曇り
●『帰還』が28日に届く予定。花冠の雑誌なら、出来上がるのに3日か4日だが、今回の詩集は1週間かかっている。造本が表紙、本文ともアラベール紙を使っているからかもしれない。28日は、信之先生の誕生日だったので、これも何かの巡り合わせか。奥付には6月10日発行としているから、十分間に合っているのだが。
明るくて深い 現代語による俳句を。よい生活から よい俳句を。
曇り
●『帰還』が28日に届く予定。花冠の雑誌なら、出来上がるのに3日か4日だが、今回の詩集は1週間かかっている。造本が表紙、本文ともアラベール紙を使っているからかもしれない。28日は、信之先生の誕生日だったので、これも何かの巡り合わせか。奥付には6月10日発行としているから、十分間に合っているのだが。
小雨
●朝起きると雨。ベランダの手すりが濡れる程度だったが、それから本降りになって、また止んだり、降ったりした。
●詩集『帰還』を校了とし、印刷OKのボタンを押した。OKボタンを押す前に、読み返した。どこも問題を感じないで、すっと読めた。もう、直さなくてよいと納得した。間もなく詩集が出ることになる。3月26日から2か月。あっというまに、小さいながら一冊の詩集ができた。奇跡に近い。
夕べ校了してから、シューベルトを聴いた。シフのピアノソナタの21番をやセレナーデ。シューベルトを聴きながら、『帰還』を読んでいると、驚くことだが、不思議なほど『帰還』の呼吸に響き合う。『帰還』は旋律こそないが、音楽的呼吸があると思えた。
●詩集の贈呈先のリストを作る。スマートレターで送るのがよさそう。
※当季雑詠(夏)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子
5月31日(1句)
★単線の向こうに代田の濁りかな/多田有花
田植え前の田園の風景が、構図として奥行深く詠まれている。「単線」は代田の静けさと広がりを想像させ、「濁り」が季節の今を生々しく伝えている。(髙橋正子)
5月30日(2句)
★漏れ来る陽を受け十薬の白し/多田有花
漏れ来る陽を受けて際立つ十薬の白さを素直に捉えている。(髙橋正子)
★水瓶を縦横無尽目高かな/小口泰與
「縦横無尽」がやや大げさにも感じられるが、目高の自在な泳ぎぶりが生き生きと伝わってくる。(髙橋正子)
5月29日
佳句はありますが、秀句は該当句がありませんでした。
5月28日
該当句無し
5月27日(2句)
★渡り来て夜も鳴くなり時鳥/多田有花
「渡り来て」に時鳥の時間の深さがあり、「夜も鳴くなり」には、寝静まった夜の空を翔毛ながら鋭く鳴く時鳥の切迫感がよく出ています。時間の深さに支えられた声の切迫感がこの句の力強さです。(髙橋正子)
★しののめや長き釣り竿鮎釣師/小口泰與
「鮎釣師」の季節感に快さがあります。しののめに長く差し出された釣り竿のイメージには、構図的な美しさがあります。あたりの気配の落ち着きと、鮎の姿の美しさを合わせて思わせています。(髙橋正子)
5月26日(2句)
★底石の白く光りて夏の川/廣田洋一
川石の白さが、水の透明度と夏の光の強さを間接的に見せています。「白く光りて」に誇張がなく、実景に即しているため、句に静かさがあるのがよいです。(髙橋正子)
★紅薔薇のうえに立ちたり風見鶏/多田有花
「紅薔薇」と「風見鶏」の取り合わせがよいです。下に濃密な生命感のある薔薇、上に風に従う風見鶏が紅薔薇を見下ろしている。寓話的な気配があって、ヨーロッパの庭園を思わせる雰囲気が映像性があるのが、目でも楽しめる句。(髙橋正子)
5月25日(2句)
★桜の実川へ下れる道染める/廣田洋一(正子添削)
