■7月月例ネット句会入賞発表■

■7月月例ネット句会入賞発表■
2024年7月15日

【金賞】
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
誰にでもわかる易しいことばと、率直な詠み方に俳句の本質を見る句と思う。採れたての真っ赤に熟れたトマトを、勢いよく流れる水の下で洗い、水滴のあるままそれを丸かじりする。ずばり、トマトのおいしさが伝わってくる。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
22.初蝉の朝のひと声艶やかに/吉田 晃
朝、今年はじめて、ひと声鳴く蝉の声を聞いた。その新鮮な驚きと、夏が来たと言う実感が「艶やかに」に洗われている。蝉の姿まで艶やかに思われる。(髙橋正子)

28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ
空に広がる夕焼雲を押し上げて富士山の山頂が現れる。力強い富士山と夕焼雲のある景色があきらかに目に見えて来る。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
16.谷水に声を響かせほととぎす/柳原美知子
谷水を汲もうとしているのか。ほととぎすの鋭い声が、谷水を響かせるように聞こえる。谷水とほととぎすの声のある景色に山気を感じて涼しいそうだ。(髙橋正子)

17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事/柳原美知子
今私のベランダにも青紫蘇がこんもりと繁っているが、毎日数枚を採って料理に楽しんでいる。美知子さんも日々の厨ごとに何かにつけて、青紫蘇を使っ使い薫らせている。清々しい日々の暮らしがいい。(髙橋正子)

34.テレワーク窓を開ければ星涼し/西村友宏
日中のテレワーク中は、窓を閉め切ってクーラーをかけている。根詰めていたテレワークの仕事が終わり、窓を開ければ星が涼しそうに輝いている。星の美しさを実感し、ほっとするひとときだ。「テレワーク」はコロナ禍を経て日常化した言葉。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
家庭菜園で採れたトマトやナス、胡瓜を水桶に漬けて居ります。その中の真っ赤に熟れたトマトを丸かじりすれば、至福の美味しさです。 (桑本栄太郎)
夏の盛りに、みずみずしい真っ赤な大きなトマトを丸かじりしながら、したたる果汁を拭う情景が想い浮かぶ。「真っ赤な」と表現したことが、水の青色とトマトの赤色のコントラストが清々しい。(弓削和人)
よく熟した瑞々しいトマト。一番美味しい食べ方は、やはり「丸かじり」でしょう。率直な言葉選びで、情景がダイレクトに届きます。 (川名ますみ)

28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ
夕焼け雲が切れて富士山が見えるようになりました。「雲を押し上げ」と富士山自身が意志を持っているようです。夕焼け空の中に聳える神々しいまでの富士山の姿です。 (多田有花)
28.押し上げるという表現で富士山の力強さを感じると共に厳かな光景が目に浮かびます。(西村友宏)

16.谷水に声を響かせほととぎす/柳原美知子
ホトトギスの鳴き声を「テッペンカケタカ」と表現するが、実際の声は丸みを帯びた可愛らしい声であり、青葉繁る谷にその声を響かせる。涼しい風を感じさせてくれる。(吉田晃)

32.ナイターの光夜空を突き抜ける/髙橋句美子
夜空を突き抜けるナイターの光の華やぎに昼間の仕事からの解放感やひろびろとした夜空の涼しさが感じられ、楽しい観戦のひとときが想像されます。 (柳原美知子)

17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事/柳原美知子
22.初蝉の朝のひと声艶やかに/吉田晃
34.テレワーク窓を開ければ星涼し/西村友宏

【髙橋句美子特選/7句】
01.小燕の店番となり道の駅/弓削和人
小燕の声が挨拶のように賑やかに思います。みちの駅も旅行客で賑わっている様子がうかがえます。(髙橋句美子)

11.大聖火向かうはパリや夏旺/廣田洋一
大聖火は無事にパリに到着し市内をめぐってるようです。夏の盛りのオリンピック、世界が少しでも明るい未来へとひらかれるよう、アスリートの方々の
活躍を見守りたいですね。 (柳原美知子)

03.六月の樹々雨音を迎えたり/弓削和人
新樹にとって雨は必要不可欠なもの。喜んで雨と雨音を迎えたことでしょう。絵本を見るようです。 (柳原美知子)

20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮/髙橋正子 
雨の中の白睡蓮の揺れる様子に、雨音、風の音、水の音、水の色などが感じられ、白睡蓮の存在感が晴れている時よりもさらに強く感じられるようです。
(柳原美知子)

