曇
俳句
芽柳のるると色燃ゆ向こう岸 正子
自解:「るると」がお分かりだろうか。柳のさみどりの小さい芽が「る」という字に似て、また、小さな芽のつながる枝が「るる」と発音すればよさそうな具合に風に揺れていた。それが水を隔てた向こう岸にあるので、そこまで行って見たいような、こちら側から見ていた方がよいような風景だった。
○松山へのお土産と、月間賞の賞品にする扇子と葉書に俳句を書く。家事をした後は、気のせいか腕が重く感じるので、家事は目をつむる。夕方、どっさり洗濯。外に出ると冷え込んでいる。4度らしい。
○町内会の班長を次の方に引き継ぎ、一年3ヶ月の任務を終える。
班長の仕事は、回覧を月2回程回す、毎月広報の配布、秋の防災訓練に参加、防災班の担当を割り振る、年2回の募金集め、班長会、総会に出席。町内会費の徴収など。結構あるのです。
○今日の俳句
桜咲く島へと長き水脈を曳き/柳原美知子
島に桜が咲くこと自体に抒情がある。その島まで船が長い水脈を曳いて、穏やかなみどり深き海が想像できる。島へゆくのは生活の船であろう。一景の画だ。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇生活する花たち「桜・雪柳・菜の花」(横浜日吉本町)

晴後曇
俳句
春の夜のむかし炭火を持ち運び 正子
自解:「むかし」というのは、昭和30年代の終わりから40年代の初めごろ。火鉢を使っていて、台所で熾した炭火を炭斗(すみとり)に入れて、各部屋の火鉢に火だねを持ってゆく。春の夜は、がらんとして寒い。炭火の匂いがなんともよい。そういった時代があったことを思い出して作った句。
○今日の俳句
青空の青を返して犬ふぐり/渋谷洋介
犬ふぐりは、地に咲く星に例えられたり、その他、いろいろな表現で称えられてきた。この句のよさは、「青を返して」にある。青空の青を映し、その青をまた空へそっくり返す。この力が花の生命力、あるいは生命感というものであろう。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇生活する花たち「桜・ラベンダーの蕾・菜花」(横浜日吉本町)

曇時々晴
俳句
春の塩ぱらぱら振れば菜はみどり 正子
自解:台所は、家のなかでも冷えている。台所に立ち漬物用の菜に塩を振ると、塩は塩壺の中でで少し湿りを帯びて、掴んで降れば、霰のように菜にかかる。春愁に近い気分。
○俳句雑誌「花冠」5月号校了。
http://blog.goo.ne.jp/kakan12/
○川柳のかもめ舎主宰の川瀬晶子先生に、第19回インターネット俳句コンテスト審査員依頼の件で電話。
http://www.kamomesha.net/
○今日の俳句
花冷えの夜も賑わえる我が家かな/高橋秀之
花冷えとは一見お構いなしの元気な子どもたちで賑わう我が家。とはいえ、花冷えの空気が大きく家を包んでいる。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇生活する花たち「桜・パンジー・いちごの花」(横浜日吉本町)

雨
俳句
春の蕗提げしわれにも風が付く 正子
自解:蕗を油揚げと煮る。これは、お惣菜の定番。しかし、茎が1メートルほどの栽培蕗で風情もなくて、つまらないが、それでも季節のせいか、いいおかずになっている。丈の短い、茎の細い蕗。これが本当の蕗。筍もそろそろ。蕗と煮るのも定番。
○昨日は、真冬のような寒さ。今朝も雨で寒い。
○松山へ行く準備をはじめる。
○今日の俳句
まんまるい蕾もろとも花菜漬け/藤田裕子
まんまるい、黄色も少し見える蕾もろとも漬物に付け込むには、心意気がいる。日常生活が身の丈で表現された句。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇生活する花たち「馬酔木・菜の花・金盞花」(横浜日吉本町3丁目)

雨
俳句
らんまんの一花こぼさぬ花強し 正子
咲き満ちて日に輝き、仄かな香を漂わせている桜。風に吹かれて撓う枝に、優美な花がひとつだに零れ落ちることなく戦いでいる。爛漫の花に秘めらた強靭さに驚嘆し、短い花の生命の限りを精一杯輝かせて咲いている、美しくもけなげな桜への愛しさが込み上げてきます。透徹した観察眼と女性ならではの感性の感じられる生命の讃歌に心惹かれます。(柳原美知子)
○彼岸明けというのに、寒波の再来。最高気温が9度とか。「暑さ寒さも彼岸まで」が、眉唾物になってきた。苺が届いたのに、冷たそうで、食べる気にならない。
○川柳のかもめ舎から柳誌「かもめ舎」第5号が届く。
○今日の俳句
チェロの夕果てて仰げば春の月/佃 康水
チェロの演奏会が果て、余韻を引いて外に出れば春の月が出ている。「秋の月はさやけさを賞で、春の月は朧なるを賞づ」と言われるが、「澄んであたたかい感じ」の春月もよい。チェロの余韻が広がる。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇季節の花「ソケイ・パンジー・チュウリップ」(横浜日吉本町3丁目)

