◆雛祭ネット句会清記◆

■雛祭ネット句会■
■清記/21名63句

01.薄雲のそれでも青き春の空
02.春暁の新しき水仏前に
03.インターネット画面に諸国の雛狩り
04.百年の酵母れんめん押絵雛
05.紅梅や浅間の雪の新たなり
06.かの町のうぐいす餅を買いに出づ
07.糸電話「もしもし」「はいはい」雛の客
08.女の子欲しかったよね雛祭
09.新参のマトリョーシカや雛の宴
10.桃の花一枝挿してひな祭り

11.散らし寿司飾りて雛の集いかな
12.雛祭り孫は早くも卒業生
13.夕映えのいつしか褪せし木の芽風
14.桃の日の記憶幾重も雛飾る
15.内裏雛面ざし凜として哀し
16.門跡の御所雛飾る宝鏡寺
17.ぼんぼりの灯り哀しき夜半の雛
18.桃の日の花舗を占めおり桃の枝
19.緑濃しお好み焼きの春キャベツ
20.曇天に淡く溶けこむ梅の花

21.早世の姉と飾りし雛いづこ
22.アロマろううそく灯して更ける雛の夜
23.雛あられテンプルちゃんもみまかりし
24.啓蟄や「羽虫が飛んでいましたよ」
25.花桃の透けたる氷雨のウィンドウ
26.雛の部屋と定め灯りをあたらしく
27.片寄せに雪の残りて月おぼろ
28.花好きがミモザ咲かせて西洋館
29.あしび咲く今日のこの刻はなやかに
30.吾子嫁ぎゆけり今日雛祭りの日

31.娘の干支の木の馬添えて雛飾る
32.雛あられ小箱に詰めて友見舞う
33.初蝶や不意に舞う黄の空に消え
34.桃の花胸に抱えた人と会う
35.懐かしや故郷偲ぶ雛あられ
36.今年また昔の雛を掌に
37.岩にもたれ鳥の声聞く梅まばら
38.桃の花部活帰りの娘のメール
39.春の菜の抜きしばかりをもらい来る
40.くっきりと石鎚霊峰梅咲ける

41.三月の水輪つぎつぎ雨の濠
42.硝子戸の日差しにこぼれ桃の花
43.大雪や厳しき生活垣間見て
44.残雪の竹林寂と暮れにけり
45.梅三分雪の山路を踏みしめて
46.花は咲くの歌流れてひな祭り
47.夜勤あけ心に雛の帰り道
48.誰のためにと寂し顔して雛の夜
48.誰のためにと寂し顔して雛の夜
49.クロッカス昼の陽光満杯に
50.山茱萸の開花に似合う空の青

51.二人して梅の香りの層に入る
52.春霰の転がる地へと明るき陽
53.春北風が沖の小島を際立たす
54.せせらぎを間近に聞いて紅白梅
55.帰り来る隣人桃の花束と
56.桃の花抱きし人と挨拶す
57.千代紙の雛に折られし花模様
58.長き弧の浜の風紋春うらら
59.祖母よりの雛一段を飾りけり
60.雪洞(ぼんぼり)の灯影映ろう雛の顔

61.桃咲いてひときわ明るき花売り場
62.花菜の黄揺れて香れる風の中
63.窯の名の札立つ雛市陶の里

◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、3月3日(月)午後9時から始め、4日(火)正午までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、3月4日(火)正午です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、3月4日(火)正午~3月5日(水)午後6時です。

※選句を開始して下さい。

◆雛祭(3月)ネット句会案内◆


◆雛祭ネット句会のご案内◆
①花冠会員・同人であれば、どなたでも投句が許されます。花冠会員・同人以外の方は花冠IDをお申し込みの上、取得してください。
②当季雑詠(春)計3句、雛、雛祭、雛あられ、桃の花の句などを下の<コメント欄>にお書き込みください。
③投句期間:2014年3月2日(日)午前0時~3日(月)午後9時
④選句期間:3月3日(月)午後9時~4日(火)正午
※入賞発表:3月4日(火)正午

