※当季雑詠(秋)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子
明るくて深い 現代語による俳句を。よい生活から よい俳句を。
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10月23日(1句)
★鑁阿寺の甍を離れ十三夜/土橋みよ
「鑁阿寺(ばんなじ)」の固有名詞に月を預けた句。「甍を離れ」に十三夜の月の移ろいが読み取れ、鑁阿寺の風格が偲ばれる。ウィキペディアによると、「鑁阿寺は、足利市にある真言宗大日派の寺。山号は金剛山。通称,大日堂。1196年足利義兼(法名,鑁阿)が邸内に創建,足利氏歴代の帰依を集めた。」とある。
鑁阿寺(ばんなじ) | 足利市 公式ホームページ
10月22日(2句)
★酔芙蓉今朝の白さを開きおり/多田有花
酔芙蓉は咲き始めの朝は白いが、午後になると酒に酔ったように赤くなり、やがて萎む。その朝の清らかな白さを詠んだ句。単に「開きおり」の素直な叙述が気持ちよい。(髙橋正子)
★ベランダに独りずつ立つ十三夜/上島祥子
十三夜の月を、ベランダで眺める家族。自然体で心和む家族の風景。ひとりずつ、自分のいいと思うベランダの場所で、手すりに寄りかかったりしながら、おなじ十三夜の月を、普段の気持ちで眺める。「独りずつ立つ」が素朴でいい。(髙橋正子)
10月21日(2句)
★秋草を紐解くように湖に出づ/小口泰與
秋草を本のページを繰るように静かに分けながら、湖へ出た。秋草の静かさ、湖の静かさが、湖のへ出るまでの動きのなかで捉えられている。(髙橋正子)
★秋澄むやどこにありても白き薔薇/多田有花
秋澄むと、白薔薇のしずかな美しさが目に入る。「どこにありても」が、どこか人間にもあてはまるような受け取り方である。
薔薇園にあろうと、小さな庭の片隅にあろうと、白薔薇の静かな気品ある美しさは変わらない。「秋澄む」の季語が効いている。(髙橋正子)
10月23日(3名)
多田有花
まばらなる桜紅葉を見上げおり★★★
キバナコスモス晩秋の畑に揺れ★★★
霜降の庭に一輪クレマチス★★★
小口泰與
秋薔薇の夕日を受けて微笑みし★★★
不器量な秋の鯰の美味なるや★★★
浅間噴く秋の渡りを称えたり★★★
土橋みよ
鑁阿寺の甍を離れ十三夜★★★★
茶光りの虫を放てば蔦陰へ★★★
路地裏に襷の光る秋の宵
「襷(たすき)」は、何の襷なのでしょうか。(髙橋正子)
10月22日(3名)
多田有花
風音の午後より激し秋曇(正子添削)
風の音/午後より激し/秋曇(原句)
原句は、斜線と入れたところで切れています。もう少し、句をまとめるとよいと思います。(髙橋正子)
酔芙蓉今朝の白さを開きおり★★★★
花好きや塀にいくつも秋の薔薇★★★★
小口泰與
眼前の山にひろごる秋の雲★★★
「眼前の山にひろごる」と来ると、まず山の姿を想像しますが、結末が秋の雲になるため視線がやや飛ぶ感じがあります。(髙橋正子)
秋深み枯葉になる木ならぬ木も★★★
ふくべより注ぎたる酒をごちになり★★★
上島祥子
ベランダに独りずつ立つ十三夜★★★★
餅をつく兎に狭し十三夜★★★
渋皮の取れぬ匂いや十三夜
「渋皮」が何を指すのかが読み手には伝わりにくいようです。(髙橋正子)
10月21日(2名)
小口泰與
秋草を紐解くように湖に出づ★★★★
ひむがしの秋の日拝む親子かな★★★★
湖に日矢打つ秋や鳥の声★★★
多田有花
ハナミズキの実の赤々と秋天へ★★★
秋澄むやどこにありても白き薔薇★★★★
鬼胡桃空一片の雲もなし★★★★
10月23日
川名ますみ
〈10月19日(月)自由な投句箱より〉
美しき林檎が母に供えらる★★★
「美しき」が抽象的なので、「赤き林檎」など具体的な表現があるとよいと思います。(髙橋正子先生)
青空と鱗雲とに包まれぬ★★★
「包まれぬ」は、誰(何)が包まれたのでしょうか。それがあるとよいと思います。(髙橋正子先生)
晴れ、のち小雨
暁けやらぬ星の下なる鉦叩 正子
亡き夫の好みし水炊き葱白菜 正子
●春菊は一昨年の種だったが、よく芽生えて、双葉がそだっている。
●ハート内科受診。今日は混んでいた。火曜日は混むので避けていたが、検査の関係で、火曜になった。検査結果をみると、これからは、働くのを止めるのがよさそう。八分目で過ごすとよいのではないかと思う。
〇貴重なご指導を賜りまして、ありがとうございます。
●林檎の句は、母の親友が仏壇に林檎を供えてくださり、その鮮やかな赤が印象的で俳句にしました。下記のように推敲してみましたが、いかがでしょうか。
母の友赤き林檎を手向けくる
供えられ林檎の赤は母のもと
●鱗雲の句は、通院の帰り道、車窓から青空と鱗雲を望み、それに包まれているような安心感を得て、作りました。ただ、ご指摘の通り、誰(何)が包まれたのか、はっきりと自覚しておりませんでした。あらためて、自分自身も含め、間もなく自宅という場所から見た「わが街」としてみました。
わが街を包む青空うろこ雲
〇お答え
供えられ林檎の赤は母のもと
「母のもと」に、しずかな思いがあります。「美しき林檎」よりも「林檎の赤さ」への実感があり、それが母への思いにつながっているのがいいです。かなり、レベルアップです。「景を立てること」が、大切と思います。
わが街を包む青空うろこ雲
「青空」と「うろこ雲」と詠まれている対象が二つになり、景が立ちにくいです。鱗雲といえば青空は自然に想像できますので「青空」を消して、読者に任せる手もあります。
わが街の上を流るる鱗雲(添削例①)
「包む」感覚を活かすと、断定を避けてやわらかくし、「包むほどにも」と言うこともできます。
わが街を包むほどにも鱗雲(添削例②)