★朝風のとんぼを運び海へ去る 正子
松山でいらした頃の御句でしょうか。お住まいからは、はるかな沖も眺められ、とても風通しのよいご住居でした。朝風、とんぼ、海と、おのずと初秋の明るい風光や澄んだ朝の空気を感じ取れます。とんぼの行く手の海へと、爽やかに視野が広がります。(藤田洋子)
○今日の俳句
一片の雲を真白に処暑の朝/藤田洋子
処暑の朝を迎え、まっ白い雲の美しさにうれしさが湧く。暑さも一息つき、朝夕の涼しさが期待できる。処暑というのは、そういう日なのだ。季語を生かした写生だが、詩情のある句。(高橋正子)