晴れ。28度。
地中より曼珠沙華の蕾立つ 正子
曼珠沙華地蔵のまわりに華かかげ 正子
ベランダに来て足音を稲雀 正子
稲雀三四羽来たり横向きも 正子
さわやかや林檎をさくと歯にあてて 正子
食卓に今日より蜜柑青蜜柑 正子
曼珠沙華が十日遅れで咲く。夏が暑すぎたのかも。
明るくて深い 現代語による俳句を。よい生活から よい俳句を。
晴れ。28度。
地中より曼珠沙華の蕾立つ 正子
曼珠沙華地蔵のまわりに華かかげ 正子
ベランダに来て足音を稲雀 正子
稲雀三四羽来たり横向きも 正子
さわやかや林檎をさくと歯にあてて 正子
食卓に今日より蜜柑青蜜柑 正子
曼珠沙華が十日遅れで咲く。夏が暑すぎたのかも。
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※投句は、一日1回3句に限ります。
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主宰:高橋正子・管理:高橋信之
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10月10日(1句)
★診断がつきさわやかに歩みけり/多田有花
病気であることの不安に加え、それが何の病気なのかわからないのも、一層の不安だ。病名がつけば、治療方針が明らかになり、快方へ向かえる。克服できる明るいに見通しができて、精神がさわやかなのだ。(高橋正子)
10月9日(1句)
★バス待ちの刈田晴れなる停留所/桑本栄太郎
バスを待つ停留所。停留所のあたりは、刈田が広がるのか。その空はからりと晴れて、快い。(高橋正子)
10月8日(1句)
★秋晴や洗いざらしの上っ張り/小口泰與
上っ張りは、説明するまでもないが、仕事がしやすいように、また、汚れを防ぐために、衣服の上に着る事務服や白衣の類のこと。洗いざらしのぱりっとした仕事着。袖を通すと快い緊張が生れる。秋晴の一日を得て、仕事に励まれたことだろう。(高橋正子)
10月7日(1句)
★牧草の積まるる秋の空高し/小口泰與
近づく冬に備え、牧草が刈り取られる。ロールにされたり、そのままうず高く積まれている。広い牧場に秋空が接するように広がるが、その空もどこまでも高い。秋たけなわである。(高橋正子)
10月6日(2句)
★山際を縁取り流れ秋の水/多田有花
澄んで清らかな音を立てて流れる秋の水。山際に沿って流れる秋の水の豊かさを思う。(高橋正子)
★晩稲田の今日は刈り初む日差しかな/桑本栄太郎
晩稲田が刈り取られるころは、秋もいよいよ深くなるころ。いつ刈り取るかは農家の判断なのだが、日差しが刈り取の日を示しているようでもある。(高橋正子)
10月5日(1句)
★おおかたは刈田となりて陽の中に/多田有花
おおかたの田は刈り取られて、残るのは晩稲田。ひろびろとした刈田に日が降り注いでいる。刈田は、暖かい日差しがあれば暖かそうに、にわかに曇れば、さむざむと。天気の変化を受けて変わる刈田。今、日が存分に、刈田は安らいでいる。(高橋正子)
10月4日(1句)
★柿の葉の色数え居り素十の忌/桑本栄太郎
素十は、高野素十(すじゅう)。高浜虚子の弟子で、虚子の提唱する「客観写生」を忠実に実行した人。「甘草の芽のとびとびのひとならび」などの句が有名。柿の葉の色を数える。「芽のとびとびの」を思わせる行為だ。(高橋正子)
