9月2日(4名)
多田有花
霧晴れて朝日は山の背後より★★★
マゼンタの朝顔斜めに揃い咲く★★★
涼新た中世ドイツの歌を聴く★★★
小口泰與
夜の霧や原稿用紙白紙なる★★★★
つるみたる蜻蛉水面をつんつんと★★★
とんとんと塀を歩くや石たたき★★★
とどまれば鵙の鋭声の聞こえけり★★★★
との曇る浅間の空や冷ややかに★★★
早朝の鳥の鋭声や秋の沼★★★
廣田洋一
梨の実や手に包みたる陽の温み★★★
小魚の群れておりたる秋の潮★★★★
秋鯖のよき締め具合酒を酌む★★★
上島祥子
蜻蛉の向かい合わせの風の央★★★
蜻蛉の水路のカーブに沿いて翔び★★★
耳ゆるむ長湯に届く虫の声★★★
9月1日(3名)
土橋みよ
小樽発新潟行きフェリー
秋新月瀬棚に揺れる障害灯★★★
積丹半島
雲間より秋日一条波の上★★★
北海道より帰る
施錠せし厨の窓にかぼちゃの花★★★★
廣田洋一
静まりて茶を喫したり防災の日★★★
蜩や茶柱立つる昼の卓★★★★
温燗をちびちび呑みし夜長かな★★★
多田有花
八月尽木槿の花の咲き続く★★★
木歩忌や人影を消す火の旋風★★★
田はすでに二百十日の稔りの色★★★★
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