■ご挨拶/立春ネット句会■

ご挨拶(高橋正子/主宰)
立春ネット句会にご参加ありがとうございました。21名の方が参加され、63句ご投句ありました。入賞の皆様おめでとうございます。正月句会から1か月経ちましたが、日常生活も新しい年に馴染んで、落ち着いて来、寒いながらもよい季節と思えます。ご投句からは随分春めいて来たのだと実感できました。少しずつ変わる季節がうまく俳句に詠まれていて、俳句の妙味を味わうことができました。節分には四月のような暖かさになったかと思うと、立春には雪が舞うという天候には驚かされましたが、このような変化を繰り返しながら本格的な春になってゆくのでしょう。日脚が伸びてゆくのが嬉しくなる日々です。句会の管理運営は信之先生、集計は洋子さんにお願いいたしました。いつも大変ありがとうございます。これで立春ネット句会を終わります。来月の句会を楽しみに、ご健吟ください。

ご挨拶 (藤田洋子/スタッフ)
立春ネット句会ご参加の皆様、お世話になりありがとうございました。立春を迎えた昨日、松山も時おり霰が降り、厚い雲に覆われた一日でした。その中で、皆さんご投句の、寒いながらも春の到来を敏感に感じ、季節の変わりめならではの俳句に、たくさん出会うことができました。皆さんと共に季節の喜びを感じ合えることに感謝して、新しく始まる季節も明るく過ごしていきたいと思います。いつも楽しい句会を開催していただく信之先生、正子先生に心よりお礼申しあげます。また、選句、コメントを寄せていただいた皆様、ありがとうございました。

■立春ネット句会入賞発表■

■立春ネット句会■
■入賞発表/2014年2月4日■

【金賞】
★撒く豆の闇の奥まで弾みけり/安藤智久
豆撒きの豆が闇の奥まで弾んでいった。勢いよく撒かれた豆だろうから、闇の奥の鬼もきっちりと追い払われたであろう。(高橋正子)

【銀賞】
★水鏡して春空の高かりし/井上治代
水鏡の春の空は、触れられそうで、触れられない。高いと感じる春の空は、やさしく、淡く、広い空であろう。(高橋正子)

【銅賞3句】
★長靴に春泥重く畝立てる/古田敬二
一雨ごとに暖かくなるころ、畑の土もぬかるみがち。畝を立てるのも力のいることだが、長靴につく泥の重さや光り具合に春らしさを思う。(高橋正子)

★寒明けて全樹つぼみの椿かな/河野啓一
「全樹のつぼみ」に作者の生き生きとした気持ちが表れている。寒が明けるのを待っていたかのように、固かった椿の蕾は一時に、膨らむ気配を見せて来た。椿の咲く日が楽しみである。(高橋正子)

★踏みしめて二月の丘の芝弾み/藤田洋子
二月の丘に登る。踏みしめてこそ知る芝の弾力。芝も萌え初めているのだろう。二月の丘に春の兆しがあるうれしさ。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★白梅のみずみずしきが青空に/高橋正子
青空をバックにみずみずしい白梅がはっきり見えます。胸に染みいるような香りもします。いいですねー。 (迫田和代)

★長靴に春泥重く畝立てる/古田敬二
春先は雨量が増えたり雪解などが有り、又なかなか土地が乾かないのでぬかるみになってしまいます。したがって長靴や鍬に付いた土は重く畝立てにご苦労されている様子が伝わって参ります。 (佃 康水)

★美しき影はっきりと雪の上/迫田和代
雪が降った日、いろいろなものがくっきりとした影を作っています。真っ白な雪、くっきりとした黒い影、雪の少ない土地に住めばなお更美しい光景ですね。 (佃 康水)

★撒く豆の闇の奥まで弾みけり/安藤智久
「鬼は外 福は内」と家の隅々へ弾むほどに豆撒きをされている父親の喜びまで伝わって参ります。沢山の福が来てくれたことでしょう。 (佃 康水)

★冬北斗追いかけっこでゆく親子/高橋句美子
澄みわたる冬の夜空のもと、ほのぼのと心あたたまる親子の情景に、いっそう明るく輝く冬北斗を思います。天上に瞬く冬北斗と地上との、広々と心洗われるような美しい世界です。(藤田洋子)
北斗七星といえばおおくま座。その横には北極星を含むこぐま座。北の空で大きくゆっくりと追いかけっこをしています。星座が美しく浮かび上がる冬の夜空に星座の物語を思い描く作者の透き通ったまなざしが見えます。(安藤智久)

