5月2日(2名)
小口泰與
うららかや長きすそ野の爽やかに
さにつらう沼の夕日や春惜しむ
猫の目や菊戴の鳴くたびに
多田有花
跪きしろつめくさを近く見る
葱坊主熊ン蜂をとまらせる
交響曲たかまりゆきぬ春疾風
5月1日(2名)
多田有花
栴檀の芽吹いて居りぬ枝の先
雨一日降りてやみての木の芽冷
春霖や育ちし家を売りに出す
小口泰與
さにつらう沼の夕日や春惜しむ
谷川のさばしる流れ雪消かな
乙鳥の鳴きたる湖に波立たず
5月2日(2名)
小口泰與
うららかや長きすそ野の爽やかに
さにつらう沼の夕日や春惜しむ
猫の目や菊戴の鳴くたびに
多田有花
跪きしろつめくさを近く見る
葱坊主熊ン蜂をとまらせる
交響曲たかまりゆきぬ春疾風
5月1日(2名)
多田有花
栴檀の芽吹いて居りぬ枝の先
雨一日降りてやみての木の芽冷
春霖や育ちし家を売りに出す
小口泰與
さにつらう沼の夕日や春惜しむ
谷川のさばしる流れ雪消かな
乙鳥の鳴きたる湖に波立たず
※当季雑詠(春・夏)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子
※当季雑詠(春)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
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花冠代表 髙橋正子
4月29日(1句)
★高枝の先はわがもの囀れり/多田有花(正子添削)
高枝の先をわがものとし囀る鳥。空に高らかも響く鳥の声が実際聞こえるようだ。「高枝の先」の一点に焦点が置かれているのがこの句に広がりと奥行を持たせている。(髙橋正子)
4月28日(2句)
★帰る日の近き鶫の野に立ちぬ/多田有花
「帰る日の近き」は常套的ではあるが、別れを告げて帰って行く鳥を一抹の寂しさをもって見つめている。それが野に立つ鶉に人間のような感情を持たせている。(髙橋正子)
★雨の日も空にあがりて鳴く雲雀/小口泰與
雲雀の習性とは言え、雨の日も雲雀は空にあがって鳴いている。雨の日が、暗くならず、高い空の薄い光に明るくさえ感じられる。(髙橋正子)
4月27日(3句)
★春たけて山の最もいきいきと/多田有花
早春の芽吹きの季節から、やがて春がたける季節への移り変わりで、この季節の山が「最もいきいき」と感じられるというのだ。(髙橋正子)
★鳥声を抜けて鴬高らかに/小口泰與(正子添削)
いろいろの鳥声のなかには、鴬の声もあるが、それらの鳥声のなかでも鴬の声は特別に高らかに聞こえてくるというのである。鶯の長閑な声はさすがに美声である。(髙橋正子)
★夏の市蟹の泡氷にこぼれけり/土橋みよ
夏の市場で、蟹が入れられている入れ物から泡水がこぼれている。生きた蟹や、こぼれる水、光る泡が夏らしく、涼し気に思える生き生きとした光景がしっかりと詠まれている。(髙橋正子)
4月26日(3句)
★松風に誘われて鳴くまつくぐり/小口泰與
まつくぐりはキクイタダキと呼ばれる小さい鳥で春現れる。松の若葉の間と潜るように動き、ほとんど気配のような鳥。その鳥が「松風に誘われて」鳴くのであるから、その繊細さが知れよう。春の繊細な場面が詠まれている。(髙橋正子)
★遠足の声の登れる高尾山/廣田洋一
高尾山は東京都の山で、広く親しまれている。作者はすでに高いところまで登っている。すると、下の方から遠足の子どもたちが話ながら登ってくる。それは姿ではなく、声として登ってくるのがわかるというもの。下五の「高尾山」が作者らしさとなっている。(髙橋正子)
★靴音を高く響かせ夏の友/土橋みよ(正子添削)
友と待ち合わせていたのだろう。友は靴音を高く響かせて、明るくやってきた。「夏の友」に少しぎこちなさがあるが、それはまた率直であること。さっぱりとして句になっているのがいい。(髙橋正子)
