ご挨拶/2月月例ネット句会を終えて

ご挨拶
オミクロン株コロナの感染が止まりません。気を付けてもこれ以上気を付けようがない感じです。収束を願うばかりです。その中でも、ネット句会とはいえ、いつもと変わらず句会が開催できましたことは、ありがたいことだと思います。
2月月例ネット句会にご参加ありがとうございました。今月は、14名の方の参加でした。(全員投句を目指して、川名ますみさん、友田修さんの句は自由な投句箱から最最近の句を管理者が投句しました。)
入賞の皆さまおめでとうございます。選とコメントもありがとうございました。
先月の句会から1か月ほど経って、野山の景色や花や木が、がらりと変わってきているのに、ご投句を読んで改めて思いました。微妙な変化や移ろいを上手に、いろんな見方で捉えられいて、勉強になりました。俳句は何年作っても、見逃していることがたくさんあると思いました。来月の句会を楽しみに、これで、2月月例ネット句会を終わります。
2022年2月16日
主宰髙橋正子

■2月月例ネット句会/入賞発表

■2022年2月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年2月13日
【金賞】
8.裸木の白壁に影立たせおり/祝 恵子
「裸木や白壁に影立たせおり」とすれば、さらに意味が通りやすくなると思う。「影立たせ」が秀逸で、白壁に映った影が、影でありながら、再び、立ち上がっている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
10.芋粥を遺影の母へ供えけり/吉田 晃
普段家庭ではさつま芋を入れた粥も芋粥と言われるが、俳句では、自然薯を入れて炊いた粥のこと。貴重な自然薯が手に入り、やらわかく粥に炊いて、仏前の母に供えた。母への行き届いた思いの句。(髙橋正子)

19.寒林に水音添いくる母の忌よ/柳原美知子
寒林を歩くと水音が身に添ってくる。思えば母の忌日である。いつの間にか、母といるような透明な感覚に襲われる。言葉にし得ない母への思い。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
13.妻と見る高層階から春空を/高橋秀之
妻と上がった高層のビルから向こうの春空や、さらに高い、さらに遠くの春の空が見える。春の空のような、さり気ない夫婦の会話が聞こえそう。(髙橋正子)
31.桜餅薄い桃色一列に/髙橋句美子
塩漬けの桜の葉に包まれた薄い桃色の桜餅は、季節菓子の中でも特に春らしいもの。季節になれば、たくさん並べて売られる。一列に並べられることもある。菓子舗の店先があかるく彩られ、楽しい季節になる。(髙橋正子)

36.紅梅の莟ふくらむほど淡き/川名ますみ
紅梅が固い莟のときは、紅が濃い。ふくらんでいく程にやわらかな淡い色になっていく。莟がふくらむように、心もふくらんでくる。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
25.音立てて天ぷら揚がる春立つ日/髙橋正子
今日から春。立春寒波で寒い春の初日でした。からりと揚がった熱々の天ぷらが美味しそうです。揚げたてをいただきましょう。 (多田有花)
 
26.青空に枝きらきらと雪のあと/髙橋正子
「雪のあと」の表現に魅かれた。積った雪がきらきら光るのは当然のことであり、誰もが表現する。水気を含み溶けかけて、それでも雪の形を枝に残している姿を表現しているのだと思う。青空と溶けかけた雪の光の表現に魅力を感じた。(吉田晃)
青空を見上げると、枝に残る雪に日の光が反射してきらきらしている。これからの暖かい未来を示している様子が春遠からずを感じさせてくれます。(高橋秀之) 

16.九十三義兄の自筆の賀状来る/祝 恵子
九十三歳という高齢であるのに、自筆で賀状を書く気力と律義さは、素晴らしい。年齢よりずっと若い意識でおられるのだろう。(髙橋正子)
10.芋粥を遺影の母へ供えけり/吉田 晃
18.裸木の白壁に影立たせおり/祝 恵子
19.寒林に水音添いくる母の忌よ/柳原美知子 
27.空を指す枝の幾千芽吹かんと/髙橋正子

