■2月月例ネット句会入賞発表■

■2月月例ネット句会入賞発表■
2024年2月11日

【金賞】
07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり/川名ますみ
岸の白梅には、陽がよくあたっているのだろう。「ぐんぐん」というほど、蕾がふくらみはじめている。どの蕾も、どの蕾もふくらむ勢いがあって、圧倒される。それ以上に作者が「ぐんぐん」と言えるほどに精神に元気があるのが、とてもいい。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一
春暖かな日差しに木椅子が置かれている。誰が座るのだろう。もう座っているのかもしれない。穏やかな日差しに温まった木椅子。木の椅子が、象徴的に穏やかで明るく、落ち着いた心象を表している。(髙橋正子)

25.寒ごやし麦の吹かれている畝に/吉田 晃
寒のこやしは、根が動くまえに与えられる。麦の芽がすくすく育ってそよぐほどになっている。畝で吹かれているが、その畝の脇に寒ごやしをやるのだ。力強い句。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
10.投函の新聞かんと春浅し/弓削和人
人通りはないのだろう。新聞がポストに落とされて「かん」と音がする。もう、春がそこに来ているから「かん」と言う音がうれしく心に響くのだ。(髙橋正子)

16.曙の雲をまといて春の山/多田有花
清少納言の枕の草子をいうまでもなく、春の曙の雲は、美しいにちがいない。その雲を纏った春の山が座っているのだ。「春の曙」と言わないで、「春の山」と「春」の使い方がうまい。それによって、句に新鮮さがうまれている。(髙橋正子)

34.梅林の賑やかな小さな街/髙橋句美子
梅林のある小さな街。その街が今日は賑やかなのだ。観梅に訪れた人も混じって小さな街は賑わっている。梅見どきの賑わいが春の訪れを伝えている。(髙橋正子)


【髙橋正子特選/7句】
10.投函の新聞かんと春浅し/弓削和人
 早朝、新聞受けに投函される新聞。その音は「かんと」響きました。まだ春の風色の揃わない、街の空気を鳴らしつつ、新聞が春を連れてくるようです。 (川名ますみ)
 春になったものの、春色はまだ整わない.降雪もあり、木々の芽吹きも間がある頃、朝刊を待ち遠しく待っている。そこに待ち焦がれた新聞が配達された。(小口泰與)

15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一
春を最も最初に感じるのは日差しです。その暖かそうな日差しの中に置かれている木椅子。先ほどまで座っていた人の存在も感じられて暖かです。 (多田有花)

23.球音を聞きつつ見上ぐ城二月/ 柳原美知子
球音と言えばやはり野球部、近くに学校があるのでしょうか。選抜高校野球の話題もそろそろ聞こえてくる頃です。見あげておられるのは松山城ですね。 (多田有花)

25.寒ごやし麦の吹かれている畝に/吉田 晃
農作業の実感が伝わってきます。冷たい風が吹く中でおこなわれる施肥が春からの作物を育てます。 (多田有花)

34.梅林の賑やかな小さな街/髙橋句美子
下五の小さな街で梅林の賑やかさが強調されている。上手い詠み方。(廣田洋一)


07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり/川名ますみ
16.曙の雲をまといて春の山/多田有花

【髙橋句美子特選/7句】
05.枝先の色づき来たる楓の芽/桑本栄太郎
周囲の木々の枝はまだ冬の姿のままです。しかし、よく見てみると枝先が少し色づいているのがわかります。少しずつ春が歩みを進めているようでうれしくなりますね。(多田有花)

06.あおぞらの風の田面や犬ふぐり/ 桑本栄太郎
この時期になるとまず目につくのがオオイヌノフグリの青い花です。早春の野や田のあぜで星が瞬くような美しい青色をみせてくれます。(多田有花)

08.雪に濡れさくらの枝のほの赤き/川名ますみ
先日の関東地方は思わぬ大雪に見舞われました。桜の枝にも積もった雪が翌日には溶けていきその下から桜の芽が見えてきました。桜はすでに花の準備を終え、気温と日差しがそれにふさわしくなるのを待っています。(多田有花)

