鎌倉報国寺
★冬の水ひたすら澄みて金魚飼う 正子
お家の中で飼われている金魚でしょうか?日毎に水も澄み、冷たくなりゆく今の時季の静謐なたたずまいが想われ、素敵です。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
地響きをたてて木の実の時雨かな/桑本栄太郎
凄まじい木の実の降り方に驚く。「地響き」といい「時雨」といい、植物とは思えないほどの生命のありようだ。木の実をすっかり落として冬を越すのだ。(高橋正子)
○桜紅葉

[桜紅葉/東京大学・小石川植物園]
★早咲の得手を桜の紅葉かな/丈草
★霧に影なげてもみづる桜かな/臼田亜浪
★潮風に桜うすうす紅葉かな/稲畑汀子
★桜紅葉のくれなゐ濃きに父想ふ/大橋敦子
★観音の桜紅葉の中に立つ/長谷川幸恵
★桜紅葉これが最後のパスポート/山口紹子
★いつせいに公園の桜紅葉かな 石川元子
★茶畑へ散り込む桜紅葉かな 小川玉泉
★川岸の桜紅葉も終りけり/家塚洋子
★桜木の紅葉し初めてうひうひし/丹生をだまき
桜の紅葉(「旅」2004年11月号/一部抜粋)
紅葉の代名詞になっている楓よりも、どちらかと言えば桜の紅葉に味わい深さを感じる。桜は、春に咲き誇る花はもちろんだが、秋の陽の温もりと朝の冷え込みに少しずつ色づいてゆく葉にもまた、独特の魅力がある。写真とともに、都美女、蕪村、福永耕二、鈴木孝信、玉貫 寛、原 裕らの桜の紅葉を詠った俳句で桜の紅葉を楽しむ。(安田桂之)
桜の紅葉が好きなので、私にとっては、いわゆる桜の名所がそのまま紅葉の名所でもある。よく散歩をする京都の鴨川沿いの桜にしても、秋晴れの日などは、空の青と雲の白に映えて綺麗だし、雨の日のしっとりと濡れた感じもまた何とも言えない。桜の紅葉の色は、黒っぽい赤、真っ赤、赤茶、茶、柿、黄、黄緑、緑、茶っぽい緑など、極めて変化に富んでいながらも落ち着いた調和を保っている。
近年、気候温暖化の影響か、楓の紅葉時期が遅れているという。また、色がくすんでいて、赤茶けて汚いという声も聞かれる。それは、桜の紅葉も例外ではない。だが、私が惹かれる桜の紅葉は元来が楓ほど色鮮やかではなく、むしろくすんでいたり、赤茶けていたりする、その寂びた味わいがいいのだろう。
山桜とちがって、染井吉野は都市の美だ。身近なところで花を愛でるために、さまざまな時代にさまざまな人々の手によって人工的に都市に植えられてきた。だから、クルマやバスに乗って山へ「紅葉狩り」に出かけなくても、桜の紅葉ならいつもの散歩道で日常的に接することができる。
身近な桜は、紅葉の名所の楓のように赤くなったときだけ葉を見るのではない。冬枯れの季節も花の季節も青葉の季節もずっと見てきたその樹が、それこそ紅葉してゆくのを見るからこそ心が動くのである。
秋、朝夕の気温が下がり、昼との寒暖の差が激しくなると、葉枝の付け根に離層という裂け目ができる。すると、通り道を切断された養分が葉にたまり、赤色の色素ができるのだという。そして、さらに気温が下がると緑色の色素が衰え、隠れていた赤や黄、褐色などの色素が見えるようになる。これが紅葉の仕組みだそうだ。裂け目がさらに深くなると水分の通り道もなくなり、いよいよ葉は枯れる―落葉である。
歌の世界では古くから、花と言えば桜を指すように、紅葉と言えば楓を指したという。ただ、銀杏の黄色も含め、紅葉する落葉樹は楓だけではなく、歳時記を紐解くと、桜紅葉、漆紅葉、銀杏紅葉、柿紅葉、梅紅葉、白樺紅葉などの季語が見受けられる。また、紅葉とは元々、緑色の葉が赤色や黄色になることだから、「もみいづる」や「もみづる」というように動詞としても用いられたという。特に、「桜紅葉」は俳人の美意識を刺激するのか、「紅葉」とは別に項を立てて例句を挙げている歳時記もある。その本意は、「楓よりひと足早く紅葉し、散ってしまう」というものだ。
楓に比べれば少ないものの、俳句には桜紅葉を題にとったものがあるのに、写真集や雑誌特集、テレビ番組などにはなぜかない。「桜の一年」を追ったものの一つの季節としてなら稀にあるが、桜紅葉だけをテーマにしたものがないのはどうしたことだろう。
◇生活する花たち「アッサムチヤ・グランサム椿・からたちの実」(東京・小石川植物園)
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★あかるさは林檎の花の帰り咲く 正子
旱天が続いたり、台風などで木が傷めつけられた年におおく咲く帰り花は、小春日和のころ暖かい日が続くと、花の季節が終わってしまった林檎の木にも季節外れの花が咲き、あたりを明るく気持ちよくさせてくれます。(小口泰與)
○今日の俳句
冬霧の覆わる丘の灯しかな/小口泰與
詩情のある句。冬霧に覆われた丘に静かに点る灯が、なお柔らかな灯となっている。冬霧の季語が効いている。(高橋正子)
○白樺黄葉