【髙橋正子特選/7句】
36.紅梅の莟ふくらむほど淡き/川名ますみ
春の喜びを感じ、日々のふくらみを心待ちにされている。静かな希望に満ちた優しい句ですね。(柳原美知子)

37.梅が咲きあかるい朝となっている/髙橋信之
梅の花が咲いた。きびしい冬とも別れ、いよいよ春となる喜びが、梅が咲く朝を「あかるい」と捉えさせた。(髙橋正子)
10.芋粥を遺影の母へ供えけり/吉田 晃
13.妻と見る高層階から春空を/高橋秀之
18.裸木の白壁に影立たせおり/祝 恵子
19.寒林に水音添いくる母の忌よ/柳原美知子
31.桜餅薄い桃色一列に/髙橋句美子

【入選/17句】
01.春雪の晴れて舞いたる風の空/桑本栄太郎
寒波が押し寄せると太平洋側にもその余波の雪がもたらされます。日本海側の豪雪とは違いすぐに溶けてしまう淡雪であることがほとんど。青空の下を雪片が舞うこともあります。 (多田有花)

05.まんさくや川風ほのと温みける/小口泰與
まんさくの花にほんのり温もりを感じ、一足早く春の訪れに気づきます。 (西村友宏)
07.往年のスターと語らう春の夢/多田有花
昔から「春の夢と言って、はかない事のたとえに言われているが、夢の中のあこがれたスターと語っている青春時代の作者が居る。素晴らしい夢の世界ですね。(小口泰與)

20.蜜柑色のジャム煮る匂い春立てり/柳原美知子
爽やかでみずみずしい香りが春のようです。 (髙橋句美子)

24.お守りを内ポケットに大試験/西村友宏
大学受験でしょう。学問の神様天満宮のお守りでしょうか。やることはやってきた、あとは本番で実力を発揮するのみですね。 (多田有花)

28.寒明けやくるくる変はる空模様/廣田洋一
寒が明け立春を迎えれば「春に三日の晴間なし」とも云われ、空模様は猫の眼のように変わり易くなります。この季節の天候が直截に表現され、季節の変わり目が良く詠いあげられている。(桑本栄太郎)

30.初島の影くっきりと春の雪/廣田洋一
初島は相模湾に浮かぶ静岡県唯一の有人島。春の雪が舞う沖を眺めれば初島の影が黒く浮かんでいます。 (多田有花)

40.立春の川面膨らむ光かな/友田 修
立春の朝、川面に陽が差して水が膨らんでいるように見えると言う、いかにも春らしい景色。 (廣田洋一)

02.雲走り影の走りぬ春の嶺/桑本栄太郎

春の空と嶺。空に雲が走ると、山に雲の影が走る。春の嶺の景色が生きているように思える。(髙橋正子)
03.打ち寄するさざ波光る春の池/桑本栄太郎
春の池にもさざ波が打ちて寄せて光っている。のどかで、平和な春の景色。
(髙橋正子)
06.春灯や忽と鳴りたるメール音/小口泰與
しずかな春の灯の下にいると、メールの着信音が突然鳴る。夜のこの時間、何事かと、心が動く。春灯とメールの着信音の取り合せが、心を動かす。(髙橋正子)
11.榾積まれ春待つ畦のうす緑/吉田 晃
春の畦に榾が積まれている。この榾は、必要なときに家に持ち帰って火にくべられるのだろうが、冬の間の風雨にさらされた感じだ。春を待つ畦が萌え始めた。(髙橋正子)
12.春寒の鳥もう一羽が森を発つ/吉田 晃
春寒い森。見ていると森から一羽飛び発った。するともう一羽が思いついたように飛び発った。(髙橋正子)
15.木の先に新芽をふたつ見つけたり/高橋秀之
枯れ枝とばかり思っていた木に、新芽がふたつ見つかった。たった二つの新芽が愛おしい。(髙橋正子)
21.麦青む田にうすうすと夕日差す/柳原美知子
麦が少しずつ伸びて青々としてきた。夕日がうすうすと差し、青麦に夕焼けが薄く広がるように思えた。(髙橋正子)
32.朧月いつもの道に淡い光/髙橋句美子
いつも帰る道。今日は朧月が柔らかい光を投げかけ、いつもの道が淡い光に包まれている。朧夜の道。(髙橋正子)
41.垣根越しほのかに覗く梅の花/友田 修
垣根越しではあるけれど、ほのかに梅の花が覗いている。ちらっと見た梅の花に、春をむかえたばかりの快さがある。(髙橋正子)

