■7月月例ネット句会/入賞発表

■7月月例ネット句会/入賞発表
■2022年7月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年7月11日

【金賞】
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子
合歓の花の背景として青を湛える島なみが絵画的な風景を見せてくれている。瀬戸内海の夏の夏の景色があくまでも優しく詠まれている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
20.生まれたて影を連れてる子のメダカ/祝 恵子
生まれたばかりなのに、影を連れて泳いでいる。実態が確かであればあるほど、影も確かであると思われるが、生まれて早やも影がある存在の確かさをさりげなく詠んで涼しそうだ。(髙橋正子)

36.桃ゼリー匙の冷たさ一瞬に/髙橋句美子
桃ゼリーを匙に載せたとき、ゼリーの冷たさが匙に伝わり、それが舌に伝わったときに驚くような一瞬の冷たさ。桃ゼリーと匙の取り合せに涼感がある。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
04.釣り上げし山女を掲ぐ吾子の顔/小口泰與
山女を釣るのは難しいと思われるが、それを釣りあげた子ども誇らしげな笑顔が健康的で素晴らしい。(髙橋正子)

13.日傘さし遊覧船で堀巡り/高橋秀之
堀を巡る遊覧船でゆっくりすごす日傘の人。湖や川ではなく堀というのも庶民的。日傘と水のある風景が目に眩しい。(髙橋正子)

28.ジャガイモの葉へ夏蝶の風に流れて/吉田晃
ジャガイモの葉も収穫前となり青さえ闌けた色になっている。そこへ夏蝶が風に流されてやって来る。風も蝶もジャガイモの葉もみんな季節の出会いのなかにある。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子
合歓の花が咲くのは梅雨明けから盛夏のころ。独特の花の形と色合い、香りです。その花の姿の彼方に見えるのは青い瀬戸内海、景色の大きな広がりを感じます。 (多田有花)

20.生まれたて影を連れてる子のメダカ/祝 恵子
メダカの子が自らの影を伴って、水槽か池を泳いでいる姿が微笑ましい。作者の子供が成長する姿を重ねながら詠んでいるようで、想像もふくらみます。 (弓削和人)

25.ピーマンとトマトと水に浮き動く/髙橋正子
ピーマンとトマトの色彩もよく、冷水にぷかぷか浮いている様子は、涼しげで、何もかも水に浮かべて冷やしていた懐かしい夏の光景を思い出します。 (柳原美知子)

04.釣り上げし山女を掲ぐ吾子の顔/小口泰與
13.日傘さし遊覧船で堀巡り/高橋秀之
28.ジャガイモの葉へ夏蝶の風に流れて/吉田晃
36.桃ゼリー匙の冷たさ一瞬に/髙橋句美子

【髙橋正子特選/7句】
01.初蝉の少し鳴いてはそれつきり/桑本栄太郎
今は、一匹が鳴き始めると大合唱ですが、毎年、初蝉はまさにこの句のとおりです。いよいよ暑い夏が来るぞ、の心の準備期間なのでしょうか。(高橋秀之)
すぐ鳴きやむ様を「それっきり」という言葉で見事に表現していると思いました。状況や光景が自然と浮かびました。 (西村友宏)

11.皿ケ嶺ブナの葉陰に清水放ち/柳原美知子
一読して涼しさが溢れてくる句です。四国山脈の仰ぎ見る高さ、そのひとつ皿ヶ嶺から流れ出る清水、ブナの中を吹き渡る涼風が肌に感じられます。 (多田有花)

34.日が沈む七夕祭りのアーケード/髙橋句美子
七夕祭りをしている商店街の向こうに日が沈むのでしょうか。日が沈みお祭りはこれから本番という切り替わり時が感じられます。 (高橋秀之)

04.釣り上げし山女を掲ぐ吾子の顔/小口泰與
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子
13.日傘さし遊覧船で堀巡り/高橋秀之
20.生まれたて影を連れてる子のメダカ/祝恵子

【入選/17句】
02.雨雲の嶺より峡へ戻り梅雨/桑本栄太郎
梅雨明けが非常に早かったためか、その後またぐずついたお天気が何日かありました。梅雨明け宣言もなかなか難しい判断です。雨雲が漂う山々の様子を広くとらえられています。 (多田有花)

