音楽と詩は似ていますが、違うところは、次のようなことではないかと思います。
音楽は音を丁寧に表現する。
詩は丁寧に言葉を省略する。
※当季雑詠(夏)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子
●「自由な投句箱・添削教室」は、下方↓ の欄にあります。
7月10日
該当句無し
7月9日(1句)
★擬宝珠の花や一日淡き花/多田有花
擬宝珠のうす紫の花は、その色が一日で色が濃くなったり、うすくなったりすることはありません。一日淡い色で咲き続けています。
そこに擬宝珠の花の慎ましさ、平静さ、また芯の強さが見てとれます。まなざしの静けさがそのまま句境になっています。(髙橋正子)
7月8日
該当句は、ありませんでした。(髙橋正子)
7月7日(2句)
★七夕の願いを結ぶ笹の音/上島祥子
七夕笹に願いの短冊を結ぶときに、さらさらと笹の音がします。
願いを結ぶ行為が、笹の音によって季節の深みに触れる。動作と音が一体になった、七夕らしい句です。(髙橋正子)
函館の七夕
★七夕や子の声渡る路地の空/土橋みよ
函館の七夕がなつかしく蘇る句です。「子の声渡る路地の空」のこ措辞がよくて、声がと空を横切るという捉え方が、函館の七夕の伸びやかな広がりを思い出させます。(髙橋正子)
7月6日(2句)
★作り滝眺めつつゆく好古園/多田有花
「作り滝」が上五にあり、句全体に涼を呼んでいる。「眺めつつゆく」の運動性があって、面白い。(髙橋正子)
★堰落ちる清水の音や途切れ無き/廣田洋一
「途切れ無き」がこの句のよさ。耳に清水の音の涼が残る。(髙橋正子)
7月5日(4句)
★昼顔の雨後の匂える空を向く/川名ますみ
「雨後の匂える」には、強い実感があります。それが句の強みで、読み手の共感を誘います。雨滴を宿した昼顔のみずみずしさが伝わってきます。(髙橋正子)
★郭公や長きすそ野を称えける/小口泰與
大きな景色を捉えながら、抽象的にならず景色を立ち上げているのは成功です。郭公の声がすそ野の長さを称えるように響いています。(髙橋正子)
★睡蓮や葉を揺らしたる鯉のおり/廣田洋一
観察の精度が高いです。睡蓮の葉が揺れていると思い見ると、そこに鯉がいて、揺れていたと言う気づきとその観察が、すずやかに詠まれています。(髙橋正子)
姫路城
★夏の日の真白き連立天守群/多田有花
姫路城の天守群の「真白き連立」の表現は、新しく、現代性があります。姫路城に現代性がもたらされました。(髙橋正子)
7月4日(1句)
★全身に南風受け天守に立つ/多田有花
天守の高さを説明せずに、高さが自然に立ち上がるのは「全身に南風受け」と「立つ」の働きによる。 南風の質感がよく、天守で受ける風のすずしさ、心地よさがそのまま伝わってくる。(髙橋正子)
7月3日(3句)
★鉋引く手力微妙夏の夕/小口泰與
鉋を引く「手力」の加減は、慣れないと難しい。その微妙な力加減がが、なかなか暮れない、少し倦怠感のある夏の夕べの気配によく合っている。(髙橋正子)
★扇風機のめくる古日記午後深し/土橋みよ
扇風機が偶然めくった古日記。時間が過去へ軽くめくられた感じが「午後深し」によく出ている。(髙橋正子)
★半夏生明るきうちに湯を使う/多田有花
「半夏生」と「明るきうちに湯を使う」の気分と気配がよく合っている。生活の律動がいい。(髙橋正子)
7月2日(1句)
★昆布干す浜に広がる青き帯/廣田洋一