[白樺黄葉/東京大学・小石川植物園]
★白樺のまれにはななめ秋晴るる/皆吉爽雨
★大鹿の村の白樺黄葉す/小屋番
★正午(ひる)の陽の白樺黄葉快活に/高橋信之
メルヘン街道!八千穂高原白樺林の黄葉(長野の観光・旅行/長野の観光スポット)
八千穂高原の白樺林の広さは東洋一!特に秋の白樺林の紅葉は素晴らしい!その年の気象条件により異なりますが、いい年・いい時期には一斉に色づく「黄金色に輝く白樺林の黄葉」が見られます。(ネットより http://allabout.co.jp/gm/gc/51977/2/)
シラカンバ(白樺、学名:Betula platyphylla)は、カバノキ科カバノキ属の落葉樹の1種。樹皮が白いことからこの名がある。別名はシラカバなど。温帯から亜寒帯地方に多く見られる。基変種であるコウアンシラカンバ Betula platyphylla var. platyphylla とそれにごく近縁にオウシュウシラカンバ Betula pendula は、アジア北東部・シベリア・ヨーロッパの広い範囲に分布する。日本産変種である Betula platyphylla var. japonica は、福井県を西端、静岡県を南端として北海道までの落葉広葉樹林帯と亜高山帯下部に分布する。日本の高原を代表する木の1つである。主に長野県や北海道に多い。
明るい場所を好み、成長が早い。ブナなどの暗い場所を好む樹木にとって代わられて、通常は一代限りで消えていく。高さは20〜30mになる。幹は30cm〜1m程でまっすぐに伸びる。枝は多岐に別れて伸び卵形の樹幹を形成する。外皮は薄く、黄色みを帯びた白色で光沢があり、紙状に剥がれる。葉は対生して生え、卵状菱形もしくは三角状広卵形で周囲は鋸葉状。長さが4〜10cm、幅は3〜6cmほど。秋には黄色く紅葉する。花期は春。雌雄同株で、5cmほどの雄花は長枝の先から尾状に垂れ下がる。雌花は短枝に4cmほどの花穂をつける。
◇生活する花たち「茶の花・茶の実・欅黄葉」(川崎市宮前区野川・影向寺)

