5月14日(金)

竹皮を脱ぐ孟宗の節短し  正子
孟宗の竹林を丁寧に見たことがないのですが、花筒などの工芸品を思いますと節が短く節に斑点などもあり、それが見どころとなっているかと思います。御句のように皮を脱ぐ時から「節短し」に納得いたしました。 (黒谷光子)

○今日の俳句
抜きんでて空わがものに今年竹/黒谷光子
竹の生長は驚くほど。一夜にして空に抜きん出て、若緑の葉を空にそよがす。空をわがもとして。

5月13日(木)

豆の花宙に雀が鳴いており  正子
豆の花といえば春咲きの豌豆と蚕豆の花を言うようです。そんな花の咲く畑の宙(そらと読みました)で鳴く雀。豆の花も雀もどこにでもある風景。そこを組み合わせ詩にしたところに惹かれます。 (古田敬二)

○花冠7月号入稿。PDFファイルで。オンライン版で皆さんに著者校をお願いする。

○四月月間賞、立夏ネット句会の賞は全員が受け取られた旨の書き込み。

○信之先生洋介さんの句集『葉桜』の編集中。跋は正子。跋に挙げる句とコメントはほぼ揃う。

○今日の俳句
蒲公英の絮白々と朝の野に/古田敬二
「朝の野」の少し冷たく覚めきらない野に「蒲公英の絮」の球形がいくつもある様がよい。(高橋正子)
[自句自解] 朝早く畑仕事をする横で、蒲公英の絮が何本も朝露に濡れて立っていました。朝日が射しいっそう美しく見えました。

5月12日(水)

 明治神宮
新緑の枝差し交わす神の杜  正子
神の杜には瑞々しい新緑が交差し、初夏の風を受けてさわさわとゆらめき、木々の精霊の言葉がきこえるようです。(井上治代)

○今日の俳句
鳴き交わし夏鳥高き青空へ/井上治代
夏鳥の弾けるような鳴き声が楽しげだ。高く眩しい青空へ飛びゆく姿も生命の楽しさそのものだ。(高橋正子)

●昨日のアクセスランキング入り
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5月11日(火)

ビルの窓全てで五月の空なせり  正子
ビルの窓に一体何がどの様に映るだろうと暫くビルの窓を眺めて、はっ!と致しました。真っ青な空、白い雲、青葉若葉の木々 そよぐ風、光、色、飛び交う小鳥など。映している窓の全てで五月の空をなしているという広大な御句の深さに感銘致しました。(佃 康水)

○今日の俳句
 広島縮景園
茶摘女や手にさ緑の陽を返す/佃 康水
薫風の季節を迎え、茶摘みが始まる。茶葉を摘む女性のしなやかな手元から、きらきらと陽光がこぼれるように、茶葉が光る。「さ緑の陽」といい、季節の麗しさが詠まれた。(高橋正子)

5月10日(月)

野ばら咲く愛のはじめのそのように  正子

○今日の俳句
沢音の高まり青葉に分け入りぬ/小川和子
沢の音が高まって、その先の沢の流れは、青葉の下を潜ることになる。青葉の中へと分けて入る。茂る青葉と豊かな水が、日本の季節をよく知らせている。(高橋正子)

○花冠6月号発送。
四月月間賞、立夏ネット句会の賞品を発送。(柳原美知子・多田有花・川名ますみ・宮地祐子・藤田洋子)

◇生活する花たち「あやめ・かきつばた・山吹」(東京・椿山荘)

5月9日(日)

初夏の夜の電車傾きつつ曲がる  正子

○高橋秀之さん歓迎吟行句会
参加者は、信之先生、秀之さん、加代子さん、私。宏さんは、あいにく欠席。高田の馬場で秀之さんと待ち合わせ。11時過ぎから芭蕉庵へ。加代子さんは、直接芭蕉庵へ。
関口芭蕉庵を吟行し、一人5句投句を済ませる。その後、神田川沿いの冠木門から椿山荘に入り、蕎麦処の無茶庵で、せいろ天そばと生ビールの歓迎昼食。昼食後は、椿山荘のカフェを句会場に予定していたが、今日は、結婚式と表千家師範のお披露目会で、賑わっていたので、江戸川橋から有楽町線で飯田橋まで移動。飯田橋の駅のカフェで句会。加代子さんの司会。5時すぎお開き。秀之さんと別れ、日吉行き南北線で帰宅。加代子さんは、大岡山下車。

○花冠6月号が昨日到着。秀之さんと加代子さんに手渡す。明日発送の予定。
○立夏句会(祐子さん)、四月月間賞(ますみさん、有花さん)の賞品を準備。秀之さんには、立夏句会の賞品を手渡した。(美知子さんと洋子さんの賞品は後ほどにする。)

○今日の俳句
真っ青な五月の空の飛行雲/高橋秀之
すっきりとして、なにもない良さ。「五月の空」と言って、それ以上言わないことで、実在感が生じた。青と白のさわやかさは五月である。(高橋正子)

◇生活する花たち「竹としゃがの花」(東京・関口芭蕉庵)

5月8日(土)

新緑の翳るときあり水があり  正子

○今日の俳句
幾たびも来ては飛び去る夏の蝶/平田 弘
夏になると、蝶さえも活発な動きを見せるようになる。今しがた蝶が来たかと思うと、また来ている。初夏の日差しのなかにきらめく蝶の動きが印象に残る。(高橋正子)

5月7日(金)

白ばらの空気を巻いていて崩る  正子

○今日の俳句
高々と牛舎の空へ鯉幟/渋谷洋介
鯉幟は、男の子の成長を願って立てられるものだが、牛舎のある家にも男の子が誕生したのだ。のどかな風景に、力強く、高々と泳ぐ鯉幟に健やかな成長を願う気持がいっぱい。(高橋正子)

◇生活する花たち「つつじ・藤・パンジー」(横浜日吉本町)

7月号投句/5月6日

藤房
高橋正子

藤房に天の蒼さのありにけり
 明治神宮
新緑の枝差し交わす神の杜
真っ直ぐな菖蒲のみどり湯が熱し
菖蒲の葉折ればかぐわし仕舞湯も
朽葉色の葉がよく真白き柏餅
ラベンダー紫混みて風にあり
ベランダにハーブ匂える五月来ぬ
プラチナの五月の光をベランダに
豆の花宙に雀が鳴いており
都忘れの花を思えば幾月ぞ

5月6日(木)

葉桜の蔭は家居のごと安し  正子

○今日の俳句
ゆさゆさと百の牡丹も風のまま/黒谷光子
風が来て、百ほどの牡丹の花を揺らす。大きく富貴な花が、花の重みをもって揺れると「ゆさゆさ」となる。「ゆさゆさ」「風のまま」は、牡丹をより自然に捉えている。(高橋正子)

●昨日のアクセスランキング入り
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◇生活する花たち「つつじ・パンジー・藤」(横浜日吉本町)