9月7日(3名)
廣田洋一
避難せよと警報の鳴る秋の雨★★★
大仏の横の木立や法師蝉★★★
ロンドンの街中で買う林檎かな★★★
小口泰與
ともかくも蜻蛉の目玉くるくると★★★
落鮎を伴う雲や蒼き空★★★
活発な泳ぎを見せる秋目高★★★
多田有花
つゆ草や人の心は変わるもの★★★
万寿菊斜めに咲いて白露かな★★★
南海に台風迷走しつつあり★★★
9月6日(5名)
多田有花
やまぼうし紅葉初めにし市営住宅★★★
一日花長く咲きつぎ木槿かな★★★
玄関に長靴南瓜並べ置く★★★★
廣田洋一
山萩や雨の滴の零れおり★★★
遡上する鮭を見むとて釧路まで★★★
一房ずつ紙に包まれ葡萄かな★★★
上島祥子
折り紙の栞を挟む秋新書★★★★
弱冷の車両にせわし秋扇★★★
湧水の両手に甘く水の秋★★★
川名ますみ
秋夕焼雲の移れる色かたち★★★
薄紅の見る間に藍へ秋夕焼★★★★
声を上げ人と見つめし秋夕焼★★★
小口泰與
遠山を渡り来りて小鳥来る★★★
ひとひらの雲を伴う秋浅間★★★★
目を引くや奇岩の山の初紅葉★★★
9月5日(4名)
小口泰與
秋の森鳥声聞こゆ夜のとばり★★★
遠つ峯に朝日射しけり花木槿★★★
この森の赤げら求めさ迷いぬ★★★
多田有花
秋の蚊の迷い出たるか雨続く★★★
三日ぶりの晴れやくっきり朝の月★★★★
誰が息をためたるふうせんかずらかな★★★
廣田洋一
オクラ煮る雨の降り出す夕餉かな★★★
収穫後立枯れており玉蜀黍★★★
青々と雨に艶めく新松子★★★★
土橋みよ
北見盆地
秋風や玉葱北へ伏す畑★★★★
中山峠
圏外を出るやスマホの音さやか★★★
函館
図書館の窓に五稜の薄紅葉★★★★
9月4日(3名)
小口泰與
街騒と関係なしや秋の家★★★
秋寒や不足しがちな蒼き空★★★
早朝の沼を飛び交う蜻蛉かな★★★
廣田洋一
山萩や土手一面に揺れており★★★
小さき花つんつん立てて夕化粧★★★
我が背を強く押しおる秋の風★★★
多田有花
雨終日残暑を払い降りにけり★★★
草を刈る音の続きぬ風は秋★★★
こぼれ種咲きて九月の韮の花★★★★
9月3日(4名)
土橋みよ
石狩の川面を渡る蒲の絮★★★
花野抜け袖よりばった跳びにけり★★★★
電線のとんぼ一列西を向く★★★
川名ますみ
新秋の風たしかなり熱のあと★★★★
秋の夜に並べし小さき家族写真★★★
月の夜へ手のひらほどの遺影足す★★★
廣田洋一
赤蜻蛉番いしままに飛び去りぬ★★★
秋の夜や読み耽りたる時代物★★★
露草やまばらに咲きし庭の隅★★★★
多田有花
朝の月横切っていく飛行機雲★★★
朝顔や青空受けし花の色★★★★
えのころと光を揺らす風のあり★★★
9月2日(4名)
多田有花
霧晴れて朝日は山の背後より★★★
マゼンタの朝顔斜めに揃い咲く★★★
涼新た中世ドイツの歌を聴く★★★
小口泰與
夜の霧や原稿用紙白紙なる★★★★
つるみたる蜻蛉水面をつんつんと★★★
とんとんと塀を歩くや石たたき★★★
とどまれば鵙の鋭声の聞こえけり★★★★
との曇る浅間の空や冷ややかに★★★
早朝の鳥の鋭声や秋の沼★★★
廣田洋一
梨の実や手に包みたる陽の温み★★★
小魚の群れておりたる秋の潮★★★★
秋鯖のよき締め具合酒を酌む★★★
上島祥子
蜻蛉の向かい合わせの風の央★★★
蜻蛉の水路のカーブに沿いて翔び★★★
耳ゆるむ長湯に届く虫の声★★★
9月1日(3名)
土橋みよ
小樽発新潟行きフェリー
秋新月瀬棚に揺れる障害灯★★★
積丹半島
雲間より秋日一条波の上★★★
北海道より帰る
施錠せし厨の窓にかぼちゃの花★★★★
廣田洋一
静まりて茶を喫したり防災の日★★★
蜩や茶柱立つる昼の卓★★★★
温燗をちびちび呑みし夜長かな★★★
多田有花
八月尽木槿の花の咲き続く★★★
木歩忌や人影を消す火の旋風★★★
田はすでに二百十日の稔りの色★★★★
コメント
高橋正子先生
9月2日の投句「とどまれば」の句と「夜の霧」の句を四点句にお取り上げいただき有難う御座います。大変うれしいです。今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
正子先生
9/2の投句に星のご指導有難うございました。