★冬泉手にやわらかに旅半ば 正子
冬旅の半ばに澄みきった泉に出会った。そっと手を水に触れれば、やわらかに身に染みてくる。旅に出た喜びも感じられるようです。(祝恵子)
○今日の俳句
楽しみは湯葉と湯豆腐京歩き/祝恵子
湯葉と湯豆腐はいちばん京都らしい料理。丁寧にこまやかな心配りの行き届いた湯葉と湯豆腐の料理は、心が和むもの。それを楽しみにというのもほのかな温もりが感じられる句。(高橋正子)
○三輪車
元家族と三輪車を買いに六本木に出かける。近くの店で買うつもりだったが、坂が多いので、ブレーキがついて、親が押せるように後ろにハンドルがついているのがいいというので、ドイツ製のを買うことになった。安全第一。三輪車を買ってもらう当人は、三輪車より展示の白いBMWに興味。なかなか車を離れない。
バイバイしつつ思う顔する冬の子は 正子
モミの木を飾る明かりのひと色くに 〃
○キウイフルーツ
[キウイ/川崎市高津区子母口] [キウイ/横浜市緑区北八朔]
★右往して左往する蔓キウイかな/たかを
★子のつくるカナッペキウイのせてあり/中島美也
キウイフルーツ(kiwifruit、学名:Actinidia deliciosa あるいは Actinidia chinensis)とは、マタタビ科マタタビ属の雌雄異株の落葉蔓性植物、またはその果実。名称はニュージーランドのシンボルである鳥の「kiwi(キーウィ)」が語源であり、果実に似ていることに由来する。主に東アジアに自生するサルナシ(マタタビ科)の内、「シナサルナシ」という中国原産の植物を、1906年にヨーロッパ経由でニュージーランドに種子が持ち込まれた後、品種改良され1934年頃から商業栽培が始まり、世界各国で食べられるようになった果物である。日本における花期は5月頃。「キーウィーフルーツ」「キーウィフルーツ」「キウィフルーツ」などの表記も使用される。耐寒性があり冬期の最低気温-10℃程度の地域でも栽培が可能である。産地は温帯から亜熱帯で、熱帯果実ではない。
普通のキウイフルーツ(ヘイワード種グリーンキウイ)の果肉は緑色を呈し、白色の果心の周囲に胡麻粒ほどの黒い種子が放射状に並んでいる。味は甘味と爽やかな酸味がある。生食 – 熟した果実の皮を剥くか、半分に切りスプーンなどで中を抉り、食用にする。サラダ、デザートなどへの利用もされる。
ゼリー – ゼラチン使用の場合は生のままの使用は、固まらず不向きである。ジャム – 砂糖を加えて煮て作る。もっと煮詰めて羊羹のような菓子にする例もある。乾燥品 – スライスして凍結乾燥させた食品もある。酒 – 醸造原料として利用しワインなどが作られている。
◇生活する花たち「十両(やぶこうじ)・万両・白文字(しろもじ)」(東京白金台・国立自然教育園)

★水鳥を見ていて一つが潜りけり 正子
水鳥の様子を飽きることなくみていると、その中の一羽が水の中に潜り、また、水の上に出てきてゆったりと泳いでいます。静かで幸せな時間が過ぎていく様子が伝わってきます。(井上治代)
○今日の俳句
背丈ほどの鍬振り上げて冬耕す/井上治代
鍬を使うは、大変な力仕事である。自分の背丈と同じほどの鍬を振上げ、よろめかぬように、力一杯振り下ろす。冬耕の土に向けた力が快い。(高橋正子)
○茶の実

[茶の実/川崎市宮前区野川・影向寺] [茶の花/川崎市宮前区野川・影向寺]
★茶の花や白にも黄にもおぼつかな 蕪村
★茶の花に隠れんぼする雀かな 一茶
★茶の花や利休の像を床の上 子規
★茶の花や洛陽見ゆる寺の門 碧梧桐
★茶の花に暖き日のしまひかな 虚子
★散るは柿の葉咲くは茶の花ざかり 山頭火
★古茶の木ちるさかりとてあらざりき 蛇笏
★茶の花に富士かくれなき端山かな 秋櫻子
茶の花は9月から11月にかけて咲きます。昆虫などによって花粉受粉し、ほぼ1年後の秋に種子が熟し、地面に落ちます。1つの実の中に1粒から5粒くらいの種子が入っています。翌年の春に発芽しますが、種子が乾きすぎると発芽しにくくなります。種子が落下した後、すぐに取り、直まきにするのが簡単です(秋まき)。なお、現在では茶の繁殖は、ほとんどが挿木によって行われています。
昔は茶の種子から油を採り、食用や洗髪に利用していた地域がありました。また、家紋としてデザインされ、40種類以上の茶の実紋が生み出されるなど、茶の実は、日本人の生活と密接に関わってきました。(埼玉県ホームページ/農林総合研究センター茶業研究所)
チャノキ(茶の木、学名:Camellia sinensis)は、ツバキ科ツバキ属で、中国や日本で栽培される1m前後の常緑樹である。チャの木、あるいは茶樹とも記される。単にチャ(茶)と呼ぶこともある。原産地は中国南部とされているが確かなことはわかっていない。
中国や日本で栽培される1m前後の常緑低木(学名 : Camellia sinensis)。
幹はその株からもよく分枝して、枝が混み合うが、古くなるとさらにその基部からも芽を出す。葉は枝に互生する。長楕円状被針形、先端は鈍いかわずかに尖り、縁には細かくて背の低い鋸歯が並ぶ。表面は独特で、葉脈に沿ってくぼむ一方、その間の面は上面に丸く盛り上がり、全体にはっきり波打つ。花は10-11月頃に咲く。花は枝の途中の葉柄基部から1つずつつき、短い柄でぶら下がるように下を向く。花冠は白く、径2-2.5cm、ツバキの花に似るが、花弁が抱え込むように丸っこく開く。
果実は花と同じくらいの大きさにふくらむ。普通は2-3室を含み、それぞれに1個ずつの種子を含む。果実の形はこれらの種子の数だけ外側にふくらみを持っている。日本の地図記号で茶畑を表す記号はこの果実を図案化したものである
◇生活する花たち「秋ばら・山茶花・楓紅葉」(東京調布・神代植物園)