■選者詠/髙橋信之
38.朝の日があかるく窓に梅に差し
朝日が窓や梅にも明るく差してきた。今日も元気に過ごせそうですね。 (祝恵子)

37.梅が咲きあかるい朝となっている
39.桜咲く季節を待てば喜びも

■選者詠/髙橋正子
25.音立てて天ぷら揚がる春立つ日 
26.青空に枝きらきらと雪のあと  
27.空を指す枝の幾千芽吹かんと

■互選高点句
●最高点(5点/同点2句)
26.青空に枝きらきらと雪のあと/髙橋正子
36.紅梅の莟ふくらむほど淡き/川名ますみ

■2月月例ネット句会清記■

■2月月例ネット句会清記■
2022年2月13日
14名(42句)
01.春雪の晴れて舞いたる風の空
02.雲走り影の走りぬ春の嶺
03.打ち寄するさざ波光る春の池
04.足先のがんがん吠ゆや凍返る
05.まんさくや川風ほのと温みける
06.春灯や忽と鳴りたるメール音
07.往年のスターと語らう春の夢
08.朝の霜輝く建国記念の日
09.筆ペンの書き方練習春の昼
10.芋粥を遺影の母へ供えけり

11.榾積まれ春待つ畦のうす緑
12.春寒の鳥もう一羽が森を発つ
13.妻と見る高層階から春空を
14.春寒し入場待ちの長き列
15.木の先に新芽をふたつ見つけたり
16.九十三義兄の自筆の賀状来る
17.今朝の湯気はアンコウ鍋の雑炊
18.裸木の白壁に影立たせおり
19.寒林に水音添いくる母の忌よ
20.蜜柑色のジャム煮る匂い春立てり

21.麦青む田にうすうすと夕日差す
22.冬の陽が射すまで待たんウォーキング
23.寒の月暗記カードと砂時計
24.お守りを内ポケットに大試験
25.音立てて天ぷら揚がる春立つ日 
26.青空に枝きらきらと雪のあと  
27.空を指す枝の幾千芽吹かんと
28.寒明けやくるくる変はる空模様
29.試験近し警報鳴らす黄水仙
30.初島の影くっきりと春の雪

31.桜餅薄い桃色一列に
32.朧月いつもの道に淡い光
33.雛あられ彩り鮮やか手の中に 
34.隣家より鉢のすみれと蒸かし芋
35.梅つぼみ窓の向こうに指さす人
36.紅梅の莟ふくらむほど淡き
37.梅が咲きあかるい朝となっている
38.朝の日があかるく窓に梅に差し
39.桜咲く季節を待てば喜びも
40.立春の川面膨らむ光かな

41.垣根越しほのかに覗く梅の花
42.春の月甍を黒く照らしおり

※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。
選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/2月月例ネット句会ご案内■

■2022年/2月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(冬の句・春の句)3句
②投句期間:2022年2月7日(月)午前6時~2022年2月13日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月13日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月14日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月14日(月)正午~2月17日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之
※都合で投句受付開始日より前に投句したい方は、期日前でも投句が可能です。

