7月28日
●土橋みよ
「夏休みブランコ揺れず山鳩啼く」を作り直してみました。
夏休みのブランコ揺れぬ鳩の声
「の」を入れたことで句がまとまりました。「揺れぬ」がやや説明的ですので、「しずか」にしてはどうでしょうか。「山鳩」は詩情があるので生かしたいですが、今回は「鳩の声」で収めておくとよいと思います。
夏休みのブランコしずか鳩の声(正子添削1)
夏休みのブランコしずか鳩啼くよ(正子添削2)
添削2は、動詞を一つにした場合です。
7月26日
●土橋みよ
石狩平野
青田過ぎ麦畑を行く雲の影
実景を詠んだものです。夏の季語が二つ入っていますが、問題ないでしょうか。
季語が二つある場合、それらが、ばらばらに置かれ、句がまとまっていない場合が問題となります。この句は「雲の影」の一点二句が収束していますので、問題ありません。むしろ、石狩平野の広さ、青田と麦畑が同時にある季節が、美しく詠まれるのに役立っています。したがって、問題はありません。
夏休みブランコ揺れず山鳩啼く
「夏休み」は夏の季語、「ブランコ・鞦韆」は春の季語です。この句は「夏休み」が主題で、ブランコは景物として置かれているので、問題はありません。
それよりも、この句はもう少し、まとめる必要があります。一句に動詞を二つ使うのはなるべくさけます。理由は、動詞は一句で句の方向を決める重要な働きをするからです。
(髙橋正子)
7月23日
●土橋みよ
新日本海フェリー
①フェリーの湯夏潮の香をまといけり
②船床の背を押し返す夏の潮
新日本海フェリーと言う大きなフェリーでは夏旅の魅力がたくさんあることでしょう。
①の句は夏潮の香をまといながら、フェリーにある浴場に入ったということ。その時の気持ちや感情をあらわしたいのであれば、このままで問題ないとおもいます。フェリーでの入浴は、潮の香りも大きな魅力の一つと言えますね。
②は船床は、船のなかで人が眠るための場所でしが、現代なら、ベッドとかでしょうか。仰向けに寝ていると背を潮が押し上げるように感じられたのですね。そのことを述べようとされたのでしたら、こちらの句も問題ありません。体が感じ取った力学的なおもしろさのあるよい句と思います。(髙橋正子)
7月22日
●川名ますみ
①土つかむ蝉を避けつつ車椅子(原句)
★土つかむ蝉を避けゆく車椅子(添削)
「つつ」は状態の継続で、動きとしては弱いので「避けゆく」とはっきりとした動作にしました。句の骨格がしっかりします。(髙橋正子)
②車椅子土の上の蝉避けすすむ(原句)
リズムを整えるために添削しました。
★土の上の蝉避けすすむ車椅子(添削)
三句のなかで、この句がいちばんよいと思います。(髙橋正子)
主体(車椅子)
対象(蝉)
動作(避けすすむ)
の三要素の配置が重要で、添削後は視線の流れが自然になったと思います。
③土の上の蝉を避けたり車椅子
「避けたり」は、状態の説明になり、動きが固定されますので、平板な句になります。(髙橋正子)
コメント
正子先生
詳しくご説明いただきよくわかりました。今回の句の場合、感じたことをそのまま詠っても構わないことをお聞きして大変嬉しく思いました。フェリーには露天風呂があり、夏の潮風を直接感じることができました。船床は、ご推察の通り、ベッドです。大きなフェリーですので、仰向けに寝ていると、何とも言われない微かな揺れが快く、それが元を辿れば波の揺れによるものと思うと、初めての体験がとても面白く感じられました。
正子先生、添削教室への投句に、明晰なご指導をいただきまして、ありがとうございます。
動詞の使い方を、もっと注意深くしなければと思いました。安易に助詞や助動詞をつけると、動きが止まってしまうこともあるのですね。
また、句の中の、視線の流れが重要であることも学びました。添削いただき、景色がリアルに見えるようになりました。
これからも楽しく勉強いたします。
正子先生
二つの句の季語と動詞の使い方につきまして詳しいご説明を頂き有難うございます。「ブランコ」の句につきましては、改作ののち、改めて、添削教室に投句したいと思います。
正子先生
丁寧なご指導と添削に感謝いたします。「揺れぬ」が説明的だということ、よくわかりました。添削して頂いた2句を何度も音読しております。詠みたかったことが何だったかを二つの句から知ることができました。有難うございました。