今日の秀句/10月1日~10月10日

10月6日(1句)
 退院
★金木犀匂いてわが門近きかな/土橋みよ(正子添削)
退院おめでとうございます。
退院してわが家に帰る道に、金木犀が匂ってきます。わが家の門に植えられているのでしょう。匂いにすぐわが家が近いことがわかります。生活に戻るよろこびが直に伝わります。(髙橋正子)

10月5日
該当句無し

10月4日(2句)
★真っ青はこの空の色天高し/多田有花
「真っ青」という色がある。それはこの空の色だという。この視点がユニーク。「天が高し」の季語そのもののを詠んでいるが、説明ではなく、
詩となっている。(髙橋正子)

★コスモスや白と赤とのもつれ合い/廣田洋一
コスモスの代表的な色は、ピンクやマジェンダ、白といった色だろう。それを大きく赤と白で捉えている。咲き満ちるコスモスの花が入り乱れ、もつれあっている。コスモスの性質を素直に表現している。(髙橋正子)

と10月3日(1句)
★残菊に挨拶のごと揚羽蝶/廣田洋一
「残菊」と「揚羽蝶」の取り合わせに妙がある。名残りに菊に、こちらも秋蝶となった揚羽蝶が離れては寄り、寄っては離れ、軽く挨拶をしている。残菊と揚羽蝶の世界にそっと自分を置いた自然さがいい。「挨拶のごと」の「ごと」は、一考の余地がある。(髙橋正子)

10月2日
該当句無し

10月1日(1句)
★夜のまだ浅し妻恋う鹿の声/多田有花(正子添削)
鹿は薄暮性の動物と言われ、夕方から早朝に、 とくに秋の繁殖期にはよく鳴く。 鹿の妻恋う声は古来、深夜の静寂・孤独・切迫感と結びつき、 多くは 夜の深まり を背景としている。この句の新しさは、「夜のまだ浅し」という時間層の鹿の声 を捉えたことにある。浅い夜に、「妻恋う」と言いながらも、ただ響く声として受けとめている。 その感覚は現代的とも言えよう。 (髙橋正子)


コメント

  1. 多田有花
    2026年10月3日 8:10

    正子先生
    「夜はまだ浅し妻恋う鹿の声」を
    「夜のまだ浅し妻恋う鹿の声」に添削いただいた上
    10月1日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    鹿の鳴き声がよく聞えるようになりました。
    秋が深まってきたのだなと感じます。

  2. 廣田洋一
    2026年10月4日 11:48

    高橋正子先生
    10月3日の「残菊に挨拶のごと揚羽蝶」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難う御座います。
    今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

  3. 廣田洋一
    2026年10月7日 8:50

    高橋正子先生
    10月4日の「コスモスや白と赤とのもつれ合い」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難う御座います。
    今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

  4. 多田有花
    2026年10月7日 13:21

    正子先生
    「真っ青はこの空の色天高し」を
    10月4日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    長雨の後久しぶりに雲一つなく晴れました。
    そのときに浮かんできました。

  5. 土橋みよ
    2026年10月7日 15:03

    正子先生
    金木犀の句を添削頂き有難うございました。また投句を始めたいと思いますので、ご指導よろしくお願い申し上げます。