4月25日(1句)
★夕暮れや窓に映りし飛ぶ燕/小口泰與
一日の終わり、静かな心でいる。夕暮れの窓に飛ぶ燕が映る。直接燕を見るのではなく、窓に映った飛ぶ燕を見るのは、普遍化されたものを見ること。その面白さのある句。(髙橋正子)
4月24日(2句)
★利根川の荒波消える帰雁かな/小口泰與
利根川の荒波は、雪解けの水が流れ込む季節が終わると消える。その時期は4月半ばから5月上旬であろう。それに合わせるように雁が帰って行く。帰る雁を見送る心境が「荒波消える」に託されている。(髙橋正子)
★命日を待てず躑躅は咲き満ちて/上島祥子
命日が近づいているが、その日躑躅が満開であればうれしい。この気持ちが「命日を待てず」に表されている。その年の気候により、花は満開の時期を少しずらす。その移ろいの姿を読むことこそが、俳句の真髄であろう。(髙橋正子)
4月23日(1句)
★いっときの空の蒼さや燕舞う/小口泰與
天気の変わりやすいころ。いっとき晴れた空を見つけて燕は飛び出し、自由に空を舞った。「いっときの空の蒼さ」と「燕の舞う自由」の交差が美しいです。(髙橋正子)
4月22日(2句)
★花筏はや流れ来る瀬の中を/多田有花
桜が満開となったと思えば、はや花筏となり連なって瀬の中を流れる。花は移ろいながらも、違う姿の美しさを見せてその微妙な変化に普遍性がある。(髙橋正子)
★櫻散り在所静かになりにけり/小口泰與
華やかに咲いていた櫻に、在所は華やかだった。櫻が散れば、在所も花の散るに従って、静かなたたずまいになった。大きな自然に抱かれた在所が揺るがぬものとして感じられる。(髙橋正子)
4月21日(1句)
<朝来市生野町・旧浅田邸>
★枝垂桜瀬音に近く咲きにけり/多田有花
桜と水の出合に清冽で美しい。さらに繊細にえば、枝垂桜のしなやかさと、その桜が、瀬音という細やかな音が近づいている情景に心を洗われる思いがする。(髙橋正子)
4月30日(3名)
上島祥子
ペデュキアを子に彩らるる昭和の日★★★★
梅若葉雫を円く雨上がる★★★
鏡文字苗札の枠いっぱいに★★★
多田有花
春昼やわが青春のありし部屋★★★
小綬鶏が呼ぶ夕刻のひとときに★★★
はなみずき送迎バスの来て止まる★★★
小口泰與
さにつらう湖は春日を浴びており★★★
この句は、春の日を浴びて湖が「さにつらう」となっているのではないでしょうか。ここがはっきりすると、句が一段と良くなります。(髙橋正子)
爽やかな風の吹きけり春の湖★★★
春の日の妙義山(みょうぎ)に落ちて鳥急ぐ★★★
4月29日(3名)
多田有花
囀りや高枝の先はわがものと(原句)
高枝の先はわがもの囀れり(正子添削)
ただいまと腰赤燕が巣づくりを★★★
ぎっしりと花つけ平戸つつじかな★★★
小口泰與
定め無き利根の流れや水の春★★★
渓流の流れ爽やか風光る★★★
石垣の残りし古城春の夢★★★
廣田洋一
昭和の日仕事に励む母なりき★★★
紅と白領土分け合い馬肥★★★
生垣の赤き躑躅や燃え立ちぬ★★★
4月28日(3名)
多田有花
帰る日の近き鶫の野に立ちぬ★★★★
紅白の揃い咲きたる花水木★★★
藤咲くや団地のフェンスに蔓巻いて★★★
小口泰與
うすうすとしかも定かに春霞★★★
雉鳴くや長きすそ野の蒼き空★★★
雨の日も空にあがりて鳴く雲雀★★★★
廣田洋一
街角の黄色まばゆしフリージア★★★
春光の隈無く包むグラウンド★★★
出勤の住民送る花水木★★★
4月27日(4名)
廣田洋一
残る花雨粒宿し光りおり(原句)
雨粒を宿し光るや残る花(正子添削)
青き葉のきらめきており春景色★★★
遠足の子ら熊よけの鈴をつけ★★★
多田有花
雉鳩のわが目の前に舞い降りる★★★
春たけて山の最もいきいきと★★★★