この句の良さは、「川へ下れる」の地形の描写が、景色を絵画的に立ち上げているところである。川の水、桜の実、道の傾斜などが、視覚にいきいきとしている。(髙橋正子)
門司港駅
★近郊電車観光列車新緑に並ぶ/多田有花
門司港駅と言う特別な場所。そこには、日常の電車と非日常の観光列車が並んで、この街の性格をよく表している。新緑に並んでいるので、その色彩や、光の具合など、力強く伝わる旅行吟である。(髙橋正子)
5月24日(2句)
★初夏の潮流れき関門海峡を/多田有花(正子添削)
季節が「初夏」であるのが、さわやかである。関門海峡の潮の流れが、直に感じられる率直な詠み方が力強い。(髙橋正子)
★仏前に五月人形飾られし/廣田洋一(正子添削)
五月人形は男の子の成長を願うものであるが、仏前に飾られることで、故人の見守りを得、また、子どもの成長を見てもらうことでもある。しずかな祈りがある。(髙橋正子)
5月23日(2句)
★遠き日の夏合宿へと夜汽車かな/小口泰與
青春時代、夏の合宿は夜汽車で向かったことが思い出されている。夏合宿と夜汽車の取り合わせに、青春の一時代が彷彿と蘇る。(髙橋正子)
★豆飯や門に近づく靴の音/土橋みよ
豆飯が炊けた。門に誰かがくる靴音が聞こえる。親しい人なら、炊きたての豆飯を一緒できるかもしれない。食を通して、開放的な明るい季節の喜びが詠まれている。(髙橋正子)
5月22日(1句)
★関門海峡五月の潮の流れかな/多田有花
関門海峡の潮の流れの速さを知るものには、しっかりとその景色がたちあがる。五月の潮の明るさ、流れの速さへの感銘をそのまま句にしていて鮮度があるが、「おり」が問題。元の句は「関門海峡五月の潮の流れおり」だったが、状態の継続を表わす「おり」を、景と心の触れた接点となる「かな」に替えた。(髙橋正子)
5月21日(1句)
★茉莉花の路地一筋を抜けにけり/廣田洋一
梅雨入り前の湿り気のある路地、あるいは、晴れた日の路地、どちらとも成立する句です。つまり、季語が景色として落ち着いているのがいいです。「抜けにけり」には、香りの余韻を引くような感じがあります。「一筋」にも匂いの感覚が読みとれます。(髙橋正子)
5月31日(3名)
廣田洋一
若紫陽花白き花より咲き始め★★★★
日陰にて汗拭いたる散歩道★★★
久し振りと挨拶交わしビール汲む★★★
多田 有花
家売って麦秋の中を戻りけり★★★
単線の向こうに代田の濁りかな★★★★
ため池は五月の空を映しおり★★★
小口泰與
ひまわりの見下ろす先に我が植木★★★
しののめや沼の畔に通し鴨★★★
翡翠のしば鳴き波はおさまらず★★★★
5月30日(2名)
多田 有花
漏れ来る陽を受け十薬の白し★★★★
皐月ある庭の犬小屋空となり★★★
大鉢に赤く小さき苺の実★★★
小口泰與
青蛙八間道路ぴよんぴよんと★★★
水瓶を縦横無尽目高かな★★★★
雨粒のすつてんころり枇杷の朝★★★
5月29日(3名)
小口泰與
野良犬のしとどに濡れし夕立かな★★★
風も無き湖面に乗りし夏浅間★★★
夏鴨の湖面に群れて忽とたつ★★★
廣田洋一
玄関に人待つ如く沙羅の花★★★
曇天を明るく灯す山帽子★★★
うっすらと赤み差し込む七変化★★★
多田 有花
カクテルの薔薇赤々とフェンスにあり★★★
昼咲月見草に散歩の足止める★★★
まっすぐに立つはサルビアネモローサ★★★
5月28日(3名)
小口泰與
山風や夏の大河の収まらず★★★
薪割りて全身汗にまみれけり
この句の「汗」は、薪割りと言う労働の結果の生理現象としての「汗にまみれ」なので、季語として、季節を呼び込む働きはありません。したがって無季の俳句となります。むしろ「薪割り」が「冬支度」の季語に関連して季感があると言えます。(髙橋正子)
