◆新年ネット句会のご案内(2018年)◆


●新年ネット句会(2018)投句案内●
①投句:当季雑詠(新年か、冬の句)5句
※これまで3句投句でしたが、5句投句といたします。
②投句期間:2017年12月30日(土)午前0時~2018年1月2日(火)午後6時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月2日(火)午後7時~午後10時
②入賞発表:1月3日(水)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月3日(水)正午~1月4日(木)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

◆12月月例ネット句会のご案内◆


<12月月例ネット句会>は、<漱石忌ネット句会>とし、開催いたします。漱石忌ネット句会は下記ドレスのブログで行いますので、ご案内たします。ご参加をお待ちしています。
http://blog.goo.ne.jp/siki2013n

◆第4回漱石忌ネット句会のご案内/2017年12月1日~10日開催◆

主催:インターネット俳句コンテスト実行委員会
共催:俳句大学
協賛:夏目漱石記念年実行委員会

選者:高橋信之(愛媛大学名誉教授/「花冠」名誉主宰)・木暮陶句郎(「ひろそ火」主宰)・五島高資(俳句大学副学長/インターネット俳句協会理事長/「俳句スクエア」代表)・高橋正子(「花冠」主宰)・髙橋句美子(「花冠」編集長)・松野苑子(「街」同人/第62回角川俳句賞受賞)・辻村麻乃(俳人協会埼玉県支部事務局、世話人/「篠」副主宰、編集発行人)・永田満徳(俳句大学学長/俳人協会幹事 /「火神」編集長)

実行委員会委員長:永田満徳

▼投句
①投句:「漱石忌」の句3句を下記の<コメント欄>にお書き込みください。
②投句期間:2017年12月1日(金)午前0時~12月9日(土)午後5時
④選句期間:12月10日(日)午前9時~午後6時
⑤入賞発表:12月10日午後10時
⑥伝言・お礼等の投稿は、12月10日午後10時~12月11日午後10時

▼互選
①清記:投句一覧表がブログに載ります。
②清記(投句一覧表)の中から3句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、12月10日(日)午前9時から始め、12月10日( 日)午後6時までに済ませてください。
③選句の投稿は、ブログのコメント欄にご投稿ください。
※選者も上述と同様に選をお願いします。選者の選は、選者特選として表彰されます。

▼入賞・伝言
①入賞発表: 12月10日(日)午後10時
②伝言・お礼等の投稿は、12月10日(日)午後10時~12月11日午後10時

ご挨拶/11月例ネット句会


ご挨拶

11月月例ネット句会にご参加ありがとうございました。月一回の月例句会を楽しみに投句いただきている方もおられます。花冠のネット句会も11月27日で満21年となりました。ネット上の句会がこれほど続いたのは例がないのではないでしょうか。皆様のご支援に感謝するほかはありません。来月の月例ネット句会は<漱石忌ネット句会>といたします。こちらに奮ってご参加ください。これで11月月例ネット句会を終わります。(主宰/高橋正子)

■11月月例ネット句会/入賞発表■

■2017年11月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年11月13日

【金賞】
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
立冬ともなれば、寒さも増し、物の影も長くなる。畑の畝に自分の影が映るのを見つつ、精魂込めて畝を造る。実のある力強い句だ。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★猫呼びに出れば全き冬銀河/柳原美知子
わが家の猫はいったいいつまで遊んでいるのか。呼びにでて見れば、冬銀河が全き形に横たわっている。猫を呼びに出たお陰で、すばらしい銀河に出会えた。猫との関係も微笑ましいが、「全き」に銀河の煌めきが素晴らしい。(高橋正子)

★風連れて赤城を越ゆる冬の鳥/小口泰與
赤城颪で知られる赤城山。上空はいつも風がふいているのだろう。赤城山を越える冬の鳥は、風を連れて、風に流れるように飛んでゆく。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子
冬めくころ、米の収穫が終わったころに、ぽん菓子屋がやって来る。米を持っていけば、ぽん菓子を作ってくれる。米を弾かせる驚くほどの大きな音を聞けば、楽しくも、また懐かしくもなる。(高橋正子)

★ふるさとを遠くに想いむかご飯/桑本栄太郎
都会ではむかごも買うものだが、ふるさとでは、近くでむかごが採れた。素朴な味わいのむかご飯に遠いふるさとが思われるのだ。(高橋正子)

