11月26日(火)


雨のち曇り。

●朝8時ごろ、キッチン、ダイニング、洋間の3部屋だけ電気が通じなくなる。ブレーカー落ちではない。原因は不明だが、9時50分ごろ、急に電気がついた。原因はなんだろう。電力業者がが調べに来るといったが、午後になっても何の連絡もない。もう、めんどうだから、来なくてもいいや、という気持ちに。

●友人がカニを暮れる。お歳暮?と冗談を言うと、いつもお世話になっているからと。うれしいけど、悪い気がする。お返しなんにしよう。

11月25日(月)


曇り、夜、雨。

大根を切れば大根水を噴く      正子
葱白菜触れあいきしきし鳴ることも  正子
湯船に湯をうっかり溢れさす小雪   正子

●石田依良の『十一月の蕾』のラジオ朗読を編み物をしながら聞いた。話の筋は三十代の子供のある花屋に努める美大出身の主婦の浮気に至らない浮気ごころの心の揺れの話だが、筋より面白いのは、作者の石田氏は、男性であるにも変わらず、花について、花の色彩、花の形、花束のリボンの色合いについて、詳しいし、表現が的を得ているのだ。小説を書くとき、男性作家が、女性を主人公にするには、こんなことも勉強するのかと思った。女性顔負けではないかと。

自由な投句箱/11月21日~30日


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今日の秀句/11月21日~30日


11月30日(2句)

★街角の書肆に冬帽夕間暮れ/小口泰與
冬の夕間暮れ、本屋にちょっと立ち寄る。毛糸で編んだり、暖かい素材の帽子を冠ってそのままで。今夜読む面白そうな本はないかなどと思って立ち寄るのだ。夕間暮れの本屋の少し落ち着かない雰囲気がかえってわくわくするのだ。(高橋正子)

★嶺に日の十一月も果てにけり/桑本栄太郎
嶺を日が渡る。盆地ならではか。それを見て、十一月も果てたと実感する。十一月までは普段。十二月からは、師走となって、一年の終わりを迎え、忙しさも増すのだ。十一月の終わる日の感懐は捨てがたい。(高橋正子)

11月29日(1句)

★冬桜一輪のみの豊かさよ/多田有花
冬桜は、冬に咲く種類の桜で、花も小さく、花数も少なくちらほらという具合に咲く。冬に日差しを受けて一輪が開いた。その一輪咲いた桜の「ゆたかな」こと。一輪は一輪のみにしてありまるほどである。(高橋正子)

11月28日(2句)

★落葉松の一枝ばさり散りにけり/廣田洋一
落葉松は、赤松や黒松と違って、松は松でも落葉する。一枝がばさりと散って驚かされる。落葉松が散ると寒さもいよいよだ。「ばさり」に驚きがある。(高橋正子)

★冬耕の稲株白し土くれも/桑本栄太郎
冬の田畑の耕しは、寒風との闘いでもある。田を吹く寒風に稲株も晒され。土くれも晒され水分を失って白けている。その白さに清潔感がある。(高橋正子)

11月27日(2句)

★ビル風の木枯しとなる丸の内/廣田洋一
ビルが立ち並ぶ都心の丸の内。ビルとビルの間を吹き抜けるビル風も、季節が季節なら、木枯しとなって吹く。丸の内と言えども、木枯しの季節から免れられない。(高椅正子)

★ひたすらに公孫樹は黄色凩に/多田有花
凩が吹くが、公孫樹は、まだ散らない。凩に磨かれて、公孫樹はまっ黄色に。温暖な地方ではそうなのだ。命かがやくときなのだ。(高橋正子)

11月26日(2句)

★冬霞長きすそ野の家郷かな/小口泰與
家郷を改めて振り返りみると、冬霞が山裾を長く引く山々にかかり、圧巻である。「長きすそ野」こそが家郷の風景なのだ。(高橋正子)

★山茶花にいま差し初めし朝日かな/多田有花
今を盛りに咲く山茶花であるが、朝日がさすと、暗く寒い夜から覚めて、いきいきとそして、あどけないというほど、輝き始める。(高橋正子)

11月25日(2句)

★冬霧の晴れ行く庭に鳥の声/廣田洋一
冬霧に閉ざされていた庭。霧が晴れ行くと、鳥たちの声が空気をつーっと通して聞こえてくる。寒さを増す季節であるが、鳥たちは快活。人間も元気をもらう。(高橋正子)