葱坊主備前の壺に生けられて★★★
小口泰與
魚とりて鳴き声高き春翡翠★★★
鳥声に混ざりて鶯高らかに(原句)
鳥声を抜けて鴬高らかに(正子添削)
利根川の雪解の流れ定め無し★★★
土橋みよ
タケノコや和尚の鋤に土新た★★★
ミツバチや樹をひとまわり小手毬へ★★★
夏の市蟹の泡氷にこぼれけり★★★★
4月26日(4名)
土橋みよ
茹蛸や氷水の中赤深し★★★
靴音の高く響くや夏の友★★★★
草ひとつなき裏庭や夕薄暑★★★
廣田洋一
遠足の子ら熊よけの鈴をつけ★★★
遠足の声の登れる高尾山★★★★
堰落ちる水と流れる春の色★★★
「春の色」が具体的であるといいと思います。(髙橋正子)
小口泰與
春の日の木木の葉っぱの初初し★★★
春風に誘われ出でし木木の芽よ★★★
松風に誘われて鳴くまつくぐり★★★★
多田有花
淡黄色咲きなだれたり木香薔薇★★★
つばめ飛ぶ朝日に翼ひらめかせ★★★
はなみずき咲く街角を風渡る★★★
4月25日(3名)
多田有花
ちらほらと咲き初む狗鷲桜かな★★★
三つ葉躑躅路傍に咲ける帰り道★★★
<JR神戸線車窓>
泉南まで今日は見えるや春曇★★★
廣田洋一
大仏の傍の句碑や春惜しむ★★★
春の野や歩き始めし幼子と★★★
ベンチにて次々繰り出す凧の糸★★★
小口泰與
夕暮れや窓に映りし飛ぶ燕★★★★
夕日射す雪解けの山きらきらと★★★
利根川の赤岩渡舟春日差す★★★
4月24日(4名)
多田有花
麗らかや川は南へ向き流る★★★
<蒸気機関車C57遺構展示>
春日影煙室扉と動輪に★★★
花時や昔栄えし鉱山町★★★
廣田洋一
クローバーの花輪をかけし女の子★★★
グラウンドの空に高々いかのぼり★★★
雨上がり花弁こぼす八重桜★★★
小口泰與
さかしまに燕飛びけり沼の上★★★
山風をいかんともせず小米花★★★
利根川の荒波消える帰雁かな★★★★
上島祥子
青き踏む番の鳥と野を分ち★★★
命日を待てず躑躅は咲き満ちて★★★★
若葉満ち一筆書きに庭囲う★★★
4月23日(3名)
多田有花
<朝来市生野町三句>
枝垂桜主となりし庭を見る★★★
詣でたる春の日和の旧郷社★★★
花びらのトロッコ軌道を歩きけり★★★
「花びら」の扱いに、曖昧さがあるのが惜しいです。(髙橋正子)
廣田洋一
藤垂れて空の深さを見せにけり★★★★
鶯の鳴き渡りたる並木道★★★
軒下に雪崩れ咲きたる躑躅かな★★★
小口泰與
さかずきに映る下山の春の山★★★
句の視点はいいです。表現として、「さかずきに映る」と「春の山」の間に飛躍がありすぎるのが惜しいです。
山風や櫻蘂舞う峠道(原句)
「櫻蘂」は「舞う」感じで普通は捉えにくいので、そのあたりが問題です。
山風や櫻蘂散る峠道(正子添削)
いっときの空の蒼さや燕舞う★★★★
4月22日(2名)
多田有花
<旧浅田邸二句>
花筏はや流れ来る瀬の中を★★★★
ガラス戸に映えたる枝垂桜かな★★★
<姫宮神社>
清流を渡れば桜咲く社★★★
小口泰與
櫻散り在所静かになりにけり★★★★
特選のハガキ届きし酒ほがい★★★
鳥交るちょんちょんちょんと淡きかな★★★
4月21日(2名)
小口泰與
春疾風杉の古木のゆらゆらと★★★
さもなくば山桜見て帰られよ★★★
梅古木目を和ませる緑の葉★★★
多田有花
<朝来市生野町・旧浅田邸三句>
枝垂桜瀬音に近く咲きにけり★★★★
春の日や洋館に食ぶハヤシライス★★★
川風を受けて揺れおり雪柳★★★
■4月月例ネット句会/入賞発表■
4月月例ネット句会にご参加くださいましてありがとうございます。1週間延期となりましたが、万障お繰り合わせのうえ、ご参加いただきましたことを感謝いたします。下記アドレスにに入賞発表を掲載しましたので、ご確認ください。入賞の皆様おめでとうございます。
4月月例ネット句会/入賞発表