★冬空に流れていくよ鳥の群れ/高橋秀之
冬空に流れていくように鳥の群れが飛んでいく。鳥の群れは上昇気流に吹かれていくのだろうか。壮大な景色だ。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
耕す自分の影も長くなり、立冬を実感しつつ精魂込めて畝造りされる姿が目に浮かび、地に足を着けて季節と共にあるお暮しが伺えます。(柳原美知子)
「立冬」という季節の節目をあきらかに感じながら、これからの新たな土壌に育まれる作物、その収穫の期待をも思われます。 (藤田洋子)

★荷に詰めて蜜柑あかるき色発す/高橋正子
いくつもの蜜柑が重なりながら箱に詰められ、きれいな色に照り輝いている。蜜柑の送り主からのやさしい気持ちも詰まっているようだ。 (高橋句美子)

★草紅葉はやも空には青き星/高橋正子
田の畦や土手の上など靴で踏みにじるのが惜しいほど美しくなる草紅葉。空には冬間近の大気が澄み青い星が数多輝いています。素晴らしい暮の秋の景です。(小口泰與)

★猫呼びに出れば全き冬銀河/柳原美知子
小と大の対比が面白い。「全き冬銀河」が鮮烈な印象です。(河野啓一)

★塩チョイと利かせ夕べはむかご飯/古田敬二
「むかご飯」の句を栄太郎さんも作っておられるが、「むかご飯」には懐かしい思う出がある。横浜に移り住んで、近くの山裾にあった「むかご」を採っきて「むかご飯」を作った。四国の田舎に住んでいた頃には、近くの川土手の藪に生えていた「ハチクの筍(タケノコ)」を好んで食した。(高橋信之)

★風連れて赤城を越ゆる冬の鳥/小口泰與
★ふるさとを遠くに想いむかご飯/桑本栄太郎
★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子

【高橋正子特選/8句】
★晴れてきて山の紅葉の照り出せる/藤田洋子
紅葉してきた樹々、晴れてきたら、ぱっと明るくなり山並みが見えてきました。 (祝恵子)

★わが頭上高くあかるき冬黄葉/高橋信之
冬晴れの黄葉した大樹の下を通ると、心も晴れ晴れとあかるく、透けて見える青空も美しく、新たな季節を軽やかに楽しんでおられる様子が伝わってきます。(柳原美知子)

★猫呼びに出れば全き冬銀河/柳原美知子
ちょっと家を出て猫を呼びに出ると、寒さの中にくっきりと天の川が見えたという。私が住んでいる広島市内では家の近くで天の川を見たことがないので羨ましいかぎりだ。 (満天星)

★風連れて赤城を越ゆる冬の鳥/小口泰與
★ふるさとを遠くに想いむかご飯/桑本栄太郎
★冬空に流れていくよ鳥の群れ/高橋秀之
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子

【入選/10句】
★澄み渡る冬空を飛ぶヘリコプター/多田有花
下五に置いた「ヘリコプター」がいい。中七の「冬空」が季題なのだが、下五の「ヘリコプター」を主題と見てもよい。(高橋信之)

★農業祭菊の展示を見て飽かず/祝恵子
「農業祭」であれば、「菊」も身近で優しい花となる。下五の「見て飽かず」に作者の姿がありありと浮かび、リアルだ。(高橋信之)

★すすり食ぶ故郷みやげの熟柿かな/桑本栄太郎
「すすり食ぶ」がリアルで、「故郷みやげ」に甘さがないのがいい。(高橋信之)

★ゴンドラの伸びる先へと山紅葉/藤田洋子
日毎に寒さが募り、山の紅葉が美しくなり始めました。ロープウェーに乗って紅葉狩りを行えば、山紅葉が迫ってくるように綺麗です。ゴンドラという動きのある美しい景色が広がって良い。(桑本栄太郎)

★冬林檎煮込んで甘い香台所/高橋句美子
日常生活を素直に詠んだ句だ。その素直なところがいい。(高橋信之)

★たんぽぽのすつくと立ちし帰り花/廣田洋一
中七の「すつくと立ちし」がいい。「帰り花」を詠んで見事な句だ。(高橋信之)

★菊日和狭庭の香り慎しく/河野啓一
天気のよい秋晴れ庭に咲く菊でしょうか。慎ましく香りを感じる穏やかなひとときが感じられます。 (高橋秀之)

★小道行き紅葉少しずつ色変わる/高橋句美子
小道を進むにつれて、紅葉の色が少しずつ変わると感じていく。実際に変わっているのか、見慣れて変わっていると感じるのか、いずれにしても作者の感じる秋がそこにあります。 (高橋秀之)