17.梅が香に誘われ歩く散歩道/多田有花
真っ先に春を告げてくれる梅の花が咲き始めると、心も浮き立ち、思わずその香りを嗅ぎに出たくなりますね。浅春の日差しの中の至福の散歩です。(柳原美知子)

20.新芽出すホームの隅のプランター/高橋秀之
普段行き来するプラットホームの隅にあるプランターの草木にもいつの間にか新芽が出、春の息吹が感じられたうれしさ。良い一日となりそうです。(柳原美知子)

26.餅黴を削りつつ焼く二月来る/吉田 晃
大きな鏡餅は食べきるのにも時間がかかり、二月にもなると黴が生えてきます。それを削りながら焼いて、しっかりとした昔ながらの歯ごたえのある味を
楽しまれている。懐かしい光景です。(柳原美知子)

15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一

【入選/9句】
02.水底へ春の来ており賑賑し/小口泰與
川面が波立つ底をのぞくと、小魚の影や様々なもの
の影が揺らめき、賑やかに春を告げてくれています。万物の生命の生まれる春が実感されるようです。(柳原美知子)

12.まさおなる空にこぼるる寒椿/弓削和人
透徹した冬空の青さと零れ落ちる椿の真紅の美しさ、寒椿への愛惜の念が感じられ、心惹かれます。 (柳原美知子)
寒椿の明るい朱色が空の青さに映える美しい光景が目に浮かびました。「こぼれる」という表現も面白いを思いました。(西村友宏)

18.その歴史長き国なり建国日/多田有花
折りしも本日2月11日は、我が国日本の建国記念日です。建国以来本年は2683年目になるとも云われ、国家として世界で一番歴史の長い国ですね?もっと天皇家を尊び、国民も誇りを持ちましょう。 (桑本栄太郎)

24.しだれ梅塀歩く猫尾を振って/柳原美知子
民家の庭のしだれ梅であろうか。境界にある塀の上を猫が尾を振り振り(愛想を振り振り?)歩いていく。春の兆しを垣間見る一コマです。 (高橋秀之)

27.牡蠣鍋の牡蠣の一つをすくいけり/吉田 晃
この句を見て、理屈抜きで牡蠣鍋を食べたいと思いました。立春を過ぎましたが、寒いがつつく今日この頃、牡蠣鍋は体が温まります。(高橋秀之)

29.春一番歯医者帰りの頬を打つ/西村友宏
歯医者帰りの頬。ちょうど数日前歯医者に行ったところなのでそれが普段と違う感覚であることを実感しているときにこの句を見ました。頬に受ける春一番の風も玲連とは違う感覚だったことでしょう。 (高橋秀之)

30.春夕べ商談まとまりホットココア/西村友宏
商談がまとまった帰り道。ホッと一息をホットココアでくつろぐ。コーヒーではなくココアというところに、充実と癒しの気持ちを感じます。 (高橋秀之)

21.見上げれば春の大空雲ひとつ/高橋秀之
22.星めぐりの歌の余韻に明日立春//柳原美知子

■選者詠/髙橋正子
31.椿活け夜は背ナよりしんと冷ゆ
 信之先生ご健在の時から、高橋家は大きな花瓶に賑やかに花を飾ることはしない。一輪挿しに、時には野の花であったり、時には散歩で見かけた道の花であったりを何気なく飾っておられる。この椿もそうなのだろう。俳誌の仕事が一段落し椿が一輪、作業机に飾られていて、一息ついた今、二月の冷たさを感じておられるのだと想像する。 (吉田 晃)

33春の雪ことば真摯な葉書きかな/髙橋正子
春の雪が積もり、外出もままならない日に届いた葉書き。ただでさえ嬉しいのに、そこに書かれた真摯な言葉には更に感動が深まります。(柳原美知子)


32.春の雪積もりし量の屋根にあり

■選者詠/髙橋句美子
34.梅林の賑やかな小さな街
下五の小さな街で梅林の賑やかさが強調されている。上手い詠み方。(廣田洋一)

36.立春の風が高く流れゆく
今日から春、という気持ちが「高く流れる風」という言葉に現れています。(多田有花)