13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
15.海沿いを走る電車に夏の雨/高橋秀之
28.夕焼の雲を押し上げ富士現る/川名ますみ

【入選/10句】
05初蝉の忽と鳴き初め即止みぬ/桑本栄太郎
初夏になると子供のころの懐かしい蝉の声があちらこちらから聞こえてくる。野原を駆け回り疲れた体で一休みしていると、頑張れと蝉の一声に励まされてまた遊びほけた事が思い出される。 (小口泰與)

23.ぶらんこの子に梅雨空の休みけり/吉田 晃
実際には梅雨の中休みの時間に子どもたちが公園のぶらんこを楽しんでいるのでしょうが、ぶらんこの子を主体に捉えた楽しい目線の句を感じます。(高橋秀之)

24.向日葵の鉢の新装喫茶店/吉田 晃
いきつけの喫茶店でしょうか。それとも新しくオープンした店?向日葵の鉢がそこに飾られました。仲間が毎朝集まってモーニングを楽しむ情景を想像します。(多田有花)

27.朝凪の終わり吹き初め今朝の風/多田有花
朝凪が終わる。風が吹く。今朝の風はその吹き初め。夏がやってきたと感じる朝の一コマがそこにあります。(高橋秀之)

35.扇風機のメモリを「強」へ風呂あがり/西村友宏
すごく気持ちが分かります。自然の行動を素直に表現されていると感じます。(高橋秀之)

22.威勢よく草刈る男の腕まくり/弓削和人
04.驟雨止み雨雲峡にとどまれり/桑本栄太郎
07.風鈴やまた聞し召す赤ワイン/小口泰與
08.一本のばらのくずれる朝かな/小口泰與
12.世事忘れ避暑の旅へと出かけたり/廣田洋一

■選者詠/髙橋正子
19.あおあおと蓮の花托の葉を抜きぬ
蓮は最初に若葉が池の面に張り付くように出てきます。巻葉が水面から立ち上り花托もそれに続きます。初夏から晩夏へと移り変わっていく蓮の生長の瞬間をとらえておられます。(多田有花)

20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮 
雨の中の白睡蓮の揺れる様子に、雨音、風の音、水の音、水の色などが感じられ、白睡蓮の存在感が晴れている時よりもさらに強く感じられるようです。
(柳原美知子)

21.風鈴に風の声聞く盆法会

■選者詠/髙橋句美子
2.ナイターの光夜空を突き抜ける/髙橋句美子
夜空を突き抜けるナイターの光の華やぎに昼間の仕事からの解放感やひろびろとした夜空の涼しさが感じられ、楽しい観戦のひとときが想像されます。 (柳原美知子)

33.真新しい色の夏帽小旅行
今の夏に新調した夏帽子なのでしょう。小旅行の楽しさと相まって、わくわくする気持ちを感じます。(高橋秀之)

31.とりどりの願い事揺れ七夕笹

●互選最高点句(8点)
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり/高橋秀之
集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。
さい。

■7月月例ネット句会清記■

■7月月例ネット句会清記■
2024年7月14日
36句(12名)

01.小燕の店番となり道の駅
02.威勢よく草刈る男の腕まくり
03.六月の樹々雨音を迎えたり
04.驟雨止み雨雲峡にとどまれり
05.初蝉の忽と鳴き初め即止みぬ
06.掘割りの鯉の寄り来る?外忌
07.風鈴やまた聞し召す赤ワイン
08.一本のばらのくずれる朝かな
09.豊満な水着の少女湖の辺に
10.白靴を履きたる婦人色白し

11.大聖火向かうはパリや夏旺
12.世事忘れ避暑の旅へと出かけたり
13.水弾く真っ赤なトマトを丸かじり
14.晴れの日は目覚まし代わり蝉の声
15.海沿いを走る電車に夏の雨
16.谷水に声を響かせほととぎす
17.青紫蘇を薫らせ日々の厨事
18.梅雨長し青春の地に土砂崩れ
19.あおあおと蓮の花托の葉を抜きぬ
20.ふる雨の強さにゆれる白睡蓮