★母恋し青空を飛ぶ百合鴎/谷口博望 (満天星)
今年もまた北方から飛来する百合鴎。冬の澄んだ青空に映える、白い百合の花のような清楚な姿に、ふと「母恋し」作者の心情がしみじみと伝わります。 (藤田洋子)
今年もまた北方から飛来する百合鴎。冬の澄んだ青空に映える、白い百合の花のような清楚な姿に、ふと「母恋し」作者の心情がしみじみと伝わります。(高橋秀之)

★一面に落葉の積もる雨あがり/高橋秀之
雨あがり、地に一面に広がる落葉の光景。雨あとの清々しさに、様々な落葉が明るく鮮やかに目に浮かびます。 (藤田洋子)
雨あがり、地に一面に広がる落葉の光景。雨あとの清々しさに、様々な落葉が明るく鮮やかに目に浮かびます。(高橋秀之)

■選者詠/高橋信之
★わが頭上高くあかるき冬黄葉
冬晴れの黄葉した大樹の下を通ると、心も晴れ晴れとあかるく、透けて見える青空も美しく、新たな季節を軽やかに楽しんでおられる様子が伝わってきます。(柳原美知子)

★冬椿白に開放感があり
★赤き実の多し万両その他も

■選者詠/高橋正子
★冬の蝶花屋の花にはばからず
蝶がやってくれば、花屋の花もいきいきと自然に帰る。下五の「はばからず」がいい。(高橋信之)

★荷に詰めて蜜柑あかるき色発す
親しき人に送るのであろうか。「あかるき色」とした言葉の表現が的確であり、かつ斬新だ。(高橋信之)

★草紅葉はやも空には青き星
田の畦や土手の上など靴で踏みにじるのが惜しいほど美しくなる草紅葉。空には冬間近の大気が澄み青い星が数多輝いています。素晴らしい暮の秋の景です。(小口泰與)

■互選高点句/同点2句
●最高点(6点)
★立冬の長き影伸び畝造る/古田敬二
農作業を詠んだ佳句だ。「畝造る」行為が俳句となった。農作業を詩に取り上げるのは難しい。(高橋信之)

★冬めくやぽん菓子音の響きくる/祝恵子
冬めくころ、米の収穫が終わったころに、ぽん菓子屋がやって来る。米を持っていけば、ぽん菓子を作ってくれる。米を弾かせる驚くほどの大きな音を聞けば、楽しくも、また懐かしくもなる。(高橋正子)

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)

■11月月例ネット句清記


■11月月例ネット句清記
2017年11月12日
14名42句 

01.菊日和狭庭の香り慎しく
02.モノレール緩やかに行く菊日和
03.ご先祖も洞窟住い冬立ちぬ
04.乙女子のような小沼よ小六月
05.風連れて赤城を越ゆる冬の鳥
06.いちはやく明けし浅間や見張り鴨
07.すすり食ぶ故郷みやげの熟柿かな
08.ふるさとを遠くに想いむかご飯
09.老松の陸(おか)へと曲がり冬の海
10.見つめ合ふ桃色吐息真弓の実

11.母恋し青空を飛ぶ百合鴎
12.鴨翔てり瓢箪今に落ちさうな
13.山肌に一点紅き冬紅葉
14.澄み渡る冬空を飛ぶヘリコプター
15.冬晴れの車に掃除機をかける
16.一面に落葉の積もる雨あがり
17.冬空に流れていくよ鳥の群れ
18.入れ替えて箪笥が狭く冬支度
19.指先を滑らせ霜月の種を蒔く
20.立冬の長き影伸び畝造る

21.塩チョイと利かせ夕べはむかご飯
22.農業祭菊の展示を見て飽かず
23.小春日や庭に笛音舞神楽
24.冬めくやぽん菓子音の響きくる
25.冬ぬくし休耕田に草の生へ
26.傘を差すこともなかりし初時雨
27.たんぽぽのすつくと立ちし帰り花
28.小道行き紅葉少しずつ色変わる
29.冬林檎煮込んで甘い香台所
30.晴れた日の炬燵ぬくぬく温まる

31.荷に詰めて蜜柑あかるき色発す
32.草紅葉はやも空には青き星
33.冬の蝶花屋の花にはばからず
34.石鎚の嶺々日差し紅葉晴れ
35.ゴンドラの伸びる先へと山紅葉
36.晴れてきて山の紅葉の照り出せる
37.小春日の波を玻璃戸に海の幸
38.しんとして海光に咲く石蕗一輪
39.猫呼びに出れば全き冬銀河
40.わが頭上高くあかるき冬黄葉

