6月11日~6月20日

6月17日(名)
作業中

土橋みよ
常夏の一輪ひらき夕明かり★★★★
「夕明かり」は背景としてよいが、常套に落ちる危険性があるので、もう一段踏み込むと句のレベルが格段あがります。これは、句の伸びしろです。(髙橋正子)

揚羽蝶石に畳みし翅一重★★★
揚羽蝶の翅がぴたっと畳まれている感じは「翅一重」でわかりますが、実際の質感は「翅一重」ではとらえきれないものがあります。翅の厚み、翅の光り、翅の重さなど。それが少しの違和感として感じられるのが惜しいです。(髙橋正子)

昆布締めの夏の鮃の重さかな★★★

小口泰與
背なの子の指さす方に燕かな★★★
雲早し燕素早く飛びにけり★★★
せめてこの帽子に止まれ糸蜻蛉★★★

多田 有花
<伊勢神泉三句>
苺のせババロア光る銀の匙★★★
「光る」を直接言わないで、「苺のせババロア震う銀の匙」のようにする。「光る」は明快ですが、句が止まって余白がなくなります。どちらがいいかは、好みですが、詩としてみると、「震う」がよいです。(髙橋正子)

短夜に浸かる個室の露天風呂★★★
「個室」は説明的なので、「ひとり」にしてはどうでしょうか。情景をそのまま表出するのではなく、いったん心に入れて出すと違ってきます。(髙橋正子)

伊勢志摩名物並ぶ夏の朝餉★★★

6月16日(5名)
土橋みよ
日向ぼこ前肢を重ね猫眠る★★★
折れ枝の挿し木芽吹けり梅雨の雲★★★
「梅雨の雲」は挿し木が芽吹くと言う手もとの小さい世界から急に大きな雲の世界に飛びます。「梅雨曇」「雲低し」などとすれば、句に馴染みやすいと思います。句の世界を一つにまとめることが必要です。(髙橋正子)

青柿の落つる音して本を閉ず★★★★

上島祥子
俎に朝の音生むプチトマト
プチトマトが俎板に転がっているだけで、音が生まれるように読めます。「朝の音」が抽象的すぎます。(髙橋正子)

猫来るや空き家の庭の梅雨晴れ間★★★
材料はそろっているのに、句の中心がないのが、問題です。(髙橋正子)

梔子の一花毎に足を止め★★★
梔子が並んで咲いて、それを順番に見ているのでしょうか。梔子の香りや白さが滲まず、行動の報告になっています。(髙橋正子)

廣田洋一
木下闇水琴窟の響きおり★★★
「響きおり」が常套的になっているので、ここに作者の感しかたが欲しいところ。(髙橋正子)

バケツにて売られし鯵のこぼれおり★★★

卯の花や次々と散る朝かな★★★
卯の花の散る瞬間が見えると句が一段上がります。(髙橋正子)

小口泰與
すみやかに沼を横切る燕かな★★★
「すみやかに」は横切る燕の速さを言葉で説明してしまっているとことが問題です。(髙橋正子)

利根川の急く水激し夏の山★★★
「急く」「激し」の形態語が二つあり、句が散漫になっています。

燕の子反転するを覚えたり★★★
「覚えたり」は、俳句の言葉より日記の言葉です。(髙橋正子)

多田 有花
<伊勢神泉三句>
伊勢海老を真中に据えて夏料理★★★★
溶岩焼きトマトマリネの添えられて★★★
「添えられ」が説明的。(髙橋正子)
新じゃがと新玉葱の鍋にあり★★★
素材の列挙に終わっている。(髙橋正子)

6月15日(5名)
上島祥子

触れられる高さに伸びて蓮蕾★★★★

引き犬や日傘の中の朝歩き★★★
「日傘の中の朝歩き」は表現に無理があります。(髙橋正子)

夏燕空切る呼吸同じくし★★★
「呼吸同じくし」は、誰と誰の呼吸、あるいは、何と何の呼吸が同じなのか、わかりにくい。「空切る呼吸」は燕が空を切る間合いとも読めますが、その場合は、「呼吸」の言葉がやや不適切です。(髙橋正子)