★春光や和紙に包まる有平糖/小口泰與
有平糖は砂糖菓子。春光が差し、和紙に包まれた有平糖は、その色がほのかに透けて見える。和紙も春光も柔らかで優しい。(高橋正子)

★水鏡して春空の高かりし/井上治代

【高橋正子特選/7句】
★晴れの日の続きて森の満作咲く/高橋信之
満作は糸のような花をほぐして咲く。とくに寒明けが近いころから晴れた日が続くと、満作は春がきたかと思うのか、一斉に咲き始める。自然の森のなかに、早春の花の満作を見つけると嬉しいものだ。(高橋正子)

★米びつの軽ろき音たて寒終る/桑本栄太郎
米びつに計量カップか何かが当たり、かすかな音がしました。その音にも春の気配を感じた作者の感性が素晴らしいと思いました。(井上治代)

★受験子や会釈の顔の引き締まり/佃 康水
受験シーズンの只中、受験子の緊張感がひしひしと伝わります。また、会釈をするお子さんへのエールも込めて、あたたかな優しい眼差しも感じさせていただきました。(藤田洋子)

★水鏡して春空の高かりし/井上治代
湖を目の前にしているのでしょうか。空を映した水面にも、そこからぐっと見上げる空にもやわらかな春の色が広々とそして高々とみえてきます。(安藤智久)

★踏みしめて二月の丘の芝弾み/藤田洋子
★寒明けて全樹つぼみの椿かな/河野啓一
★撒く豆の闇の奥まで弾みけり/安藤智久

【入選/10句】
★雨だれの枝につらなり梅ひらく/桑本栄太郎
春雨の暖かさに誘われ梅が開く。枝に雨だれと梅が連なる情景が鮮明に浮かぶ佳句です。(古賀一弘)
雨が止んだのでしょう。点々と枝についてる雨だれ、咲いた梅の色が雨粒の中に咲いているのかもしれません。(祝恵子)

★樹に巣箱掛けられ森に春立てり/小川和子
春の産卵、子育てを助けるために、幹に巣箱が掛けられ親鳥の寄るのを待っている。立春の日に森を歩き、木々を見上げて春の始まりを確かめる喜び。(小西 宏)

★路地裏の冬日拾ひて猫眠る/古賀一弘
猫は何処に居ても暖かい所を好む動物である。ここ数日の寒のゆるみに、猫も路地裏の日溜りに出て寛いだのであろう。「冬日拾ふ」との措辞が効果的で、情景の良く分かる長閑さが良い。(桑本栄太郎)
冬日がスポットライトのように猫を照らしている様子が暖かく可愛らしい句です。(安藤智久)

★わらづとの話など聞きボタンの芽/祝恵子
わら囲いをして大切に育てられた冬牡丹を見に行ったことがあります。寒気に強いというボタンですが、出始めたボタンの芽の育て方などを話題にされたのでしょうか。(小川和子)

★蓬萌ゆ岸へ石橋踏み渡る/柳原美知子
萌え出す蓬の緑が、硬質な石橋との対照も鮮やかに、より柔らかくみずみずしく感じられます。これから春めく岸辺の情景を思い、明るい希望を抱かせていただきました。(藤田洋子)
小川の岸辺に生えだした蓬。万葉の人のように、石橋を渡って摘みに行く。心躍る春の一日。 (古田敬二)

★父として声張り上げし鬼やらひ/安藤智久
一児の父となって初めての節分、追儺の行事。吾子の健やかな成長を祈る父としての感慨が滲んでいると思います。(河野啓一)

★帰国児の声をそろえて豆を撒く/矢野文彦
久しぶりに帰国した子供たちが、母国の節分の行事を楽しみ、元気よく豆撒きをする姿を見守る詠者の喜びが伝わってきます。 (柳原美知子)