41.冬椿白に開放感があり
42.赤き実の多し万両その他も

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

◆11月月例ネット句会のご案内◆

●11月月例ネット句会投句案内●
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(秋か冬の句)計3句を下の<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2017年11月7日(火)午前6時~11月12日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。

▼互選・入賞・伝言
①選句期間:11月12(日)午後6時~11月12日(日)午後9時
②入賞発表:11月13日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、11月13日(月)正午~11月15日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

ご挨拶/10月例ネット句会


ご挨拶
10月月例句会にご参加ありがとうございました。入賞の皆様おめでとうございます。コメントもそれぞれに句にいただき、句を別の角度から、あるいは、深く読むことができ、よい勉強になりました。10月の6日(スエーデンでは5日)には、ノーベル文学賞が長崎生まれのカズオ・イシグロさんだったこともあり、文学への関心も高まり、内へ内へとなりがちな俳句に明るい見通しができた感じがしました。来月は11月第2日曜日の12日に開催します。ご健吟ください。
今月は、添削教室の案内を見て投句された方がお二人おられ、ご参加ありがとうございました。これで、10月月例ネット句会を終わります。(主宰/高橋正子)

■10月月例ネット句会/入賞発表■


■2017年10月月例ネット句会■
■入賞発表/2017年10月9日

【金賞】
★いのこづち籾殻着けて猫帰る/柳原美知子
飼っている猫が、いのこづち、籾殻をつけて帰ってきた。草むらを踏んだり、田圃で転がったり、一日楽しく遊んだのだろう。猫の楽しい野の一日は作者の楽しさにもなっている。(高橋正子)

【銀賞/2句】
★月昇り母の背眠る法被の子/藤田洋子
月が昇り、祭りの賑わいの疲れか、法被の子はすやすやと母の背に眠っている。夢見るような母子像だ。(高橋正子)

★輝ける銀杏黄葉の樹下に入る/谷口博望(満天星)
銀杏黄葉の金色の輝きが作る樹下。その輝きに入ると、神々しいような日常とは違う世界だ。(高橋正子)

【銅賞/3句】
★酔芙蓉二階から鳴るジャズピアノ/古田敬二
酔芙蓉の古風さと色香。二階から聞こえるジャズピアノ。ロマンスグレーの住人か、その息子が弾いているのか、と思ったりする。(高橋正子)

★秋空のなかで建設作業中/多田有花
高層の建物が建てられる昨今は、建設作業は空の中ということが多い。秋晴れの空のなかで、建設作業が見事に進む。これも人間の技。(高橋正子)

★ホームから残業帰りの十三夜/高橋秀之
残業帰り、駅のホームから十三夜の月が見えた。十三夜のまだ満ちぬみずみずしい月にほっとするひととき。よい時間。(高橋正子)

【高橋信之特選/8句】
★輝ける銀杏黄葉の樹下に入る/谷口博望(満天星)
早くも黄金色に色付く嬉しい秋の彩り。鮮やかに輝く黄葉の樹下に入り、自然との一体感の中、明るく華やいだ気持ちを抱かせてくれます。 (藤田洋子)

★いのこづち籾殻着けて猫帰る/柳原美知子
家猫のあちこちと動き回っている姿が浮かび、楽しい句ですね。 (祝恵子)

★名月がやがて出る空仰ぎけり/多田有花
晴天の十五夜となり、空は紺色を深め、いよいよ雲の中から名月が光を放ってきそうだ。名月を心待ちにする臨場感が表れています。(柳原美知子)

★オランダの孫にメールを十三夜/河野啓一
遠くオランダに住むお孫さんにも十三夜の月は見えるのか、メールでの楽しいやりとりと充実したお暮しぶりが伺えます。(柳原美知子)

★特攻も飛びし空なり赤とんぼ/タイチ
戦争の体験から、特攻と赤とんぼが繋がったと思う。特攻の悲しみ、赤とんぼの郷愁。平和の空があるからこその俳句。(高橋正子)

★秋空のなかで建設作業中/多田有花
★月上り母の背眠る法被の子/藤田洋子
★コスモスに雲がゆたかに寄り集う/高橋正子

【高橋正子特選/8句】
★ホームから残業帰りの十三夜/高橋秀之
残業で疲れて帰りの電車を待つ間、プラットホームから仰ぐ澄み切った十三夜の月に心もなごみ、ほっと一息つくことができたことでしょう。(柳原美知子)