03.夕暮れの川に水輪や宵涼し/桑本栄太郎
 夏は暑い季節であるから、ひとしお涼気が意識される。夕暮の川の瀞に水輪が生まれ、瀞の静かな流れに夏の暑さを忘れる事が出来ますね。 (小口泰與)

05.幼子の頬っぺに紅や夏祭/小口泰與
久しぶりの夏祭りに、幼子もお化粧してもらって、これからいよいよ出番です。笑顔あふれる真夏の宵が想像されます。 (柳原美知子)

07.逝く蝉の瞳は天を仰ぎたり/弓削和人
ころんと仰向けになっている蝉の亡骸をよくみかけますが、こんなふうに考えたことはなかったので、その発想に惹かれます。短い命の尊さが思われます。(柳原美知子)

10ズッキーニやっと雄花が咲き受粉/柳原美知子
同じように苦瓜に受粉した経験があり、やっとに実感がわかります。 (祝恵子)

16.東雲の空灼熱の予感あり/多田有花
早く梅雨明けとなったかと思えば、又戻り梅雨などもありながら日毎に暑くなり、6月中より全国至るところに於いて最高気温の猛暑日です。朝戸外の東の空を眺めれば、うっすらと霞みが差し今日も灼熱の暑さの予感です。 (桑本栄太郎)

17.女子のさす日傘男子もためらわず/多田有花
先日、親娘ほど歳の違う女子の日傘に入れてもらいました。これだけ暑い日差しを受けると、まさにためらわず、です。 (高橋秀之)

24.曲がり角占めて咲きたり鉄砲百合/廣田洋一
群集している鉄砲百合の存在感が感じられる句です。 (髙橋句美子)

31.風鈴の音に佇む駄菓子店/西村友宏
風鈴も騒音問題があって最近ではあまり見られなくなりました。風鈴の音を響かせる駄菓子店に出会い、ふと子どもの頃を思い出されたのでしょうか。 (多田有花)

33.あたらしい日傘が光る日曜日/西村友宏
男性も日傘をさす昨今。新しい日傘をご自身でさされたのかあるいは奥様との相合傘でしょうか。傘に透ける日差しの中で、少し照れくさいような楽しい日曜日です。 (柳原美知子)

06.山にまだ日の有るうちやビャーホール/小口泰與
09.高き日や野露は峰の雲となり/弓削和人
14.友と行く夏の立山空青し/高橋秀之
21.降り初む植田に雨のはじく粒/祝 恵子
23.夜店の灯鳥の飛び立つ飴細工/廣田洋一
30.甲羅干す子らは河原に夏蓬/吉田晃
35.夏氷ガラスにカランと塊を/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
37.扇風機となりの妻も風を受け
会員の俳句を整理しておられるのだろうか。松山の先生宅で、私がいつも見ていた光景だ。時々言葉を交わし、また机に視線を戻す。水煙創刊以来ずっと続いて来たお二人の姿なのだろう。(吉田晃)

39.西瓜食う妻も隣に座り来て
西瓜を切って、ご主人のいる卓に奥様も座って、一緒に食べた。さりげない日常の景色を上手く詠まれた。 (廣田洋一)

38.西瓜食う三角小さく切り分けて

■選者詠/髙橋正子
25.ピーマンとトマトと水に浮き動く

ピーマンとトマトの色彩もよく、冷水にぷかぷか浮いている様子は、涼しげで、何もかも水に浮かべて冷やしていた懐かしい夏の光景を思い出します。 (柳原美知子)
26.メロン二艘真白き皿の上に浮き
27.昼顔はいつしか好きな花であり

■互選高点句
●最高点(5点)
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え/柳原美知子

集計:髙橋正子

■7月月例ネット句会清記■

■7月月例ネット句会清記■
2022年7月10日
13名(39句)
01.初蝉の少し鳴いてはそれつきり
02.雨雲の嶺より峡へ戻り梅雨
03.夕暮れの川に水輪や宵涼し
04.釣り上げし山女を掲ぐ吾子の顔
05.幼子の頬っぺに紅や夏祭
06.山にまだ日の有るうちやビャーホール
07.逝く蝉の瞳は天を仰ぎたり
08.梅雨明けの海漫漫に一人かな
09.高き日や野露は峰の雲となり
10.ズッキーニやっと雄花が咲き受粉