35.節分の豆を数えてカラカラと

互選高点句
●最高点句(5点/同点4句)
07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり/川名ますみ
10.投函の新聞かんと春浅し/弓削和人
15.暖かな日差しの中の木椅子かな/廣田洋一
25.寒ごやし麦の吹かれている畝に/吉田 晃


集計:髙橋正子
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

■2月月例ネット句会清記■

■2月月例ネット句会清記■
2024年2月11日
36句(12名)

01.忽然と俳句が来るよ春の雪
02.水底へ春の来ており賑賑し
03.朧夜や波の穂先のほろほろと
04.料峭のさざ波たつやにわたずみ
05.枝先の色づき来たる楓の芽
06.あおぞらの風の田面や犬ふぐり
07.ぐんぐんと岸の白梅ふくらめり
08.雪に濡れさくらの枝のほの赤き
09.大粒の春雪ぺたぺたボンネット
10.投函の新聞かんと春浅し

11.節分の夕餉を映えさす鰯かな
12.まさおなる空にこぼるる寒椿
13.りんりんと鈴を鳴らして針供養
14.切支丹の墓の十字架冴え返る
15.暖かな日差しの中の木椅子かな
16.曙の雲をまといて春の山
17.梅が香に誘われ歩く散歩道
18.その歴史長き国なり建国日
19.いちご食う結婚記念の夕食会
20.新芽出すホームの隅のプランター

21.見上げれば春の大空雲ひとつ
22.星めぐりの歌の余韻に明日立春
23.球音を聞きつつ見上ぐ城二月
24.しだれ梅塀歩く猫尾を振って
25.寒ごやし麦の吹かれている畝に
26.餅黴を削りつつ焼く二月来る
27.牡蠣鍋の牡蠣の一つをすくいけり
28.冬空へタワーの建つを見上ぐ朝
29.春一番歯医者帰りの頬を打つ
30.春夕べ商談まとまりホットココア

31.椿活け夜は背ナよりしんと冷ゆ
32.春の雪積もりし量の屋根にあり
33.春の雪ことば真摯な葉書きかな
34.梅林の賑やかな小さな街
35.節分の豆を数えてカラカラと
36.立春の風が高く流れゆく


※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■2月月例ネット句会ご案内■

■2月月例ネット句会ご案内■
①投句:当季雑詠
1月8日(月)午前6時~1月14日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月11日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:2月12日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月12日(月)正午~2月15日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

■花冠2月号(No.370)発送

●花冠2月号ができました。年末の合同句集『泉』の編集に注力していましたので、冬号が少し遅れましたが、本日2月11日(日)に横浜・綱島郵便局から発送いたしました。お手元に届くのは、2月14日以降となります。お楽しみください。
届きましたら、発行所ブログのコメント欄に、その旨お書きください。よろしくお願いします。
発行所ブログ:https://blog.ne.jp/kakan100

花冠代表 髙橋正子
2024年2月11日

ご挨拶/1月月例ネット句会を終えて

1月月例ネット句会にご参加、ありがとうございました。入賞の皆様おめでとうございます。
うかうかしていている間、大寒も一週間が過ぎ、店頭には、節分の豆や鬼も面が売られはじめています。いまさらに月日の経つのは速いものと思います。1月月例句会のご挨拶も遅くなってしまいました。皆さんの俳句へのコメントやお礼も揃いましたので、1月月例ネット句会を終わりといたします。来月も月例句会をよろしく終え買いします。
髙橋正子
2024年1月24日

■1月月例ネット句会入賞発表■(2024年)

■1月月例ネット句会入賞発表■
2024年1月14日
【金賞】
34.冬銀河ピアノの音色の軽くなる/髙橋句美子
冬銀河の冴えた小さな光と、ピアノの軽やかな音色が通いあい、宇宙的な想いにさせられる。(髙橋正子)
【銀賞/2句】
04.ともがらと火の粉を払うとんどかな/弓削和人
伝統行事である「とんど」が、いまも生き生きと伝えられているのは、嬉しいことだ。「ともがらと火の粉を払う」の実景がそれをよく物語っている。(髙橋正子)
14.一望す阿蘇の山々冬の空/高橋秀之
雄大な阿蘇山の山々とその上に広がる冬の空を、一望して、それを句に収める作者の大らかな把握が快い。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
27.蝋梅の活けられ花屋の大き甕/吉田 晃
正月前後から咲き始める?梅は、香りが高く、枝ぶりも自由である。?梅の枝は大きな甕に活けられるのがふさわしい。花屋の?梅も大きな甕に入れられ、売られている。(髙橋正子)