21.風鈴に風の声聞く盆法会
22.初蝉の朝のひと声艶やかに
23.ぶらんこの子に梅雨空の休みけり
24.向日葵の鉢の新装喫茶店
25,浴衣着て今宵は野球応援に
26.夏祭り知らせる朝の町内放送
27.朝凪の終わり吹き初め今朝の風
28.夕焼の雲を押し上げ富士現る
29.盆用意ようやく慣れて静かなり
30.紺青のレースを羽織り車椅子

31.とりどりの願い事揺れ七夕笹
32.ナイターの光夜空を突き抜ける
33.真新しい色の夏帽小旅行
34.テレワーク窓を開ければ星涼し
35.扇風機のメモリを「強」へ風呂あがり
36.冷房の音止む夜の静寂さ

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■7月月例ネット句会ご案内■

■7月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠
7月8日(月)午前6時~7月14日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月14日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、7月15日(月)正午~7月18日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

ご挨拶/6月月例ネット句会を終えて

■ご挨拶/6月月例ネット句会を終えて■

梅雨入りしたところもあるようですが、横浜の梅雨入りはもう少し先になりそうです。このところ暑い日もあって、私はいつ買った忘れた三社祭の団扇をだして扇いでおりますが、扇風機やクーラーが欲しい方もいらっしゃるでしょう。

6月月例ネット句会にご参加ありがとうございました。梅雨入りを前にして詠んだ句がたくさんあり、楽しませていただきました。入賞の皆様おめでとうございます。また、選とコメントをありがとうございました。コメントはまだ受け付けていますので、ご自由にお書込みください。
これで6月月例ネット句会を終わります。来月は7月14日(日)となります。楽しみにおまちください。
2024年6月12日
髙橋正子

■6月月例ネット句会/入賞発表■

■6月月例ネット句会入賞発表■
2024年6月10日

【金賞】
23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃
夏雲と海の青さのコントラストに力強さがある。「極めけり」がそのコントラストを強調し、夏雲と海とが双方を強め合っている。爽快で堂々とした句。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
18.晴天や見渡すかぎりの抜き玉葱/柳原美知子
玉葱の収穫が晴天を見計らって行われた。見渡すかぎりの畑に抜き置かれた玉葱は大豊作を意味している。豊作の姿を眺め見るのもうれしいことだ。(髙橋正子)

07.参道の先で風鈴鳴り響く/高橋秀之
寺社の参道の先のほうで、風鈴市があるのか、風鈴が鳴る音が聞こえる。静かな参道に響くすずしい風鈴の音色に夏らしい生活を思う。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
01.新調の靴をおろすや風薫る/桑本栄太郎
風薫る季節の心弾む気持ちを表すかのように新調した靴をおろす。風薫るの中を運ぶ足も軽く、はつらつと歩く姿が想像できて、気持ちが良い句。(髙橋正子)

20.茄子の花薄紫をうつむきに/多田有花
茄子は葉にも茎にも花にも紫の色があるが、花は特に薄紫で下向きに咲く。この「うつむいて」咲く花には、想いがある様子で、その控えめな咲き方に惹かれるものがある。(髙橋正子)

36.薔薇のブーケ抱えて入る写真館/髙橋句美子
薔薇のブーケを抱えて写真館に入ったと言う事実だけが述べられているが、その背景や薔薇のブーケをもって写真に映る様子など場面が想像できる。特に薔薇のブーケが季節を象徴してよい記念になっている。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
01.新調の靴をおろすや風薫る/桑本栄太郎
新調した靴をおろし、気持ちも新たに風薫る戸外へと踏み出す心地よさと意気込みが感じられます。 (柳原美知子)

23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃
夏雲と青い雲がくっきりと、誰の目からも鮮やかな情景をよくとらえています。「極めけり」の言い切りが印象深い絵画のようで、飾っておきたくなります。(弓削和人)
青空に湧き上がる白い大きな雲は生命観に溢れ力強さか満ちています。それに対して大きな海は素晴らしい青さを誇っています。まさに夏の素晴らしい景ですね。(小口泰與)
白い雲との対比で海の青さが眩しい夏の爽快感を感じました。(西村友宏)

27.青空へ伸びやかに立つ立葵/西村友宏
伸びやかというのは立葵を表すのにぴったりの形容です。同時に詠者ご自身の心の持ちようもそこに投影されています。青空へ伸びやかに立つのはご自身でもあります。(多田有花)