琵琶湖
★平らかな湖水に向きて冬はじめ 正子
「平らかな湖水」に日本で最大の面積と貯水量を持つという琵琶湖のイメージがすっと入って参ります。琵琶湖一杯に水を湛え何処までも澄み渡る湖面に向けば、遠山の色、湖に浮く鴨の光景も視野に入り、新鮮な冬の始めを感じられる大きな情景が見えて参ります。(佃 康水)
○今日の俳句
牡蠣揚がる瀬戸の潮を零しつつ/佃 康水
広島は、牡蠣の産地として知られていますが、牡蠣の水揚げを間近に見て詠んだ句があります。潮を零しながら、しかも瀬戸の、と具体的な詠みに情景がくっきりと浮かび上がっています。(高橋正子)
○地縛 (じ縛り)

[地縛/横浜日吉本町]
地縛 (じしばり、学名 Ixeris stolonifera)は、キク科ニガナ属の多年草。日当たりの良い山野や田の畦などに自生する。名前の由来は、茎が地面を這っている様子が、地面を縛っているように見えることから。4-7月にタンポポに似た花を咲かせる。花茎の先に2cm程の黄色の頭花を1-3個つける。葉は1-3cmの卵円形。よく似るオオジシバリとの見分けは葉の形が、ジシバリは丸い卵形、オオジシバリの葉は細長い楕円形。別名の「岩苦菜(いわにがな)」は、岩場にも生え、茎葉は苦いことから。
ジシバリ(地縛り)の花は、雨の日や曇りの日には開かず、太陽が昇ってくると開き始め、夕方になると萎んでしまうという睡眠運動を繰り返す。茎を折ると白い乳液が出て手につくとべとべとし、やがて黒く変色する。原産地(原生地)は、日本、朝鮮半島、中国。花言葉は人知れぬ努力、忍耐である。
★じしばりの黄花に秋の陽が高し/高橋信之
◇生活する花たち「茶の花・茶の実・欅黄葉」(川崎市宮前区野川・影向寺)

★水鳥を見ていて一つが潜りけり 正子
鴨、雁、鳰、鴛などの水に浮かぶ鳥を水鳥と呼び、秋に渡ってきて春去るものが多く、川や湖、沼などに多く見かけます。その水鳥が一羽餌を求めてでしょうか、水に潜ったのを見つめる作者。何をとりに行ったのでしょうか。想像が楽しく膨らみます。(小口泰與)
○今日の俳句
朝霜や朝の挨拶短けれ/小口泰與
朝霜が降りるようになると、人は口をつむりがちになる。朝の挨拶も、寒さの中では、つい短く。しかし、その短い挨拶があたたかい。(高橋正子)
○百日紅の実/横浜日吉本町

[百日紅の実(2013年11月18日)] [百日紅の花(2011年8月18日)]
サルスベリ(百日紅=ヒャクジツコウ、Lagerstroemia indica)は、ミソハギ科の落葉中高木。葉は通常2対互生(コクサギ型葉序)、対生になることもある。花は紅の濃淡色または白色で、円錐花序になり、がくは筒状で6裂、花弁は6枚で縮れている。8月頃咲く。
本年枝の先に円錐花序を付ける。花弁はほぼ円形だが、不規則に縮れ、基部に長い柄のようなもの(爪)がある。独特の花冠になる。雄しべは多数あるが、特に6本長いものがある。1つの花は1日花(実際には数日)だが、次々に花が開くため、長い間咲いているように見える。実は球形の果。熟すと6裂し、翼のある種子が出てくる。
さるすべりには、白、赤、ピンクの花がある。赤とピンクの色は、微妙に違った花が見られる。夏の間、夾竹桃と並んで咲き継ぐのが「さるすべり」。幹がつるつるして木登り上手な猿が滑り落ちるから、こんな名がついたのか。四国松山に住んでいた頃、わが家の庭の真ん中にあったのが、薄紫に近いピンク。風が吹けばフリルのような花がこぼれる。真っ青な空も、炎昼の煙るような空にも似合う。さるすべりには、古木も多く、日吉の金蔵寺には、幹の半分以上がなくなっているが、残った幹がよく水を通わせるのか花を相次いで咲かせている。県の名木に指定されている。
◇生活する花たち「椿・野葡萄・くこ」(横浜市都筑区東山田)