11.皿ケ嶺ブナの葉陰に清水放ち
12.合歓咲いてはるか島なみ青湛え
13.日傘さし遊覧船で堀巡り
14.友と行く夏の立山空青し
15.緑濃き山を後ろに美女を撮る
16.東雲の空灼熱の予感あり
17.女子のさす日傘男子もためらわず
18.夏真昼とろり豆乳ヨーグルト
19.あいこちゃんガンバも育つミニトマト
20.生まれたて影を連れてる子のメダカ

21.降り初む植田に雨のはじく粒
22.弔報に変わらぬ姿夏の川
23.夜店の灯鳥の飛び立つ飴細工
24.曲がり角占めて咲きたり鉄砲百合
25.ピーマンとトマトと水に浮き動く
26.メロン二艘真白き皿の上に浮き
27.昼顔はいつしか好きな花であり
28.ジャガイモの葉へ夏蝶の風に流れて
29.夏雲へ水飲む少年の喉仏
30.甲羅干す子らは河原に夏蓬

31.風鈴の音に佇む駄菓子店
32.仕事終えアイス舐めれば沢の音
33.あたらしい日傘が光る日曜日
34.日が沈む七夕祭りのアーケード
35.夏氷ガラスにカランと塊を
36.桃ゼリー匙の冷たさ一瞬に
37.扇風機となりの妻も風を受け
38.西瓜食う三角小さく切り分けて
39.西瓜食う妻も隣に座り来て

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/7月月例ネット句会ご案内■

■2022年/7月月例ネット句会ご案内■

①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2022年7月4日(月)午前6時~2022年7月10日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:7月10日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:7月11日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、7月11日(月)正午~7月14日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/6月月例ネット句会を終えて

6月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。今月は新会員の方を含め14名の方が参加されました。入賞の皆さまおめでとうございます。
日本全土が梅雨入りしたとのニュースがありました。すっぽり雨に包まれた日本列島も豪雨が無ければ、いいものです。朝夕、散歩に出かけると立葵がきれいに咲き上っているのに出会います。アガパンサスのうす紫や、いたるところに紫陽花が、それもいろんな色の、まためずらしい種類の紫陽花が咲いています。
月例句会はオンラインでおこなわれますが、花冠のオフ句会のときも大体14,5名の参加でした。オフ句会は主宰の自宅で、二間続きの畳の部屋の襖を取り払って句会場としており、家庭的な句会でした。正月など他結社の主宰がお越しくださることもありましたが、それでも自由な議論の交わされる句会で、句会場に来るまでに見た田園などの風景を句に詠んですぐ投句と言う場合もよくありました。今月は、田植えの風景などが詠まれて、そんなことを思い出す句会でした。
来月の句会は7月10日(日)となります。そのころは、梅雨があけているでしょうか。また違った風景の句が詠まれるのを楽しみにしています。これで6月月例ネット句会を終わります。
主宰 髙橋正子
2022年6月17日

■6月月例ネット句会/入賞発表

■6月月例ネット句会/入賞発表
■2022年6月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年6月13日

【金賞】
★連山を映し色濃き青田かな/桑本栄太郎
田植からそれほど経っていないのに苗はすくすく育ち青々としてきた。まだ田面に水が見えて堂々と連山が映っている。日本の原風景と言える景色が素晴らしい。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
★石鎚に向き後ずさりつつ田植え/柳原美知子
四国の霊峰石鎚山が見える田での田植。人は石鎚が見える方を正面とするのだろうか。手植えするとき、石鎚を見て後ずさりしながら植えていく。石鎚を朝夕仰ぐ農家の人たちならではの田植の光景。(髙橋正子)

★夏の風切りしばかりの前髪に/多田有花
「前髪に」が涼しそうで、可愛さがある。前髪を切ると額に当たる風が涼しくて、夏の風が特にさわやかに感じられる。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
★風鈴や明けの静けさ深まりて/弓削和人
「明けの静けさ深まりて」は、実感が強い。明けの深く静かな一時を、「風鈴」と取り合わせることで、見事に句に詠んでいる。初心者とは思えない詠みぶり。(髙橋正子)