★春節やにぎわう街に身を委ね/渋谷洋介
日本でも横浜の中華街では、春節を祝って街がにぎわう。その街の賑わいに身を委ね、異国の正月を楽しむのもいいことだ。(高橋正子)

★日を透かし高みにそよぐミモザかな/下地鉄
ミモザは、早春の花である。四国松山に住んでいたころは、黄砂が降るころ遠い丘に高く咲くミモザをよく見た。この句のミモザも高みそよぎ、日差しをいっぱいに浴びている。早春の光が溢れている句だ。(高橋正子)
早くも、高々と穂状に群がり咲くミモザの黄が眩しいばかりです。ミモザを透かす日差しも、そよぐ風にも、春来る喜びがあふれているようです。(藤田洋子)

★節分や真っ赤な色した鬼の面/高橋秀之
真っ赤な色の鬼の面をして鬼になっているのは誰でしょう。「福は内、鬼は外」と大声で叫びながら豆をまかれ、逃げまどっている鬼のようすがよく分かります。(井上治代)

■選者詠/高橋信之
★さんしゅゆの実を光らせて日が昇る
さんしゅうの実は山ぐみとも呼んでいますがあの真っ赤な実が朝陽に照らされながら輝いています。日が昇るで一層活き活きとした山ぐみが見えて参ります。 (佃 康水)

★晴れの日の続きて森の満作咲く
暖かく晴れた日が続くと、木々の芽は膨らみ、蕾はほぐれて花が咲きます。森の満作も花が咲き、希望の春がやってきました。(井上治代)

★立春の東の峯の明るい空

■選者詠/高橋正子
★白梅のみずみずしきが青空に
和やかな日光が地上を照らす日は、雲もない青空でもほの白く、春先高い香気を放って馥郁と咲き、光沢があって生気に満ちた新鮮な白梅の素晴らしい景ですね。(小口泰與)
眼前のみずみずしい白梅と大きく広がる青空のコントラストが鮮明に浮かんできて、気持ちの良い情景です。 (高橋秀之)

★大寒の真青な空の実栴檀/高橋正子
さみしく感じるまでに青く澄み渡った空に、栴檀の実が陽に輝いている美しい光景を思い浮かべることができました。 (井上治代)

★わが肺に水仙の香の今入る

■互選高点句●最高点(7点)
★撒く豆の闇の奥まで弾みけり/安藤智久

※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/藤田洋子)

※コメントのない句にコメントをお願いします。下のコメント欄にお書きください。

立春ネット句会清記

選句を開始して下さい!

■立春ネット句会■
■清記/20名60句

01.橡の芽のぬめり耀く寒の明け
02.雨だれの枝につらなり梅ひらく
03.米びつの軽ろき音たて寒終る
04.長靴に春泥重く畝立てる
05.年の豆配られ始まる歌練習
06.俎板に水の滴る大根切る
07.木々の芽の少しふくらみ水温む
08.水鏡して春空の高かりし
09.タンポポの綿毛見つけて春立ちぬ
10.節分や真っ赤な色した鬼の面

11.冬牡丹雲間の日差しに照らされて
12.春に入る気持ち新たに深呼吸
13.うららかや金平糖の角の色
14.春風や三角はっかの淡き色
15.春光や和紙に包まる有平糖
16.蝋梅の香に添う光眩しめり
17.樹に巣箱掛けられ森に春立てり
18.桜芽木日に撥ね枝のしろがねに
19.路地裏の冬日拾ひて猫眠る
20.福は内人に押されて浅草寺

21.良く跳ねるトランポリンや春来たる
22.わらづとの話など聞きボタンの芽
23.青枝にぷくりと梅の蕾みおり
24.マスクする吾に試食のつまようじ
25.春節やにぎわう街に身を委ね
26.初場所やフクシマ地産土産買う
27.空開く桜冬芽の息吹かな
28.東天を茜に染めて立春に
29.鬼やらい各地それぞれ賑わいぬ
30.寒明けて全樹つぼみの椿かな

31.柊挿す空柔らかに雨上がる
32.朝に来る鳩の目つぶら春立つ日
33.踏みしめて二月の丘の芝弾み
34.立春の東の峯の明るい空
35.さんしゅゆの実を光らせて日が昇る
36.晴れの日の続きて森の満作咲く
37.冬北斗追いかけっこでゆく親子
38.冬苺大きな粒をざくざく洗う
39.伊予柑を剥けば香りの輪の中に
40.白梅のみずみずしきが青空に

