5月21日(土)

★アカシヤの花に青空寄りかかる  正子

○今日の俳句
咲きかけの黄薔薇とアンネ・フランクと/古田敬二
アンネ・フランクに薔薇を添えるとしたら、黄色の薔薇がいいですね。これから咲こうとして、パウダーのかかったような無疵の花びらが、自己の気品をほどいていく。黄色い薔薇は、アンネの実在の姿に重なる。(高橋正子)

◇生活する花たち「さつき・ニワセキショウ・かたばみ」(横浜日吉本町)

5月20日(金)

★豆飯の飯の白さに風抜ける  正子
白いご飯に緑の豆が混じった豆御飯はこの季節ならではご馳走です。見ただけでも初夏の風が通ったような感じで食欲をそそります。「風抜ける」は先生ならではの表現と拝読いたしました。(黒谷光子)

○今日の俳句
朝日射す御堂へ今日は豆御飯/黒谷光子
毎朝の仏飯に、今日は季節の香りいっぱいの豆御飯をお供えした。御堂には、すがすがしい朝日が差して、まことに気持のよいことである。(高橋正子)

○おかげさまでアクセスランキング入り
2011.05.19(木) 673 PV 227 IP 6777 位 / 1583535ブログ

◇生活する花たち「ばら園①・ばら園②・ばら園③」(横浜・港の見える丘)

5月19日(木)

★新緑の翳るときあり水があり  正子
新緑の季節になると次第に木々の葉も青々と繁って来て、翳りが出るとほっと安らぎを覚えます。公園等では池や噴水等が有れば、なお清々しい空間が生まれ、くつろぎの一時を過ごしていらっしゃる様子が窺えます。(佃 康水)

○今日の俳句
船窓に見え来る全山島若葉/佃 康水
船窓から島の全山が見え始め、さらに近付くと島を覆い尽くす若葉の鮮やかさに、息をのむような感動を覚える。(高橋正子)

○花冠ツイッター句会
「ツイッター句会」が始まって20日近くなり、ツイッターでの投句や選句、お礼の入れ方にも慣れてこられた感じがします。投句、選句は、140字で足りますが、それ以上のツイートが必要なときは、リンクをを使えば書きこめます。現に、Twitpicや、ブログのリンクを貼り付けて、珍しい花やスケッチ、編み物などをアップされていて、みなさんの多芸を楽しみに拝見させていただいています。ツイッター句会の運営・管理は信之先生がいろいろ工夫されておられます。

われわれがこれまで伝統的に行ってきた(オフ)句会では、主に先生の居宅で行われたせいもあって、句友の手作りおはぎ、ねりきり、自分の庭の花、山へ行ったからと青竹にいれた山清水、水墨画、糸かがりの手まり、落款の印、花の写真、陶芸品など、数え上げればきりがないほど、俳句以外のものを持参され、みんなを楽しませてくれていました。その人の全体像に近いものに触れることができていました。句会の部屋には、床の間に軸、お花はもちろんのこと、「季節のしつらえ」がありました。お茶の飲み方一つ、笑い方にも個性があって、面白く、五感全部で俳句を楽しんでいたわけです。

ツイッター句会でも、みなさんの趣味や本業のこぼればなしなどが披露され、ブログ句会より、変化に富んだ楽しみが得られるようになりました。互いが、より身近に感じられるようでもあります。以下に、多田有花さん、後藤あゆみさん、そして、私の3名のツイッター句会の感想がありますので、お読みください。

花冠7月号は、まもなく校了となりますが、この7月号には、ツイッター句会の特集をしています。たのしみに、お待ちください。

・5月1日から始まったツイッター句会に昨日14日は、15名の方がご参加くださいました。予想以上の盛会に大変喜んでおります。信之先生は、毎日5名の方がご参加くだされば、上出来だろうと予想されておられました。ご投句、選句、コメントをありがとうございます。(花冠代表 高橋正子5/15)
・信之先生、正子先生、花冠ツイッター句会をありがとうございます。ブログ句会以上にみなさまとの距離が近くなった感じがいたします。(多田有花5/15)
・信之先生、正子先生、ツイッター句会をありがとうございます。初めはツイッターで?と不安でしたが、慣れるに従い膝を突き合わせて皆様と会話をしているようで、ぐっと距離が縮まったように感じております。お導き、感謝致します。ツイッター新聞、写真集も楽しみです。(後藤あゆみ5/16)