★酔芙蓉二階から鳴るジャズピアノ/古田敬二
夕方の光景と思われますが、美しい秋のたそがれ時に二階よりジャズピアノが聞こえ、通りがかりに聞いている作者自身も酔芙蓉の花も、酔い痴れているようである。 (桑本栄太郎)

★独り居て夜気爽やかに今日終える/高橋信之
過ごしやすいころになりました。何かをやりおえて一日を終え、それをひとり振り返る夜のひとときです。充実した日々を感じる爽やかな句です。(多田有花)

★雲きれて名月すっきり山の端に/多田有花
雲で見えないと思っていたら、切れ間に山の端にすっきりとした月が見えました。何もない時と違いそのひとこまの光景に感動が伺えます。 (高橋秀之)

★秋空のなかで建設作業中/多田有花
★輝ける銀杏黄葉の樹下に入る/谷口博望(満天星)
★月昇り母の背眠る法被の子/藤田洋子
★いのこづち籾殻着けて猫帰る/柳原美知子

【入選/15句】
★木道の野末や尾瀬の秋の雲/小口泰與
尾瀬の湿原に設置されている木道を通り抜けてゆく。すると晴天だろうか、雲がぽっかりと浮かんでいる。たまには、そのような散策に行ってみたいと思う。 (むつ)

★夜明け前ひと雨過ぎて秋祭り/藤田洋子
雨でお祭りが流れるかどうか気を揉んでいたら、夜明け前に一雨通りすぎて楽しみにしていたであろう秋祭りに気を馳せる朝の目覚めを感じます。 (高橋秀之)

★伸ばす手の反りの美しきや風の盆/廣田洋一
富山県八尾町で、9月1日?3日の3日間「越中おわら節」を歌い、踊り明かす踊り手の素敵な手の所作に魅せられている作者。素晴らしい風の盆の景ですね。 (小口泰與)
越中八尾の風の盆。編み笠を深くかぶり、顔を隠して静かな坂の街を踊る。カメラの焦点は女性の踊り手の指に合わせられる。細い白い指がきれいに反る.その情景が浮かぶ句である。 (古田敬二)

★中天に雲伴わず望の月/古田敬二
今年の15夜は、月がでたと思ったら、雲に隠れてしまい、中天に上る頃になって雲から離れて丸い月を観ることができた。それを雲伴わず望の月と表現したのが上手い。 (廣田洋一)

★冬瓜の艶めく色も転がされ/祝恵子
冬瓜のずどんとした形、その形が転がされた面白さ。色も深い緑がいきいきとして艶めいていいる。愛すべき冬瓜である。(高橋正子)

★雲走るままに照らさる月今宵/桑本栄太郎
名月の前をときおり雲が走ります。そこに月光があたり美しく輝きます。月を仰ぎ、雲も月光も楽しんでおられる様子が浮かびます。 (多田有花)

★ビル影の高きにありぬ望の月/桑本栄太郎
ビル影という都会から見える月は、高く見上げる位置にあります。ビル影という響きと望の月に対称を感じました。 (高橋秀之)

★秋晴れやどこかで山羊が鳴いている/柳原美知子
秋晴れのひととき。山羊の声は聞こえるが、どこにいるのか分からない。のどかな秋のひとときです。 (高橋秀之)

★間引菜の土とかがやき抱え来る/柳原美知子
間引菜を手にたずねてくださった方がありました。間引菜そのものもうれしいですし、訪問もうれしい。お互いににこにこ。「かがやき」にそれが見て取れます。 (多田有花)

★通天閣の先に大きく鰯雲/高橋秀之
見上げる通天閣の上に広がる一面の美しい鰯雲、心晴々と広やかな光景です。お暮らしの中で実感された心地よい季節の喜びが伝わります。(藤田洋子)

★握りたる手の暖かき良夜かな/廣田洋一
月の明るい美しい夜をいっそう感じさせてくれる手の温もり。良夜の優しい光に包まれて、ほのぼのとした幸福感が漂います。(藤田洋子)

★流星やメモせぬ俳句消えやすし/小口泰與
メモをしていない俳句は、覚えているつもりでも、消えている。流星のようだと思う。印象深い驚きがあるが、消えてしまえば、何もないように。(高橋正子)