土橋みよ
空に向くオクラの花や雲流る★★★
雨雫宿すオクラの芯紫★★★★
初茄子や風にめくるる献立帳★★★★

廣田洋一
木下闇地蔵の顔の仄白し★★★
鯵たたき酒を酌みつつ暮れにけり★★★
五月雨やビル群遠くけむりたる★★★

多田 有花
<おかげ横丁二句>
縁台に座してコロッケを食べる★★★
牛串にビールにプリン食べ歩く★★★
<伊勢神泉>
筍の入りたる蛤真丈かな★★★★

小口泰與
山の雨夏の大河の収まらず★★★★
木を切りて全身汗にまみれけり★★★
しなやかに反転せしや軒つばめ★★★

6月14日(3名)
多田 有花
<おかげ横丁三句>
薫風のおかげ横丁ひやかしぬ★★★
新茶あり伊勢茶老舗の店先に★★★
縁側にできたて赤福の涼し★★★★

小口泰與
夏の日を髪膚に浴びて渡渉せり★★★
すぺからくと利根川の鮎遡上せり★★★
葭切の明けの鋭声や曇り空★★★

廣田洋一
百合の花全力こめて匂い立ち★★★★
梅雨晴間川風わたる土手の道★★★
夏蝶や低く飛びゆく川の端★★★

6月13日(2名)
多田 有花
<伊勢内宮三句>
六月の風に御幌(みとばり)ふわりと揺れ★★★★
緑さす内宮やさしき神馬の目★★★
錦鯉ゆったり泳ぐ御池かな★★★

小口泰與
利根川の流れ荒きや夕立風★★★
すへからく夏の日強く射しにけり★★★
利根川を統ぶる水源緑雨かな★★★

土橋みよ
雨細し厨へ蛙の声の来る★★★★
柚子の葉やいずこより来し黒揚羽★★★
朝涼しスマホに草の名ひらきけり★★★★

6月12日(3名)
廣田洋一
先ず客に麦茶出したる応接間★★★
ミニトマト鈴なりに熟れプランター★★★
味噌付けて丸かじりせし胡瓜かな★★★
「応接間」「プランター」は日常に寄り過ぎ、「丸かじり」は説明になっており、句の凝縮が弱いです。(髙橋正子)

多田 有花
<伊勢内宮三句>
紫陽花の並べられたる飾り壇★★★
花菖蒲育てし人と歓談す★★★
夏台風御手洗場(みたらし)へは立ち入れず★★★
素材はよいですが、説明に寄り過ぎです。(髙橋正子)

小口泰與
向日葵の咲きし分校廃れおり★★★★
風薫る奇岩の山の鳥の声★★★
水槽へ増えし目高を分けしかな★★★

6月11日(2名)
多田 有花
<伊勢内宮三句>
六月や見上げて入りぬ伊勢鳥居★★★
宇治橋に夏台風の余波残る★★★★
くちなしの咲くや内宮神苑に★★★★

小口泰與
長き水尾引きて軽鴨進みけり★★★
山風に百合の揺れおり夕間暮れ★★★★
雀色どき冷酒を二合酌む★★★

 

ご挨拶/3月月例ネット句会を終えて

ご挨拶
三月も半ばとなり、日差しがずいぶん明るくなりました。
三月月例ネット句会にご参加くださり、ありがとうございました。
入賞の皆様、おめでとうございます。入賞句には、皆様から温かいコメントが寄せられています。重ねてお礼申し上げます。

先月の入賞発表では、評価の高い句にも、私が気づいた点をひとこと添えました。その後、電話でもお話ししましたが、ご本人が「そうだ」と思っていることが、私から見ると少し違っている場合もありました。
これはオンライン句会の難しさの一つかもしれません。
一方で、対面では言いにくいことを、文章では丁寧に掘り下げて伝えられるという利点もあります。

さて、今月の結果はどうかと言いますと、
金賞の
19. 庭中の雪解雫の音へ出る/柳原美知子
は、美知子さんのこれまでの句のレベルを一段と押し上げるものでした。
同じ作者の銀賞
21. 川波のひかりへ枝垂れ初桜/柳原美知子
は、互選で最高得点を得た句で、多くの方の共感を呼びました。
このように、皆様の句が、目には見えないところで確かに深まりつつあることを、たいへん嬉しく思います。