41.わが肺に水仙の香の今入る
42.大寒の真青な空の実栴檀
43.美しき影はっきりと雪の上
44.山際を走る列車の里の春
45.春の水たっぷり注ぎ花一つ
46.灯の街の上に映り春霞
47.荒畑の風に逆らう茅花かな
48.日を透かし高みにそよぐミモザかな
49.瀬戸海の晴れて遠山初の虹
50.受験子や会釈の顔の引き締まり

51.雨粒を空へ持ち上ぐ蕗の薹  
52.立春の風音高く田の靡く
53.蓬萌ゆ岸へ石橋踏み渡る
54.餅花の垂れて光れる里の湯屋
55.喜びに満ちて二月の苺摘む
56.撒く豆の闇の奥まで弾みけり
57.父として声張り上げし鬼やらひ
58.宅食の小さくおさまる恵方巻き
59.帰国児の声をそろえて豆を撒く
60.春の風邪やいとのあとを見られけり

◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、2月4日(火)午後7時から始め、同日(2月4日)午後10時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、2月5日(水)午前9時です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、2月5日(水)午前9時~2月6日(木)午後6時です。

◆立春ネ ット句会案内◆

●立春ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(冬の句か、春の句)3句
②投句期間:2014年2月4日(火)午前0時~2014年2月4日(火)午後7時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:2月4日(火)午後7時~午後10時
②入賞発表:2月5日(水)正午
③伝言・お礼等の投稿は、2月5日(水)正午~1月4日(土)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之

■ご挨拶/新年ネット句会■

 ご挨拶(高橋正子/主宰)
 明けまして、おめでとうございます。横浜は暮れから良いお天気に恵まれ、元旦も二日も素晴らしい青空でした。新年ネット句会には21名の方が参加されました。その中には花冠以外の方が4名投句され、新鮮な気持ちにさせていただきました。入賞の皆様おめでとうございます。インターネット句会を始めてから、18年目となります。情報化社会と言われ久しくなりましたが、日本でもようやく本格的に情報化社会となったようです。
 花冠がネット句会を始めた当初は、インターネットの全てが新しく、珍しく、パソコンを「魔法の箱」とまで呼んで喜んだ会員もいたことを今思い出しました。今花冠のネット句会の現況を思いますと、少し閉鎖的になってきているのではないかという危惧があります。部外者の方のご投句はよい刺激となっていただけるのではと思います。新年句会を契機、今年は、新しい飛躍があることを願っています。今年もどうぞよろしくお願いいたします。これで新年ネット句会を終わります。

■新年ネット句会入賞発表■

■新年ネット句会■
■入賞発表/2014年1月2日■

【金賞】
★信貴生駒高く上がれる初日かな/河野啓一
大阪府と奈良県の県境の信貴生駒の山並。信貴生駒スカイラインや寺もある。その山に高く上がった初日に目出度さがある。(高橋正子)

【銀賞2句】
★真っ先に日矢の射し込む注連飾り/佃 康水
朝日は先ず高いところから当たる。注連飾りが玄関などの高い位置にあって、真っ先に日矢が射し込んだのだ。元旦の明け初めが手堅く詠まれた。(高橋正子)

★午後の陽にまだある氷割り遊ぶ/小西 宏
午後の陽がきらきらと氷に差している。日中も気温が上がらないと、こんな氷に出くわすが、ちょっと割ってみたくなる遊び心。午後の陽が余計に遊び心をかきたてたのだろう。(高橋正子)

【銅賞3句】
★元日に空の碧さは極まれり/友田 修
テーマは「元日の空の碧さ」。そのテーマを「元日の空の碧さは」と「は」でもってきっぱりと限定したところに、この句の良さがある。元日だからこそ、「極まれり」に、強い実感が読み取れる。(高橋正子)