浜に立つ作者の目に、干された昆布が一続きの青い帯として現れている。その「見え方」が句の中心で、「青き帯」の直截さが、浜の初夏の気息をそのまま伝えている。(髙橋正子)
7月1日(2句)
★土手道に風生まれたり待宵草/廣田洋一
句が生まれた場所が涼やかに思われます。土手道、風生まれ、待宵草の言葉のやさしさが、句にそよぎを生んでいるのがよいです。(髙橋正子)
★夏野来て道細りゆく国境/小口泰與
夏野をはるばるやって来て、国境に来ると道も細っていき、心細さが湧いてくる。国境と言う特別な場所での思いが伝わってくる。
7月10日(1名)
多田 有花
ガラス器に盛られし鱧の白さかな★★★
神戸牛青唐辛子を載せて来る★★★
歓迎の夕食会は鮨で締め★★★
7月9日(4名)
多田 有花
<姫路城好古園三句>
庭園に青さを深め額の花★★★
擬宝珠の花や一日淡き花★★★★
竹林に薮萱草の点々と★★★
廣田洋一
五月晴きらきら光る潦★★★
願い込め短冊揺れる夏の夕★★★
紫陽花や色変えぬ花咲きいたり★★★
小口泰與
雨に濡れ潤いたもつ花榊★★★
たのみたる雨は降らずや七変化★★★
翡翠の飛び込む姿頼もしき★★★
上島祥子
ベランダの糸瓜の蔓は空に伸び★★★
生垣の朝陽を弾く茂りかな★★★
軽々と母持ち帰るトマト鉢★★★
7月8日(2名)
多田 有花
<姫路城好古園三句>
庭巡りゆけばくちなしの花香る★★★
七月の庭に咲き初め萩の花★★★
半化粧水に親しく群れ咲きぬ★★★
小口泰與
谷蝦の忽と鳴きけり朝まだき★★★
釣り上げし鮎を掴みしたなごころ★★★
たとうれば餌を運びし燕かな★★★
7月7日(4名)
小口泰與
雷雲や長きすそ野の赤城山★★★
上州の風ただならず夏赤城★★★
夏の朝すそ野を称う赤城山★★★
多田 有花
<姫路城好古園三句>
石橋に群がり寄りぬ錦鯉★★★
夏の庭一点赤し猩々蜻蛉
「夏の庭」「一点赤し」「猩々蜻蛉」と切れていますが、これは避けます。二句一章とします。(髙橋正子)
梅雨晴れの陽に赤々とローズヒップ★★★
上島祥子
一葉に一つの願い星今宵★★★
大笹の願いを結ぶ五色糸★★★
この句に季語はありませんが、季感はあります。(髙橋正子)
七夕の願いを結ぶ笹の音★★★★
土橋みよ
七夕や盥の水のまだ暗し★★★
初鰹包丁のひかり俎板に★★★
函館の七夕
七夕や子の声渡る路地の空★★★★
7月6日(3名)
多田 有花
<姫路城好古園三句>
作り滝眺めつつゆく好古園★★★★
御屋敷の庭渡りゆく夏の風★★★
西洋人みな半ズボン観庭台★★★
小口泰與
山端に吊り橋ありて夏の風★★★
たちまちに翡翠沼へ飛び込みし★★★
上州の山たたなわり雲の峰★★★
廣田洋一
妻誘いナイター熱きネット裏★★★
向日葵や三本揃いし園の隅★★★
堰落ちる清水の音や途切れ無き★★★★
7月5日(4名)
川名ますみ
昼顔の雨後の匂える空を向く★★★★
雨音の消え昼顔は空仰ぐ★★★
昼顔の空を仰げば雨後の香に★★★
「香に」の「に」が句を説明的、そして曖昧にしています。(髙橋正子)
小口泰與
郭公や長きすそ野を称えける★★★★
たちまちに釣り上がりたる鯰かな★★★
からからの上州台地夏の風★★★
廣田洋一
睡蓮や葉を揺らしたる鯉のおり★★★★
乾杯の声を弾ませ夏灯し★★★
庭の木をよじ登りたる凌霄花★★★
多田 有花
<姫路城三句>
梅雨晴れのはるかに家島小豆島★★★★
夏の日の真白き連立天守群★★★★
涼風に歴代鯱の並ぶ★★★
7月4日(3名)
廣田洋一
川縁に黄色はためく錦鶏菊★★★
快走艇白波曳きて湘南ヘ★★★
梅雨晴や木の葉の滴光りおり★★★★
