晴れのち曇り。夕方から冷え込んでくる。山間部は雪の予報。
●歯の定期健診。
●新型コロナウィスルの感染者が東京都で特に拡大、院内感染が半数という。感染者が一日全国で100人を超えた。今週末首都圏の5県に外出自粛が出されている。スーパーから食品が消えている。例えば、生うどんを主婦一人が2箱(20個)買っている。食品業界は、食品は次々製造しているから大丈夫と言っているが、現に品物がないのを見ればますます買いたくなるのが人情ではなかろうか。
●「神奈川県現代俳句協会報」(N0.147令和2年3月25日発行)が届いている。その紙面に第37回神奈川県現代俳句協会俳句大会の講演「名句で読み解く表現史―ナラトロジーの視点から」(川名大 先生)があった。令和元年1月23日、かながわ県民センターにおける講演だ。
ナラトロジーによる文学分析が流行っているのではないかと思うが、俳句のような短いものでナラトロジーの分析に耐える句が普通できるだろうか。また逆にナラトロジーで俳句を分析して面白いだろうか。「テクスト論」って、西洋の理論じゃなかろうか。伝統俳句にこれをあてはめるとは、どういうことか。俳句がすでに伝統を離れているということにしかならない。
講演の文中に、川名氏は老教授と若手研究者の文学バトルの例を挙げている。
老教授「芥川龍之介は若くして母親が発狂して、さらに養子にだされた、そういうことが人生に暗い影を落とした。」
若手研究者「あなたのやっていることは、文学研究ではない。」「ナンセンス。」
昭和50年代、この若手研究者に私も出会った。研究のことではない、日常のことだが、まったく、体の髄から、こうなのだ。食事を出し、酒を出す主婦としては、弱ると言えば弱るが、
思い出す若手研究者と言えば、色白で指なんか華奢で、色つきカッターシャツの第一ボタンをはずし、細い縁の大きめの眼鏡をかけ、薄い唇でぺらぺらワインや料理のことをしゃべる。
ロラン・バルトだの、レビ・ストロースだの。構造論だの。「ナンセンス」が大いに流行ったものだ。
神奈川県現代俳句協会にも若手俳人のなかに「ナンセンス」と似たようなことを叫ぶ人たちがまだいると聞く。
晴れ。
●松山の吉田晃さんから「書籍在中」の封書が届く。ご両親の介護などの事情もあって、14、5年ほど音信がなかった。中学校校長を退職後12年になるという。3年前には、前日まで何事もなかったご次男が33歳で急逝されたとのこと。今は愛媛県の教員の句会の選者をしているとのこと。「文教月報」の俳句選者と、松教俳句交換会の指導と選をされているとのこと。松教俳句交換会の作品集2冊(平成26年/27年・平成28年/29)が入っていた。これらの冊子に花冠にも投句されていた池田多津子さん、松本豊香さんのお名前もあった。
作品集の2冊以外に『子規と考える言葉・人・ふるさとー中学校版』の活用の手引き(教師用参考資料、提言集/松山市教育会編)が同封されていた。それにも吉田晃さんの文章がある。
作品集の名は『ふるさと』。第1巻の巻頭言に髙橋信之著『芭蕉とネットの時代』からの引用がある。第2巻には、私(吉田晃)の詩系についてが巻頭言。臼田亜浪、川本臥風、髙橋信之、篠原梵、中村草田男の俳句の紹介がある。
また、生徒への俳句添削指導の実例があってこれが、なかなか骨太な教育感だ指導されている。
つまり、信之先生の教えを受けて繋いで不安がありながらも指導しているということ。
伝統的で、手堅い俳句指導だと思う。松山の著名女性俳人が学校に出入りして俳句を教えているが、それとは比べ物にならない「まこと」に徹した教育だと思う。
ざっと読んだあと、住所録があったので、信之先生が電話をする。変わりない声に昔を思い出した。
花冠のネット句会に参加するように連絡しようと思う。
曇り。小雨がぱらつく。