また、「自由な投句箱」の選評や、「髙橋正子の俳句日記」「エッセイと論文」など拙文を、普段熱心にお読みいただき、心より感謝申し上げます。
これで、三月月例ネット句会を終わります。
2026年3月14日
髙橋正子

 

 

発行所ブログを再開します

お知らせ
8月1日~8月15にちまで夏休みを頂きました.
その間、花冠のブログをgoo blogからWordPress に移転する作業を行いました。新しくなったサイトでの活動をご期待ください。花冠ブログは8月16日から再開いたしますので、ひきつづきよろしくお願いいたします。
2025年8月15日
花冠発行所
代表 髙橋正子

お知らせ/重要

お知らせ(重要)

暑中お見舞い申し上げます。
花冠ブログをご利用、またご覧いただき、ありがとうございます。このたび、現在利用しているNTTドコモが提供するgoo.blogが11月をもってサービスを終了します。

サービス終了にともない、花冠ブログをすべて移転します。移転先は移転終了後にみなさまにお知らせし、これまでどおりの活動ができるようにします。移転作業のために、下記の期間ブログへの書き込みを禁止します。またその期間を花冠の夏休みとします。8月月例ネット句会はお休みです。ご協力、よろしくお願いいたします。

   記
ブログ移転作業期間:8月1日(金)~8月15日(金)
花冠夏休み    :8月1日(金)~8月15日(金)
8月月例ネット句会:休会
(移転作業の進み具合により、予定が変更される場合がありますので、ご了承ください)。
                  2025年7月21日
                      花冠代表 髙橋正子

             ◆ ◆ ◆ ◆ ◆

花冠発行所への送金は以下の口座によろしくお願いします。
▼送金先:
○ゆうちょ銀行
[店名]〇二八(読み ゼロニハチ)
[店番]028
[預金種目]普通預金
[口座番号]6257389
[名義]花冠発行所(カカンハッコウショ)

○郵便振替
口座番号 00290-1-116469
口座名称 花冠発行所(カカンハッコウショ)

花冠7月号(No.373)発送

暑中お見舞い申し上げます。
今朝、皆様のお手元へ花冠7月号(No.373)を発送しました。日吉南郵便局から発送しておりますが、「祝日連休(海の日を含む)を挟みますので、お届けは22日以降になる可能性があります。届きましたら、下のコメント欄にその旨お書込みください。

花冠7月号雑詠投句箱/2025年


来週には、梅雨入りかと思われます。お変わりなくお過ごしでしょうか。
花冠7月号(No.373)の雑詠投句を下記の要領でお願いします。
  記
期日:6月15日(日)まで。
投句場所:下のコメント欄
内容:雑詠15句(以前俳誌「花冠」に投句された句はご遠慮ください。

             2025年6月8日
                         花冠代表 髙橋正子

■雑詠15句の投句を済まされた方(敬称略)■
①小口泰與 ②土橋みよ ③桑本栄太郎 ④弓削和人 ⑤吉田 晃
⑥髙橋句美子 ⑦西村友宏 ⑧多田有花 ⑨柳原美知子 ⑩上島祥子
⑪廣田洋一 ⑫高橋秀之 ⑬藤田洋子 (⑭古田敬二) ⑮友田 修
⑯川名ますみ
ご投句ありがとうございます。 

令和7年度会費2万円納入者一覧


令和7年度年会費は2万円です。物価高に対応するため、維持費(一口千円)をお願いしています。どうぞ、よろしくお願いいたします。
2024年10月15日
花冠主宰/髙橋正子

■令和7年度維持費納入者一覧(一口千円/計144口)
2025年
NEW◆2月12日:吉田晃(3口)◆7月12日:土橋みよ(5口)◆7月22日:吉田晃(10口)◆9月8日:森下朋子(2口)◆

■令和7年度会費(2万円)納入者一覧(計13名)
◆10月16日:小口泰與◆10月31日:藤田洋子◆11月03日:廣田洋一◆
◆11月07日:吉田晃◆11月07日:柳原美知子◆11月15日:友田修◆
◆12月02日:弓削和人◆12月12日:高橋秀之◆12月13日:川名ますみ◆
◆12月13日:土橋みよ◆12月13日:桑本栄太郎◆12月19日:上島祥子◆
◆12月30日:多田有花◆