36.薔薇のブーケ抱えて入る写真館/髙橋句美子
何か特別な記念日なのでしょうか。写真館で写真を撮影する機会は現代生活では稀なことと思います。高揚感は薔薇のブーケにも表されています。(多田有花)
写真館で写真を撮る、きっと特別な日なのでしょう。大切に胸に抱えた花束は、今が盛りの薔薇。「ブーケ」という言葉からも、背筋がすっと伸びる、華やいだ雰囲気が伝わります。(川名ますみ)

07.参道の先で風鈴鳴り響く/高橋秀之
18.晴天や見渡すかぎりの抜き玉葱/柳原美知子 
20.茄子の花薄紫をうつむきに/多田有花

【髙橋句美子特選/7句】
13.六月のドラセナに葉の新たなる/川名ますみ
ドラセナは葉が美しいですが、六月の光にまた新しく出てきた葉が映え、色合いを楽しませてくれます。季節の喜びが感じられます。 (柳原美知子)

17.夏海へ音わたらせて二両列車/柳原美知子
時間がゆっくり流れてのどかな雰囲気がかんじられます。(髙橋句美子)

21.紫陽花や縁より彩始まりぬ/多田有花
うすみどりの毬の紫陽花がいつの間にか縁に仄かな青や紅を帯び、日毎に彩を変えていくのを見るのは梅雨の時期の楽しみのひとつですね。 (柳原美知子)

25.日が射して青葉の透ける並木道/西村友宏
青葉が日に透ける美しい並木道、清々しい風に吹かれて歩けば、心も軽く弾むようです。 (柳原美知子)

29.菖蒲田の水のめぐりを飛ぶ蛍/髙橋正子
菖蒲田に水がさざめき、菖蒲の中から蛍が舞い上がって来る。菖蒲田に水がめぐり、蛍の光がめぐる。暗闇に体が溶け込んでゆく錯覚にとらわれたのだと想像する。(吉田晃)

11.喧騒の六角張りて鉄線花/弓削和人
23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃

【入選/11句】
04.水嵩の増し来る利根や鮎遡上/小口泰與
梅雨の時期を控えて上流のダムが水位調整を始めたのでしょうか。そんな水嵩の増えた利根川で鮎が遡上する光景も自然の一コマです。(高橋秀之)

06.利根川の波の遊びて夏の月/小口泰與
まだ暮れきらぬ利根川に波がたゆたい、紺色の薄闇に浮かぶ夏の月。ゆったりと刻が流れてゆきます。 (柳原美知子)

10.渓谷の滝のしぶきや甘味店/弓削和人
何処の渓谷の滝の光景でしょうか?その滝をのぞむ場所に、甘味店があります。景観を愛でながら頂く甘味は、得も言えないほど涼やかですね。(桑本栄太郎)

14.走り梅雨カット少なき映画みる/川名ますみ
誰の作品をご覧になったのでしょうか。長回しがひとつの作風になっている映画監督もありますね。今年の梅雨入りは記録的な遅さになりそうです。(多田有花)

16.朝明ける紫陽花の色ゆらす風に/柳原美知子
今頃の季節の雰囲気を美しく詠んでおられます。朝は最も早く明けるころです。紫陽花が色づきそれを早朝の風が揺らしていきます。(多田有花)

19.驟雨来る夕餉の支度しておれば/多田有花
夕餉の支度をしていると急にどっと雨が降りだして、支度が終わらないうちにやんでしまう。まさに驟雨です。(高橋秀之)

22.放たれしここを稚鮎はふる里と/吉田 晃
稚鮎の放流があった時の感慨なのでしょうか。ふる里への思いが目の前の鮎たちにも伝わるといいですね。(高橋秀之)

31.山道になだれ咲きたる額の花/廣田洋一
なだれ咲きたるに創られた秩序ではなく、自然の力強さを感じます。(高橋秀之)

05.風薫る垣穂に隠る野鳥かな/小口泰與
08.雲間から夏の日一条降り注ぐ/高橋秀之
09.夏の海吹き寄す風は温かく/高橋秀之

■選者詠/髙橋正子
29.菖蒲田の水のめぐりを飛ぶ蛍
菖蒲田に水がさざめき、菖蒲の中から蛍が舞い上がって来る。菖蒲田に水がめぐり、蛍の光がめぐる。暗闇に体が溶け込んでゆく錯覚にとらわれたのだと想像する。(吉田晃)