◆花冠ツイッター集/花冠同人参加◆
http://kakan.info/twitter/
◆花冠の歩み/花冠ツイッター写真集◆
http://twitpic.com/photos/kakan03
◆俳句と書/高橋信之ツイッター写真集◆
http://twitpic.com/photos/kakan01
◆生活する花たち/高橋正子ツイッター写真集◆
http://twitpic.com/photos/kakan02

◇生活する花たち「赤ばな栃の花・ベニカナメモチ・白山吹」(横浜日吉本町)

5月18日(水)

★燕子花を抱え一束の湿り  正子

○今日の俳句
若葉風青竹売りの声街に/飯島治朗
若葉風の中に青竹を売る声が通り抜けて、初夏のすがすがしい季節が街に来た。(高橋正子)

◇生活する花たち「うつぎ・山ぼうし・鉄線」(横浜日吉本町)

5月17日(火)

 横浜動物園
★石楠花に深山の風の吹き起こる  正子
石楠花が植え込まれ、まるで山の中に自生しているかの様な風情が思われます。ときは初夏、爽やかな風が流れて、すばらしい景が目に浮かびます。(河野啓一)

○今日の俳句
卯の花の白きを門に置きし家/河野啓一
卯の花の白さを門に配しているのがいい感覚だ。「置きし」は、画を描いているような、絵具を置くような、詠み方で、光景を絵画的にしている。(高橋正子)

◇生活する花たち「朴の花・えごの花・茨の花」(横浜市都筑区緑道ふじやとのみち)

5月16日(月)

 横浜動物園
★真鶴に夏来し水辺用意され  正子

○今日の俳句
若葉光手つなぎ歩くいとこ達/祝恵子
若葉の輝く季節、小学生ぐらいのいとこ達であろうか、集まって、行楽にでかけるのであろう。「手つなぎ歩く」には、兄弟姉妹だけよりも、広がりのある身内のたのしさが、若葉の季節を得て、かろやかに詠まれた。(高橋正子)

◇生活する花たち「睡蓮・睡蓮・黄菖蒲」(横浜市都筑区山田富士公園)

5月15日(日)

★竹藪にあまりに明るししゃがの花  正子

○今日の俳句
田植時野を貫ける水の音/柳原美知子
田植時は、野が水浸しになるほど、田に水が張られる。田へ急ぐ水は、「野を貫く」勢いをもって音を立てる。日本のよい風景である。(高橋正子)

○昨日のアクセス数は、ランク入りしました。お訪ねいただき、ありがとうございます。
2011.05.14(土) 746 PV 205 IP 7600 位 / 1580781ブログ

◇生活する花たち「石楠花・定家かずら・かたばみ」(横浜日吉本町)

5月14日(土)

★竹皮を脱ぐ孟宗の節短し  正子

○今日の俳句
抜きんでて空わがものに今年竹/黒谷光子
竹の生長は驚くほど。一夜にして空に抜きん出て、若緑の葉を空にそよがす。空をわがもとして。

○花冠ツイッター句会(花冠7月号後記より)
★花冠のもっとも新しい動きは、ツイッター句会を始めたことです。ツイッターが日本で注目されたのは、このたびの東日本大震災で、ツイッターを利用した情報伝達によって、家族や知人など広く必要な情報が伝播していったことがあげられます。ツイッターには、信之先生も、私も一年以上まえに登録をしていたものの、俳句にはツイッターは向かないのではということで使わずにおりました。ツイッターのシステムの進化が、高齢者に扱い易いという点で、信之先生が句会に利用することを決断されました。句会の方法は、信之先生が考えられて、ツイッター句会が始められたわけです。長らく親しんだブログ句会にとって変わりました。
★「新しい酒は新しい皮袋に」という教えが聖書にありますように、新しい内容(俳句)は、新しい入れ物(ツイッターのシステム)が必要でしょう。
★このたびの東日本大震災や原発事故も天災だけとは言えないでしょう。人間も含めた自然の本質を求めてゆかなければならないと思います。今すべきことは、内容を新しく、伝統をよく思い起こすことでしょう。自然の豊かな日本は、自然に親しみ、また恐れをもって暮らしに抱き込んで、おりました。西洋人の、自然は克服するものという考えとは、違っております。自然の造化に従うということがよくわかるのが、川本臥風先生の俳句と思えます。今月号の表紙裏は、臥風先生の句の鑑賞です。皆様もご自分の鑑賞をなさってください。(正子)

