木戸越す風や夏柳/上島祥子
閉門の木戸を越すかろやかな夕風が、緑深い夏柳をしずかに揺らしている。夏の夕暮れ時の情趣と涼しさを感じます。(柳原美知子)

■選者詠/髙橋正子
22.雲色というべき紫陽花毬重ね
雲色という、ある意味はっきりしない色こそが紫陽花に似合う。そして、いくつもある雲色の花が毬が重なるように見える。紫陽花の季節感がそこに感じられました。(高橋秀之)

23.紫陽花に青深まりて稿成りぬ
紫陽花の小さな毬が生まれたころから、精魂こめて紡がれてきた大切な作品の草案が、紫陽花の青色の深まりとともに、ようやく完成された喜びが伝わってきます。おめでとうございます。(柳原美知子)

24.汗の子の不意に目覚めて大きな瞳
お孫さんが風邪で発熱されたときの様子と思われます。すやすや眠っていたのが急に目覚め、その瞬間に目があった。その澄んだ瞳の大きさに驚かれたさまが伝わってきます。(多田有花)

互選高点句(5点/同点2句)
16.青葉風手を離れたる吾子一歩/西村友宏
19.草匂う疏水のひかり蛍来る/柳原美知子

集計:髙橋正子

※コメントのない句に、コメントをよろしくお願いいたします。

 

 

■6月月例ネット句会清記■

■6月月例ネット句会清記■
2026年6月14日
27句(9名)

01.紫陽花の滴に青空うすく差す
02.木陰からこぼれる光ゆるく揺れ
03.生協の一株トマト瑞々し
04.興居島は雨に霞めり青蜜柑
05.名残雨きらきらと白い紫陽花に
06.夏雲の無言の白の高さかな
07.水瓶の縦横無尽目高かな
08.風鈴の一斉に鳴る窓辺かな
09.鳴き声の湖面に乗りて夏の鳥
10.豆植えし庭へ静かに夜半の雨

11.夏の市蟹の泡こぼす氷かな
12.赤本をひらく少女に若葉風
13.沿道の桜の切られ梅雨晴間
14.緑陰に人待つ風の心地良し
15.甘夏をさっくり切っていただきぬ
16.青葉風手を離れたる吾子一歩
17.更衣吾子の半袖風を切る
18.梅雨深し雨宿りする吾子と我
19.草匂う疏水のひかり蛍来る
20.薬味摘み昼餉はひとりの冷奴
21.夕窓に植田の灯り星光る
22.雲色というべき紫陽花毬重ね
23.紫陽花に青深まりて稿成りぬ
24.汗の子の不意に目覚めて大きな瞳 
25.閉門の木戸越す風や夏柳
26.蓮の葉の巻きほどけゆく朝陽かな
27.半夏生古碑へと続く道遠し

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

 

 

■6月月例ネット句会ご案内■

■6月月例ネット句会ご案内■
6月月例ネット句会を下記の通り開催しますので、ご参加くださいますよう、ご案内いたします。

期 日  :6月14日(日)
①投句:当季雑詠3句
    6月8日(月)午前6時~6月14日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
              ※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月14(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月14日(日)
③伝言・お礼等の投稿は、6月15日(月)~
                 6月18日(木)
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

ご挨拶/芍薬忌

このたび、第3回芍薬忌句会にご参加いただき、ありがとうございました。また、それぞれのかたに忌日詠をいただき、嬉しく、お礼申し上げます。
 はやいもので、信之先生が亡くなられて3年が過ぎました。皆様には、
信之先生の思い出などを句に詠んでいただき、喜んでいることと思います。
また、ご投句、選、それにコメントをありがとうございました。入賞の皆様、おめでとうございます。どの句にも、コメントいただきました。コメントに励まされます。
 五月も終わりになり、急に暑くなる日もあるようになりました。季節の変わり目、お体に気をつけてご健吟ください。
ご参加ありがとうございました。
2026年5月28日
花冠代表 高橋正子

■第3回芍薬忌ネット句会/入賞発表■

■第3回芍薬忌ネット句会入賞発表■
2026年5月24日
【金賞】
10.石楠花の玻璃一枚を咲きあふる/川名ますみ
石楠花の淡いピンクの花と玻璃が触れあう、光のような繊細な透明感が、「咲きあふる」とやわらかく受け止められている。透明感ある美しさの句で、精神の高さを感じさせてくれる。(髙橋正子)

