■ご挨拶/4月ネット句会■


○ご挨拶/高橋正子(主宰)
桜が散り、桜蘂もすっかり落ちてしまったというのに、まだ肌寒い日が続いています。12日は淡路島で震度6の地震があり、驚かされました。関西地方の皆様は、大丈夫でしたでしょうか。お見舞い申し上げます。花々も随分たくさん咲き始めましたが、今夜、明日と、お天気は不安定なようです。先月の3月句会からは、第2日曜日を定例ネット句会としました。特別に題を決めるわけではないので、いろいろな行事を含めて、思い思いにその月の自信句をご投句いただいたのではと思います。入賞の皆様おめでとうございます。春も進んで、ますます句材に恵まれることでしょう。来月もまた楽しみです。今月は23名のかたに、ご参加いただきました。選とコメントをありがとうございました。句会の管理運営は信之先生に、互選句の集計は藤田洋子さんに、いつものようにお世話いただきました。ありがとうございました。これで定例4月ネット句会を終わります。来月の句会は、は5月12日(日)となります。楽しみにお待ちください。

○ご挨拶/小西 宏(花冠同人会長)
高橋信之先生
高橋正子先生
この度もまた「ネット句会」をご開催くださり、たいへんありがとうございました。同人、会員一同、いよいよ励みをもって新境地に向かい句作にチャレンジいたしました。先回3月11日の「3月ネット句会」からまだ一ヶ月ほどしか経っていませんが、投句の中に多く見られた季語は梅、青き踏む、水温む、ひいな、卒業、初蝶などの早春の香りから、今回4月句会は桜蘂、八重桜、入学式、燕来る、夏近しなど春長けた響きへと少しずつ移り変わっています。
むろん日本は南北に長い国ですし、高低、海沿い、内陸の違いがあって季節感は様々ですが、着実に季節が移り動いているのが感じられます。これもインターネットという広汎性を受け入れながら、しっかりと季節感を捉えて離さない俳句の力強さ、花冠の幅広さを示しているのだろうと思います。
集計にご尽力くださった藤田洋子さまをはじめ、ご協力くださったスタッフの方々、ご投句、ご選句下さったみなさまに心より感謝およびお礼申し上げます。

○ご挨拶/佃 康水(当番スタッフ)
高橋信之先生、高橋正子先生。
先月から新たに「定例ネット句会」という名称のもと、今月も4月ネット句会を開催いただき誠にありがとうございます。今回も 日本列島の桜一つを見ても地域差が感じられ、インターネットならではの醍醐味を楽しませて頂きました。晩春の皆様の素晴らしい投句やコメントなどからも勇気を頂いたり、多くの事を学ばせて頂き、心豊かな思いにひたることが出来たのも嬉しい事です。これからの時節、愈々春も深まり野山はますます若葉から新緑へと推移し爽やかな初夏の時期を迎えようとしています。次回の5月定例句会を今から楽しみにさせて頂きましょう。入賞の皆様誠におめでとうございます。
藤田洋子様、句会のお世話をいただきありがとうございます。そして選句やコメントなど皆様とご一緒に参加出来ました事に感謝しつつ4月ネット句会のご挨拶とさせて頂きます。

○ご挨拶/安藤智久(当番スタッフ)
信之先生、正子先生、4月ネット句会が23名の仲間の明るい句に溢れ、清々しい気持ちで開催されたことを心よりお慶び申し上げます。フェイスブックから「花冠ネット句会」へと場を移しての第2回目の句会になりますが、今まで慣れ親しんだブログ上での開催ということで、落ち着いた気持ちでパソコンに向かうことができました。ネット上のサービスは次々と新しいものが出てきますが、句会に適した場、花冠に適した場を常に深く考えてくださっている両先生のお心遣いに感謝いたします。
 さて、伊豆では河津桜が寒さでだいぶ遅れ、逆にソメイヨシノは急な暖かさで花数が少ないまま早くに終わってしまいました。不順な天候ですが、各地の皆様の俳句を拝見いたしますと、着実に春が深まっていることを実感いたします。緑が萌えだすこの季節、入学や誕生の句もみられ、皆様も若葉の色のようなみずみずしい気持ちで句会を楽しまれたことと思います。
 私はただ参加するだけの当番スタッフとなってしまいましたが、入選句にコメントを寄せて頂いたスタッフの皆様、集計の藤田洋子様、本当にありがとうございました。