小口泰與
夏山へ黒雲現れただならず★★★
「ただならず」が惜しいです。(髙橋正子)
夏野来て野鳥の鳴き声聴きにけり★★★
上州の山たたなはり夏の湖★★★★
多田 有花
<姫路城三句>
友来る梅雨の晴れ間の姫路城★★★
全身に南風受け天守に立つ★★★★
鯱や彼方に見える七月の町★★★
7月3日(4名)
小口泰與
凌駕せる我が庭狭し牡丹かな★★★
山雀の手にきて鳴くや森の朝★★★★
鉋引く手力微妙夏の夕★★★★
廣田洋一
葉の陰に小さく垂れし米茄子★★★
梅雨空にマリーゴールド輝けり★★★
新築の庭に色添うダリアかな★★★
土橋みよ
揺れのあと既読の付きて水羊羹★★★
扇風機のめくる古日記午後深し★★★★
師に告げし言葉余りぬ半夏生★★★
多田 有花
半夏生明るきうちに湯を使う★★★★
百合見上ぐ飛行機雲がその先に★★★
陽を受けてグラジオラスの高く立つ★★★
7月2日(3名)
廣田洋一
五月雨や路傍の草の色深む★★★
昆布干す浜に広がる青き帯★★★★
どこからか湧き出でたるや小蝿飛ぶ★★★
多田 有花
雨あがる中を飛び交う夏つばめ★★★
実るまで頭は垂れぬひまわりよ★★★
紫陽花にあたる日差しの強さかな★★★
小口泰與
空梅雨の上州の山くっきりと★★★
以下2句については、添削欄をご覧ください。(髙橋正子)
滑らかに田植機駆ける田植かな
まなかいの三山見事夏の朝
7月1日(3名)
廣田洋一
朝日浴び同じ姿の百日草★★★
ペチュニアや雨に打たれてペチャンコに★★★
土手道に風生まれたり待宵草★★★★
小口泰與
夏野来て道細りゆく国境★★★★
老農の夏陽を背負い畑を打つ★★★
浅間山覆う夏雲ただならず★★★
多田 有花
潤みつつ梅雨満月の昇り来る★★★★
起床して窓開け放つ夏の朝★★★
虹色の剣地に立てりグラジオラス★★★
7月6日
〇土橋みよ
★踏み台を降りて笊満つ鞘インゲン
網を伝って屋根まで大きく育ったインゲンを、踏み台に上って摘んだ後の実景を詠んだものですが、鞘インゲンは秋の季語なので、今日(7月6日)詠むためにはどのように直したらよいでしょうか。(みよ)
〇お答え(髙橋正子)
●歳時記には「隠元豆」とし、秋の季語になっています。これは、豆として熟したものを指します。歳時記の例句を見ますと、鞘インゲンを詠んだものと思われる句もあります。
●季語を含んだ句について、大まかに二つの詠み方があります。これは主として流派の違いでもあります。
①季語「隠元豆」をはじめに決めておき、その季語で詠む場合。これはホトトギス系の流派が詠む方法です。ですから、季語と実際がずれることはありません。
②一方、私たちのように、実景を見てそれを詠む方法をとると、季語と季節が少しずれることが、ときどきあります。
この場合は、そのまま詠みます。ですが、ここで大切なのは、季節感です。「季感」と言います。これが大事です。「鞘インゲン」となれば、これは青い鞘を思うわけですから、夏のものになります。
●みよさんの今回の句では、鞘インゲンとして詠んでさしつかえないです。これを秋の句とするか、夏の句とするかは、主宰の考えによります。実景を詠んだ場合は、ずれることがあります。
●今回の句の場合、一度に多くを言って少し無理があります。俳句は器が小さいので、一つの事しか言えません。
「踏み台を降りて笊満つ鞘インゲン」の
「踏み台を降りて笊満つ」は、なぜ、踏み台を降りて笊が満つのか、わかりにくいです。語順を変えるとわかりやすくなります。
★踏み台を降りて満ちたる鞘インゲン(正子添削)