★咳こぼし青年ふたり歩み去る 正子
すれ違ったのでしょうか。青年が二人咳を残して去っていく姿に、風邪が流行り出したこの寒さと、何だか優しさを思います。(祝恵子)
○今日の俳句
初採りの冬菜根を持ち土落とす/祝 恵子
秋に蒔いた菜が寒さの中にようやく育った。引き抜いた菜の根を持ち土をほろほろ落とす。寒そうな土と丈夫な根に冬菜の元気が見える。
○2014年11月19日
自然教育園へ行く
今日の自然教育園は、花は白嫁菜が咲き残っているぐらいでほとんどの花は枯れている。実をつけるものがいろいろあった。から橘、藪柑子、千両、さるとりいばら、さねかずら、野茨の実、からすうりが赤く熟れていた。万両はようやく色づき始めている。紫式部の実が葉の黄葉に映えて紫色が美しい。こむらさきの風情どころではない。写真に撮ったが、葉陰で暗いのと、風が枝を揺らしていたので出来栄えがよくなく残念だった。自然教育園はすっかり冬の園となっていて、ところどころ日が差し込んで暖かい。
地下鉄の白金台駅を出ると、風が強かった。快晴の空からむやみに風が吹いてくる。冬になると白金台の駅を出ると風が強いが、これを東京の空っ風と言うのかといつも思う。どの風が空っ風か誰にも聞いたことはないけれど。今日は日吉本町の駅にもどると、穏やかな小春日和だった。
○枸杞(くこ)

[枸杞の実/横浜市都筑区東山田] [枸杞の花/横浜市都筑区東山田]
クコ(枸杞、学名:Lycium chinense)は、中国原産のナス科の落葉低木。食用や薬用に利用される。日本や朝鮮半島、台湾、北アメリカなどにも移入され、分布を広げている外来種でもある。枝は長さ1m以上、太さは数mm-1cmほどで、細くしなやかである。地上部は束状で、上向きに多くの枝が伸びる。枝には2-5cm程度の葉と1-2cm程度の棘が互生するが、枝分かれは少ない。垂直方向以外に地上にも匍匐茎を伸ばし、同様の株を次々と作って繁茂する。海岸、河原、田畑の畦、空き地の周囲など、人の手が加わりやすく、高木が生えきれない環境によく生える。ある程度湿り気のある水辺の砂地を好む。
性質は丈夫であり、しばしばハムシの一種トホシクビボソハムシ(Lema decempunctata)の成虫や幼虫が葉を強く食害したり、何種類かのフシダニが寄生して虫癭だらけになったりするが、それでもよく耐えて成長し、乾燥にも比較的強い。一旦定着すると匍匐茎を伸ばして増え続け、数年後にはまとまった群落となることが多い。開花期は夏-初秋で、直径1cmほどの小さな薄紫色の花が咲く。果実は長径1-1.5cmほどの楕円形で、赤く熟す。
果実は酒に漬けこんでクコ酒にする他、生食やドライフルーツでも利用される。薬膳として粥の具にもされる。また、柔らかい若葉も食用にされる。クコの果実、根皮、葉は、それぞれ枸杞子(くこし)、地骨皮(じこっぴ)、枸杞葉(くこよう)という生薬である。ナガバクコ(学名: Lycium barbarum)も同様に生薬にされる。月経促進や人工中絶薬の作用をする成分(ベタイン)が含有されているため、「妊婦あるいは授乳中の摂取は避けたほうがよい」[1]との情報がある。 ワルファリンとの相互作用が報告されている[2]。食品素材として利用する場合のヒトでの安全性・有効性については、信頼できるデータが見当たらない。
◇生活する花たち「皇帝ダリア・柚子・檸檬(れもん」(川崎市高津区子母口)
★落葉ふる空の青さのどこまでも 正子
落葉がことごとく散るこの季節は、空の青さも果てしなく広やかで、ぬけるような大空が思われます。(小川和子)
○今日の俳句
小春日の芝生へ児ら吹くシャボン玉/小川和子
芝生で遊ぶ児がしきりにシャボン玉を吹いている。小春日のうららかさが、シャボン玉を吹く児を通してよく詠まれている。(高橋正子)
○レモン