ご挨拶/1月月例ネット句会を終えて

2022年が始まり、はやくも2週間が過ぎました。日差しも明るさを増してよいことが起こりそうな雰囲気です。横浜は6日の雪のあとの寒さが去り、すこしあたたかいと思う日が続いています。
1月月例ネット句会にご参加いただき、ありがとうございます。毎月、熱心にご参加いただきて、とぎれることなく句会が開かれるのは、嬉しく、ありがたいことです。
選とコメントをありがとうございました。入賞の皆さまおめでとうございます。今年も新鮮な俳句が生まれることを期待しています。来月の月例ネット句会は、2月13日(日)です。楽しみに、ご健吟ください。これで、1月月例ネット句会を終わります。ご協力ありがとうございました。
2022年1月15日
主宰 髙橋正子

■1月月例ネット句会/入賞発表

■1月月例ネット句会/入賞発表
■2022年1月月例ネット句会■
■入賞発表/2022年1月10日
【金賞】
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
正月らしい清々しく勢いのある光景が詠まれている。河川敷の風を受けた正月の凧が、「いきいき」があがっている。正月のめでたさが句を明るくしている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
「寒」「濃き赤」が、情景をくっきり、迷いなく浮かび上がらせている。寒さの中の濃い赤のたった一輪に、小さくも強い生命力を感じる。(髙橋正子)

38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ
富士山がいつも見えるとろこに住んでいる人は、富士山をどんなに思うのだろうかは、四国に住んでいた私の思いだった。様々な富士の姿を目にするようになって、日常、富士を目にする人にとって、富士山は、親しみながらもやはり日本一の山である。その富士を真ん中に据えて撮られた初写真は父のような富士。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
01.棟上げの木槌の音や冬木の芽/小口泰與
棟上げの柱を組む木槌の音が、乾いた空気に響く。冬木にはたくさんの芽がついて、やがて来る春に備え命を溜めている。明るくて元気が湧いて来る。(髙橋正子)

10.神木の木漏れ日あびて春着の子/祝 恵子
春着の模様に包まれた子どもが木漏れ日をあびて、まぶしく輝いている。春着の衣の匂いまでしてきそうだ。(髙橋正子)

33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣/柳原美知子
石鎚は四国の名峰であるが、それよりも、毎日目にする石鎚が、初詣のおりには特に雄々しく、霊峰として聳えている。それをわが子と仰ぎ見るとき、希望が見える。(髙橋正子)

【髙橋信之特選/7句】
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
凧揚げの最初は、手に持ってかなり駆けて行きます。その為かなり広い場所が必要であり、河川敷などはぴったりである。正月ともなれば、親子連れで河川敷に出掛け、沢山の凧揚げの光景が見られます。如何にも正月らしい雰囲気ですね。 (桑本栄太郎)

28.凍星の光そろいし誕生日/髙橋正子
夜の星の綺麗さが感じられておめでたい日をお祝いしているようです。(髙橋句美子)

29.七草にふるさとの草混じりおり/髙橋正子
七草はどこにでも生えている草だが、それを「ふるさとの草」と詠んだのは、幼少から過ごしてきた場所に生えていていつも目にしていた忘れることの出来ない草だからなのだろう。そしてその草を目にするたびにふるさとを思い起こすのだと思う。「ふるさとの草」の表現に魅力を感じ、そんな草の生えていた作者のふるさとを想像する。(吉田 晃)

21.思ひ立ち買い求めたる七草粥/廣田 洋一
七草粥を買う予定は最初はなかったのでしょう。ところがふと何の拍子か買ってみようか、食べてみようかと気持ちが動かれました。その気持ちの揺れ具合が面白いです。 (多田有花)

18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣/柳原美知子
38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ

【髙橋正子特選/7句】
10.神木の木漏れ日あびて春着の子/祝 恵子
新年の喜ばしい日に神社の境内にある神々しい樹木から素敵な春着を着た女の子に木漏れ日が差している素晴らしい景が見えて来ている。嬉しい景ですね。 (小口泰與)

31.鳶の翼朝日に透けて冬岬/柳原美知子
朝の岬、上昇気流をとらえて天空高く昇っていく一羽の鳶の姿。大きな景色の中に鳶の姿の躍動をとらえられ、晴れやかな気持ちになる句です。 (多田有花)

