10月3日(土)

晴れ
銀杏の潜むあたりの明るかり     正子
なんてもない草葉の上を秋の風    正子
松手入れなべて明るき短き葉     正子

●朝、URの団地の中を散歩。ピラカンサ、錦木が色づいている。
●ヴァレ四行詩25番を訳す。対象が消え色の抽象性だけが残っている詩。片山敏彦の少々主義的精神の訳は、これは、これとして貴重だが、
原詩の方向と違っていると思う。詩が何で成り立っているかが、もんだいだろう。風景か、抽象か。今日の俳句は、いくぶんリルケの25番の気分が移っている。

●ヴァレ4行詩25番の訳が完了。かなり難しい訳だった。訳が片山敏彦訳と、第2連から少しずつずれた。文意脈から言えば、私の訳も間違っていないと思う。それが、難しさとなったのだ。原詩は、色を抽象的に扱って居、景色を消している。ところが、片山訳は、景色を消すのではなく、呼び戻している。逆方向なのだ。これは翻訳の時代背景が影響している。美学的、詩学的に完成された訳に揃えることもできない。かといって、自分の読んだ文脈で訳を発表するのも、ためらいがある。自分の訳がまちがっていると思えないからだ。片山訳に敬意をあらわし、否定しない書き方で、なんとか花冠に発表したいと思っている。とにかく、一遍の詩の訳に疲れた。

7月に25番を訳したものがあった。こちらの訳の方がすっきりしている。おそらく、迷いがなかったのだろう。今日の訳は没にするか。
詩返1 青と銀を含み真夏の草埃  正子
詩返2 ひるがえる向こうの柳は陰翳を 正子
詩返3 葉桜の中の石手の塔古りぬ   正子