11月22日(水) 小雪

快晴
●信之先生の3冊の句集から合同句集用に30句選り出す。四国八十八か所の内、大窪寺結願の前書きがあるものまで、わかっただけで46寺あった。残りは行ったのかどうかはっきりしない。
●五丁目の丘の端から下って六丁目へ。初めての感じもする。ゆずりはの実が熟れて小さい黒葡萄のように粉が吹いている。藤蔓と桜の折れ枝を拾う。藤蔓はプランター用に、桜は一時の杖に。六丁目を歩いていると小さい子の詩片が浮かんだ。イスラエルとハマスが一時休戦するニュースが入ってきた。
詩2編
①丘
丘から
ちいさい子が
かけおりてくる
ちいさい子は
ちかづいてきても
ちいさい
小学生だったんだ
?ガザの子
ガザのおさない子は
死ななかったから
知っている
おさない子は
ずっと長いきするから
おとなになっても
知っている
おさない子は
おとなになって
ガザのバクゲキを
思いだす
あのとき
おかあさんが
死んだ
青い土と
赤い血でよごれた顔は
目になみだをあふらせて
バクゲキでこわされた街を
見ている
そうではなくて
かなしみを見ている

11月21日(火)

快晴
●昼間はあたたかい。バスでハート内科へ。検査結果はよい、と首をかしげられる。老人は次第に悪くなっていくのがなりゆきなのだろうが。インフルエンザの予防注射。
●ワードにカレンダーのテンプレート。面白そうだから、来年のを作った。信之先生の一周忌の日なども書き込む。出来上がってみると、11月20日の「20」のところが真っ白。ま、11月20日がないカレンダーもよいだろう。実際、一日ない日があったら面白い。こんなカレンダー売ってみたい。
●夜11時だったかJアラート。北朝鮮から沖縄方向へミサイルが打ち上げられた。15分経過後、10時55分に太平洋へと通過したので、Jアラート解除。
その後、夜中を過ぎてもテレビでこの話。

11月20日(月)

快晴
小六月雪嶺の富士を見とどけぬ 正子
小六月鴉いよいよわが仲間   正子
冬紅葉朱があかあかと聳ゆなり 正子
●5丁目の丘から見える富士山は雪嶺だけ。その向こうに銀嶺が見えるような気がするが、雲かもしれない。「小六月」という言葉を久しく聞かない。みんな小春日和。
●山茶花がよく咲く。5丁目の丘の墓地の北側に樅の木が2本ある。この時期になると樅の木に目が行く。ドイツトウヒではない樅の木。

11月19日(日)

晴れ
●水耕栽培のサラダ菜の使い残しをプランターに植えていたのが、もりもりと育って、収穫。花と野菜と混ぜて植えると、サラダ菜の緑や形も花になる。
●句美子が夕方来て合同句集の校正をしてくれる。合同句集の題名がなかなか決まらない。今仮に、信之先生の俳句からとって「秋天」としている。句美子が言うのに、「天」がねえ。

11月18日(土)

晴れ
●ますみさんの「連打音」への美知子さんのコメントが入る。少しまとめて、ますみさんに転送することにした。
●合同句集の編集進まず。今日はあきらめる。
●俳句界から、12月号、1月号の版下が届くが、花冠の発行とずれるので、またの機会に。版下を見ると、1月号には7月に事故で急逝した澤好摩さんの特集がある。澤好摩さんは初期のころ臥風の「いたどりに」投句しておられた。そのせいか、どうかわからないが、多少、臥風先生風の俳句も見られる。
●午後センター北へ花の苗を買いに。今日は結局パンジーだけ6株購入。他は里芋。あす、芋炊きにする。

11月17日(金)