■4月ネット句会入賞発表■

■4月ネット句会■
■入賞発表/2013年4月15日■

【金賞】
★花林檎溢れ街角あらたまる/小川和子
林檎の花が咲くときは、長い冬が終わり春が来たとき。街角も「あらたまる」。新鮮な感じだけでなく、なにか厳かな感じを秘めている。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★風船の真っ直ぐ上る大空へ/高橋秀之
風もなく風船が真っ直ぐに大空へ上がってゆく。「すうっと、自然のままな」状態に快さを感じる。春のおおらかさ、のびやかさがいい。(高橋正子)

★桜蘂降るを載せきしボンネット/川名ますみ
鏡のようなボンネットに降った紅色の桜蘂のイメージが鮮明。桜蘂を払わずにやって来た車に現代風な風流がある。(高橋正子)

【銅賞/2句】
★チューリップ一万本の赤うれし/井上治代
一万本の赤いチューリップに、思わず微笑みと嬉しさがこみ上げてくる。チュ-リップと言えば、まずは赤、その可愛らしさ、あどけなさを素直に受け止めているのがよい。(高橋正子)

★掘りあげし筍は地のあたたかさ/安藤智久
掘り上げたばかりは、地中のあたたかさとなっている。ほっこりとした土をつけた柔らかな筍への愛おしみ。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★八重桜どつと大きな風に散る/川名ますみ
満開の八重桜は枝が見えない程重く垂れ下がっている。そこに強い風が吹きどっと散っている八重桜。まさにものの哀れを感じます。 (小口泰與)

★フリージア咲くだけ剪りてみどり児に/高橋正子
みどり児は見ているだけで周りを明るい気持ちにさせてくれます。そのみどり児に目の前にあるフリージアを咲くだけ剪りてが嬉しさ、優しさを感じさせてくれます。(高橋秀之)
大切な赤ちゃんへ、丹精されたフリージアを「咲くだけ剪りて」贈られたのでしょう。精一杯の、そして余分のない、祝福のお気持ちが、花束から香りたつようです。誕生の歓びと、未来の明るさを想い、力強い心地です。 (川名ますみ)

★青麦の畑の青さよ風清し/小川和子
畑一面に、麦の若葉が青々と伸び、その上を吹いてくる風がとても清らかで爽やかです。生き生きとした光景に、おもいきり深呼吸したくなるような清々しさを覚えました。(藤田裕子)

★チューリップ一万本の赤うれし/井上治代
公園か広場か1万本の赤いチューリップが勢揃いして可愛く咲き誇っています。春爛漫、広々と咲く赤いチューリップは気持ちを浮き立たせ開放的な嬉しさが湧いてまいります。 (佃 康水)

★このカーブ曲がれば今年も山桜/古田敬二
毎年訪れている山桜。このカーブを目印に、曲がれば見えてくる山桜。浮き浮きとした喜びが伝わってまいります。きっと清楚な山桜だったと思います。(藤田裕子)

★葉も花も朝日を透かせチューリップ/安藤智久
チューリップに注ぐ春陽がきらきらと眩しく、葉も花も鮮明で、春の喜びを感じます。赤や黄のチューリップが目の前に広がります。(藤田裕子)

★芝青む丘ふくらみて子ら遊ぶ/藤田洋子
丘の芝も青く伸びてきて春の光景を見せてくれます。冬の間、家の中で遊ぶことの多かった子どもたちも、外へ出て遊んでおります。自然の中で元気に遊ぶ子供達を優しく見つめられています。(藤田裕子)

★花林檎溢れ街角あらたまる/小川和子

【高橋正子特選/8句】
★蛇口へと集まる子らに夏近し/小川和子
春の陽射しは時には暑いほどに感じる日もある。戸外で元気に遊ぶ子供らの、急き切って水を求める明るい表情が見てとれて心地良い。(桑本栄太郎)