28.蛍火の十ほど飛べる蛍狩
30.暮れ兼ぬる空を蛍の生(あ)れて飛ぶ

■選者詠/髙橋句美子
36.薔薇のブーケ抱えて入る写真館
何か特別な記念日なのでしょうか。写真館で写真を撮影する機会は現代生活では稀なことと思います。高揚感は薔薇のブーケにも表されています。(多田有花)
写真館で写真を撮る、きっと特別な日なのでしょう。大切に胸に抱えた花束は、今が盛りの薔薇。「ブーケ」という言葉からも、背筋がすっと伸びる、華やいだ雰囲気が伝わります。(川名ますみ)

34.紫陽花の小さな花の青集う
35.向日葵の花束花屋よりあふれ

●互選最高点句(8点)
23.夏雲に海は青さを極めけり/吉田 晃
集計:髙橋正子

※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

■6月月例ネット句会清記■

■6月月例ネット句会清記■
2024年6月9日
36句(12名)

01.新調の靴をおろすや風薫る
02.歩き居て影に気付けり夏あかね
03.バリバリと風に乗り来る草刈り音
04.水嵩の増し来る利根や鮎遡上
05.風薫る垣穂に隠る野鳥かな
06.利根川の波の遊びて夏の月
07.参道の先で風鈴鳴り響く
08.雲間から夏の日一条降り注ぐ
09.夏の海吹き寄す風は温かく
10.渓谷の滝のしぶきや甘味店

11.喧騒の六角張りて鉄線花
12.青空や無風無音に夏来る
13.六月のドラセナに葉の新たなる
14.走り梅雨カット少なき映画みる
15.ミニ薔薇のそっとひらいて美しき
16.朝明ける紫陽花の色ゆらす風に
17.夏海へ音わたらせて二両列車
18.晴天や見渡すかぎりの抜き玉葱 
19.驟雨来る夕餉の支度しておれば
20.茄子の花薄紫をうつむきに

21.紫陽花や縁より彩始まりぬ
22.放たれしここを稚鮎はふる里と
23.夏雲に海は青さを極めけり
24.特急の速度が夏の雲をゆく
25.日が射して青葉の透ける並木道
26.爽快な朝の始まり梅ジュース
27.青空へ伸びやかに立つ立葵
28.蛍火の十ほど飛べる蛍狩
29.菖蒲田の水のめぐりを飛ぶ蛍
30.暮れ兼ぬる空を蛍の生(あ)れて飛ぶ

31.山道になだれ咲きたる額の花
32.芭蕉句碑吹き抜ける風涼しけれ
33.七変化四色並びし法の庭
34.紫陽花の小さな花の青集う
35.向日葵の花束花屋よりあふれ
36.薔薇のブーケ抱えて入る写真館

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■6月月例ネット句会ご案内■

■6月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠
6月3日(月)午前6時~6月9日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月10日(月)正午~6月13日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

ご挨拶/芍薬忌ご参加お礼

ご挨拶
信之先生が亡くなられてこの度5月24日に一周忌を迎えました。信之先生を忍んで芍薬忌ネット句会を開催させていただきました。平日にも拘わらず、多くの方にご参加いただき、ありがとうございました。またお心のこもった献句をいただき、感謝申し上げます。献句は、色紙に寄せ書きにして仏前に供えております。信之先生の忌日を「芍薬忌・信之忌」と名付けましたが、皆様に受け入れていただき、ありがたく思います。

信之先生の誕生日は5月28日で、この頃ちょうど庭に芍薬が咲くので、芍薬が咲けば、誕生日が来るという思いで、毎年芍薬が咲くのを楽しみにしておりました。命日も誕生日の4日前という芍薬の咲く時期になりました。こう言ったことで、芍薬忌と名付けさせていただきました。今後ともよろしくお願いします。
芍薬忌ネット句会の入賞の皆様おめでとうございます。また、お忙しい中、選とコメントをありがとうございました。お陰様でよい供養になりました。
これで芍薬忌ネット句会を終わります。
                 2024年5月31日
                    髙橋正子