しなやかに反転せしや軒つばめ★★★
多田 有花
つるばらを見上げてそぞろ歩きかな★★★
今年また子の鎮魂の薔薇咲けり★★★
酒に酔う日は遠くなり酔仙翁★★★
廣田洋一
園丁の拾い集めし薔薇の花★★★
海沿いの真昼を飾るジギタリス★★★
白と黄の夏蝶舞える土手の道★★★
5月27日(2名)
多田 有花
渡り来て夜も鳴くなり時鳥★★★★
十薬や市営住宅片隅に★★★
一本のあやめのすっと立つ姿★★★
小口泰與
翡翠の鳴くを堪えて水中へ★★★
しののめや長き釣り竿鮎釣師★★★★
山雀のわが手にひょいと止まりけり★★★
5月26日(3名)
廣田洋一
七変化長き旅路の途につけり★★★
底石の白く光りて夏の川★★★★
冷やし中華青き野菜をひとつまみ★★★
小口泰與
風鈴の一斉に鳴る窓辺かな★★★★
野鳩より目白に目線行きにけり★★★
二人して野鳥撮影夏の朝★★★
多田有花
川風を受け薄紅の薔薇揺れる★★★
ばら後ろに笑顔で記念撮影す★★★
紅薔薇のうえに立ちたり風見鶏★★★★
5月25日(3名)
廣田洋一
甘酒に生姜刻みてすすりけり★★★
夏の雨止みて激しき日の光★★★
桜の実川へ下れる道汚す(原句)
「汚す」は、ご自分の説明的な判断なので、景を写生することをお勧めします。(髙橋正子)
桜の実川へ下れる道染める(正子添削)
小口泰與
心太村の六辻の山の店★★★
山風や夏したたかな湖畔にて★★★
風鈴の音色確かや湖の風邪(原句)
「風鈴の音色確かや湖の風」のミスタイプでしょうか。
「確か」の正体を聞き分けるとよいですね。(髙橋正子)
風鈴の音色ちりちり湖の風(正子添削例)
多田有花
<門司港レトロ>
薫風や昔貿易いま観光★★★
<門司港駅二句>
人はみな駅舎を見上げ入る薄暑★★★
近郊電車観光列車新緑に並ぶ★★★★
5月24日(3名)
小口泰與
日盛や赤城小沼の静けかり(原句)
日盛や赤城小沼の静けさよ(正子添削)
助動詞 「かり」 は上代東国方言で「けり」に相当し、活用語の連用形にしか付きません。
形容詞「静けし」の連用形は 静けく。したがって付けるなら「静けくかり」になりますが、形容詞に「かり」が付いた実例はありません。よって「静けかり」は文語として成立しません。(髙橋正子)
多田有花
<門司港レトロ三句>
初夏の潮流れし関門海峡を(原句)
初夏の潮流れき関門海峡を(正子添削)
「し」は助動詞「き」の連体形。末尾が「を」で終わると、「関門海峡を、それからどうした」という言いさしになります。「流れき」と終止形にすることで、ここで一句が完結し、切れが生まれます。(髙橋正子)
赤レンガの高き天井夏めきぬ★★★★
赤レンガ並びて静か門司五月★★★
廣田洋一
にょきにょきと筍の出る道の端(原句)
すくすくと筍の出る道の端(正子添削)
「にょきにょき」は擬態語としてやや幼く、句の格調を下げることがあります。「すくすく」は成長の素直さが出て、道の端の明るい季節感と合います。(髙橋正子)
ご仏前五月人形飾りけり(原句)
仏前に五月人形飾られし(正子添削)
原句は「仏前」と「五月人形」の関係がやや硬いです。添削句は受け身「飾られし」によって、静かな厳粛さと、季節の行事の気配が柔らかく立ちます。(髙橋正子)
コーヒーに引き寄せられし小蝿かな(原句)
コーヒーの香に魅かれ小蝿かな(正子添削)
「引き寄せられし」はやや説明的で重い。「香に魅かれ」とすることで、コーヒーの香りの立ち方と、小蝿の軽さが自然に描けます。(髙橋正子)