2024年
◆10月16日:小口泰與(10口)◆
◆10月16日と12月13日:川名ますみ(20口)◆
◆10月31日:藤田洋子(10口)◆11月03日:廣田洋一(5口)◆
◆11月07日:吉田晃(10口)◆11月07日:柳原美知子(10口)◆
◆11月15日:友田修(10口)◆12月02日:弓削和人(4口)◆
◆12月4日:祝恵子(10口)◆12月12日:高橋秀之(10口)◆
◆12月13日:土橋みよ(5口)◆12月13日:桑本栄太郎(5口)◆
◆12月19日:上島祥子(5口)◆12月30日:多田有花(10口)◆

*********************

■令和6年度会費納入者一覧
(現在 12名)
◆12月15日:川名ますみ◆12月15日:柳原美知子◆12月15日:弓削和人◆
◆12月15日:藤田洋子◆12月15日:祝恵子◆12月15日:桑本栄太郎◆
◆12月16日:廣田洋一◆12月16日:多田有花◆12月19日:高橋秀之◆
◆12月19日:吉田晃◆12月20日:小口泰與◆12月21日:友田修◆

■令和5年度会費2万円納入者一覧(12名)■
◆11月28日:藤田洋子◆12月5日:小口泰與◆12月6日:川名ますみ◆
◆12月7日:廣田洋一◆12月8日:弓削和人◆12月9日:吉田晃◆
◆12月10日:高橋秀之◆12月12日:祝恵子◆12月15日:桑本栄太郎◆
◆12月16日:柳原美知子◆12月23日:多田有花◆1月8日:友田修◆
●花冠誌売り上げ代金
12月16日:2000円

■□来年度(令和7年度)の年会費・維持費納入のお願い

■□来年度(令和7年度)の会費納入について
花冠会費は、本年度(令和6度)をもって、前金切れとなりました。
来年 度(令和7年度)の納入(前納)を下記の要領でお願いします。なお、昨今の物価高に対応するため、維持費をお願いしています。どうぞよろしくご支援をお願いします。

①納入期日:本日から令和7年1月15日まで
②会費2万円(ネット使用料、同人費を含む)
③維持費:一口千円(昨今の物価高に対応するため、5口以上をお願いいたします。)

※納入済の方は、下記アドレスの花冠発行所ブログでご確認ください。
http://blog.goo.ne.jp/kakan100/
すぐ上の欄になります。

▼送金先:
○ゆうちょ銀行
[店名]〇二八(読み ゼロニハチ)
[店番]028
[預金種目]普通預金
[口座番号]6257389
[名義]花冠発行所(カカンハッコウショ)

○郵便振替
口座番号 00290-1-116469
口座名称 花冠発行所(カカンハッコウショ)

●花冠発行所(インターネット俳句センター)
http://blog.goo.ne.jp/kakan100
●自由な投句箱
http://blog.goo.ne.jp/kakan003

花冠No.372(令和7年1月号)を読んで

寒中お見舞い申しあげます。
年末にお送りした花冠1月号をお読みいただけましたでしょうか。ページ数も多いので、ゆっくりお読みになっているかたもおられると思います。
どの記事でもよいので、読後のご感想を下のコメント欄にご投稿ください。書いた人、読んだ人のやりとりがあって、記事が実のあるものになります。お気軽にご投稿ください。よろしくおねがいします。(髙橋正子)

投稿くださった方、ありがとうございます。以下お名前は「敬称略」です。
New川名ますみ(リルケと俳句と私)
①土橋みよ(芍薬集・総合俳誌掲載の晃・句美子の句・音楽のしっぽ・リルケと俳句と私) 
②高橋秀之(芍薬集など)
③多田有花(芍薬集・音楽のしっぽ・リルケと俳句と私)
④桑本栄太郎(花冠作品ー有花・秀之の句) 
⑤吉田晃(花冠作品-有花の句 New音楽のしっぽ)
New柳原美知子(信之作品・正子作品・芍薬集・音楽のしっぽ・リルケと俳句と私)

投稿は長文ですので、コメント欄をクリックしてお読みください。