29.屠蘇器しまう丁寧に包み込み/祝 恵子
屠蘇器はその家に何年にもわたって使われてきたもの。その出し入れはたいてい主婦に任される。和紙や絹布に丁寧に包んでしまう。
「包み込み」と、さらに念がいれられてしまわれる。(髙橋正子)

33.四分の三世紀生き寒の入り/柳原美知子
四分の三世紀とは、七十五年。寒の入りを機にさらに寒さは厳しくなる。四分の三世紀生きた身をもって、それに突入する。そこに揺るがぬ固きものが感じられる。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/7句】
04.ともがらと火の粉を払うとんどかな/弓削和人
とんど焼きと云えば、家にある松飾りや注連縄をみな持ち寄り、焚き上げを行う行事である。先ずその場に行けば、暗い夜空に火の粉が高く上がり、大きな焚火が想われるのです。一緒に行った友人と火の粉を払います。(桑本栄太郎)
お正月に行われる火祭りの行事。松飾や注連縄などを燃やす行事を友達たちと盛んに燃やし、1年を無病息災を祈る。また,書初めなどを燃やすことを古書揚といい、燃えながら高く舞い上がると、書道の手が上がるという俗信がある。(小口泰與)

27.蝋梅の活けられ花屋の大き甕/吉田 晃
1月になれば蝋梅が咲き始めます。それをさっそく大きな甕に活けて店先に飾っておられるのでしょう。近寄ると蝋梅の馥郁とした香りに包まれます。(多田有花)
冬空に枝を伸ばし甘やかな香を放つ蝋梅、それが花屋に活けられるとなれば、やはり大きな甕が合うでしょう。おおらかに冬の花を挿す、趣味の良いお店に、心惹かれます。(川名ますみ)

34.冬銀河ピアノの音色の軽くなる/髙橋句美子
満天に広がる冬銀河がピアノの音色も軽く響くような大きな世界を作っていると感じます。(高橋秀之)
澄み切った冬銀河へと立ち昇っていくピアノの音色の美しさが想われます。やがて大空と溶け合い、眠れるものたちへの鎮魂の歌を奏でるようです。(柳原美知子)

14.一望す阿蘇の山々冬の空/高橋秀之
29.屠蘇器しまう丁寧に包み込み/祝 恵子
33.四分の三世紀生く寒の入り/柳原美知子
35.七草の緑鮮やか巡る日々/髙橋句美子

【髙橋句美子特選/7句】
01.初霜や子犬のふっと居なくなる/小口泰與
 子犬も寒い朝が初めてなのか、元気な様子が想像出来ます。(髙橋句美子)
 子犬が初霜の頃合いに、戯れ遊びはねているうちに居なくなる。親犬のもとに帰る情景がほほえましい。(弓削和人)

06.日の暮れしまぎわに農婦夕焚火/弓削和人
羽後国と以前句にされていたので、秋田県にお住まいでしょうか?今頃は田畑にも雪が降り積もっていることでしょう。
雪がやみ夕闇が迫るなか田畑で焚火をされているのですね。(多田有花)

37.真新しきマフラー巻いて参拝す/西村友宏
初詣なのでしょう。新年が明けて真新しいマフラーをおろして気持ちを新たに参拝する気持ちよさがあります。(高橋秀之)

14.一望す阿蘇の山々冬の空
24.オオバンの群れて黒々冬萌に
26.七種の粥のほのかなうす緑
27.蝋梅の活けられ花屋の大き甕

【入選/13句】
03.霜防ぐ藁ぎょうさんや幼稚園/小口泰與
幼稚園の庭にある植木などに藁囲いがしてある。それもぎょうさんの藁で。先生や父兄が囲ったものでしょうか。温かい気持になります。(祝恵子)