★わが頭上光重ねて冬紅葉/多田有花
冬紅葉は、朝夕の寒暖差の大きくなって、色もますます濃く美しくなる。差し交す枝の層々がまるで光を重ねたように思える。寂光浄土のような冬紅葉。(高橋正子)

11月24日(3句)

★賜りし日差しを茶の花とともに/多田有花
暖かな日差しの中の茶の花も、そこに立つ作者もほっこりとした暖かさに包まれる。その日差しは、「賜りし」ものなのだ。(高橋正子)

★水浴びし鴨はや一羽が青空に/廣田洋一
池か川で水浴びしていた鴨なのであるが、はや青空へ飛び立って、翼を広げて飛んでゆく。地上にいれば身近に親しさが感じられるが、飛び立ってみれば、やはり鴨も翼をもって遠くへ飛んでゆく鳥なのだ。(高橋正子)

★冬萌の天井川の蛇行かな/桑本栄太郎
天井川は、平地より高くを流れる川。その土手も高くてよく見える。冬萌えに青々とし、蛇行する天井川が伸びやかだ。(高橋正子)

11月23日(1句)

★枯すすき青空今日も広々と/多田有花
枯すすきが青空に立っている。今日も青空は広々として、すすきの穂を白く浮かばせている。「今日も広々と」ある青空に安心ではれやかな気持ちが湧く。(高橋正子)

11月22日(2句)

★出でずして冬星の見ゆ仏間かな/小口泰與
星が輝く夜はいっそう冷え込む。仏間からふと窓の外を見ると星が見える。この寒さに外にでなくて、星が望める仏間は、星空と繋がっているしんとして特別なところだ。(高橋正子)

★ストーブの何かつぶやく傍らに/桑本栄太郎
このストーブはなにかつぶやく。傍で暖まっていると、ストーブに小さい音がする。それがなにかつぶやいているようにも聞こえる。静かな冬の時間がある。(高橋正子)

11月21日(1句)

★浅間嶺のはやも翼下や大白鳥/小口泰與
大白鳥が湖を飛び立って、たちまち浅間山を翼下に置く高さまでになった。大白鳥の大いなる飛翔のすばらしさが目に見えるようだ。(高橋正子)

11月21日~30日


11月30日(4名)

小口泰與
セーターの上にジャケツや山上湖★★★
街角の書肆に冬帽夕間暮れ★★★★
冬の夕間暮れ、本屋にちょっと立ち寄る。毛糸で編んだり、暖かい素材の帽子を冠ってそのままで。今夜読む面白そうな本はないかなどと思って立ち寄るのだ。夕間暮れの本屋の少し落ち着かない雰囲気がかえってわくわくするのだ。(高橋正子)

熱燗や句帳はいまだ白きまま★★★

廣田洋一
良い柄とあの日買ひたるマフラーを★★★★
マフラーを二つに折りて巻きにけり★★★
マフラーの襟元厚く外出す★★★

多田有花
囲われて冬菊寄り添い咲きにけり★★★
冬桜播磨の日差し惜しみなく★★★
本堂へ冬の紅葉の鮮やかに★★★★

桑本栄太郎
ステップに落葉乗り込む朝のバス★★★
白き実のカラカラ風に冬木立★★★★

嶺に日の十一月も果てにけり★★★★
嶺を日が渡る。盆地ならではか。それを見て、十一月も果てたと実感する。十一月までは普段。十二月からは、師走となって、一年の終わりを迎え、忙しさも増すのだ。十一月の終わる日の感懐は捨てがたい。(高橋正子)

11月29日(4名)

小口泰與
褞袍着て背に磨かれし太柱★★★
毛皮婦人サイドカーより湖畔へと★★★★
老犬を毛布に包み共寝かな★★★

多田有花
冬菊を畑に咲かせている農家★★★★

冬桜一輪のみの豊かさよ★★★★
冬桜は、冬に咲く種類の桜で、花も小さく、花数も少なくちらほらという具合に咲く。冬に日差しを受けて一輪が開いた。その一輪咲いた桜の「ゆたかな」こと。一輪は一輪のみにしてありまるほどである。(高橋正子)

正午の陽残る紅葉を透かしおり★★★

廣田洋一
車窓より眺める山や暮早し★★★★
暮早しもう一仕事残りをり★★★
電飾の駅前銀座暮早し★★★

桑本栄太郎
大丸の建替え成りぬ冬夕映★★★★
御堂筋の電飾の灯や冬落暉★★★
夕餉にはお神酒多めに神の留守★★★

11月28日(4名)