★露涼し草履に濡れる指の先/吉田 晃
朝早く、靴でもサンダルでもなく、草履で畦道や庭の草の生えているような所を歩くと、指の先が知らず露に濡れていることがある。それも涼しいことなのである。(髙橋正子)

★夏の夕新しい道を歩いてみる/髙橋句美子
夏の夕は、日が永くなって涼しい。たとえ新しい、見知らぬ道を歩いたとしても、暗くなってしまうことはないだろう。新しい道を歩く少しの冒険心と楽しみを夏の夕がもたらしてくれる。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
★連山を映し色濃き青田かな/桑本栄太郎
景が良く見える。田植えを終えたばかりの青田の水に新緑の連山が映って、青が一層濃くなった初夏らしい一句。(廣田洋一)

★風鈴や明けの静けさ深まりて/弓削和人
夏めいてきた日。窓辺の風鈴。ちりんちりんという音が静けさを際立たせて静けさの深まりを感じさせてくれる。そんな夏の日の明けのひとときが垣間見えます。 (高橋秀之)

★石鎚に向き後ずさりつつ田植え/柳原美知子
これは手植えの光景だなとおもいつつ、石鎚山からあとずさりするというのが、面白いなと思います。 (祝恵子)

★人集い花壇に植える夏の花/多田有花
夏の花はみな色彩豊かで、見ているだけで元気がでそうです。人々が集まって、賑やかに、それらの花を植えていく光景はほほえましく、活気に満ちていて、コロナ禍を吹き飛ばしてくれるようです。 (柳原美知子)

★露涼し草履に濡れる指の先/吉田 晃
★夕立の雨雲流れ来甥に会う/髙橋句美子
★麦秋の魚焼きけり塩光り/高橋正子

【髙橋正子特選/7句】
★植え終えて山田蛙の声に暮れ/吉田 晃
山田ということは、山際の田あるいは機械も入れないような棚田でしょうか。一日がかりで苗を植え、長い一日がようやく暮れ、田は蛙の声に溢れています。仕事を終えた充実感と安堵感が伝わってきます。 (多田有花)

★夏の富士友と並びの座席から/高橋秀之
新幹線の座席でしょうか。気の置けない友人と並んで一緒に車窓から眺める清々しく美しい富士山。思い出深い楽しい旅が想像されます。 (柳原美知子)

★夏の夕新しい道を歩いてみる/髙橋句美子
夏の夕暮れ夕日が沈む太陽に向かって新しい事に向かって進む作者の力強い決心のあふれる信念が感じられます。素敵な力強い句です。(小口泰與)

★連山を映し色濃き青田かな/桑本栄太郎
★風鈴や明けの静けさ深まりて/弓削和人
★石鎚に向き後ずさりつつ田植え/柳原美知子
★夏の風切りしばかりの前髪に/多田有花

【入選/16句】
★また晴れし十三回忌青葉風/川名ますみ
ご両親の忌日でしょうか。大切な日にいつも晴れた大空を仰げるのは嬉しいですね。青葉風に吹かれて、在りし日の良い思い出が蘇られたことでしょう。 (柳原美知子)

★水彩の青の刷られしサンドレス/川名ますみ
夏らしい爽やかな句です。 (髙橋句美子)

★向日葵よ天地を結ぶように咲け/弓削和人
この悲惨なウクライナ戦争のさなかです。有名な映画「ひまわり」はウクライナの向日葵畑を撮影したものと云われ、向日葵は今やウクライナを支援する為の象徴の花といわれて居ります。その向日葵に平和を託し暗喩として感じられます。 (桑本栄太郎)

★枇杷熟れし空より遮断機下り始む/吉田 晃
遮断機によって、青空に映える枇杷の実の熟した色がクローズアップされ、季節が実感されます。 (柳原美知子)

★吊橋の揺らぐ白波岩燕/小口泰與
★河骨や風の中なる鈴の音よ/小口泰與
★命日の夕べざくざくきゃべつ切る/川名ますみ
★背伸びして灯りを消して夏布団/高橋秀之
★生まれたよ朝の楽しみ子のメダカ/祝 恵子
★青空に紅く色付く実梅かな/廣田洋一