07.倒壊の家屋あまたや寒の雨/桑本栄太郎
元日早々の能登半島の大地震。被災地に降る寒の雨に二次被害が心配されます。一日も早くライフラインが復旧し、被災された方々が日常を取り戻せるよう心より願っています。(柳原美知子)

12.定刻に集える笑顔初句会/廣田洋一
「あけましてめでとうございます」からはじまったであろう初句会。今年もまたおなじみのメンバーがそろって初句会を迎えられました。お互いの息災を喜びつつ、華やかな気持ちで句会が始まりました。 (多田有花)

13.初乗車若葉マークの子の運転/高橋秀之
息子さんが運転免許を取得されたのですね。そして新しく車も購入された。その車にご夫婦そろって乗り込まれたのでしょう。お正月がさらに華やぐ瞬間です。 (多田有花)

16.背を起こし睫毛に眩し初日影/川名ますみ
長く病床にあられる詠者です。それでも元日は背をのばして座り初日を拝まれました。気概を感じます。(多田有花)

17.初笑い静かな男のヘルパーと/川名ますみ
ふだん物静かな男性のヘルパーさんがきてくれ、思いがけず面白いことを言って初笑いをさせてくれたうれしさ。温かい気持ちが伝わってきます。(柳原美知子)

19.霜溶けてゆく陽の当たるところより/多田有花
朝日が差し、日陰の霜を残して溶けてゆく。当然と言えば当然であるが、自然の働きを見逃さず、誰もが見逃してしまうところを平易な言葉て詠んだことに心動かされた。 (吉田 晃)

21.中天に三日月浮かべ寒茜/多田有花
寒々とした寒の夕方の景色が良く見える。三日月が効いている。(廣田洋一)
三日月の鋭さと鮮やかな夕焼けがマッチした綺麗な光景が目に浮かびます。(西村友宏)

26.七種の粥のほのかなうす緑/吉田晃
新暦の1月7日は冬の真っ只中ゆえ七種は買い求めるしかありません。でも、それで作られた七種粥のうす緑からは春遠からじの気持ちを感じられますね。 (多田有花)

02.期し方を思い起こせし雪眼鏡/小口泰與
06.日の暮れしまぎわに農婦夕焚火/弓削和人
13.初乗車若葉マークの子の運転/高橋秀之
18.豚汁のレシピ書き足し初雪に/川名ますみ
31.解体さる鮪取り合う尾の部分/柳原美知子
37.真新しきマフラー巻いて参拝す/西村友宏

■選者詠/髙橋正子
23.水鳥の流れその影流れける/髙橋正子
流れに乗って気持ちよさそうに泳ぐ水鳥にそそぐ冬の光と影、流れる水の透明感が感じられ、印象派の絵を見るようで心惹かれます。(柳原美知子)

22.鴨の声水にひびきてほのかなり
23.水鳥の流れその影流れける
24.オオバンの群れて黒々冬萌に

■選者詠/髙橋句美子
35.七草の緑鮮やか巡る日々
子供の頃から親しまれていた七草と七草粥、お父様を亡くされて目にする七草の緑の鮮やかさに、来し方の感慨を覚えられたことでしょう。巡る日々に実感がこもっています。(柳原美知子)
36.マフラーを幾度も試す誕生日
誕生日のプレゼントはマフラー。それ巻いて初詣に行かれた。「真新しきマフラー巻いて参拝」されたのは久美子さまですね。
初詣がよりほほえましいものになります。(多田有花)
34.冬銀河ピアノの音色の軽くなる
互選高点句
●最高点句(7点)
27.蝋梅の活けられ花屋の大き甕/吉田 晃
次点句(同点3句/5点)
04.ともがらと火の粉を払うとんどかな/弓削和人
21.中天に三日月浮かべ寒茜/多田有花
34.冬銀河ピアノの音色の軽くなる/髙橋句美子
集計:髙橋正子
※1月16日の集計により、最高点句が変わりました。
※コメントのない句にコメントをよろしくお願いします。思ったこと、感じたこと、ご自由にお書きください。

■1月月例ネット句会清記■

■1月月例ネット句会清記■
2024年1月14日
39句(13名)