10月3日(2句)
★曇天に鵙の高音の響く朝/多田有花
曇天の空に、鵙の高音は抜けきらない。曇天の空の下に、声を強める。曇天の朝ながら、すっかり秋だと思う。
(高橋正子)
★雨降れば畦を彩り曼殊沙華/桑本栄太郎
雨が降らなくても畦を彩る曼珠沙華であるが、ここは、「雨降れば」なのだ。雨が降れば、雨に濡れた曼珠沙華の花が光る。色がさらに鮮やかになる。一期一会の雨の曼珠沙華である。(高橋正子)
10月2日(1句)
★ロマンスカー秋夕焼を惜しみけり/廣田洋一
小田急の特急列車をロマンスカーと呼んでいるが、ロマンスカーは小田急の商標登録となって、馴染み深い列車だ。列車好きの子どもならずも、旅心を誘う列車である。さびしさの募る秋の夕焼けを惜しむかのように走る列車に懐かしささえ覚える。(高橋正子)
10月1日(2句)
★落し水棚田の空の深きかな/小口泰與
稲が成熟し始めると水口を切って田の水を抜き田を乾かし、刈り入れに備える。「落とし水」の季語がもつ背景だ。その頃の空はと言えば、青も色を深めて来る。(高橋正子)
★足りぬもの足りぬ侭なり十月に/桑本栄太郎
10月1日から一部食料品などを除いて消費税が10%となった。それに備えて、消費者が買い物に走った。
一方、多少は買ったかもしれないが、足りないものは足りないでよいと、どんとしているものもいる。こういったことを踏まえた句と思った。その心意気は、俳人の心意気でもあろう。(高橋正子)
10月10日(4名)
小口泰與
ひと笛に整列するや運動会★★★
鳥声や雲の影行く秋の沼★★★
身ぬちより老境という秋の山★★★
多田有花
秋の昼寝て聞いている病棟の音★★★
診断がつきさわやかに歩みけり★★★★
病気であることの不安に加え、それが何の病気なのかわからないのも、一層の不安だ。病名がつけば、治療方針が明らかになり、快方へ向かえる。克服できる明るいに見通しができて、精神がさわやかなのだ。(高橋正子)
澄む秋の城が見えたりリハビリ室★★★
廣田洋一
銀杏を嫌でも踏みぬ公園かな★★★
銀杏の踏まれし大地匂ひける★★★
寿司に合う銀杏の実や茶碗蒸し★★★
桑本栄太郎
台風の週末ごとに来たりけり★★★
身に入むやすでに亡きなり遠き友★★★
台風の同心円や三日前★★★
10月9日(4名)
多田有花
秋深し初めてリハビリを受ける★★★
秋暁やナースの足音遠ざかる★★★
病棟の廊下にさしぬ秋朝日★★★
小口泰與
里山の町並み古りぬ霧襖★★★
山川を越え来し鳥や秋の湖★★★★
山寺の桜紅葉や風の中★★★
廣田洋一
椋鳥の塒の一樹騒然と★★★
椋鳥の尿避けつつ並木道★★★
駅前の夕空満たす椋鳥の群★★★★
桑本栄太郎
バス待ちの刈田晴れなる停留所★★★★
バスを待つ停留所。停留所のあたりは、刈田が広がるのか。その空はからりと晴れて、快い。(高橋正子)
山畑の日射しの高く泡立草★★★★
ぼう然と夕日にありぬゑのこ草★★★
10月8日(3名)
小口泰與
列車より妻にメールや秋桜★★★
浅間嶺の襞迫り來し赤蜻蛉★★★
秋晴や洗いざらしの上っ張り★★★★
上っ張りは、説明するまでもないが、仕事がしやすいように、また、汚れを防ぐために、衣服の上に着る事務服や白衣の類のこと。洗いざらしのぱりっとした仕事着。袖を通すと快い緊張が生れる。秋晴の一日を得て、仕事に励まれたことだろう。(高橋正子)
多田有花
石榴割れる駅への道のかたわらに★★★