https://suien.ne.jp/getsureikukai
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏
※当季雑詠(春)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子
4月20日(2句)
★朝日受け浅き緑の花銀杏/小口泰與
銀杏の花は、雌雄のそれぞれの樹に付くが、葉が開き始めると同時に枝の根元に付き、花びらがないので、地味で目立たない。人の目に付くのは、むしろその「浅き緑」の葉のほうだが、この句は、そのころの銀杏を「花銀杏」と捉えて詠んだのが、新鮮だ。(髙橋正子)
<旧生野鉱山職員宿舎>
★花びらを浴びて鉱山宿舎かな/多田有花
鉱山宿舎は、男性ばかりが働く現場の宿舎のイメージで、武骨で殺風景な雰囲気を思い起こす。その宿舎が、花びらを浴びている。鉱山宿舎がひととき、やさしく美しい世界に包まれあるときだ。それを詠んで句がやさしい。(髙橋正子)
4月19日(1句)
★境内の松を仰げば山桜/多田有花
境内の松を仰ぎ見ると、気づかないでいた山桜が目に入った。寺の裏に山があり、そこに咲く山桜か。思いがけない山桜の出現に、松よりもなお印象深い桜となった。(髙橋正子)
4月18日(1句)
★卯の花の白の軽さや夕暮るる/上島祥子
卯の花を「白の軽さ」と感じたのが秀逸。初夏の明るさと、小さな一花一花の可憐さが夕暮れのなかに淡いい抒情を醸している。(髙橋正子)
4月17日(2句)
★高々と紫木蓮ある町へ出る/多田有花
歩いてきて、町に出ると、紫木蓮がたかだかと咲いている。紫木蓮の花の存在感が際立つ句。(髙橋正子)
★石楠花の玻璃一枚を咲きあふる/川名ますみ(正子添削)
石楠花はガラス一枚を隔てた向こうがわにあるのだろう。限られた玻璃一枚を溢れて咲いている。その静かな華やぎが気持ちを明るくしてくれる。(髙橋正子)
4月16日(1句)
★花吹雪ときおり起こし風すぎる/多田有花
風の間合いと花の散り方にリズムがあって、これが句のよさ。「ときおり」と「すぎる」の間にある自然の呼吸がリアルに感じられる。(髙橋正子)
4月15日(1句)
朝来市生野町
★登りゆけば公園囲む桜かな/多田有花
置いたままの言葉がそのまま句になったよさがある。「公園囲む桜」が景色として豊かさがあるのでよい。(髙橋正子)
4月14日(1句)
★波たつや心許なき残り鴨/小口泰與
波たつ不安と、残る鴨の不安が、「心許なき」によって表されている。「波たつ」のイメージがしっかりしていて、景色に奥行をうんでいるのがいい。(髙橋正子)
4月13日(1句)
★いつもの道いつもの空や百千鳥/廣田洋
いつも通る道、いつも見上げる空に、いろんな小鳥の声が聞こえる。麗らかな、心愉しさが伝わる句。生活の句でありながら、一歩抜けているのがいい。(髙橋正子)
4月12日(1句)
★高らかに燕歌いぬ青空へ/多田有花
青空の広がりが、燕を高らかに歌わせているようです。高らかに歌う燕は、今の季節を力いっぱい生きている感じがします。これから子育てなどはじまるのでしょう。(髙橋正子)
4月11日(1句)
★チューリップ夕日を浴びて色増せり/小口泰與
夕日は衰えていく気配をもったものだが、この句は、夕日をあび、「色を増したチューリップ」が詠まれている。たっぷりとした春の夕日の美しさが、チューリップの姿とともにひょうげんされているのがいい。(髙橋正子)
4月20日(3名)
小口泰與
囀りや沼はすずろに夕日射す★★★
朝日受け浅き緑の花銀杏★★★★
赤葉より緑に変わる若楓★★★
多田有花
<旧生野鉱山職員宿舎>
花びらを浴びて鉱山宿舎かな★★★★
梅見上げ異国の人と笑いあう★★★
<旧吉川家住宅>
桜満開代々山師の邸宅に★★★★