★鵜は潜りかがり火囃す鵜飼かな/廣田洋一
★星空の果てなきしじま蛍の火/柳原美知子
★遠雷や出発前の旅の宿/西村友宏
★バス停に連なる傘と雨蛙/西村友宏
★梅雨入りの窓辺が陰りひんやりと/髙橋句美子
★ほととぎす鳴く繰り返し繰り返し/多田有花
■選者詠/髙橋信之
★夏めくと畳の上に座すことも
我が家は居間がフローリングになっているが、くつろぎの場はやはり畳がいい。夏の暑さを感じるようになり、汗ばんだ体が畳に触れると、サラッとして気持ちがいい。フローリングでは味わえない感触だ。湿度の多い日本の夏は畳がいい。畳に座して寛いでおられる先生の元気なお姿を想像する。」畳に座り憩っておられる先生の元気なお姿を想像する。(吉田晃)

★梅雨入のネット句会の畳の間
★夏兆すことを喜び子供たち

■選者詠/髙橋正子
★麦秋の魚焼きけり塩光り
麦が熟す初夏、季節の魚を塩焼きに。焼き上がりは、振られた塩の一粒ずつが光り、いっそう美味しそうです。味、匂い、光、自然とともにある生活が実感をもって伝わります。 (川名ますみ)

★力あるかぎり羽ばたき揚雲雀
★豆腐屋のラッパ響けり走り梅雨

■互選高点句
●最高点(同点2句/5点)
★連山を映し色濃き青田かな/桑本栄太郎
★風鈴や明けの静けさ深まりて/弓削和人
集計:髙橋正子

※コメントの無い句にコメントをお願いいたします。

新会員ご紹介

新会員ご紹介
ネット短信でもご紹介いたしましたが、6月より、新しい方が「俳句添削教室」から花冠に入会されましたので、ご紹介いたします。
弓削和人(ゆげかずひと)さん、奈良市にご在住です。今月より月例ネット句会に参加されますので、よろしくお願いいたします。
以下は弓削和人さんが花冠の「俳句添削教室」に投句された俳句です。
夏めくやネクタイ結び直しつつ
トンネルを抜けるや緑紀州線
早苗田の水面に映ゆる雲一つ
草の蔓巻きて夕立に立ち向かい
茗荷の子の香りを炊ける夕餉かな
花冠主宰 髙橋正子

■6月月例ネット句会清記■

■6月月例ネット句会清記■
2022年6月12日
14名(42句)

01.口噤む事に慣れたり五月晴
02.吊橋の揺らぐ白波岩燕
03.河骨や風の中なる鈴の音よ
04.犬連れの辻に集うや朝涼し
05.朽ち来たる泰山木の花あはれ
06.連山を映し色濃き青田かな
07.命日の夕べざくざくきゃべつ切る
08.また晴れし十三回忌青葉風
09.水彩の青の刷られしサンドレス
10.向日葵よ天地を結ぶように咲け

11.郷鮎の水面に弾け流流と
12.風鈴や明けの静けさ深まりて
13.露涼し草履に濡れる指の先
14.枇杷熟れし空より遮断機下り始む
15.植え終えて山田蛙の声に暮れ
16.背伸びして灯りを消して夏布団
17.帰宅して赤きトマトを丸かぶり
18.夏の富士友と並びの座席から
19.生まれたよ朝の楽しみ子のメダカ
20.祭りです響く音頭の河川敷

21.飛び石で渡ればそこはバラの園
22.梅雨入のネット句会の畳の間
23.夏めくと畳の上に座すことも
24.夏兆すことを喜び子供たち
25.虚子谷倉立子の墓も梅雨最中
26.青空に紅く色付く実梅かな
27.鵜は潜りかがり火囃す鵜飼かな
28.石鎚に向き後ずさりつつ田植え
29.星空の果てなきしじま蛍の火
30.万緑の滝音に浸る石に座し

31.遠雷や出発前の旅の宿
32.バス停に連なる傘と雨蛙
33.花金の仕事あがりの鯵光る
34.夕立の雨雲流れ来甥に会う
35.梅雨入りの窓辺が陰りひんやりと
36.夏の夕新しい道を歩いてみる
37.力あるかぎり羽ばたき揚雲雀
38.豆腐屋のラッパ響けり走り梅雨
39.麦秋の魚焼きけり塩光り
40.ほととぎす鳴く繰り返し繰り返し