■芍薬忌献句十四句■

■芍薬忌献句十四句■
           2024年5月24日

★松山のことは夢なり芍薬忌/桑本栄太郎
★芍薬忌夜に句集を読み返す/高橋秀之
★先生の酔うた丸い背夏料理/吉田 晃
★ゆく星の光彩さやか芍薬忌/小口泰與
★自慢話また聞きたきや芍薬忌/廣田洋一
★青空に水煙高し芍薬忌/多田有花
★芍薬を咲かせて散らす師の詩魂/川名ますみ
★師と会うた城は大阪蝉しぐれ/祝恵子
★芍薬を凛と供えて一周忌/西村友宏
★水煙の空の近しや芍薬忌/弓削和人
★活けてより忌日の百合の香の深き/藤田洋子
★信之忌芍薬の白満開に/髙橋句美子
★芍薬忌野はひろびろと水湛う/柳原美知子
★山鳩のしきりに鳴けり芍薬忌/髙橋正子

                 合 掌

■芍薬忌ネット句会/入賞発表/2024年■

■芍薬忌ネット句会入賞発表■
2024年5月24日

【金賞】
38.茅花流し青き田水をきらめかす/柳原美知子
「茅花流し」の「流し」は、湿気を含んだ南風のこと。従って「茅花流し」は茅花の白い絮が風に飛ぶころの湿った南風のこと。茅花の白のイメージと青き田水の「青」のイメージが重なって、すずやかな印象を生み出している。それがきらめいているからなおさら美しい。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
03.良き暮らし吟ずべしとや風薫る/桑本栄太郎
信之先生は常々、「よい俳句はよい生活から」と言っておられた。「よい生活」は楽な生活をするということではなく、わかりやすく言えば、嘘偽りのない、充実した生活を送ると、いい俳句ができると言う意味と私は解釈している。風薫る季節が信之先生の命日となったが、忌日にそれを思いだすことは意義ある琴と思う。(髙橋正子)

20.紫陽花のつぼみの縁に青しかと/川名ますみ
これから時期を迎えて開こうとする紫陽花が、蕾の縁に青い色がしっかりと見せている。みずみずしい紫陽花の青い色をたしかに見届けた嬉しさ。(鷹は斎雅子)

【銅賞/3句】
06.蝶々来る朝日の光る水溜まり/高橋秀之
蝶々がくる水溜まりが朝日で光っている情景が眩しい。可憐な蝶々が朝日に光る水溜まりでいのち輝くものになっている。(髙橋正子)

29.どくだみの花のまわりの闇は濃し/弓削和人
どくだみの白い十字はとくに日陰では印象にのこる。浮き立つ白い花の周りは闇が「濃し」なのた。「深し」ではなく、「濃し」の印象は闇を色合いでとらえ、詩情を醸し出している。(髙橋正子)

23.田に水の入れば夏鳥羽休め/祝 恵子
すこし大きい鳥だろう。田んぼに水が入ったので、水に浮いて羽を休めている。安全地帯の水のある田んぼで、ゆっくり羽を休めている鳥を見ると、見る側も心やすらかになる。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
03.良き暮らし吟ずべしとや風薫る/桑本栄太郎
「明るくて深い句」「良い暮らしから良い句」これが信之先生の教えでした。はや一年たったのかと思いながら、良き暮らしができているか、とわが身を顧みます。 (多田有花)

32.挿し芽して紫陽花小さき毬生まる/藤田洋子
挿し芽した紫陽花がしっかりと根付き、まだ小さいけれど、可憐な毬のような花を咲かせてくれた嬉しさ。これからどんな色の変化を見せてくれるのか楽しみですね。(柳原美知子)

38.茅花流し青き田水をきらめかす
茅の穂が銀色の絮となり、茅花流しが吹く頃になりました。名前の通り、茅の穂のゆらめく様も美しいですが、その風が田を渡る時はひときわでしょう。「青き田水」のきらめきが浮かびます。 (川名ますみ)

06.蝶々来る朝日の光る水溜まり/高橋秀之
20.紫陽花のつぼみの縁に青しかと/川名ますみ
23.田に水の入れば夏鳥羽休め/祝 恵子
29.どくだみの花のまわりの闇は濃し/弓削和人

【髙橋句美子特選/7句】
02.師の教え偲ぶ時なり青嵐/桑本栄太郎
信之先生のお句には青の多様な色彩が表現されており、青嵐に吹かれながら、さまざまなお教えが偲ばれます。先生の「大杉の芯を鳴らして青あらし」のお句も思い出されます。(柳原美知子)

33.水に挿すパセリルッコラ風入るる/藤田洋子
ルッコラは地中海原産のハーブの一種。ご自宅で水栽培されているのですね。そういえば、信之先生はお料理されるのもお好きでした。 (多田有花)