★梅雨晴れや葉陰ふくらむズッキーニ(原句)
梅雨晴れや葉陰にふくらむズッキーニ(正子添削)
「葉陰ふくらむ」となった場合、「葉陰」が「ふくらむ」の意味になります。助詞の「に」は省略できません。(髙橋正子)
★明日七夕求肥の星を皿に置く(原句)
★明日七夕求肥の星を皿に置き(正子添削)
「皿に置く」は間違いではありませんが、説明的ですので、余情が少なくなります。「置き」と連用形で止めて余情を出しました。(髙橋正子)
7月1日
〇小口泰與
★空梅雨の上州の山くっきりと★★★
★滑らかに田植機駆ける田植かな(原句)
田植機が滑らに動いている様子ですが、「駆ける」は、速く走る意味ですので、そこまでのスピードはないと思えます。適切な語を選ぶ必要があります。
★滑らかに田植機進み田植かな(正子添削)
★まなかいの三山見事夏の朝(原句)
「見事」が散文てきなので、ここをなおします。
★まなかいの三山あざやか夏の朝(正子添削)
自由な投句箱の評価方法変更について(7月1日より)
日頃よりご投句をありがとうございます。 これまで自由な投句箱への評価は、髙橋正子の任意により毎日行ってまいりましたが、 創作活動と編集作業の時間を確保するため、また体調管理のため、 7月1日より、週2回にまとめて評価する形へ変更いたします。 引き続き丁寧に拝読し、秀句にはコメントを添えます。
添削は希望者のみ、月1回・一人10句までといたします。 投句箱内に「添削欄」を設けますので、添削を希望する句のみ、そちらにお送りください。 要望のない句には添削はいたしません。
これらはすべて年会費3万円に含まれ、追加の添削料は不要です。 無理のない形で、今後も皆さまの俳句を大切に拝読してまいります。 どうぞよろしくお願いいたします。
花冠 髙橋正子
※当季雑詠(夏)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子
6月30日(3句)
★短夜や亡母(はは)より電話来たりける/廣田洋一
明け易い短夜。亡き母から電話が来た夢を見た。母へのかそかな思いが「電話きたりける」によって、よく伝わってくる。(髙橋正子)
★蚊取線香つけて夕餉に向かいけり/多田有花
この句の面白さは、「夕餉に向かいけり」。蚊取線香をつけ、食卓の準備もでき、用意万端で「夕餉に向かう」のである。その特別感が、夏の夕べに時間をゆたかに思わせてくれる。(髙橋正子)
大中寺
★山門を仰ぎ浴びけり青時雨/土橋みよ
大中寺の前書きが効いていて、山門を「仰ぎ」、その山門が高いので、梅雨の雨を浴びてしまったのだ。青時雨の言葉も美しく、よく整った一句。(髙橋正子)
6月29日(1句)
★送電線の管理忙し梅雨晴間/多田有花
たとえ見たとしても、句に起こすことを思いつかない場面ですが、それを見逃さず、句にしたのは、生活詠として見事です。梅雨の晴れ間にすることは、洗濯ばかりではない、送電線の管理もそのひとつ。人間生活の多様さがわかる句です。(髙橋正子)
6月28日
※該当句無し
6月27日(1句)
★水田へ映り来たるや大夕焼/廣田洋一
「映り来たる」の「来たる」に夕焼けの大きな動きが宿り、水田へと迫る光の広がりが鮮やかに立ち上がっている。(髙橋正子)
6月26日(1句)
★梅雨の朝支度に馴染む雨の音/上島祥子
梅雨の雨が降り続くと、それが毎日のこととなり、日常となる。
雨音が朝の支度の手元に自然と溶け込み、梅雨の深まりが静かに立ち上がっている。(髙橋正子)
6月25日(3句)