【銀賞/1句】
21.青鷺の明けゆく水に佇つ忌日/柳原美知子
青鷺」と「明けゆく水」の色彩感、そして「水に佇つ」静けさが、故人を偲ぶ忌日にふさわしい。しずかで、品位のある佇まいをもつ一句である。(髙橋正子)

28.植付けし蜜柑若木の花真白/藤田洋子
手植えした蜜柑の若木に真っ白い花がつき、未来への期待が感じられる。景色は地味であるが、地味であるからこそ成り立つ「花真白」の強さがある。「花真白」には、白の色だけでなく、匂いの冴えもおのずと読みとれ、若木の存在をいっそう強めている。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
04.青山椒しごく指先香りけり/土橋みよ
季節を楽しむ生活の実感が確かに詠まれた句。「青山椒」がさわやかで、「指先香りけり」が、季節の愉しさを自然に伝えている。(髙橋正子)

09.自転車を止める音あり初夏の夜/高橋秀之
初夏の夜、自転車のスタンドをカチッと言わせて止める音が聞こえた。その一つの音が、初夏の夜を象徴する音となっている。その見事さは、無作為の美によるものであろう。(髙橋正子)

25.夏の風干されて小さき白い靴/吉田晃
「干されて」の使い方が洗練されている。夏の風に干されて、一呼吸おいて見ると、それが「小さい白い靴」なのだ。その無垢な可愛さが自然に立ち上がってくる句だ。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
07.こんがりと香る藁焼き初鰹/高橋秀之
美味しそうです。藁焼きの香りと初鰹の旨味。今の季節ならではの醍醐味です。(多田有花)

09.自転車を止める音あり初夏の夜/高橋秀之
静かな夜、外で自転車を止める音がする。生活音にほっとするとともに、ドラマも始まりそうな「初夏の夜」です。(川名ますみ)

10.石楠花の玻璃一枚を咲きあふる/川名ますみ
ガラス戸の向こうでいっぱいに咲く石楠花その圧倒的な美しさが伝わってきます。(多田有花)
見事に咲く石楠花の華やかな美しさ。玻璃一枚の季節の明るい彩りが眩しく目に映ります。(藤田洋子)
石楠花が明るく咲いている外の様子と、それガラス越しに見る詠者を想像して、光陰を強く感じます。(上島祥子)

25.夏の風干されて小さき白い靴/吉田晃
白い靴なので、学校で使う子ども用の靴なのでしょう。洗うことが多い靴も夏の風ですっきりと乾くのではないでしょうか。(高橋秀之)

04.青山椒しごく指先香りけり/土橋みよ
21.青鷺の明けゆく水に佇つ忌日/柳原美知子
28.植付けし蜜柑若木の花真白/藤田洋子

【入選/10句】
01.上流へ駆ける稚魚居り春の川/小口泰與
川をのぞき込めばそこに稚魚の群れて遡る姿がありました。生命の躍動の一端を身近に感じられています。(多田有花)

02.花びらに蕊の影あり二輪草/小口泰與
山野に自生する小さく可憐な二輪草。白い花びらと蕊を捉えた描写に、日陰に咲く二輪草の控え目な愛らしさを感じられます。(藤田洋子)

06.夕暮れて出会い頭の春の鹿/土橋みよ
夕暮れの穏やかな時間ふと出会われた春の鹿。冬毛から替わる春の鹿ならではの静かな柔らかな趣きを感じ取れます。(藤田洋子)

13.赤白黄色とりどりの満開ばら園に/多田有花
薔薇園に咲き誇る色鮮やかな満開の薔薇と漂う芳香に、自ずと心明るくなれます。豊かな薔薇の季節を迎えた喜びが伝わります。(藤田洋子)

16.黄菖蒲の神池めぐる水鏡/上島祥子
「神池めぐる水鏡」が神聖でとても格調高く、さらに、黄菖蒲の色合いが鮮やかでまるで絵葉書のように美しい光景が浮かび上がりました。(土橋みよ)

17.若葉風水路に抜ける香の青し/上島祥子
 稲作の仕事が多忙になる季節。水路はきれいな琉水に満たされていて、切られた畦から水が入っていく。「香の青し」そのものの風景がある。(吉田 晃)