小口泰與
冬の月岸辺の舟の皆逆さ★★★★
布団干す一年ぶりに子等の顔★★★
重ね着や金太郎飴目のゆがみ★★★

廣田洋一
落葉松の一枝ばさり散りにけり★★★★
落葉松は、赤松や黒松と違って、松は松でも落葉する。一枝がばさりと散って驚かされる。落葉松が散ると寒さもいよいよだ。(高橋正子)

冬紅葉葉毎に色を違へけり★★★
枯色の広がり増えし冬紅葉★★★

多田有花
凩に吾も烏も吹かれおり★★★★
輝きは十一月の公孫樹かな★★★
懸垂をしてみる冬の公園で★★★

桑本栄太郎
川べりを飾る穂波や枯尾花★★★
冬耕の稲株白し土くれも★★★★
冬の田畑の耕しは、寒風との闘いでもある。田を吹く寒風に稲株も晒され。土くれも晒され水分を失って白けている。その白さに清潔感がある。(高橋正子)

埋火の炎となりて燃えにけり★★★

11月27日(4名)

小口泰與
晩酌の量を過ごせり神の留守★★★★
水底の光掬えり冬の池★★★
我が面を冬の泉に残しける★★★

廣田洋一
木枯しの一号吹きて気を引き締めし★★★
バス待ちの人叩き行く木枯しかな★★★

ビル風の木枯しとなる丸の内★★★★
ビルが立ち並ぶ都心の丸の内。ビルとビルの間を吹き抜けるビル風も、季節が季節なら、木枯しとなって吹く。丸の内と言えども、木枯しの季節から免れられない。(高椅正子)

多田有花
航空機雲なき冬の青空を★★★
ひたすらに公孫樹は黄色凩に★★★★
凩が吹くが、公孫樹は、まだ散らない。凩に磨かれて、公孫樹はまっ黄色に。温暖な地方ではそうなのだ。命かがやくときなのだ。(高橋正子)

吹く風に揺れつつ咲けり冬の薔薇★★★

桑本栄太郎
乗るや見下ろす冬紅葉★★★
バスに乗りわざわざ行きぬ落葉踏む★★★
止まれば木の葉しぐれの銀杏かな★★★★

11月26日(4名)

小口泰與
冬の雷涎盛んな小犬かな★★★

冬霞長きすそ野の家郷かな★★★★
家郷を改めて振り返りみると、冬霞が山裾を長く引く山々にかかり、圧巻である。「長きすそ野」こそが家郷の風景なのだ。(高橋正子)

風に乗り赤城定かに冬の靄★★★

多田有花
山茶花にいま差し初めし朝日かな★★★★
今を盛りに咲く山茶花であるが、朝日がさすと、暗く寒い夜から覚めて、いきいきとそして、あどけないというほど、輝き始める。(高橋正子)

冬紅葉透かし光が降り注ぐ★★★
冬紅葉冬の大地に寝転んで★★★

廣田洋一
電飾の点灯式や11月★★★
雨空にぱつと明るき山茶花かな★★★
山茶花や園児待つ母集ひけり★★★★

桑本栄太郎
見下ろせば団地の庭に冬紅葉★★★
冬麗の皇帝ダリヤ二階まで★★★★
川べりを飾る穂波や枯尾花★★★

11月25日(4名)

小口泰與
笹鳴きや湖を見下ろす祖父の墓★★★★
霜の声利根源流を蹂躙す★★★
笹鳴きや院外で待つ患者達★★★

廣田洋一)
ビル谷間黄色く光る冬の霧★★★
朝焼けの黄色一色冬の霧★★★
冬霧の晴れ行く庭に鳥の声★★★★
冬霧に閉ざされていた庭。霧が晴れ行くと、鳥たちの声が空気をつーっと通して聞こえてくる。寒さを増す季節であるが、鳥たちは快活。人間も元気をもらう。(高橋正子)

桑本栄太郎
冬萌の天井川の蛇行かな★★★★
穂すすきの絮噴く波や土手の上★★★
三島忌や眼下に赤き冬紅葉★★★

多田有花
冬紅葉いよよ紅さを増しにけり★★★
水音を遠く近くに冬紅葉★★★★
わが頭上光重ねて冬紅葉★★★★
冬紅葉は、朝夕の寒暖差の大きくなって、色もますます濃く美しくなる。差し交す枝の層々がまるで光を重ねたように思える。寂光浄土のような冬紅葉。(高橋正子)