廣田洋一
たんぽぽの絮ひょうひょうとして風を待つ(原句)
たんぽぽの絮ひょうひょうと風を待つ(正子添削)
天空より紫枝垂る藤の花★★★
江ノ島の灯台仰ぎ春惜しむ★★★
4月19日(2名)
多田有花
<朝来市生野町寺町>
門前に枝垂桜や教徳寺★★★
境内の松を仰げば山桜★★★★
<志村喬記念館>
ガラス戸に春の日差しの記念館★★★
小口泰與
葉桜の雀色どき榛名山★★★
花冷えや奇岩の山の巨石群★★★
上州のだんべい言葉櫻まじ★★★
4月18日(3名)
上島祥子
卯の花の白の軽さや夕暮るる★★★★
柔らかく生まれて薔薇の棘青し★★★
黄揚羽の碧をなぞる垣根かな(原句)
黄揚羽の垣根の碧なぞるかな(正子添削)
「碧をなぞる」の「碧」が抽象的なのが問題です。(髙橋正子)
小口泰與
頬白の鳴き声森を明るくす★★★★
利根河原雀隠れに鳥消えて★★★
春の森鳥語すずろに姦しく★★★
多田有花
<朝来市生野町寺町三句>
寺町の白壁に芽吹く楓あり★★★
石段へ花びら降りぬ西福寺★★★★
山桜いずこの伽藍の後ろにも★★★
4月17日(4名)
小口泰與
新社員こなから酒をたいらげし★★★
隠沼の桜満開鯉の口★★★
木群より雪消の浅間山(あさま)気負い立つ★★★
「気負い立つ」が説明に鳴っているのが、惜しいです。(髙橋正子)
多田有花
滑り降りたり春のローラー滑り台★★★
高々と紫木蓮ある町へ出る★★★★
<朝来市生野町寺町>
桜咲く芭蕉蓑塚来迎寺★★★
土橋みよ
子ら遊ぶ庭の向こうのネギ坊主★★★
朝日差す今日の独活の太さかな★★★
生活実感があるのがいいです。「朝日差す独活」がどこにあるのか述べるとよいです。俳句では、作者の立ち位置が大切です。
また、俳句では、一瞬の今を凝縮して読みます。昨日とは違う今のこと、今のものを詠むので、
「今日の」は省くとよいです。(髙橋正子)
昨日来しトンネル抜けるや山笑う★★★
「昨日来し」と「山笑う」の関係が感じられません。季語「山笑う」が付け足されたように思えるからです。(髙橋正子)
川名ますみ
ものの芽の湧き上がるごと青空に(原句)
ものの芽の湧き上がるなり青き空(正子添削)
「湧き上がるごと」は比喩ですが、自分の感覚として「湧き上がる」と言い切ってよいです。(髙橋正子)
石楠花の玻璃一枚をあふれたり(原句)
石楠花の玻璃一枚を咲きあふる(正子添削)
「あふれたり」がどのような状態であふれているのか、曖昧なので添削しました。(髙橋正子)
ほのゆるる姫檜扇の小さき色★★★
4月16日(3名)
廣田洋一
れんぎょうを横に見ながら駆競べ★★★
紅花も時々混じるクローバー★★★
紫の躑躅の光る平屋建て★★★
多田有花
<朝来市生野町三句>
見渡せば山桜また里桜★★★
一両の鉄道が来る春の町★★★
花吹雪ときおり起こし風すぎる★★★★
小口泰與
春風に言葉奪われ立ち尽くす★★★
うららかや子の言の葉の詩の如き★★★
一つ三つ椿落ちけり夕日落つ(原句)
一つ二つ椿落ちけり夕日落ち(正子添削)
「一つ三つ」よりこの景色では、「一つ二つ」の方が、自然になります。(髙橋正子)
4月15日(3名)
小口泰與
来し方は平平凡凡春の闇★★★
如月の小雨の中を駆けて来し★★★
ばらの葉の赤茶と緑混ざり合う★★★
多田有花
<朝来市生野町三句>
登りゆけば公園囲む桜かな★★★★
枝垂桜や城跡へ続く道★★★
子らの声響くよ桜咲く公園に★★★
川名ますみ
春の夕しろく弾める花の道★★★
小手毬のあたり一面弾む白(原句)
小手毬の白の弾めり帰路に沿い(正子添削)
もとの句は、「小手毬」と「弾む白」がはなれているので、「弾む白」が抽象的になり、イメージが曖昧になっています。(髙橋正子)
ぽむぽむと小手毬弾む帰路の道(原句)
ぽむぽむと小手毬弾む帰路であり(正子添削)