36.初詣石畳を白く夜の灯り/髙橋句美子
まだ暗い中初詣に出かけ、灯に照らされた石畳を一歩ずつ踏みしめて社へと進むと新たな年を迎える実感と喜びが湧いてくるようです。 (柳原美知子)

01.棟上げの木槌の音や冬木の芽/小口泰與
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に/吉田 晃
38.初写真大きな富士を真ん中に/川名ますみ

【入選/11句】
13.初仕事まずはメールのチェックから/高橋秀之
 ITの時代ですから、初仕事は、正月休みの間に入ってきたメールのチェックから始まります。「まずは」と詠んだのが上手いと思います。(廣田 洋一)

16.枯れ果てり山のぬくもり幹は抱き/吉田 晃
落葉し枯れてしまった山にも、生命のぬくもりがありそれぞれの樹々の営みがある。自然に宿る生命の尊さが思われます。 (柳原美知子)

25.数の子のはじける音や朝の風/西村友宏
数の子が歯を鳴らす音、元旦の清らかな風、一読で五感に響きます。「はじける音」が嬉しいですね。きっと佳い一年になることでしょう。 (川名ますみ)

37.葉の陰の実もつややかに藪柑子/川名ますみ
かげになっている実にも艶が感じれ藪柑子の美しさが際立ちます。(西村友宏)

04.東雲のうすき明かりや初御空/桑本栄太郎
元旦の光が差してくるのを東の空を見つめながら今か今かと待ち構えているそういう気持ちが伝わってきます。一年のうちで最も特別な夜明けです。 (多田有花)

14.嵐山二人で眺める冬景色/高橋秀之
ご夫婦でゆったりと眺める嵐山の冬景色は雪もようでしょうか。静かで豊かなかけがえのないひとときが思われます。(柳原美知子)

27.駅伝の観戦合間に餅を焼く/西村友宏
箱根駅伝のテレビ中継を楽しみながら、お餅を焼いて食べる。ゆったりと良いお正月を過ごされたようですね。お餅が焼ける芳ばしい匂いが伝わってくるようです。 (柳原美知子)

09.初日記四行のみで仕舞いけり/ 多田有花
04.東雲のうすき明かりや初御空/桑本栄太郎
05.御降の天にきらめく日照雨かな/桑本栄太郎
12.振り向けば逆光まぶし冬の堤/祝 恵子
39.しらしらと初富士のより高きこと/川名ますみ

■選者詠/髙橋信之
22.ガラス戸を開けてたしかに雪が降る
ふだん雪を見慣れていないところに住む方の感覚です。年明けの寒波で東京をはじめとする関東圏など思わぬところで積雪がありました。その雪に対する驚きが伝わってきます。(多田有花)
アツ雪だ!とだれかの声、戸を開けてみて外を見た。確認してみた。初雪でしょうか。 (祝 恵子)

23.寺苑に花の色見せ木瓜の花蕾
24.梅蕾谷半分が陽にあたる

■選者詠/髙橋正子
28.凍星の光そろいし誕生日
夜の星の綺麗さが感じられておめでたい日をお祝いしているようです。(髙橋句美子)

29.七草にふるさとの草混じりおり
七草はどこにでも生えている草だが、それを「ふるさとの草」と詠んだのは、幼少から過ごしてきた場所に生えていていつも目にしていた忘れることの出来ない草だからなのだろう。そしてその草を目にするたびにふるさとを思い起こすのだと思う。「ふるさとの草」の表現に魅力を感じ、そんな草の生えていた作者のふるさとを想像する。(吉田 晃)

30.七センチ積たる雪の中にも灯

■互選高点句
●最高点(8点)
07.正月の凧いきいきと河川敷/多田有花
※コメントの無い句にコメントをお願いいたします。

■1月月例ネット句会清記■

■1月月例ネット句会清記■
2022年1月9日
13名(39句)

01.棟上げの木槌の音や冬木の芽
02.室咲や祝辞短きほど良けれ
03.大利根の流れ序破急霜柱
04.東雲のうすき明かりや初御空
05.御降の天にきらめく日照雨かな
06牛日やデイサービスの送迎車
07.正月の凧いきいきと河川敷
08.初写真父の遺影を真ん中に
09.初日記四行のみで仕舞いけり
10.神木の木漏れ日あびて春着の子