カーテンを開けば雨の寒露かな★★★
晩秋や城を望みし北病棟★★★★
桑本栄太郎
手拭いを被り斜めや捨案山子★★★
せせらぎの川辺きらめく寒露かな★★★
夕風や金ゑのころのなぶらるる★★★★
10月7日(5名)
小口泰與
城垣へ枝垂れこぼるる萩の花★★★
花すすき映れる沼の面かな★★★
牧草の積まるる秋の空高し★★★★
近づく冬に備え、牧草が刈り取られる。ロールにされたり、そのままうず高く積まれている。広い牧場に秋空が接するように広がるが、その空もどこまでも高い。秋たけなわである。(高橋正子)
廣田洋一
どう見てもオクラの実なり黄色き花★★★
発射準備完了したるオクラの実★★★
渋柿や捥がれぬままに干涸びし★★★
多田有花
ステンレスマグの手触り晩秋に★★★
秋冷を告げ渡りたる風の音★★★★
澄む秋の入院するにはほどよき日★★★★
桑本栄太郎
目覚むれば震え来たりぬ夜寒かな★★★
ひるがえる葉裏白きや葛の風★★★★
ようやくに化粧し初むや竜田姫★★★
川名ますみ
手をひかれ窓の向こうの宵の月★★★★
月見草強くつまみし指二本★★★
それぞれに形容したる秋夕焼★★★
10月6日(4名)
多田有花
菊芋の群がって咲く川の縁★★★
山際を縁取り流れ秋の水★★★★
澄んで清らかな音を立てて流れる秋の水。山際に沿って流れる秋の水の豊かさを思う。(高橋正子)
青空と稲の黄金と吹く風と★★★★
小口泰與
忽然と太き雨なりちちろ虫★★★
秋の湖水切り石の面の堅き★★★
逆光のコスモスの丘日は山へ★★★★
廣田洋一
赤々と柿の実灯る畑かな★★★
底紅や雨上がりの庭先に★★★
白粉花畦道際に溢れ出て★★★★
桑本栄太郎
晩稲田の今日は刈り初む日差しかな★★★★
晩稲田が刈り取られるころは、秋もいよいよ深くなるころ。いつ刈り取るかは農家の判断なのだが、日差しが刈り取の日を示しているようでもある。(高橋正子)
サンシェード下す車内や秋日ざし★★★
吹くままの風になぶらる猫じやらし★★★
10月5日(4名)
小口泰與
月代やカプリチョーザを石窯へ★★★★
群雀稲田覆いてもれもなし★★★
カーテンのほのと揺れたり月あかり★★★
多田有花
芙蓉へとズームレンズを構えたり★★★
秋晴れに届きぬ小さきバックパック★★★
おおかたは刈田となりて陽の中に★★★★
おおかたの田は刈り取られて、残るのは晩稲田。ひろびろとした刈田に日が降り注いでいる。刈田は、暖かい日差しがあれば暖かそうに、にわかに曇れば、さむざむと。天気の変化を受けて変わる刈田。今、日が存分に、刈田は安らいでいる。(高橋正子)
廣田洋一
とろとろと熟れし柿を吸い込みぬ★★★
よそひたる新米の粒光りけり★★★★
故郷の新米をもて五目飯★★★
桑本栄太郎
土曜日の校門閉ずや秋の園★★★
田の畦に並び立てらる捨案山子★★★
荒涼と風の吹き行く刈田かな★★★
10月4日(3名)
多田有花
十月の雨が静かに降り始む★★★
秋祭迎える幟辻に立つ★★★
秋の夜やカラフルに光り充電器★★★★
小口泰與
臼ずきて浅間残照虫時雨★★★
※この句の「臼ずく」の意味は、日が西に沈むこと。(高橋正子)
一陣の風の無情や秋の蝶★★★
秋の灯や母の遺せし鯨尺★★★
桑本栄太郎
轟音のがつんと来たり秋の雷★★★
高西風や梢大きく喘ぎ居り★★★
柿の葉の色数え居り素十の忌★★★★