41.人集い花壇に植える夏の花
42.夏の風切りしばかりの前髪に

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/6月月例ネット句会ご案内■

■2022年/6月月例ネット句会ご案内■

①投句:当季雑詠(夏の句)3句
②投句期間:2022年6月6日(月)午前6時~2022年6月12日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:6月12日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:6月13日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、6月13日(月)正午~6月16日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
※都合で投句受付開始日より前に投句したい方は、期日前でも投句が可能です。

ご挨拶/5月月例ネット句会を終えて

 5月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございました。今月は11名の方が参加されました。入賞の皆さま、おめでとうございます。選とコメントをありがとうござました。
 今年の連休は、3年ぶりに新型コロナの規制もゆるくなり、少し日常が戻ってきている感じがしますが、横浜は、このとろこ梅雨の走りかと思うような天気が続いています。去年までは近くの山から鶯の声が聞こえましたが、今年は一度も聞いていません。そのかわり、思わぬところでオナガに出会ったりします。オナガは、関西にはいないそうで声は鴉の仲間らしくだみ声ですが、羽の色はきれいです。私はどこかへ行くこともないので、身辺の俳句になってしまいます。皆様の俳句を拝読して、皆様の生活のたのしさを分けてもらっています。
 これで5月月例ネット句会を終わります。6月月例ネット句会は、来る6月12日(日)となります。たのしみにお待ちください。
5月14日  髙橋正子

■5月月例ネット句会/入賞発表

■2022年5月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年5月9日
【金賞】
25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
長年住んだ家に別れ、後ろ髪をひかれる思いで新しい家に越されたことだろう。そこに暮らした夫や子供たちとの歳月や思い出を置いて来るような気持ちになる。その気持ちを「夕牡丹」がすっかり引き受けている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
13.売れ残り茄子苗太り夏に入る/吉田 晃
茄子の苗が店に売れ残っている。捨てるわけでもないから、そのままにしておくと、育って太ってきた。太陽と風と水をもらって苗と言ど、元気でに育つ逞しさは変わらない。初夏の爽やかさがいい。(髙橋正子)

22.飛行機雲ぐんぐん伸び行く五月空/多田有花
よく見かける光景を素直に詠んで、飛行機雲の伸び具合そのもののような感じの句だ。「ぐんぐん伸び行く」がすっきりしていて、よい。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.手を借りて鉢苗植えるみどりの日/祝 恵子
みどりの日は、夏の花苗や野菜苗を植えるのによい時期。みんなの手を借りて、たくさんの鉢に苗を植えた。夏へ向けて、忙しいが楽しい一日となった。(髙橋正子)

18.紫陽花の色変わりたり旅帰り/西村友宏
紫陽花は七変化とよばれるように、次第に色を変える。白みどりから青に、というふうに。旅の前に見た色と、旅から帰って見た色が違っている。
「旅をしていた時間」がワープしたような感覚で把握できる。(髙橋正子)

28.母の日のミニ薔薇鉢を溢れ咲く/髙橋句美子
そのままの俳句。母の日にミニ薔薇が鉢を溢れるように咲いている。可愛いミニ薔薇が母の日を彩って、それで十分な母の日だ。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
4.父母が居て子の居てこその子供の日/桑本栄太郎
コロナ禍の折、子供が独立した後の世帯にとっては、子供の日というのは、少しさびしいものですね。子供たちと賑やかに暮らしていた頃が懐かしく思い出されます。(柳原美知子)

09.こいのぼり今年も青き大空へ/高橋秀之
三人の息子さんをお持ちの作者。今年もこいのぼりをあげられたのでしょうか。末息子さんもかなり成長されているので、他の家のこいのぼりを目にされてのことかもしれません。(多田有花)

11.春の種土もち上げて芽を伸ばす/祝 恵子
春に播いた種の成長を日々見守り、その生命力に感動の眼差しをむけられる詠者の姿が目に浮かぶようです。(柳原美知子)