○川本臥風鑑賞
鮎匂い鮎の山河を恋いわたる    川本臥風
鮎は生まれた川の水の匂いをたどって上ってくるという。その生態をあますところなく十七字にまとめた臥風先生の代表句。豊かな水と緑したたる山河は日本の夏のいよいよの始まり。(高橋正子)

○パウル・クレーと小杉放菴
 私の(あるいは家族の)大切にしている家具に、食器棚と本棚がある。食器棚もスライド式本棚も本当の木でできて、はまっているガラスは、面取りしてある。食器棚は狭い家には大きめだが、引越しで物を減らすときも、処分しないで付いてきている。これから書こうとしているのは、食器棚と本棚のガラスの裏側から差し込んでながめている絵葉書のことである。
 二,三年前になるが、川崎歴史博物館だったと思うが、そこを訪ねて売店で何気なく買ったパウル・クレーの「ニーゼン山(Der Niesen)」の絵葉書と、出光美術館を訪ねた時に、見ていると愉快になって買った小杉放菴の「金時遊行」の二枚の絵葉書。これを、(ゴッホや白秋の絵もあるが)ガラス戸にはめている。「金時遊行」は、裸の金時ではなく、大きな絞り柄の赤っぽい着物と、チャコールグレイというといいのか、そういうズボンをはき、左手に鉞を持って、右手と、左足を跳ねあげ、くりくりと肥えて、四、五年生の元気いっぱいの男の子の表情をしている。昭和十二年ごろ書かれたもののようだが、大変気にいっている。パウル・クレーの「ニーゼン山」は、スイスのベルンの家の窓から見えるニーゼン山を、抽象的に青い三角形に描き、町並みはあかるく、諧調のある色彩で、四角、四角を積み重ねて、一本の木は枝を、空には、月と星を描いている。抽象画にしては、叙情的、詩的、諧調的で、これも気に入っている。クレーはベルンに生まれたから、いわば故郷の山を書いたわけであろう。二,三年も見続けていると、青い三角形の大きな山に存在感とともに懐かしさを感じるようになった。
 「金時遊行」のほうを進んで買ったせいもあって、三月十一日の東日本大震災が起こるまでは、放菴に軍配をあげていたが、震災のさわぎで、クレーのニーゼン山のほうがよくなった。抽象的なものがよくなったのかどうかはわからないが。そういう気持ちでいた、数日後、日経新聞で、パウル・クレーの絵の特集が三回あった。偶然の重なりとは言え驚いた。今の日本人がクレーを見たがる気分になっているのかとも思えるが、そのことは、よくわからない。

◇生活する花たち「えごの花・ニワセキショウ・アヤメ」(横浜日吉本町)

5月12日(木)

 明治神宮
★新緑の枝差し交わす神の杜  正子
瑞々しい新緑の枝が交差し、風に揺れ、サヤサヤと葉ずれの音がして、初夏の清々しい光景に心が洗われます。(井上治代)

○今日の俳句
鳴き交わし夏鳥高き青空へ/井上治代
夏鳥の弾けるような鳴き声が楽しげだ。高く眩しい青空へ飛びゆく姿も生命の楽しさそのものだ。(高橋正子)

○花冠H237月号投句
花楓
高橋正子
花楓枝平らかにみな浮かび
あおられてまたあおられて花楓
 四季の森公園四句
水音に蛙の声の増えにけり
谷あいに蛙の声のよく弾み
菖蒲の芽いまようやくに陽がさして
翡翠を待てる杭なり若葉風
山若葉あらしとなって吾を吹けり
おおるりのラジオに鳴きて朝始む
さくらんぼ曇りたる日もつやつやと
日のかげを花にうずまき白薔薇

俳句メモ
四十雀飛びつつ鳴けり街の空
矢車草丘より見ゆる小さき街
ラベンダーはレースのようにみどりの日
なでしこの咲き満ちており黄金週間
憲法記念日ラベンダーを摘み束ね
苺いま白いみどりの実にふくらむ
雀の色みどりの色もあるレタス
まだ青き苺が苺のかたちなる
みつばちの影が生まれて陽が高し
 ミニ薔薇・テディベア
玄関に香り充たしてバラ二輪

◇生活する花たち「山ぼうし・はこねうつぎ・デージー」(横浜日吉本町)