雨、午後晴れ
靄に透け富士の雪嶺の白きびし 正子
冬菊の茎切りわけて供えけり  正子
風呂上り蜜柑ひとつの水うまし 正子
●喪中はがきを用意。官製はがきの喪中用に印刷。
●11月月例ネット句会に終わりの挨拶。
●映画「第三の男」のあらすじの切り継ぎ場面を見る。「第三の男」は大学2回生のときだったか、購読の授業で読んだ。先生は上背のある軍靴の似合いそうな真面目な先生。そのときの印象は「なんて男っぽい話」と思ったくらい。1948年、英仏米ソがウィーンを四分割統治していたときに撮影が開始されたとのこと。モノクロの画面が傑作らしい。
ちょうどこの年だったか、学園祭のとき友達とはぐれ、どうしたものかと、校庭の木にもたれて目の前のフォークダンスを見ていた。そのとき、学園祭のリーダーらしい男子学生が近づいてくるや、無言で腕をつかんでフォークダンスの輪に放り込んだ。そのときのフォークダンスの歌がアントンカラスの「第三の男」。1965,6年の話。その場面を思い浮かべても、戦後は抜けたと思っていたが、貧しくて、悲しいほどダサい光景だ。そのころも戦後なのだ。

11月16日(木)

曇り、夜雨。
山茶花のこぼれし花の垣根沿い  正子
帰り花くれない色濃くいきいきと 正子
鵯も赤き小鳥に朝日浴び     正子
●合同句集の奥付ができる。
●現代俳句協会から電話とファックス。句美子に用事だったので、ファックスの内容を句美子にメールで転送。

11月15日(水)

曇り
●合同句集、信之先生の俳句に取り掛かる。
●ネット短信No.400を発信。
俳壇ワイド作品集(今月の有力同人)
連打音 川名ますみ
凩の止みて定まる朝の青
口紅の唇埋めずショール巻く
懐炉手に祈り無音の舞台袖
手袋をぬぐや舞台のピアノへと
降る雪のごとく始まる連打音
冬天へ最後の主音届けよと
冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る

11月14日(火)

曇りのち晴れ
この人は台湾椿を咲かせたり   正子
郁子うれて照葉のつたう垣根なり 正子
鶺鴒に広き畑は存分に      正子
●散歩の道を少し変えると、台湾椿を咲かせる家があり、郁子が熟れる家あり。いつもより1時間遅い散歩に、林に、鵯、尾長、インコがたくさんいた。落葉を掃いていた人に挨拶すると、インコは世田谷の祖師谷にねぐらがあり、鯛ヶ崎公園には、啄木鳥がいて、以前は林に梟がいた、など話してくれた。この丘には、欅、スダジイ、杉、檜、桜など大木がある。一本の木がたくさんの小鳥を宿らせている。
●今日は三通の手紙を投函。河内静魚氏へ句集の礼状ほか。
●「俳壇」12月号に川名ますみさんの新作「連打音」7句が載る。10月号の祝恵子さんに続く掲載。
●「俳壇」12月号で、AIの問題を長谷川櫂氏と歌人の坂井修一氏の対談。問題は、俳人のAI化。俳句を作る方法論に偏っている現状に関係づけた話で、目新しい話ではない。
●「述志」の特集。詩人は左翼か、ということになる。それまでの思想や社会体制に反対する気持ちを述べることが、述志。逆に言えば、述志は、鋭敏で洞察力のある詩人の役目ということになる。

11月13日(月)

曇り
●11月月例ネット句会入賞発表
●『水の色』(河内静魚著/朝日新聞出版)が送られてくる。令和2年まで「俳句界」の編集長だった人。第7句集とのこと。
印象に残った句。15句
羽子つくやたえず空ある嬉しさに
まだ水の色のままなる初氷
近づけば冬木と冬木離れけり
秋すでに深山の上の八ヶ岳
一枚として重ならぬ青田かな
しづけさの寒さにかはるまで椅子に
病みし子と夜を共にし年越せり
冬木の芽色持ち上げてゐたりけり
生きることまた輝かす囀りは
 あゆ子逝く
一落花風をつかまへ舞ひ上がる
川霧をのがれし水の流れくる
白鳥来空気真白に染めながら
家陰に暮しの匂ふ鳳仙花
水音や田植濁りの飛鳥川
みじか夜や時計に音のありしころ