素十は、高野素十(すじゅう)。高浜虚子の弟子で、虚子の提唱する「客観写生」を忠実に実行した人。「甘草の芽のとびとびのひとならび」などの句が有名。柿の葉の色を数える。「芽のとびとびの」を思わせる行為だ。(高橋正子)
10月3日(4名)
小口泰與
隠れ沼へ日矢の差しけり薄紅葉★★★
糠雨の花野へカメラ構えける★★★
奥利根の渓流の径初紅葉★★★
廣田洋一
爽やかにラフより出でし笑顔かな★★★
爽やかな風を浴びつつ一万歩★★★
論文発表終へて一息爽やかに★★★★
多田有花
曇天に鵙の高音の響く朝★★★★
曇天の空に、鵙の高音は抜けきらない。曇天の空の下に、声を強める。曇天の朝ながら、すっかり秋だと思う。
(高橋正子)
仲秋や入院準備を整える★★★
遠目にもはっきり彼岸花の赤★★★
桑本栄太郎
葉の裏に透き通りたり山茱萸の実★★★
夜半となり更に大きくつづれさせ★★★
雨降れば畦を彩り曼殊沙華★★★★
雨が降らなくても畦を彩る曼珠沙華であるが、ここは、「雨降れば」なのだ。雨が降れば、雨に濡れた曼珠沙華の花が光る。色がさらに鮮やかになる。一期一会の雨の曼珠沙華である。(高橋正子)
10月2日(4名)
小口泰與
上州の忠治の山も装へる★★★
原稿はいまだ途中や青蜜柑★★★
帰宅せる庭のおちこちきりぎりす★★★★
※句意からこの句の「きりぎりす」は、「こおろぎ」のことと推測される。誤解のないよう解釈したいが、作者の意図はどうであろうか。「きりぎりす」は、「こおろぎ」の古名で、鎌倉時代から室町時代に「きりぎりす」から「こおろぎ」に変わったと言われている。「きりぎりす」の古名は、「はたおり」。(高橋正子)
廣田洋一
秋夕焼丹沢の闇広がりぬ★★★★
ロマンスカー秋夕焼を惜しみけり★★★★
小田急の特急列車をロマンスカーと呼んでいるが、ロマンスカーは小田急の商標登録となって、馴染み深い列車だ。列車好きの子どもならずも、旅心を誘う列車である。さびしさの募る秋の夕焼けを惜しむかのように走る列車に懐かしささえ覚える。(高橋正子)
秋夕焼ゆったり映し多摩川かな★★★
多田有花
蒸し暑さ残しつつ入る十月に★★★
秋の昼活動量計腕にして★★★
秋夕日部屋の奥まで深くさす★★★
桑本栄太郎
まじまじと朝の鏡に愁思かな★★★
むくむくと雲育ち居り秋暑し★★★★
星流れ祈る間も無き夜の闇★★★
10月1日(4名)
小口泰與
ひと笛に駆け來る羊初紅葉★★★
落し水棚田の空の深きかな★★★★
稲が成熟し始めると水口を切って田の水を抜き田を乾かし、刈り入れに備える。「落とし水」の季語がもつ背景だ。その頃の空はと言えば、青も色を深めて来る。(高橋正子)
トンネルを出づや掛稲佐久平★★★
廣田洋一
新聞を取り込む朝のやや寒し★★★
やや寒に羽織るもの足す旅衣★★★★
夕富士に雲のかかりてやや寒し★★★
多田有花
埋立地の中のアリーナ秋高し★★★
秋彼岸過ぎの海鮮ちらし丼★★★
寄りて見る造形の妙曼珠沙華★★★★
桑本栄太郎)20
足りぬもの足りぬ侭なり十月に★★★★
10月1日から一部食料品などを除いて消費税が10%となった。それに備えて、消費者が買い物に走った。
一方、多少は買ったかもしれないが、足りないものは足りないでよいと、どんとしているものもいる。こういったことを踏まえた句と思った。その心意気は、俳人の心意気でもあろう。(高橋正子)
仰ぎ見る木々の梢やいわし雲★★★
雨となる土の匂いや秋の雷★★★