19.指で割く釣果の豆鯵さくら色/柳原美知子
どなたかが釣りに行かれたのですね。そこで釣り上げられた小さな鯵を指で割いて下ごしらえをされます。その鯵の身の色合いが目に浮かびます。(多田有花)

26.水脈真白離岸の島の花蜜柑/吉田晃
島の花蜜柑の香りに包まれ、離岸する水脈が夏海の碧さに煌めく、のどかで美しい情景が目に浮かびます。(柳原美知子)

29.花蜜柑授乳の母子の窓辺より/藤田洋子
赤ちゃんにお母さんが授乳している静かな窓辺。窓の外の花蜜柑の香りが相まって母と子の温もりを感じる素敵なひとときですね。(高橋秀之)

30.濯ぎもの蜜柑の花の香の近く/藤田洋子
庭先の近くに蜜柑の木があるのでしょうか。濯ぎをしているときに、漂ってくる花蜜柑の香り。晴れの日の気持ちよい空間に清々しさを感じる句です。(高橋秀之)

■選者詠/髙橋正子
24.今年竹にごれる空を透かしたり/髙橋正子
今年竹がみずみずしい緑色となり、大空へすっくと伸びている。光を纏ったその姿は、どんよりと濁った空をも浄化し、透明にしてくれるようです。初夏の力強さとさわやかさを今年竹に感じられる作者です。(柳原美知子)
22.囀りにゆらぎ立ちたりヒメジョオン
23.階の青葉若葉のうす暗がり

互選高点句(6点)
10.石楠花の玻璃一枚を咲きあふる/川名ますみ

集計:髙橋正子
※それぞれの句に、コメントをありがとうございました。

■第3回芍薬忌/忌日詠■

■第3回芍薬忌/忌日詠■
2026年5月24日
偉大なる師の影追うて春の旅/小口泰與

芍薬や開く句集に香の移る/土橋みよ
芍薬忌句評に残る師のことば/高橋秀之
風の音に心遊ばす新樹蔭/川名ますみ
芍薬忌もっともここち良きころと/多田有花
芍薬の忌日に重し花鋏/上島祥子
「あのね」の声ふと蘇る芍薬忌/柳原美知子
先生もきっと来ている麦の秋/吉田晃
水揚げし芍薬ほぐれ師を偲ぶ/藤田洋子
亡き夫の居るかに芍薬うすくれない/髙橋正子

御礼
みなさまから、お心のこもった忌日詠をお供えいただき、ありがとうございました。色紙に書いて、仏前に供えました。信之先生も喜んでおられると思います。心よりお礼を申し上げます。
2026年5月26日
花冠代表 高橋正子

■第3回芍薬忌ネット句会清記■

■第3回芍薬忌ネット句会清記■
2026年5月24日
30句(10名)

01.上流へ駆ける稚魚居り春の川
02.花びらに蘂の影あり二輪草
03.水温むほろほろ落ちる崖の水
04.青山椒しごく指先香りけり
05.サツキ散り紫蘭の庭となりにけり
06.夕暮れて出会い頭の春の鹿
07.こんがりと香る藁焼き初鰹
08.語りゆく久屋通に初夏の風
09.自転車を止める音あり初夏の夜
10.石楠花の玻璃一枚を咲きあふる

11.譲られし許多の鉢に薔薇鉢も
12.そぼ濡れて青葉の香せし介護士来
13.赤白黄色とりどり満開ばら園に
14.快晴や薔薇の数多の咲き競う
15.ばら咲けば人集いたりばら園に
16.黄菖蒲の神池めぐる水鏡
17.若葉風水路に抜ける香の青し
18.一閃の影に覚える夏燕
19.指で割く釣果の豆鯵さくら色
20.古代の楠新樹となりて境内に

21.青鷺の明けゆく水に佇つ忌日
22.囀りにゆらぎ立ちたりヒメジオン
23.階の青葉若葉のうす暗がり
24.今年竹にごれる空を透かしたり
25.夏の風干されて小さき白い靴
26.水脈真白離岸の島の花蜜柑
27.麦秋の香を刈り進む鷺もいて
28.植付けし蜜柑若木の花真白
29.花蜜柑授乳の母子の窓辺より
30.濯ぎもの蜜柑の花の香の近く

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