添削教室/7月11日~7月20日
7月12日
〇川名ますみ
★譲られし薔薇の朱々ひと招く
★薔薇鉢の盛り託せし人来たる
以前、添削いただいた「譲られし許多の鉢に薔薇鉢も」のその後、薔薇が咲きました。譲ってくださった方をお招きし、花をご覧いただいたひとときを俳句にしたいと思いましたが、難しいです。
〇お答え(髙橋正子)
★譲られし薔薇の朱々ひと招く(原句)
十七音ですべてを言ってしまうのは、難しいです。俳句は、言わない部分を読み手に委ね、余白を信頼することが大切です。ますみさんの作られた原句で俳句はできています。この原句は少し、叙述的なところがありますのでそれを直します。つまり、「薔薇の朱々」の「の」があることで叙述的になっています。添削では、この「の」を省き、切字「や」を使い、色彩の感動を述べました。
以下が添削です。
★譲られし薔薇朱々や人招く(正子添削)
★薔薇鉢の盛り託せし人来たる(原句)
こちらの句は、意味はよく通っています。ますみさんが納得されないのは、この句が叙述的になっているところだと思います。情景を全て言い切ることはできませんので、ポイントだけ掴んで言うことです。少し粗く掴んでもいいと思います。
この句が言いたいのは「人来る」です。その人のその時の印象などを述べるといいと思います。
★薔薇鉢を見に来し人のいきいきと(正子添削)
音楽と詩は似ていますが、違うところは、次のようなことではないかと思います。
音楽は音を丁寧に表現する。
詩は丁寧に言葉を省略する。
コメント
ご懇切な添削ご指導をありがとうございます。おかげ様で、雲が晴れるようにすっきりいたしました。
情景を全て言えないことに悩み、前書きを付けようか、などと迷っている内、叙述的な描写になっていました。全てを説明しようとせず、「余白を信頼すること」が大切なのですね。
一句目を添削いただいた後、色彩の感動が強くなったのに加え、「薔薇朱々や」とア行の連続で、鮮やかな印象を与えることにも、驚きました。
二句目も、あれこれ背景を言おうとせずに、最も言いたい「人来る」の印象を述べると、こうして句意がはっきり届くのですね。
余白という、短詩型の強みを信じなければ、と心した次第です。ありがとうございました。