元の句の「帰路の道」は路、道と意味が重複しています。(髙橋正子)
4月14日(4名)
川名ますみ
春の夕しろく弾める花ばかり★★★
光の感じは良いですが、「花」が抽象的で惜しい。花のある場所や、具体的な花を言いそれに代表させるなど。(髙橋正子)
「花」が漠然としています。どこに咲いているのか、または、何の花か、などの手がかりがあるといいと思います。(髙橋正子)
高架より覗いてましろ花水木★★★
視点がよく軽やかさがいいです。(髙橋正子)
白山吹散るひとひらも可憐なり★★★
静かな感受性がいいです。(髙橋正子)
廣田洋一
囀りや親子で菓子を分かち合い★★★
ぶらんこや母親が先ずこいでみせ★★★
道端を掃き清めたる春の暮★★★
季語と所作があっているのがいいです。(髙橋正子)
多田有花
<朝来市生野町三句>
今はむかし生野義挙碑ののどけしや★★★
山桜銀山の町を取り囲み★★★★
景のスケールが大きく、今日の中で最も伸びやか。(髙橋正子)
街角につくし生いたる銀山町★★★
小口泰與
釣人の今日はボーズや蓬摘む(原句)
釣人に釣果あらずや蓬摘む(正子添削)
「ボーズ」は釣果のないことを言うのでしょうが、俳句の言葉としては強く(俗に)なりすぎます。(髙橋正子)
波たつや心許なき残り鴨★★★★
上州の山々笑う雪消川★★★
4月13日(5名)
多田有花
地に青き絨毯ムスカリの咲けば★★★
山はいま芽吹きの色の繚乱に★★★
鶯や姿を見せて囀りぬ★★★
小口泰與
春の森野鳥の声のおちこちに★★★
一斉に若葉吹き出す庭の木木★★★
残る鳥沼の若葉の匂い立つ★★★★
廣田洋一
菜の花や休耕田の生き返り★★★
いつもの道いつもの空や百千鳥★★★★
白き校舎後に映えて八重桜(原句)
白き校舎後ろに映えし八重桜(正子添削)
土橋みよ
独活洗う手の香抜けぬ夕厨(原句)
独活洗いし手の香抜けたり夕厨(正子添削)
土起こす足の沈むや春の朝★★★
花冷えの水歯に沁みる夕の膳(原句)
花冷えの水の歯に沁む夕餉かな(正子添削)
上島祥子
石塀を彩る若葉に風生まれ★★★
「彩る」が若葉の説明の寄っています。写生よりの句にすると、句が生きます。(髙橋正子)
石塀に若葉のひかり風生まれ(添削例)
石塀へ若葉の影や風生まれ(添削例)
ラベンダー細き茎伸ぶ朝の陽に★★★
若葉立つ川に碧の流れうみ
「若葉立つ」がわかりにくいです。(髙橋正子)
4月12日(3名)
小口泰與
赤き葉の今朝は緑や山の春★★★
梅の木の枝枝新芽沸き立ちし★★★
こまぬきて四月も半ば暮れなずむ★★★
多田有花
豹紋蝶翅半分となり飛びぬ★★★
高らかに燕歌いぬ青空へ★★★★
後ろより光を受けて黄水仙★★★
土橋みよ
野菜手に列ゆるみゆく春の市★★★
バス通りのアスファルト割れホトケノザ★★★
源氏物語1句
松風に琴の音添う須磨の秋★★★
4月11日(3名)
多田有花
自治会館前に少女ら花吹雪★★★
たんぽぽの風待ち首を伸ばしけり★★★
アネモネの花壇明るく色とりどり★★★
廣田洋一
花弁を垂らして揺れる蜘蛛の糸★★★
グラウンドを白く染めたるクローバー★★★
満天星のゆらゆら揺れて切りもなし★★★
小口泰與
チューリップ夕日を浴びて色増せり★★★★
ばらの葉の茶は緑へと春の朝★★★
一斉に芽吹く若葉や枝垂れ梅★★★
※当季雑詠(春)3句を〈コメント欄〉にご記入ください。
※投句は一日1回3句までといたします。
※登録のない俳号・ペンネームでの投句は削除させていただきます(例:唐辛子など)。
※★印について
「心が動いている」句を良い句として選び、★印を付けています。
(※多くの方にご覧いただき、心より感謝申し上げます。この「自由な投句箱」は花冠会員を対象としておりますので、どうぞご理解ください。)
花冠代表 髙橋正子