★明け方の枯野の色の散歩道/むつ
散歩道は気づけば枯野の色となっている。いつの間にか、季節が進んで、明け方の冷え込みも増してくる頃だ。(高橋正子)

★秋行くやトランペットの「千の風」/谷口博望(満天星)
「千の風」の歌をトランペットで演奏するとどんな感じか。華やかなはずのトランペットの音色が哀愁を帯びている。(高橋正子)

★秋の夜自販機明るく道しるべ/高橋秀之
暮れるのが早い秋。夜となれば、すっかり暗くて、自動販売機が赤々と灯り、、安心の気持ちが湧く。道しるべなのでだ。(高橋正子)

■選者詠/高橋信之
★独り居て夜気爽やかに今日終える
過ごしやすいころになりました。何かをやりおえて一日を終え、それをひとり振り返る夜のひとときです。充実した日々を感じる爽やかな句です。 (多田有花)

★秋冷の闇の奥から少しの風
★さわやかに朝日射しくるパソコンに

■選者詠/高橋正子
★窓を開け月光少し入らしめぬ/高橋正子
まるで月光がたずねたきた大事なお客様であるかのようです。「いらっしゃいませ」と少し窓を開け、月の光を入れます。名月ならではで、その夜を楽しんでおられます。 (多田有花)

★コスモスに雲がゆたかに寄り集う/高橋正子
青空に色とりどりのコスモスが揺れる中、白雲が次々と湧き、秋の風と光が感じられる美しい情景です。(柳原美知子)

★上りつめ坂の上なる金木犀/高橋正子

■互選高点句
●最高点(5点/同点2句)
★酔芙蓉二階から鳴るジャズピアノ/古田敬二
★独り居て夜気爽やかに今日終える/高橋信之

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)

■10月月例ネット句会清記


■10月月例ネット句会清記
2017年10月8日
15名45句

01.雲走るままに照らさる月今宵
02.十五夜の月に祈るは国の末
03.ビル影の高きにありぬ望の月
04.名月がやがて出る空仰ぎけり
05.雲きれて名月すっきり山の端に
06.秋空のなかで建設作業中
07.流星やメモせぬ俳句消えやすし
08.新蕎麦や山湖の店の古暖簾
09.木道の野末や尾瀬の秋の雲
10.山霧が立ちこめるかな秋の雲

11.障子戸を向こうに見やり虫の声
12.明け方の枯野の色の散歩道
13.輝ける銀杏黄葉(いちょうもみじ)の樹下に入る
14.秋行くやトランペットの「千の風」
15.辛夷の実鳥も食はないグロテスク
16.名月や穂すすき軽くゆれており
17.オランダの孫にメールを十三夜
18.生憎の無月なるかな十三夜
19.風の織る薄紗生(ア)れきて天高し
20.特攻も飛びし空なり赤とんぼ

21.草刈の音遠くして秋真昼
22.夜明け前ひと雨過ぎて秋祭り
23.祭りあと月高々と町空に
24.月上り母の背眠る法被の子
25.ホームから残業帰りの十三夜
26.通天閣の先に大きく鰯雲
27.秋の夜自販機明るく道しるべ
28.握りたる手の暖かき良夜かな
29.酒飲まぬ友の酌にて良夜かな
30.伸ばす手の反りの美しきや風の盆

31.吾亦紅主張している束となり
32.冬瓜の艶めく色も転がされ
33.水落とす少年の手にシャベル
34.中天に雲伴わず望の月
35.酔芙蓉二階から鳴るジャズピアノ
36.ほろ酔いの色して夕べの酔芙蓉
37.窓を開け月光少し入らしめぬ
38.コスモスに雲がゆたかに寄り集う
39.上りつめ坂の上なる金木犀
40.秋冷の闇の奥から少しの風

41.さわやかに朝日射しくるパソコンに
42.独り居て夜気爽やかに今日終える
43.いのこづち籾殻着けて猫帰る
44.秋晴れやどこかで山羊が鳴いている
45.間引菜の土とかがやき抱え来る

※互選を開始してください。雑詠から一人5句、その中の一句にコメントをつけてください。選句は、この下のコメント欄にお書きください。

十五夜句会(10月月例ネット句会)ご案内


●十五夜句会(10月月例ネット句会)投句案内●

①投句:当季雑詠「秋の句(十五夜等)3句」
②投句期間:2017年10月4日(水)午後1時~2017年10月8日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言

①互選期間:10月8日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:10月9日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、10月9日(月)正午~10月12日(水)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之