★履きなれし白靴磨き旅支度/廣田洋一
旅に出る前のわくわくした気持ちが、白靴を磨くことに始まっている。「白靴」であるので、軽やかな夏の旅が想像できる。気持ちが軽やかなのがいい。(髙橋正子)
★しし唐や葉裏葉裏に実の伸びて/土橋みよ
しし唐が育ってゆくのを楽しみにしていることが無理なく伝わってくる。どうかなと葉裏をひとつひとつ見てゆく仕草に、植物に対するやさしさが見える。(髙橋正子)
★亀の子の腹見せ手足ばらつかせ/小口泰與
亀の子を面白がって見ているのだろう。亀の子の動きの観察がこまかく、読んでいるものにも、亀の子の様子がじかに伝わる。「ばらつかせ」はユーモアがあって、楽しくなる。(髙橋正子)
6月24日(3句)
★熱々の天ぷら海老鯛夏野菜/多田有花
「熱々」がまず上五に置かれ、揚げたての熱さが読む者にじかに伝わってくる。上五に置いたのは成功である。説明語がなく、名詞を見た順に並べただけで成立した成功の俳句。てんぷらのからりと揚がった感じと響き合っている。(髙橋正子)
★夏空に聳ゆる浅間清清し/小口泰與
夏空と清清しで、景が一気に清涼になり、聳え立つ浅間山が濁りなく詠まれているのがよい。これも句に説明語がないからである。(髙橋正子)
★青々と唐黍畑の広がれり/廣田洋一
「青々と」が上五に置かれ、唐黍の茂る葉の量感がまず読み手に伝わってくる。これは「青々と」感じた作者の気持ちが強く、率直に言い表わされたもので、それでこの句は十分なのである。「広がれり」がさらりとして、唐黍畑に吹く風の感じが表現されている。(髙橋正子)
6月23日(2句)
★とんぼうの好む石らし法の池/廣田洋一
とんぼは、しばらく観察していると、例えば石があると、飛び立っては、また戻り同じ石に止まることを繰り返すことがある。その様子から、とんぼは、あの石が好きなんだろうと思いが至る。とんぼと同じ世界に入る楽しさがある。(髙橋正子)
★夏負けや友の土産のメロン割る/土橋みよ
夏負けで体がしっかりしない。友が土産に持ってきてくれメロンを楽しみ冷やしていたのか。こんな時こそ食べようと割った。みずみずしいメロンが涼しげな果肉が想像できる。(髙橋正子)
6月22日(3句)
★茄子の葉の深みに潜むミスジ蝶/土橋みよ
「茄子の葉の深み」にミスジ蝶の息づかいが聞こえるようで、ここは実景が目に見えるようで効果的な表現。(髙橋正子)
★山風に忽と鳴きけり時鳥/小口泰與
「時鳥」は鳴くときは、ひっきりなしに鳴いているイメージがあるが、この句は、「忽と」鳴きけりなのだ。不意に鳴く時鳥は山風に誘われるように鳴いている。時鳥と山風の触れあいが自然の奥行を感じさせてくれている。(髙橋正子)
<伊勢神宮外宮>
★花菖蒲満開外宮まがたま池/多田有花
「まがたま池」が外宮の神聖さをそのまま感じさせている。そこに紫色の花菖蒲が満開で、「紫色」のあふれて、まさに神域の気配が
立ち上っている。語彙の並列だけからも、句が成り立つ妙がある。(髙橋正子)
6月21日(2句)
<お木曳陸曳>
★丁寧に陸曳の綱巻き涼し/多田有花
「丁寧に・・巻き」には、陸曳の丁寧な観察がある。行事の際にはその雰囲気に飲まれて、丁寧な観察は難しいが、冷静に景色を見ていて、神聖さが醸す「涼し」に広がりがあるのがよい。(髙橋正子)
★柿の花こぼるる数や石段へ/小口泰與
見たところの情景が素直に写生され、それがこの句の涼し気な気配にマッチしている。句意は平易で誰にもわかり、景色も皆に共有される景色。それが濁らずに伝わるのがよい。(髙橋正子)