★新しき光りを路地へ燕くる/藤田裕子
ひらりと舞う燕の影が空に横切った瞬間、我が町にも新しい季節が訪れたことを実感する。燕を「新しき光り」と爽やかに表現されたところが新鮮です。(安藤智久)

★.鶯に啼かれて森の仲間となる/高橋信之
鶯のあのやわらかな呼び声はなんでしょうか?木霊する森の響き、芽生えの木々のうす緑、そして歌声の後のひっそりとした静まり。つまり皆、仲間として森に迎え入れられた訪れ人の喜びでしょう。 (小西 宏)

★掘りあげし筍は地のあたたかさ/安藤智久
筍は、春の太陽のあたたかさを十分に吸い込んだ土の中で成長します。掘った筍に触れてみると、そのあたたかさが残っています。それを、「地のあたたかさ」と感じた作者の豊かな感性が素晴らしいと思います。筍ご飯や煮しめなどごちそうがたくさんつくれたことでしょう。 (井上治代)
新鮮な大地の恵み、地のあたたかさが好きな表現です。(渋谷洋介)
自らの手で収穫された筍、その筍を手に取ったら暖かかったという新鮮な驚き。それは大地の暖かさ、土のぬくもりです。(多田有花)

★桜蕊降る公園の夜半の月/渋谷洋介
静かに降ってくる桜蕊。時間の流れる音もきこえるようです。空には明るい月が出て、いつまで見ていても飽きない美しい情景です。(井上治代)

★桜蘂降るを載せきしボンネット/川名ますみ
★風船の真っ直ぐ上る大空へ/高橋秀之
★花林檎溢れ街角あらたまる/小川和子

【入選/16句】
★夏近し放つ稚鮎の躍り出づ/佃 康水
水温む夏近くとなると毎年川に稚鮎の放流があるようです。放たれて躍り川に入る稚鮎たち、大きくなり釣り人たちを喜ばすことでしょう。(祝恵子)
シーズンに備え稚鮎の放流の時期でしょうか。跳ねて踊りながら稚魚が川に飛び込んでゆく様子は釣り人たちを鼓舞せずにはおれませんね。(河野啓一)

★水音もあたたか水路の草を引く/安藤智久
寒さもようやく和らぎ、日ごとにあたたまる水辺。快い水音を聞きながら水路の草を引くひとときに、明るく柔らかな水辺の春を感じます。(藤田洋子)

★お互いに手を振り交わす花見舟/祝恵子
春爛漫の花見舟。美味しいお花見弁当もあるでしょう。うきうきした舟同士擦れ違い、お互い手を振って楽しそうですね。 (迫田和代)
楽しそうな景がすぐ目に浮かぶ。(下地鉄)

★曙の地震が木の芽を驚かす/多田有花     
昨日の朝の地震には私も驚きましたが木の芽も驚くとは意外でした。今出てきたばかりの柔らかい木の芽が驚き震えたと考えられる豊かな発想に感じ入りました。(黒谷光子)

★春の風赤子の祝いにびゅんと鳴る/高橋句美子
赤ちゃんの誕生祝いでしょうか。春風がお祝いするかの様にびゅんと鳴って通り過ぎて行った。びゅんと鳴ると詠まれたのは きっと心地良い風だったのでしょう。春風の音と赤子の措辞に赤ちゃんへ注がれている優しい眼差しが見える様です。 (佃 康水)

★髪切りて春愁少しほぐれゆく/藤田裕子
冬の間にやや伸びた髪をカットして外に出ると春風が首筋に気持ち良い。春風が心のわだかまりを解きほぐしてくれるようだ。(古田敬二)

★風あらば遠まわりして花吹雪/黒谷光子
真っ直ぐに落ちるのではなく、風に流され、舞うように落ちる桜の花びら。桜吹雪がたくさんの桜が風に流され散る様子を感じさせてくれます。(高橋秀之)

★入学式明るい声が駅にあふれ/高橋句美子
駅に溢れているとあるから高校生でしょうか。これからの新しい生活への希望が全員の明るい声になり、笑顔が見えてくるようです。(高橋秀之)