01.初霜や子犬のふっと居なくなる
02.期し方を思い起こせし雪眼鏡
03.霜防ぐ藁ぎょうさんや幼稚園
04.ともがらと火の粉を払うとんどかな
05.湖の霧立つ朝や浮寝鳥
06.日の暮れしまぎわに農婦夕焚火
07.倒壊の家屋あまたや寒の雨
08.白き実のナンキン櫨や冬日燦
09.寒風の田面駆けゆく田道かな
10.早梅の香りに惹かれ女学生

11.新年の龍頭の水や水琴窟
12.定刻に集へる笑顔初句会
13.初乗車若葉マークの子の運転
14.一望す阿蘇の山々冬の空
15.門松が二つ迎える別府の宿
16.背を起こし睫毛に眩し初日影
17.初笑い静かな男のヘルパーと
18.豚汁のレシピ書き足し初雪に
19.霜溶けてゆく陽の当たるところより
20.日差し明るし寒風の強けれど

21.中天に三日月浮かべ寒茜
22.鴨の声水にひびきてほのかなり
23.水鳥の流れその影流れける
24.オオバンの群れて黒々冬萌に
24.酢飯切る甘き桶音冬の夜
26.七種の粥のほのかなうす緑
27.蝋梅の活けられ花屋の大き甕
28.家族増え動画見ながらお正月
29.屠蘇器しまう丁寧に包み込み
30.久々に大根の葉を刻む音

31.解体さる鮪取り合う尾の部分
32,新年の部屋に朝日と篳篥の音
33.四分の三世紀生く寒の入り
34.冬銀河ピアノの音色の軽くなる
35.七草の緑鮮やか巡る日々
36.マフラーを幾度も試す誕生日
37.真新しきマフラー巻いて参拝す
38.数の子を噛む音やめば静かな夜
39.味染みた煮大根のやわらかき

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

■1月例ネット句会ご案内(2024年)■

①投句:当季雑詠
1月8日(月)午前6時~1月14日(日)午後5時

②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月14日(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:1月15日(月)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月15日(月)正午~1月18日(木)午後6時
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏

2023年月例ネット句会最優秀作品決定

★★★★★
2023年月例ネット句会最優秀句が次のように決定しました。
おめでとうございます。
                
最優秀句(8点)
④4月 つばめ来て風新しき里となる/柳原美知子

最優秀次点句(6点/同点2句)
⑥6月 紫陽花の今朝の色挿すガラス瓶/藤田洋子
⑫12月 海鳴りの何処か遠くに懸大根/桑本栄太郎

                   2023年12月19日
                         花冠発行所                                                      
                           ★★★★★
〇最優秀句の選出の選を13名の方がしてくださいました。どうもありがとうございました。
〇最優秀俳句と、次点の俳句の方々に、発行所から粗品を送らせていただきました。ご笑納ください。(髙橋正子)
                             

■2023年 月例ネット句会最優秀作品の選出のお願い

●2023年月例ネット句会の金賞が揃いました。今年も最優秀作品を皆さんの選で決めたいと思います。よろしくお願いします。
5月は休会でしたので、全部で11句となります。これら11句の金賞作品から、ご自分の好きな句を3句選んで、冒頭の番号だけをコメント欄にお書きください。よろしくお願いします。(髙橋正子)

■□2023年 月例ネット句会金賞/全11句
①1月 初空に富士のしろさの大いなり/川名ますみ
?2月 雪国へ送る蜜柑の香をぎっしり/吉田 晃
③3月 うららかに東京駅舎人流れ/髙橋句美子
④4月 つばめ来て風新しき里となる/柳原美知子
⑤5月 休会
⑥6月 紫陽花の今朝の色挿すガラス瓶/藤田洋子
⑦7月 来ては去り去っては戻る揚羽蝶/髙橋秀之
⑧8月 田草取り水の濁りを遠ざかる/吉田 晃
⑨9月 水桶の水真新し新豆腐/吉田 晃
⑩10月 苦瓜の最後の重さもいでおり/祝恵子
⑪11月 谷水を啄み鶺鴒水の上/柳原美知子
⑫12月 海鳴りの何処か遠くに懸大根/桑本栄太郎
以上です。