★てのひらに海を掬ひて初あかり/西川 仁
「海を掬ふ(う)」は、大胆な把握だが、行為はよくわかる。海の初日の出を拝もうと海辺に出かけた。初日が昇ると、海の水が明るくなり、思わず初あかりの差す海の水を手に掬う。海で迎える元旦の美しい行為に思える。(高橋正子)

★門松立つ首都の中心ひっそりと/高橋句美子
首都の中のその中心。半蔵門あたりもそうだろう。立派な門松を立ててひっそりとしている。首都のひっそりとした寂びさに、現実として驚く。首都の中心で働く作者の目に映る風景。(高橋正子)

【高橋信之特選/7句】
★てのひらに海を掬ひて初あかり/西川 仁
元旦に東の空がほのぼのと明るくなり、前途に望みか出て素晴らしい新年を迎えるリズムも素敵な景ですね。(小口泰與)

★午後の陽にまだある氷割り遊ぶ/小西 宏
冬の日の子供たちの生き生きとした声が聞こえてくるようで、懐かしい気持ちになります。(柳原美知子)

★水色の空の暮れゆき年惜しむ/桑本栄太郎
日中の青々とした空が水色になり、そして暮れていく。日々繰り返される光景も大晦日ならではの年惜しむ気持ちが表れます。 (高橋秀之)

★新年の河滔々と蒼深む/小川和子
新年を迎え、澱みなく蒼い、河が滔々と流れています。その豊かな水は蒼さも深み今年も自然界へ大きな恵みをもたらしてくれる事でしょう。心まで豊かになります。 (佃 康水)

★元日に空の碧さは極まれり/友田 修
主題が「元日に空の碧さ」で、すっきりとしていて、それを「極まれり」と言い切った作者の詩情は、年の初めを祝うに何よりである。作者にとっての今年一年がよき年であるに違いない。(高橋信之)

★門松立つ首都の中心ひっそりと/高橋句美子
平明であるが、詠む対象をしっかりと捉えた確かな句である。(高橋信之)

★信貴生駒高く上がれる初日かな/河野啓一
いい句である。575の17字で十分であり、足りているのである。(高橋信之)

【高橋正子特選/7句】
★真っ先に日矢の射し込む注連飾り/佃 康水
元日の日の出を拝もうと今か今かと待っていると、漸く日が射し、その初明りは注連飾りに一番に当たった・・・。現実の光景かどうかはともかく、注連飾りに一番先に当たると言う初明りの厳かな雰囲気がよく表現されている。 (桑本栄太郎)

★順々に鈴の音大きく初詣/高橋秀之
お子さんたちを連れての初詣。それぞれの子がそれぞれの願いを胸に鈴を鳴らしています。何も願うことがなくても手をあわせる、そこから新しい年が始まります。 (多田有花)

★寒柝の拍子木合わせの音のずれ/祝恵子
拍子木の音に思わず耳を澄ませていると、そのタイミングが微妙にずれていた、それにふと頬をゆるめられたのでしょう。「ずれ」に着目された詠者の視点がいいです。 (多田有花)

★午後の陽にまだある氷割り遊ぶ/小西 宏
温暖化といわれ、氷が張ることも少なくなった都会。それでも時には冷え込むことがあり、影には午後になっても氷が残っていたりします。それを目ざとく見つけ、嬉々として遊ぶのは幼い子の可愛らしさが浮かんできます。 (多田有花)

★息白し襷を繋ぐ箱根山/古賀一弘
箱根駅伝ですね。息も白い寒さの中でも襷をつなぎ走りゆく選手を応援する沿道のみなさん年始の風物詩です。 (高橋秀之)

★底冷えの京の町家の入日かな/桑本栄太郎
江戸時代から京の伝統文化を受け継いだ町家。鄙びた中にも清楚な佇まいを残して居り日本人の憧れる町ですね。底冷えのする京の町家でさぞ澄み切った美しい入日を鑑賞され、昨年一年への感謝とまた今年への思いを新たにされたことでしょう。 (佃 康水)

★信貴生駒高く上がれる初日かな/河野啓一
大阪府と奈良県の県境の信貴生駒の山並。信貴生駒スカイラインや寺もある。その山に高く上がった初日に目出度さがある。(高橋正子)