★芝にふれ枝にふれつつ春の蝶/下地鉄
蝶の姿をいくつも見かけるようになりました。明るい日差しの中ひらひらと飛ぶ蝶、それを目で追っておられる詠者の姿が浮かびます。 (多田有花)

★ダムの湖を抱きて花の盛りかな/佃 康水
ダムのほとりに沿って桜が植えられています。やや高い位置から湖と桜並木を遠望むされたものでしょうか。春の盛りの華やかさがあります。 (多田有花)

★たらの芽や宅配食のいろどりりに/矢野文彦
宅配のお弁当にたらの芽が添えられていました。季節の彩りを忘れない心遣いがうれしいですね。たらの芽の歯ざわり、香り、かすかな苦味を堪能されたことでしょう。 (多田有花)
宅配食の心づくしですね。たらの芽など、春の香りと彩りを届けてくれています。そしてこの俳句も。 (小西 宏)

★若い日のあれこれ想う桜餅/迫田和代
桜餅の香りと彩りが若さによく似合います。そんな若い日にも、桜餅を手にして、ふと思うことがあったのでしょうか? 何か嬉しいことでしょうか、あるいは春の愁いのようなものでしょうか? (小西 宏)
桜餅の香りと味が、若い日の出来事を思い出させてくれ、懐かしさがこみあげてきます。今では、楽しかったこと、苦しかったこと、すべてがいい思い出になりました。(井上治代)

★ピアノ演奏響く窓辺の春の空/河野啓一
窓からピアノの音が聞こえて来ます。軽やかな響きです。見上げれば明るい春の空。ゆったりとした、静かな一時を感じさせてくれます。 (小西 宏)

★ハナミズキ蝶きて白き身のこなし/小西 宏
青い空へ揺れているハナミズキを眩しく思う今日このころです。白蝶のひらひらと舞うすがたを見て「身のこなし」と表現された事で、白蝶のしなやかさそして瑞々しいハナミズキが目に浮かび、ほのぼのとした春の明るさが感じられます。 (佃 康水)
ハナミズキの高さに蝶が舞いおりました。「白き身のこなし」一瞬目が離せません。(祝恵子)
 
★葉も花も朝日を透かせチューリップ/安藤智久
清々しい朝の光の中で、可愛いチューリップが咲いています。朝日を透かせて輝いているチューリップから今日一日の活力を与えられそうです。(井上治代)

★青空の雲は動かず花蘇芳/桑本栄太郎
青空の青、動かない白い雲、地上には赤い花蘇芳、配色の見事さです。(祝恵子)

★頬白や浮子のとどまる瀞碧し/小口泰與
頬白の鳴く声やびくつかない浮子、眠気を誘うような心休まる静かな瀞渓での時間です。(祝恵子)

■選者詠/高橋信之
★鶯に啼かれて森の仲間となる
鶯のあのやわらかな呼び声はなんでしょうか?木霊する森の響き、芽生えの木々のうす緑、そして歌声の後のひっそりとした静まり。つまり皆、仲間として森に迎え入れられた訪れ人の喜びでしょう。 (小西 宏)

★午後の陽が燦々農地の藤咲かせ
★花水木に空青あおと明るい未来

■選者詠/高橋正子
★フリージア咲くだけ剪りてみどり児に
みどり児は見ているだけで周りを明るい気持ちにさせてくれます。そのみどり児に目の前にあるフリージアを咲くだけ剪りてが嬉しさ、優しさを感じさせてくれます。(高橋秀之)
大切な赤ちゃんへ、丹精されたフリージアを「咲くだけ剪りて」贈られたのでしょう。精一杯の、そして余分のない、祝福のお気持ちが、花束から香りたつようです。誕生の歓びと、未来の明るさを想い、力強い心地です。 (川名ますみ)

★山陰にふいに水湧き著莪の花
著莪の花は山陰、竹藪、庭隅などのあまり目立たない所で良く見かけます。著莪の花をひっそりとした山陰に見つけられ、その辺りの地の湿りに水の湧いていることにきずかれ「ふいに水湧き」と詠まれたのでしょうか。著莪の花の咲いている情景が見えてまいります。 (佃 康水)