曇時々晴
俳句
コーヒーに水の旨味よ花の朝 正子
自解:この句は、愛媛県久万高原町にある久万中学校での作。映画のロケにも使われた木造校舎。この校長室でいただいたコーヒー。窓には桜が咲き満ち、ひんやりとした山の朝の空気。出されたのは、インスタントコーヒーだが、おいしかったこと。水の旨みを実感した。
○全国俳誌協会の俳句コンクールの正子選30句を郵送。
○今日の俳句
一山の花明りして暮れゆけり/藤田洋子
一山が桜の花で見事であるが、暮れてゆくときは、花の色が発光するようように暮れ残る。「花明かり」にある華やかさと寂しさの混じった抒情がよく詠まれている。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇季節の花「曙つつじ・黄水仙・ラッパ水仙」(横浜日吉本町)

晴れ
俳句
水菜洗う長い時間を水流し
こんな句は、地味なようで、実は派手な句と言えましょう。自分の感動をよく吟味し、工夫して、表現した新しさがあります。(川本臥風)
○今日の俳句
咲き初めし辛夷湖へと枝を張る/黒谷光子
この句の眼目は、景色がよいことである。「咲き初めし辛夷」も、「湖へ枝を張る」も、これからのさらに美しい景色を想像させて、芯にしっかりとした力の強さがある。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇季節の花「桜・レンギョウ・雲間草」(横浜日吉本町3丁目)

俳句
ようやくの桜蕾が灯の中に
晴れ
○「俳句界4月号」が到着。3冊。
○お彼岸なので、餡も自分で炊いておはぎを作る。つぶ餡、青海苔、胡麻の三種。胡麻は摺り胡麻に醤油を少し垂らす。胡麻に醤油を入れるアイディアは、「お菓子の教科書」(川上文代著/新星出版社)のおはぎの作り方で教えてもらった。おいしいですよ。
○ラベンダーの蕾が覗く。雲間草が花盛り。日光を好むらしい。夕方から風が強くなる。夕べは、風の声が歌のようにも聞こえ、なんどもラジオかもと確かめたが、やはり、風の音。
ローレライの話を思い出した。
○今日の俳句
湧水の流れに椿一花あり/小川和子
きれいな湧水に一花の椿が落ちてまだ色鮮やかである。水と花のクリアなイメージが美しい。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇季節の花「桜・花ニラ・雲間草」(横浜日吉本町3丁目)

俳句
花すもも散るや夜道の片側に
春嵐夜道を戻る髪弄り
曇り時々晴れ
○下記ブログの更新
インターネット俳句コンテスト協会事務局
http://blog.goo.ne.jp/ihck/
インターネット俳句コンテスト実行委員会
http://blog.goo.ne.jp/contest2009/
○仙の絵と書のある出光のカレンダー。三月には次のようにある。
「楽しみハ花下より鼻の下」「農其天下之本乎」
鼻の下とくれば、鼻の下が長いを連想するが(現にこういう男性の顔を知ってはいるが)鼻の下というのは、生活の糊という意味らしい。桜花の下で、花見の宴がくり広げられる頃には、農民たちは額に汗して忙しく働いている。人々が花見を楽しむことができるのも休む間も惜しんで働く農民たちに支えられてのことである。
思い返してみると、桜が咲くは、苗代の準備を始める頃だったのかもしれない。種籾をみどり色の消毒液に浸し、それから苗代に蒔く。苗代床はなんだか暖かそうに思えた。農家の人は、花見どころではなかったような気もする。苗代ができたり、田の畦がきれいに塗られたりすると、咲いているれんげそうが土に鋤きこまれたりはしたが、楽しい季節がはじまったという記憶がある。
○現代俳句一日一句鑑賞
http://blog.goo.ne.jp/kakan109/
◇季節の花「すもも・ソケイ・ヒアシンス」(横浜日吉本町3丁目)

俳句
囀りの抜け来る空の半円球
読み手に快い思いを与えてくれるのは、作り手の心が新鮮で、句を楽しんで作っているからであろうと思われます。句が生き生きとしています。(高橋信之)
曇り時々晴れ
○月刊俳句界の依頼原稿の校正。作品6句掲載。
○第19回インターネット俳句コンテストの準備。作品募集期間は、9月1日から9月30まで。
http://internet-haiku.info/contest/index1.html