●『昆虫の迷路』が面白かったからまた本を送ってくださいと元希から葉書が来る。学校が休みでたいくつだろうからと送った本。無くならないうちにと本屋へ出かけ、『水の国の迷路』『動物の迷路』を買ってくる。ネットでこれらの本のレビューを見ると、大人もはまる面白い本とある。『時の迷路』というのがシリーズ第1冊目だという。迷路だけにとどまらなく、精密で知的好奇心を誘う本と思う。4歳から小学高学年用。
晴れ。
日を溜めて彼岸のガラス戸静かすぎ 正子
●彼岸ということもあって、新聞に葬儀社のパンフレットが入る。死がそう遠くないのは、私と主人。
墓地はすでに町田市の桜の里にある。最近知ったのだが、いずみ浄苑内の桜の里の墓地の設計者は、墓地設計で有名な関野らんさんということ。
墓地はいいとして、問題は葬儀社。パンフレットも集めたり、悩みの種だったが、ほぼ決心がついた。子供たちに相談する段取りがついた。
●朝日新聞の書評欄に『私の芭蕉』(加賀乙彦著)が紹介されていた。この本の書評紹介に会うのはこれで4度目。NHKラジオ、『俳壇』。 『俳句』、朝日新聞。エッセイ風の日本語が美しいらしい。
晴れ。
傾く日ビルに隠るや土筆摘む 正子
新聞紙に土筆の茎の縦横に 正子
摘まれたる土筆の茎のほの紅し 正子
ふさふさと緑そよがせ杉菜生う 正子
坂道の果てに春空どんと落ち 正子
一畝の豆の花にて足りており 正子
●春分。
●ねんりんピック岐阜2020の俳句交流大会のパンフレットを花冠会員に送る。会場は奥の細道の結びの地の大垣市。
自治体などのイベントで俳句大会を開くところは多い。日ごろ俳句の活動はしていなくてもイベントに興業的に、俳句大会を、というのが多いなか、岐阜はそうではない。選者も今はやりの有名人を選んでいるわけではない。出費や時間をかけても協力しようという気になる。
晴れ。四月上旬の気温らしい。21度。
葉騒より鴬よろと鳴き初め 正子
裏山に鳴く鶯のひとつ声 正子
日の中へ差し伸ぶ枝に初桜 正子
霞たり富士の遠嶺の形もなし 正子
恃むには遠きアルプス春雪嶺 正子
●四月上旬の気温。遠くは霞に包まれる。鴬が鳴くが、鳴きはじめがおそるおそるの感じ。よろよろ、ひょろひょろと鳴きだす。
●辛夷はすっかり散って、桜が咲きはじめた。菜の花も色褪せた。
●あすは彼岸の中日。5丁目の丘の墓地に線香の煙もないのに、線香の匂い。そばで鴬が鳴く。
曇り。夜は、冷え込む。
黄水仙誰がためなりぬ墓の花 正子
巻きずしに三葉芹こそかぐわしき 正子
勿忘草売られておりぬ卒業期 正子
●「俳壇年鑑2020年版」の花冠広告の校正。訂正なしでFAX。3月発売予定。
●活けた薔薇の一本がしおれている。うん?と思い花瓶を見ると水が減っている。しおれたのは水につかってなかった。吸い上げる水の量に驚く。
晴れ。きのうほど寒くないが、空気は冷たい。
春の水たっぷり吸わせ薔薇を剪る 正子
ピザトーストパンの軽さは春らしき 正子
●バレンタインのお返しと言って、ゴディバのチョコレートクッキーロールをもらう。めったにないおいしさ。今年からバレンタインンのチョコはやめてだれにもあげていない。でもお返しがあったのだ。悪いので、句美子が送ってくれた薔薇を数本あげた。
●午前中ガスレンジとその周りを掃除。意外と短時間でできた。ガスレンジを買い替えようと決心して、午後日吉東急のヤマダ電機へ行く。ちょうどいいのを見つけて買うことにした。が、ガスホース60センチを頼むと、売り切れ。店員は、今あるのを使えばと言う。で、買う気をなくす。
雨のちみぞれ。
薔薇の箱春の霙に濡れおり 正子
春の霙バケツに薔薇をとりあえず 正子
●句美子が新潟の薔薇農家からの薔薇の花を送ってくれた。受け取りの判子を押そうとすると、冷たい雨のなか大きな箱を届けてくれたにも関わらず、宅配の人はにこにこしている。荷物が花とわかっていたからだろうか。色は、黄色とピンク、それぞれ10本。
花瓶に入りきらないので、バケツに入れて玄関の外に置いた。通路を行く人が楽しめるだろう。雨はみぞれに代わって薔薇がかわいそうでもあったが、みぞれの降るなかの薔薇は、めったに見れない。