★藤棚の下の匂いのかすかなり

■互選高点句
●最高点(9点)
★新しき光りを路地へ燕くる/藤田裕子

●次点(7点)
★芝青む丘ふくらみて子ら遊ぶ/藤田洋子

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/藤田洋子)

▼コメントのない句にコメントをお願いします。

■4月ネット句会清記■

■4月ネット句会■
■清記/23名69句

01.村人は黒点として菜花原
02.このカーブ曲がれば今年も山桜
03.健やかなこの一年ぞ木の芽掻く
04.青空の雲は動かず花蘇芳
05.乙訓の花菜明かりや風の黄よ
06.天よりの神の讃歌や揚ひばり
07.さくらしべ車に降りて街へ出づ
08.桜蘂降るを載せきしボンネット
09.八重桜どつと大きな風に散る
10.曙の地震が木の芽を驚かす

11.手をひかれ降りる階段花の下
12.麗かな大気の中に横たわる
13.水音もあたたか水路の草を引く
14.葉も花も朝日を透かせチューリップ
15.掘りあげし筍は地のあたたかさ
16.緑立つ金平糖の角の数
17.頬白や浮子のとどまる瀞碧し
18.菜の花や坂東太郎荒あらし
19.ハナミズキ蝶きて白き身のこなし
20.遠峯の白しずやかや北桜

21.赤四手の芽吹きに涼し山の風
22.譲られて八十路の春と思い知る
23.カラー咲く孫4歳の微笑みに
24.桜蕊降る公園の夜半の月
25.春陽浴び今日は今日まで明日は明日
26.若い日のあれこれ想う桜餅
27.お懐紙に青色残す草餅を
28.ピアノ演奏響く窓辺の春の空
29.蝶を呼び香りを撒いてリラの花
30.青草を踏んで素足の心地よき

31.髪切りて春愁少しほぐれゆく
32.新しき光りを路地へ燕くる
33.一瞬に地震春暁を破壊せり
34.妻も子も出かけし後の大朝寝
35.風船の真っ直ぐ上る大空へ
36.自転車で走る街並み春うらら
37.残照の入江舐めつつ暮れる春
38.芝にふれ枝にふれつつ春の蝶
39.山の宿岩間に白きチュリップ
40.夏近し放つ稚鮎の躍り出づ

41.ダムの湖を抱きて花の盛りかな
42.春風と朱の橋渡る音戸瀬戸
43.花林檎溢れ街角あらたまる
44.青麦の畑の青さよ風清し
45.蛇口へと集まる子らに夏近し
46.高階の屋上農園葱坊主
47.ビル内の木工展示に巣箱あり
48.お互いに手を振り交わす花見舟
49.たらの芽や宅配食のいろどりりに
50.囀りや貸し農園の一樹かな

51.せめぎあう建つマンションと春の田と
52.風雨去り残花きらりと葉も光る
53.芝青む丘ふくらみて子ら遊ぶ
54.春の草引くたび風の匂いする
55.山陰にふいに水湧き著莪の花
56.藤棚の下の匂いのかすかなり
57.フリージア咲くだけ剪りてみどり児に
58.午後の陽が燦々農地の藤咲かせ
59.花水木に空青あおと明るい未来
60.鶯に啼かれて森の仲間となる

61.チューリップ一万本の赤うれし
62.雨粒も鏡にうつる黄水仙
63.宙(そら)深し春満月のぽっかりと
64.街灯にしらじら浮かぶ夜の桜
65.白木蓮錆びかけ幼き葉の覗く
66.風あらば遠まわりして花吹雪
67.入学式明るい声が駅にあふれ
68.うららかな商店街に鼓笛隊
69.春の風赤子の祝いにびゅんと鳴る


◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、4月14日(日)午後7時から始め、同日(4月14日)午後10時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、4月15日(月)正午です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、4月14日(月)正午~4月15日(火)午後6時です。

※選句を開始してください。