06.蝶々来る朝日の光る水溜まり/高橋秀之
20.紫陽花のつぼみの縁に青しかと/川名ますみ
29.どくだみの花のまわりの闇は濃し/弓削和人
39.パチパチと音たて走る麦焼く火/柳原美知子
40.あじさいに雨ふるかぎり青に染む/髙橋正子

【入選/11句】
07.夏灯ワインは赤くほの甘く/吉田 晃
昼の夏に輝く太陽が沈む暮。涼しい時分の赤ワインは殊の外、澄んでいて甘さを際立たせている。夏とワインが、赤で象徴的な結びつき、心地よい気分を醸し出している。(弓削和人)

09.萍(うきくさ)の花咲く池の濁りより/吉田 晃
池の周りを散歩しているのでしょうか。澄んだ水でもないのに、萍(うきくさ)の花が咲いて、楽しいことよ。 (祝恵子)

11.百本のばらの香りを浴びにけり/小口泰與
小口さまは薔薇を栽培しておられましたね。百本の薔薇が咲きそろいましたか。丹精の結晶です。 (多田有花)

12.あけぼのの風の吐息や初夏の沼/小口泰與
新緑の沼に吹く曙の風が吐息のように、沼を波立たせ、朝が静かに明けてゆきます。初夏の沼の美しい夜明けです。(柳原美知子)

13.芍薬の豊かに並ぶ門の前/廣田洋一
芍薬が並んで咲く門、豪華です。良い暮らし、いい意味での豊かな暮らしが感じられます。 (多田有花)

16.母在れば白寿なるかな小満に/多田有花
白寿を迎えられたお母様、お喜び申しあげます。万物の成長が満ちあふれる季節の節目に、ご長寿の喜びが重なり、これからの健康と幸せを願うお気持ちが伝わります。(藤田洋子)

18.腹を見せ背を見せひらり夏つばめ/多田有花
優雅に軽やかに飛ぶ夏燕が夏の訪れを告げているような美しい情景を思い浮かべました。(西村友宏)

21.青葉雨少年の弾くヴィヴァルディ/川名ますみ
雨の濡らす青葉のみずみずしさと少年の弾くバイオリンの伸びやかで明るいヴィヴァルディの旋律がマッチしていて、癒され、希望が感じられます。(柳原美知子)

25.雨上り雫滴るさくらんぼ/西村友宏
雨上がりのしずくが、きっと瑞々しく弾かれていのでしょう。そんな光景がパッと浮かびました。 (高橋秀之)

26.朝起きて淹れる新茶の青々と/西村友宏
まだ肌寒い朝、起きて最初に淹れるときの新茶の香おりと色は、季節と幸せを感じさせてくれます。良い一日のスタートですね。(柳原美知子)

01.想い出を辿るひと時窓若葉/桑本栄太郎

■選者詠/髙橋正子
40.あじさいに雨ふるかぎり青に染む
紫陽花は、雨の色を取り込んで青くなるのを上手く詠んだ。 (廣田洋一)

41. 夕焼けの吾にかく燃え信之忌
信之先生の一周忌の夕焼けは、格別に燃えるような濃い色で、胸に迫ってきます。一周忌を無事終えられた感慨と共に一抹の寂しさも覚えられたことでしょう。信之先生も天からこの日を見届けられたことでしょう。(柳原美知子)

42,クローバーある日夏めく密に咲き
いつもの野にあるクローバー、ふと「ある日」変化するクローバーの群生。春からいよいよ夏へと移る季節の動き、日ごとに変わる野の状景を敏感に感じ取られていると思います。(藤田洋子)

■選者詠/髙橋句美子
36.ふと香る薔薇の赤に近づいて
 何かの拍子に薔薇が目の前に来たのだろう。その時、薔薇の赤い色とそして、ふと香りを感じたのである。(吉田晃)

34.朝顔の双葉が青いと母の声
芽を出したばかりの朝顔の双葉、その初々しい青さに、初夏のみずみずしい明るさを感じます。これからも朝顔の成長を見守りながら、母娘の穏やかな時間が流れていくようです。(藤田洋子)

35.空仰ぎ日傘をもてば朝はじまり

互選高点句
●最高点句(同点3句/5点)
06.蝶々来る朝日の光る水溜まり/高橋秀之
20.紫陽花のつぼみの縁に青しかと/川名ますみ
40.あじさいに雨ふるかぎり青に染む/髙橋正子
集計:髙橋正子


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