【入選/5句】
★やわらかき小筆で記す初硯/西川 仁
小筆で記すのは御賀状でしょうか。年改まり、心静かに硯にむかう清々しさが、墨汁の香とともにしんと伝わってくるようです。(小川和子)

★砂浜に寄せ来る波へ初明かり/多田有花
砂浜に寄せ来る波はいつもと同じようでも、実は日々それぞれ異なる表情を見せてくれています。その波へ初明かりがさして見せてくれる風情は、新しい年への希望を感じさせてくれたことでしょう。(高橋秀之)

★穏やかな瀬戸の島山初日の出/多田有花
静かな海を輝かし、島々の間に昇る初日が美しく見えてきます。お正月にふさわしい、厳かな風景です。(小西 宏)

★初春の一番客のメジロ来る/古田敬二
新年早々メジロがやってきて巣作りの準備。何とも嬉しい光景ですね。(河野啓一)

★新年の賑わいを聞き背伸びする/高橋句美子
初詣の賑やかさが伝わる楽しい句と思います。背伸びしているのが神社なのか、家からなのかはわかりませんが、楽しげな様子を見たい気持ちの高揚が伝わります。(友田 修)

★僕ふたつ俺はみっつと雑煮餅/高橋秀之
家族揃って楽しいお正月を迎へられた暖かい句で、自然に顔が緩みます。(迫田和代)

★明々と全てを照らす初日の出/迫田和代
新しい年は明るい日の出とともに始まりました。この句から今年もいい年になるように願う作者の心情が読み取れます。 (井上治代)

★ひっそりと葉に抱かれて枇杷の花/井上治代
おとなしく、やさしい感じがよいです。ちょっと淋しいですが、やわらかい句だと思います。 (高橋句美子)

★裏側の印字かすかに年深し/永田満徳
年深しと思う場面はいろいろある。裏側の印字がかすかであることにも歳月を感じて、いよいよ年深しと思う。(高橋正子)

★三代の肌色違へ寒垢離/武藤隆司
三代の肌の色こそ違え、三代揃って寒垢離をする家族の一心な姿。(高橋正子)

★元旦や坂東太郎滔々と/小口泰與
川の流れは時に歳月の流れを連想させるものです。坂東太郎・利根川の雄大な流れはさらに大きな時間の流れをしみじみと印象づけるものでしょう。 (多田有花)

★栴檀の実の弾く陽も十二月/柳原美知子
大樹の栴檀の樹は葉もすっかり落とし空へたわわに実っているのがはっきりと見えています。その実は冬の澄んだ十二月の陽をもろに受け止め弾いてはいますが「弾く陽も十二月」の措辞でやや白っぽくなった冬の栴檀の実の寂しさを感じさせます。(佃 康水)

■選者詠/高橋信之
★元日青あお晴れ丸い世界に居る
私たちの住んでいる地球は青くて丸い。その地球で今年も無事に元日を迎えることができました。世界のみんなが青くて丸い地球にふさわしい生活が送れるように祈りたいと思います。(井上治代)

★初詣の姿勢正して拍手打つ
初詣は新年に当たっての決意や抱負など無事と平安を祈願いたしますが姿勢を正し柏手を打たれた一心の想いの深さが伝わります。 (佃 康水)

★初詣の家族に境内が明るい

■選者詠/高橋正子
★新年の冷え込む闇へ投函す
お年賀状の投函でしょうか。実は中学生の孫に頼まれ昨夜私も満天の星の夜道を投函いたしました。年賀状は新年になってから、或いは諸々の事情で出し遅れた人達へ早く投函しなければとついつい夜の投函になってしまいます。お年賀状に纏わる良く有る情景が伺えます。(佃 康水)

★大晦日の湯船香らす柚子ふたつ
一年の仕事を終え柚子湯に入ると、柚子の香に心身が安らぎます。下五の「柚子ふたつ」が愛らしく、明るい一年を締めくくることができたことと思います。(井上治代)

★この二日の空ののどかなちぎれ雲

■互選高点句
●最高点(6点)
★てのひらに海を掬ひて初あかり/西川 仁
※集計は、互選句をすべて一点としています。選者特選句も加算されています。
(集計/高橋正子)

