序
春浅い日、私は少し長い手紙をいただいた。リルケの短い詩に応じて私が作った俳句が、深く心に触れたという。その言葉にふれ、私はそれを真実として受け止めた。リルケの詩に応じて生まれた俳句の言葉が、私自身の原点に通じていると、ふと気づいたのである。
その日から三週間ほどのあいだに、深く沈んでいた記憶がひとつの流れとなって立ち上がり、二十篇ほどの詩が生まれた。その中から十五篇を選び、この詩集に収めた。俳句的観照に支えられながら、私の言葉は原点へ還っていく思いがした。
この出来事を、静かにありがたく受け止めている。
二〇二六年五月十七日
髙橋正子
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