今日の秀句/10月21日~10月31日

10月23日(1句)
★鑁阿寺の甍を離れ十三夜/土橋みよ
「鑁阿寺(ばんなじ)」の固有名詞に月を預けた句。「甍を離れ」に十三夜の月の移ろいが読み取れ、鑁阿寺の風格が偲ばれる。ウィキペディアによると、「鑁阿寺は、
足利市にある真言宗大日派の寺。山号は金剛山。通称,大日堂。1196年足利義兼(法名,鑁阿)が邸内に創建,足利氏歴代の帰依を集めた。」とある。
鑁阿寺(ばんなじ) | 足利市 公式ホームページ

10月22日(2句)
★酔芙蓉今朝の白さを開きおり/多田有花
酔芙蓉は咲き始めの朝は白いが、午後になると酒に酔ったように赤くなり、やがて萎む。その朝の清らかな白さを詠んだ句。単に「開きおり」の素直な叙述が気持ちよい。(髙橋正子)

★ベランダに独りずつ立つ十三夜/上島祥子
十三夜の月を、ベランダで眺める家族。自然体で心和む家族の風景。ひとりずつ、自分のいいと思うベランダの場所で、手すりに寄りかかったりしながら、おなじ十三夜の月を、普段の気持ちで眺める。「独りずつ立つ」が素朴でいい。(髙橋正子)

10月21日(2句)
★秋草を紐解くように湖に出づ/小口泰與
秋草を本のページを繰るように静かに分けながら、湖へ出た。秋草の静かさ、湖の静かさが、湖のへ出るまでの動きのなかで捉えられている。(髙橋正子)

★秋澄むやどこにありても白き薔薇/多田有花
秋澄むと、白薔薇のしずかな美しさが目に入る。「どこにありても」が、どこか人間にもあてはまるような受け取り方である。
薔薇園にあろうと、小さな庭の片隅にあろうと、白薔薇の静かな気品ある美しさは変わらない。「秋澄む」の季語が効いている。(髙橋正子)


コメント

  1. 多田有花
    2026年10月22日 10:31

    正子先生
    「秋澄むやどこにありても白き薔薇」を
    10月21日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    ご近所にバラを育てておられるお宅があります。
    ホワイトノックアウトと言う品種のようで白く可憐な雰囲気です。

  2. 多田有花
    2026年10月24日 9:32

    正子先生
    「酔芙蓉今朝の白さを開きおり」を
    10月22日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    ご近所に酔芙蓉を咲かせておられるお宅があり
    毎朝その花の具合を楽しませていただいています。
    クスダマという品種のようで、ふっくらとした八重咲です。