3月18日(木)/彼岸入り

俳句
境内に水音のして黄水仙

晴れ
○わたしの住まいは、横浜市営地下鉄日吉本町駅から、100mほどのところ。歩いて数分のところに天台宗の古刹金蔵寺がある。徳川家康の寄贈した大鐘もある。午後、その金蔵寺まで花の写真を撮りに行く。雪の後の陽気に、ひょっとしたら、桜の蕾に色が見えるかと思ったが、一つ、二つは色が見えたものの、まだまだ。蕾はきみどり色に見える。花の写真を撮りはしたが、最高の花ではなく、普段の花。垣根、電線、屋根、ボールなどが入っている。題して「生活する花たち」。HPの表紙にアップ。

◇季節の花「ラッパ水仙・チューリップ・白木蓮」(横浜金蔵寺界隈)

○ますみさんから送られてきている150句を読む。一箇所、旧かな表記になっているところにチェック。

○沖縄土産のサーターアンダギーの粉があったので、作る。沖縄ドーナツのようなもの。膨らみが足りなかったが、味は合格。

○印刷所から、原稿はPDFではなく、wordがよいと電話がある。出来上がったものをHPに出すには、PDFがいいと思う。

3月17日(水)

曇時々晴
○オンライン版「花冠」5月号を<pdfファイル>に。花冠同人は、原稿ファイルをそのまま見て、各自、自分の原稿の校正を済ます。5日間ほどで校正が終わる。
http://blog.goo.ne.jp/kakan12/

○花冠同人の句にコメントを書く。

まんまるい蕾もろとも花菜漬け/藤田裕子
まんまるい、黄色も少し見える蕾もろとも漬物に付け込むには、心意気がいる。日常生活が身の丈で表現された句。

不揃いの芽を一列にチュウリップ/黒谷光子
チュウリップが一列に芽生え、その芽生えも不揃い。球根の大小もあるだろう、自然に任せれば、芽の出かたもそれぞれ。「一列に」は、花を心待ちに植えた人の気持ちも読める。

水色の空の三月摩天楼/桑本栄太郎
煙るような摩天楼が聳える空は、もはや三月の水色。新鮮で明るい都会の風景ではあるが、「空の三月」は、大きな自然に委ねられるもの。

ブラウス白し三月の風に干され/藤田洋子
三月になると光も風も明るさを増してくる。着るものの色も軽やかな色へ。ブラウスの白が風に初々しい。

セロファンにあふるるミモザの黄をもらう/柳原美知子
ミモザの花は、やさしい黄色。それを、透明なセロファンにあふれるように包んでもらった時の幸福感。

籠の目にきらっと見えて菜花の黄/佃 康水
春の明るい光と風まで感じさせてくれる。

雛わきに蕾を高く桃の枝/小西 宏
雛のわきに飾ってある桃の花は、真っ直ぐな枝に丸く可愛い蕾が付いている。高々と活けられた桃の枝は、健やかである。

姨捨の山は雪解や蕗の薹/小口泰與
姥捨とは、その名も悲しく恐ろしいが、それは昔のこととして、姥捨山も雪が解け、蕗の薹があちこちに出始めた。通り一遍ではない、春の来た喜びがある。

反芻の目つむる牛に風光る/古田敬二
冬が過ぎ、だんだん春になると、光りが強くなる。風がきらりと光るように感じられる。そんな中、牛は日を浴びながら、目をつむり、ゆっくりと反芻している。泰然とした牛と風の鋭い光が好対照。

空席の椅子にたたまれ春ショール/成川寿美代
淡い色目のきれいな、ふんわりとした春のショール。開演前であろうか。ちょっと立った間の椅子にそっと乗せられている。開演を待つ、そわそわと華やいだ雰囲気が伝わる。

芽吹き待つ雑木林の明るさよ/渋谷洋介
雑木林の芽吹きは、想像してもうれしい。芽吹きを待つ林が明るい雰囲気に満たされている。すぐにも、様々な木々が薄緑色に芽吹いてくるだろう。

なつかしく来し方思う涅槃西風/井上治代
陰暦に2月15日ごろ一週間ほど吹く風で、この風が吹くと寒さが戻る。西方浄土からの風とも思われ、この季節の、なにか懐かしさをもっている。来し方を思ってみたりする。

白木蓮咲き初めたれば空広し/小西 宏
白木蓮が咲くと、花を見上げずにはおれない。空は一度に明るさを増す。空の広さを感じると、なお白木蓮が際立つ。

三月と聞けば親しき山の雲/桑本栄太郎
「三月」は、桃や辛夷など木々の花や、草花も咲き始め、雛まつりがある月。山の雲もぽっかりと浮かんで、親しみを覚える。三月は、自然への親しみを覚える初めの月。

青麦の色濃き中の道一本/黒谷光子
青麦が色濃くなり、匂いまでしてきそうな道である。真っ直ぐに青麦の中を通る道であろう。添削は、青麦を貫く「道一本」のイメージをはっきりさせた。

六甲の山路を埋めて芽吹きかな/河野啓一
六甲山系は、神戸・芦屋にかけての東西30キロほどの山の連なりで、阪神に生活する人たちには親しい山。アウトレジャーのメッカでもあるが、植物も多く楽しめる。山路を辿れば、山路を「埋める」ほどの芽吹き。さまざまの色の芽吹きに感動する。

強風のなか子供等の卒業式/村井紀久子
卒業式のころは、寒さが戻って強風に見舞われることがある。穏やかな日ばかりではないが、子どもたちは、元気に学校を巣立ってゆく。前途に幸多かれと願う。

3月14日(日)

俳句

晴れ
○花冠5月号入稿。5月号からHPのオンライン版からダウンロード。割付はadobe.
念のため、これまでどおり原稿とCDROMをエックスパックで郵送。

○小川和子さん、佃康水さんに花冠4月号各6冊ずつメール便で発送。

○昼は今年になって初めてのざるそば。そばつゆはいつも自家製。

3月11日(木)

晴れ
○花冠5月号の後記を書いて、ほぼ原稿が揃う。今月号より、入稿はメールで済ませることになる。表紙字は、スキャンして添付ファイルで送る。用心のため、実物も送る。

○昨日、啓一さんより、花冠3月5冊注文あり。明朝、メール便で発送。

3月10日(水)

俳句
にらの香のつんとしてくる夕餉の椀

晴れ
○花冠5月号締め切り。

○雪割り草が元気に葉を増やし、パンジーもようやく花を咲かす。細葉にらをほんの少し収穫。

○松山の俳誌「砂山」が3月号で廃刊。理由は種々のようだ。水煙より後に出た俳誌。
○第45回子規顕彰全国俳句大会の募集案内の版下が来る。5月号に載せる。