11月24日(4名)

小口泰代與
音を絶つ獣道なり冬紅葉★★★★
山風や鳶が枯木の空広ぐ★★★
初霜に靴先濡らす畷かな★★★

多田有花
賜りし日差しを茶の花とともに★★★★
暖かな日差しの中の茶の花も、そこに立つ作者もほっこりとした暖かさに包まれる。その日差しは、「賜りし」ものなのだ。(高橋正子)

冬浅く漆色づく森の中★★★
冬の暮川鵜の群れがねぐらへと★★★

桑本栄太郎
土手道に沿いて銀波枯尾花★★★
カップルの鴨川べりや小春空★★★

冬萌の天井川の蛇行かな★★★★
天井川は、平地より高くを流れる川。その土手も高くてよく見える。冬萌えに青々とし、蛇行する天井川が伸びやかだ。(高橋正子)

廣田洋一
桜葉の紅葉せぬまま枯れにけり★★★

青空に水浴びしたる鴨一羽(原句)
水浴びし鴨はや一羽が青空に★★★★(正子添削)
今しがた池か川で水浴びしていた鴨なのであるが、はや青空へ飛び立って、翼を広げて飛んでゆく。地上にいれば身近に親しさが感じられるが、飛び立ってみれば、やはり鴨も翼をもって遠くへ飛んでゆく鳥なのだ。(高橋正子)

褄とりて斎壇登る冬日より★★★

11月23日(4名)

小口泰與
三山の日の光会う冬の朝★★★
三毛猫の日向の匂い帰り花★★★★
牛舎址更地になりて冬木の芽★★★★

廣田洋一
青空にもつれ合いたる鳶二羽★★★
冬麗ら舞妓さん連れ絵画展★★★
冬紅葉無関心なる池の鯉★★★

多田有花
小雪のしろだもにあり花も実も★★★
冬菊のほのかに紅をまといけり★★★

枯すすき青空今日も広々と★★★★
枯すすきが青空に立っている。今日も青空は広々として、すすきの穂を白く浮かばせている。「今日も広々と」ある青空に安心ではれやかな気持ちが湧く。(高橋正子)

桑本栄太郎
今年早や一月余り枇杷の花★★★
ぼろ布の下駄の鼻緒や一葉忌★★★★
小雪の夕日の中に浮かぶもの★★★

11月22日(4名)

多田有花
病院の坂を下りれば冬紅葉★★★
冬浅き朝に響きし鵙の声★★★★
啄ばみし跡を残して木守柿★★★

廣田洋一
風除けに植えたる庭木根付きけり★★★★
風除けのビニールフェンスはためきぬ★★★
風除けの木々の取り巻く百姓家★★★

小口泰與
出でずして冬星を見ゆ仏間かな(原句)
出でずして冬星の見ゆ仏間かな★★★★(正子添削)
星が輝く夜はいっそう冷え込む。仏間からふと窓の外を見ると星が見える。この寒さに外にでなくて、星が望める仏間は、星空と繋がっているしんとして特別なところだ。(高橋正子)

夕映えの渓流ひかり冬紅葉★★★
帰り花山風に押され旅に出づ★★★

桑本栄太郎
雨止み色濃くなりぬ庭の樹々★★★
夕日落つ夜ともなれば冷え来たり★★★

ストーブの何かつぶやく傍らに★★★★
このストーブはなにかつぶやく。傍で暖まっていると、ストーブに小さい音がする。それがなにかつぶやいているようにも聞こえる。静かな冬の時間がある。(高橋正子)

11月21日(4名)

小口泰與
渓流はくれないに暮れ枯尾花★★★
浅間嶺のはやも翼下や大白鳥★★★★
大白鳥が湖を飛び立って、たちまち浅間山を翼下に置く高さまでになった。大白鳥の大いなる飛翔のすばらしさが目に見えるようだ。(高橋正子)

山荒び右往左往の枯芒★★★

多田有花
頂に寝て小春空ゆく雲を★★★
茶の花の次々咲いてよき日和★★★★
凩に吹かれし木の葉頬をうつ★★★

廣田洋一
掘り出せる蓮根を運ぶ小舟かな★★★★
田の中のゴミも取り上ぐ蓮根堀★★★
育てるも掘り取るも水蓮根かな★★★

桑本栄太郎
小春日や隙間に零る一条光★★★
冬日さす袋開けをり精米所★★★★
校庭にチャイム鳴りたり小春空★★★