5月23日(4名)
小口泰與
遠き日の夏合宿の夜汽車かな(原句)
遠き日の夏合宿へと夜汽車かな(正子添削)
原句は「夏合宿」と「夜汽車」が文法上は並列になってしまい、「遠き日の夏合宿の夜汽車」という一まとまりに読めてしまいます。
実際に言いたいのは「夏合宿へ向かう夜汽車」という関係。「へと」を入れることで、目的地が明確になり、句の芯が一本通ります。(髙橋正子)
夏木影かげを求めて老夫婦★★★
夏の日の原始の力溢れけり★★★
「夏の日」のどんなところが「原始の力」なのでしょうか。(髙橋正子)
多田有花
<観光列車36ぷらす3・駅弁>
鶏天に大粒の苺のTAMATE箱★★★
<門司港駅二句>
門司港駅五月の風のぬけてゆく★★★
門司港駅出れば薄暑の光かな★★★
土橋みよ
豆飯や門に近づく靴の音★★★★
レモン植う庭に黄揚羽低く飛ぶ(原句)
レモン植う庭に黄揚羽はやも来て(正子添削)
元の句は、「レモン植う」と「黄揚羽低く飛ぶ」が並べただけになっていますので、これを少し関係づけ、一句に芯を通します。(髙橋正子)
飛行機雲辿れば立ちぬ雲の峰(原句)
飛行機雲の果てに立ちたり雲の峰(正子添削)
「辿れば」が説明になって、イメージがはっきりしないので、ここは、目に映ったことを写生をします。
ここで注意が必要です。
「飛行機雲」は「ひこうきぐも」と6字ですが、「拗音、長音」のある語が上五に置かれる時、5音として許容されています。俳句では、上五に地6音の字余りがあっても許容されています。(髙橋正子)
廣田洋一
足の裏筍探る斜面かな(原句)
足裏に筍探る斜面かな(正子添削)
「足の裏」で切ってしまうと、音として重いです。(髙橋正子)
広き野を吹き抜ける風五月★★★
紫陽花や一枝高く伸びており★★★
5月22日(2名)
多田有花
<観光列車36ぷらす3・駅弁>
大粒の苺がのるやTAMATE箱★★★
<門司港駅二句>
門司港駅出れば薄暑の光かな★★★
関門海峡五月の潮の流れおり(原句)
関門海峡五月の潮の流れかな(正子添削)
「おり」が景色を説明したままでとまっています。五月の潮の明るさが出るとよいと思います。(髙橋正子)
小口泰與
一陣の風に飛ばさる夏帽子★★★
静かなる光を浴びし夏の朝★★★
放水に蟻の溺れし庭真中(原句)
水遣りの水や溺るる蟻ひとつ(正子添削)
「放水」の語が大きすぎて、消防の消火活動のように見えます。(髙橋正子)
21日(3名)
小口泰與
甘そうな杏子に朝日煌煌と★★★
句材のセンスがとても良いです。「甘そうな」は、読者には伝わりにくいのが惜しいです。「煌煌と」が強すぎます。一語が強すぎるのを抑えるとよいです。(髙橋正子)
上枝より落ちたる雫緑雨かな★★★
この句も「上枝より落ちたる」が「緑雨」と言う格調ある季語に対して弱すぎます。逆に言えば、「緑雨」の一語が強すぎます。(髙橋正子)
着飾りて子の静けさや風薫る★★★
「着飾りて」が曖昧です。どのように着飾っているのか伝わりにくいのが惜しいです。着物なの、祭の衣装なのか、など。(髙橋正子)
多田有花
ごま豆腐湯葉豆腐食ぶ夏の宵★★★
別府湾の青さを望む夏の朝★★★
<観光列車36ぷらす3>
漆黒の車体輝き夏はじめ★★★
素材のセンスはも良く、イメージがはっきりして力がありますが、「動詞」が説明に寄っています。「食ぶ」「望む」など。これを省く方向で句をまとめるとよいです。(髙橋正子)
廣田洋一
茉莉花の路地一筋を抜けにけり★★★★
少しだけ街の明かるく更衣★★★
フランスパン抱えて帰る麦の秋★★★
「フランスパン」に対して「麦の秋」の情景が広がり過ぎが惜しい。(髙橋正子)