11.初メールあいたいなぁにキュンとなり
12.振り向けば逆光まぶし冬の堤
13.初仕事まずはメールのチェックから
14.嵐山二人で眺める冬景色
15.おせち料理所狭しと食卓に
16.枯れ果てり山のぬくもり幹は抱き
17.湯豆腐の湯気に揺れ浮く白さかな
18.寒木瓜の先ず一輪が濃き赤に
19.寿福寺の矢倉に満つる淑気かな
20.寒に入りすぐに開ける銀世界

21.思ひ立ち買い求めたる七草粥
22.ガラス戸を開けてたしかに雪が降る
23.寺苑に花の色見せ木瓜の花蕾
24.梅蕾谷半分が陽にあたる
25.数の子のはじける音や朝の風
26.初雪や紅茶を淹れる昼下がり
27.駅伝の観戦合間に餅を焼く
28.凍星の光そろいし誕生日
29.七草にふるさとの草混じりおり
30.七センチ積たる雪の中にも灯

31.鳶の翼朝日に透けて冬岬
32.愛猫死す冬の銀河の流れ星
33.石鎚を子と仰ぎつつ初詣
34.球根を付けて水仙の花売られ
35.新年の雪が都会の街を白く
36.初詣石畳を白く夜の灯り

37.葉の陰の実もつややかに藪柑子
38.初写真大きな富士を真ん中に
39.しらしらと初富士のより高きこと 
※互選を始めてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。選句は<コメント欄>にお書きください。

■2022年/1月月例ネット句会ご案内■

■2022年/1月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠(新年・冬の句)3句
②投句期間:2022年1月3日(月)午前6時~2022年1月9日(日)午後5時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。
▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月9日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:1月10日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月10日(月)正午~1月14日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■2021年金賞最高得点句発表■

2021年月例ネット句会
最高得点金賞作品(同点2句)
③3月 参道をまっすぐ春の海へ出る    柳原美知子 5点
⑪11月 建つ家の槌音高く冬に入る     藤田洋子 5点
以上の2俳句作品を最高得点金賞句として表彰いたします。
                  2022年1月7日
                  花冠名誉主宰 髙橋信之
                      主宰 髙橋正子
美知子さん、洋子さん、おめでとうございます。ますますのご活躍を期待いたします。なお、投票に参加された方は8名でした。ご投票ありがとうございました。(集計 髙橋正子)

2021年月例ネット句会金賞作品

2021年月例ネット句会金賞作品
①1月 夫の忌の晴れて海へとアロエ咲く  柳原美知子 
②2月 芽ぐむ木の窓の明るい喫茶店     吉田 晃 
③3月 参道をまっすぐ春の海へ出る    柳原美知子 
④4月 桜咲く中へ噴水あがりけり      多田有花 
⑤5月 風の香やトロッコ列車川沿いを    小口泰與
⑥6月 郭公の峰の遠くに晴れ来たる    桑本栄太郎 
?7月 風群れて青田を翔けてゆく軽さ    吉田 晃
⑧8月 靴ひもを緩めて食らうかき氷     西村友宏
⑨9月 稜線の確と定まり秋気満つ     桑本栄太郎
⑩10月 草の実の簡素な色が野にあふれ   吉田 晃
⑪11月 建つ家の槌音高く冬に入る     藤田洋子
⑫12月 花野枯れ薄き匂いの風の野へ    吉田 晃
 今年も月例ネット句会を無事終えることができました。すばらしい俳句作品が生まれたことをうれしく思います。
 さて、年末恒例となりました「月例ネット句会金賞作品」の好きな句への投票をお願いします。好きな句を3句選び、その番号を下のコメント欄にお書きください。みなさんの投票が出そろったところで、締め切りといたします。
よろしくお願いいたします。 
12月26日
主宰 髙橋正子