※コメントのない句にコメントをお願いします。下のコメント欄にお書きください。

新年ネット句会清記

■新年ネット句会■
■清記/21名63句

01.水色の空の暮れゆき年惜しむ
02.鳶の舞う山河晴れゆく初御空
03.底冷えの京の町家の入日かな
04.悠久の利根の流れや初浅間
05.元旦や坂東太郎滔々と
06.初晴や長きすそ野の赤城山
07.やすやすとバイク追ひ越す師走かな
08.裏側の印字かすかに年深し
09.雑音の混じるラジオや年の暮5168
10.勝独楽のいまだ気負ふや仁王門

11.息白し襷を繋ぐ箱根山
12.広々と実朝の海初明り
13.ひっそりと葉に抱かれて枇杷の花
14.玄関に花整えて年明ける
15.一村を優しく包む雪化粧
16.明々と全てを照らす初日の出
17.真っ直ぐな角松の如竹の如
18.広い野に鐘の音拡がる年の暮れ
19.新年の和の味揃え乾杯す
20.世の無事を祈りしたたむ初日記

21.信貴生駒高く上がれる初日かな
22.境内の動く氏子の年用意
23.寒柝の拍子木合わせの音のずれ
24.破魔矢鈴参りの後は土手道へ
25.夜の更けていよいよ冴ゆる山の闇
26.三代の肌色違へ寒垢離
27.寒菊のうたかたの日を受け賜ふ
28.福袋開ける子達の笑い声
29.順々に鈴の音大きく初詣
30.僕ふたつ俺はみっつと雑煮餅

31.てのひらに海を掬ひて初あかり
32.やわらかき小筆で記す初硯
33.触れあえる肩あたたかし初詣
34.集う人みな初東雲に向う
35.砂浜に寄せ来る波へ初明かり
36.穏やかな瀬戸の島山初日の出
37.元日に空の碧さは極まれり
38.二日には喉の渇きとおせちかな
39.あたらしき心に年もあたらしく
40.大晦日の湯船香らす柚子ふたつ

41.新年の冷え込む闇へ投函す
42.この二日の空ののどかなちぎれ雲
43.元日青あお晴れ丸い世界に居る
44.二日も晴れて空一枚の青うれし
45.初詣の姿勢正して柏手打つ
46.穏やかに雲棚引ける今朝の春
47.連れ添いて人参赤き味噌雑煮
48.午後の陽にまだある氷割り遊ぶ
49.真っ先に日矢の射し込む注連飾り  
50.娘(こ)の干支へ合わす柏手淑気満つ

51.孫姉妹柚子に興じて長湯かな
52.新年の賑わいを聞き背伸びする
53.冬北斗追いかける親子の夜の道
54.門松立つ首都の中心ひっそりと
55.新年の河滔々と蒼深む
56.去年今年子はたらちねの母となり
57.児を抱くに血潮のあつき今朝の春
58.栴檀の実の弾く陽も十二月
59.芝居後の福引もあり高潮す
60.今年又義母(はは)より伝授の雑煮炊く
60.今年又義母(はは)より伝授の雑煮炊く
61.初春の一番客のメジロ来る
62.枇杷の花の雨滴と香り引き寄せる
63.冬の実の全き赤さと丸さかな

◆互選のご案内◆
①選句は、清記の中から5句を選び、その番号のみをお書きください。なお、その中の1句にコメントを付けてください。
②選句は、1月2日(木)午後7時から始め、同日(1月2日午後10時までに済ませてください。
③選句の投稿は、下のコメント欄にご投稿ください。
※1) 入賞発表は、1月3日(金)午前9時です。
※2) 伝言・お礼等の投稿は、1月3日(金)午前9時~1月4日(土)午後6時です。

◆新年ネ ット句会案内◆

●新年ネット句会投句案内●
①投句:当季雑詠(新年か、冬の句)3句
②投句期間:2013年12月29日(日)午前0時~2014年1月2日(木)午後6時
③投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:1月2日(木)午後7時~午後10時
②入賞発表:1月3日(金)正午
③伝言・お礼等の投稿は、1月3日(金)正午~1月4日(土)午後6時

○句会主宰:高橋正子
○句会管理:高橋信之