[レモン/川崎市高津区子母口]
レモン(檸檬、英語: lemon、学名: Citrus limon)は、ミカン科ミカン属の常緑低木、またはその果実のこと。柑橘類のひとつである。レモンの近縁種の一つ、シトロンの別名がクエン(枸櫞)で、クエン酸の名はこれに由来する。
原産地はインド北部(ヒマラヤ)。樹高は3mほどになる。枝には棘がある。葉には厚みがあり菱形、もしくは楕円形で縁は鋸歯状。紫色の蕾を付け、白ないしピンクで強い香りのする5花弁の花を咲かせる。果実は紡錘形(ラグビーボール形)で、先端に乳頭と呼ばれる突起がある。最初は緑色をしているが、熟すと黄色になり、ライムにもよく似ている。ただし、レモンと名は付いていても他の柑橘類と交雑した品種(マイヤーレモンやサイパンレモンなど)では栽培環境で果実の形が変わり易く球形に近いものや、熟すとオレンジ色になるものもある。
レモンを題材とした作品:梶井基次郎 『檸檬』、主人公が檸檬を爆弾にみたて、丸善を爆破する幻想に駆られる物語。さだまさし 『檸檬』、梶井の小説をヒントにしつつ、舞台を御茶ノ水に置換え、青春時代の恋愛の無常さを描いた楽曲。ヨハン・シュトラウス2世 『レモンの花咲くところ』 (シトロンと訳す場合もあり)。高村光太郎 『レモン哀歌』、妻智恵子との死別を書いた詩。
◇生活する花たち「鶏頭・皇帝ダリア・鈴懸黄葉」(横浜市港北区高田町・早淵川土手)

★くぬぎ黄葉一本ありて燃え立ちぬ 正子
晩秋から初冬へと季節は移り、紅葉・黄葉する者はすべて色づきました。しかも真っ青な空に向かってそびえ立つくぬぎの大木とあれば、燃え立つようであり心の中まで洗われる清々しさです。(桑本栄太郎)
○今日の俳句
玉砂利を踏みつつ待つや後の月/桑本栄太郎
御所の観月は、さながら平安絵巻のようであろうと思う。さびしくも美しい後の月を玉砂利を踏む音とともに楽しまれた。(高橋正子)
○皇帝ダリア

[皇帝ダリア/川崎市高津区子母口] [皇帝ダリア/横浜日吉本町]
★植ゑかへてダリヤ垂れをり雲の峰 秋櫻子
★ダリア燃え浅寝の眼にはゆらぐなり 悌二郎
★うちあげしあはれ形代と黄ダリヤ 青邨
★千万年後の恋人へダリヤ剪る 鷹女
★皇帝ダリア咲かせて空のあやふさに/高橋信之
皇帝ダリア(ダリア・インペリアリス)は、ダリアの原種でメキシコ原産で、木立ちダリア、帝王ダリア等の別名がある。草丈が3~4メートルにもなり、花はピンク色で直径約20センチメートルの大輪の花を茎の頂上につける。晩秋の頃、空にそびえて立つ姿は圧巻。
ダリア(英語: dahlia、学名:Dahlia hybrida)は、キク科ダリア属の多年生草本植物の総称。観賞用に栽培。根は塊根で紡錘形に肥厚。高さ1~2メートル。葉は羽状複葉。夏から秋にかけ、頂に径5~15センチメートルの頭花をつける。花は一重または八重で、紅・白・黄・紫など、花色も花形も種類が多い。球根は非耐寒性であり、サツマイモに似た塊根。メキシコおよびグアテマラが原産地で、ヨーロッパに初めてもたらされたのは18世紀、スウェーデンの植物学者アンドレアス・ダール(Andreas Dahl)に因んで名づけられた。ナポレオンの皇后ジョセフィーヌの庭園で育てられたという。日本には1842年(天保13年)にオランダ人によってもたらされた。和名では「てんじくぼたん(天竺牡丹)」と呼ばれる。[季]夏。
◇生活する花たち「茶の花・花八つ手・木瓜」(横浜下田町・松の川緑道)

◆12月ネット句会のご案内◆
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(秋または冬の句)計3句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2015年12月1日(火)午前5時~12月6日(日)午後6時
④選句期間:12月6日(日)午後6時~12月6日(日)午後9時
⑤入賞発表:12月7日(月)正午
※10・11月ネット句会中止