晴れ
白梅の匂いがしている中に入る 正子
貝がらのように梅の花が散り 正子
梅林に紅梅ありて華やげる 正子「
●朝早めに大倉山梅園に出かけた。大倉山へ上る坂に「梅園坂」と名前がつけられていた。霞んでいなければ富士山が見えるが、今日は一体がかすみ、富士山は見えなかった。公園に方位板があって、富士山までは83km、東京までは24kmとある。梅園は今日がちょうど満開。23,24日の梅まつりには開いていなかったのではと思う。
本当にきょうは絶好の観梅日和。流れの水が雨も降らないのに勢いよく流れている。屋台が2軒出ていて、甘酒を飲んだ。本当のあまざけではなく酒粕に砂糖を入れ生姜の切れ端を入れていた。甘すぎに閉口。帰りに坂道にあるベーカリーでコーヒーを飲んで口直し。梅の若木が何本か植えられ、1メートル足らずの若木にも花がついている。幹をわざと斜めに傾けて植えてある。風情をつくるために、苗のときから植え方を考えている。梅の枝ぶりは剪定次第で、自然にいい姿になるのと思っていた。違うのだ。苗の時から形をそうていしている。11時前には見終わった。人も少なく、ゆっくり見れた。お昼過ぎ家に戻り、昼食。昼食後、妹が帰るので本町駅で見送った。暗くなるころ家に着いたと連絡。
晴れ
大覚寺襖絵
春暖の若柳白く剥落し 正子
刀剣「薄緑」
春灯の春光となる薄緑 正子
空海御影おぼろ煤けて掛けられし 正子
●東博の平成館2階で開催の「大覚寺展」へ上京した妹と出かける。大覚寺の年中行事がビデオで流れいた。僧衣もきらびやか。華会式、万灯会や大沢の池の観月祭は一度見てみたいと思いながら、繰り返されるビデオを何回も見た。
襖絵は400年以上経つためだろう。柳などは絵具が剥落し白くなっている。鳥の色にも剥落が見られ、何の鳥か判断がつかない。燕なんかも大きく描かれている。あれが山鳥なのかと言う鳥もいた。野春菊が描かれて、めずらしく見た。牡丹は白牡丹が主で淡い紅がほんの少し咲いている。聴香の道具が様々小さくて、細工が細かく、蒔絵も魅力的。刀剣の輝きも、言い難い光が美しい。その姿が細く繊細。刀剣愛好家に女性が多いと聞いたことがあるが、わかる気がする。そして、漆に描かれた「桐と竹」の意匠が拡大展示されていたが、洗練度を感じる。大きな葉の桐に、竹の葉がすっと鋭く描かれ、それも一つ、葉と葉、桐の花の空間に緊張感がある。モリスのデザインでは、そんなに緊張感を感じないが、日本のものには、シンプルさの果てに緊張感を感じる。そこが日本の意匠なのかと思った。集中力と緊張を強いられる。
展覧会を見たあと、東洋館にくっ付いてあるレストラン「ゆりの木」で昼食。大覚寺展に合わせた特別メニューの嵯峨御前とデザートに抹茶小豆アイスをたのんだ。料理は湯葉の刺身がしゃっきりして一番おいしい。ほかに胡麻豆腐、アナゴの天ぷらなど。しそご飯があるのに、そうめんに鴨のようなロースト肉がのっていたが、そうめんは食べきれない量で残す。このレストランの名前「ゆりの木」は博物館の前の大木のゆりの木からつけられたのだろう。
平成館の前に鴎外が総長として執務した部屋の跡が、噴水として残されて、?外の写真があった。若い時の写真なのか。ここで?外に遭おうとは。平成館を出て寛永寺の開山堂がすぐ近いのでお参り。境内の銀杏の裸木に尾長が鳴いていた。高いところに止って丸見えだった。