19.花嫁が混じりておりぬ夏電車/髙橋正子
思いがけず同じ電車に乗り合わせた花嫁さん。初夏の光の中で眩いばかりに輝いており、幸せをおすそわけしてもらったような気分になられたことでしよう。(柳原美知子)

22.飛行機雲ぐんぐん伸び行く五月空/多田有花
25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
28.母の日のミニ薔薇鉢を溢れ咲く/髙橋句美子

【髙橋正子特選/7句】
03.みかん咲き北限の地の浪やさし/小口泰與
みかんといえば温暖な地の植物。このみかんはどこで成長しているのでしょうか。一番端のものに興趣を覚えるのは人間心理の面白さです。(多田有花)

10.手を借りて鉢苗植えるみどりの日/祝 恵子
みどりの日に鉢苗を手分けして植えていく。家族でガーデニングでしょうか。素敵な一日です。 (西村友宏)

18.紫陽花の色変わりたり旅帰り/西村友宏
何日ほどの旅だったのでしょう。戻ってみると庭の紫陽花が早くも色を変えていました。ふと季節の変化を感じられた瞬間をうまくとらえておられます。(多田有花)

25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
長年住み慣れた家から引っ越されることになりました。牡丹は家の庭に咲いているのでしょう。家というのは人生そのものを入れてきた器です。
一言では言い表せない感慨がおありのことと思います。(多田有花)
5月の初めの頃、芳香の大輪の花を梢上にひらく牡丹が夕日に照らされて豪華に咲き誇る家と分かれる辛さが出ています。丹精を込めた牡丹を新居に一緒に行けないつらさがありありとわかりますね。(小口泰與)

28.母の日のミニ薔薇鉢を溢れ咲く/髙橋句美子
 溢れ咲くはお母さんへの溢れる愛情と感謝。そして、健康でいてくださいと願う作者の溢れる思い。溢れる優しさを感じた。(吉田 晃)

13.売れ残り茄子苗太り夏に入る/吉田 晃
22.飛行機雲ぐんぐん伸び行く五月空/多田有花

【入選/10句】
01.葉の影の重く動きし蝸牛/小口泰與
葉の陰に見つけた蝸牛、揺れてる蝸牛、私も見つけてみたいです。(祝 恵子)

07.春月や寝起き眼に目玉焼き/高橋秀之
日毎に夜明けも早くなりながら、作者は朝の早い仕事の出勤です。未だ薄暗い暁闇に春の月が臨まれ、寝起き眼で朝食の目玉焼きを食べて居ります。日常の何気ない暮らしの中にも、ふと風情を垣間見る作者であります。(桑本栄太郎)

14.フリージア子の仏前へ菓子と添え/吉田 晃
咲いたばかりのフリージアを好きだったお菓子を添えてお子様にお供えする親心が思われます。心の中でどんなお話をされたのでしょうか。(柳原美知子)

16.新しきジャージで夏めく空の下/西村友宏
季節の変わり目に新しい夏服を身に着ける嬉しい気持ちが感じられます。 (髙橋句美子)

17.うたた寝より覚めてチャイムと岩燕/西村友宏。そのうたた寝を覚ます無粋なチャイムの音。玄関を開けると、岩燕が寝ぼけた気持ちをすっと晴らしてくれた。そんな情景を思い浮かべました。 (高橋秀之)

02.山百合や木道天へ迂回せり/小口泰與
06.メロディーの報らす湯張りや菖蒲の湯/桑本栄太郎
12.パンジーを抜いて野菜の鉢確保/祝 恵子
15.白む夜の空より白し初夏の風/吉田 晃
29.新緑の日陰を渡り坂下る/髙橋句美子

■選者詠/髙橋信之
31.石楠花の大きな花を窓越しに
32.石楠花の花を見せくれ安楽椅子
33.誕生月五月朝日がよく差して

■選者詠/髙橋正子
21.ばら園は汽笛届きて消ゆる丘
初夏の明るい光とばらの香りに包まれて、遥かな汽笛の聞こえる丘での至福のひとときが想像されます。(柳原美知子)

19.花嫁が混じりておりぬ夏電車
20.谷戸口に樹齢いくばく栃の花
■互選高点句
●最高点(7点)
25.住み古りし家に別れ来夕牡丹/柳原美知子
集計:髙橋正子
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