■4月月例ネット句会入賞発表■

■4月月例ネット句会入賞発表■
2026年4月19日
【金賞】
05.春海へ汽笛響かせ船出づる/高橋秀之
春海へ汽笛を鳴らしながら出ていく船を、おおらかなに詠んでいて、スケールの大きさがあり、句の完成度が高い。下五が「出づる」となっているのも、船の動きを感じさせるのに効果的。「春海」の季語も過不足なく働いて、情景を安定させている。(髙橋正子)

【銀賞/2句】
08.新しき飛花ばかりなる水たまり/川名ますみ
「新しき飛花」には、花のみずみずしさと、同時に枝を離れ飛んでいく花びらのさびしさがある。移りゆく季節をを繊細な感性で受け止めて「高み」のある句。「水たまり」で言い留めたことに、作者の位置がはっきりし、句が動かない良さがある。(髙橋正子)

23.子らの声風に散らばり花は葉に/藤田洋子
桜はちってしまい、葉桜の季節を迎えた。清明な空気に子たちの声が風に乗って散らばる。「風に散らばり」の表現が秀逸。季節の移ろいを繊細に受け止めている優しい句。(髙橋正子)

【銅賞/3句】
14.穂の出揃い夕日をゆらす青麦畑/柳原美知子
麦畑はあおあおとして穂が出揃っている。そこへ夕日が差し込んでいるのだが、麦の穂が風に揺れて、夕日を揺らしている実感だ。静かな夕日と青麦の穂の交差が美しい。(髙橋正子)

30.寄り添って咲くよ二輪のチューリップ/多田有花
二輪のチューリップが寄り添って咲いている。何気ないような小さい景色だが、チューリップの可愛らしさが自然に感じられる佳句である。(髙橋正子)

32.桜祭り太鼓の音に吾子も揺れ/西村友宏
桜祭りに連れ出したわが子が、太鼓の音のリズムに反応し、体を揺らす。音やリズムに対する子ども体の反応が、桜祭りの明るさと伝えている。(髙橋正子)

【髙橋正子特選/9句】
05.春海へ汽笛響かせ船出づる/高橋秀之
出港の汽笛の伸びやかに、穏やかに広がる春の海への船出。季節の柔らかな空気感とともに、明るい希望に満ちた始まりを感じさせていただきました。(藤田洋子)

16.囀りを競う川辺の社かな/上島祥子
川べりの神社の大きな木、そこにさまざまな野鳥がやってきてはひとしきり囀ります。彼らにも囀りの順序や決まり事があるのでしょう。(多田有花)

19.鈴鳴るや奉詠閑か花御堂/土橋みよ
四月八日の仏生会、鈴の音も清らかに、唱えられる奉詠も厳かに、季節の花の彩りの花御堂を包みます。その漂う厳かさに、春うららかな仏事の一と日が感じられます。(藤田洋子)

32.桜祭り太鼓の音に吾子も揺れ/西村友宏
満開の桜に囲まれて心地よさそうな幼子の顔を眺めながら、笑顔溢れる親子のひと時。祭り太鼓の響きには驚き、反射的に体を揺らしたのでしょうか。我が子の一挙手一投足を見つめ、成長を喜び、願われる親心に感動します。(柳原美知子)

04.新緑に差し込む光手を翳す/高橋秀之
08.新しき飛花ばかりなる水たまり/川名ますみ
14.穂の出揃い夕日をゆらす青麦畑/柳原美知子
23.子らの声風に散らばり花は葉に/藤田洋子
30.寄り添って咲くよ二輪のチューリップ/多田有花

【入選/13句】
02.新しき樹木供養や百千鳥/廣田洋一
自然の中で、新しい供養の形となる樹木供養。ご供養の静寂さに、鳴き交わす百千鳥の声や明るさが際立ちます。自ずと新しい自然との共生の在り方を感じさせてくれる百千鳥です。(藤田洋子)

04.新緑に差し込む光手を翳す/高橋秀之
桜が散ると一気に新緑がひろがり、景色は一段と輝きを増しています。その光は眩しいほどで、思わず手を翳します。新たな季節の到来が全身で実感されるようです。(柳原美知子)

07.山桜明るき雨のしらしらと/川名ますみ
山桜が咲く頃の天気の変わりやすさ、光の明るさが感じられます。この頃ならではの光の感覚です。
桜の色が雨の中にほのかに見えて晴れの日だけではない山桜ならではの美しさです。(多田有花)

09.花冷の空に白さのひろがりぬ/川名ますみ
桜の咲く頃の空は青空というよりも白っぽい霞がかったものが多いです。
花冷えの温度感とこの空の白さが花時の身体感覚です。(多田有花)

10.赤き葉の今朝は緑や山の朝/小口泰與
山桜が咲いて散り始めるころから一斉に落葉広葉樹が芽吹きます。まるで山桜の合図を待っていたようです。アントシアニンとクロロフィルの配合具合だそうですが、それぞれの葉にそれぞれの戦略があるようで面白いですね。(多田有花)

11.梅の木の枝枝新芽湧き立ちし/小口泰與
梅の枝は直線的です。花が終わりそれらの枝に一斉に芽吹きが始まる。それを湧き立つ生命力ととらえられました。(多田有花)

13.すわり初め春日に笑むや乳歯二本
無垢な笑いとはまさにこのころの笑いですね。大きくあけた笑顔の口の中に下の歯が二本覗きます。なにもかもがうれしいころ、可愛らしいです。
(多田有花)

15.花の土手郊外電車の音抜ける/柳原美知子
桜並木が土手に続いています。すきっと青空が広がるいいお天気。そこを郊外を走る電車の音が抜けていきます。(多田有花)

17.囀りの中に耳立つ猫の朝/上島祥子
音に敏感な猫。特に春の囀には、耳を立たせてぴくりと反応するでしょう。囀に目覚め、野生も目覚める「猫の朝」が、はっきりとイメージできます。(川名ますみ)

18.拭き上げて春日に光るランドセル/上島祥子
いよいよ新学年になる喜びと決意を胸に、ランドセルを拭き上げる子を見守られる作者。ランドセルは春の日差しに輝き、希望に満ちた新たな日々が始まります。(柳原美知子)

20.松蔭に蛹ひらくや寺の庭/土橋みよ
寺院の松の木陰に蛹から秘かに成虫として生まれてくる蝶の姿に思いを馳せ、愛しまれる作者。生命の誕生の春とその神秘が思われます。(柳原美知子)

22.花屑の光るさざ波岸へ寄す/藤田洋子
散り際の桜がさざ波によって岸へと運ばれる静かな風景の中に、春が終わっていく時の流れとともに、美しく咲いていた満開の桜の残影が目に浮かぶようで、情感豊かに感じられました。(土橋みよ)

24.豌豆の咲き上りゆく蔓の先/藤田洋子
支柱に巻き付き、つぎつぎと咲く豌豆の花と葉を支える蔓。たおやかに、自在に先を伸ばして、高く空へと視線も導いてくれるようです。(柳原美知子)

29.明けてくる磯鵯の囀りに/多田有花
磯鵯の美しい囀りが、未明から聴こえてくるとは、 素晴らしい朝ですね。「明けてくる」とあるので、美しい声の持ち主を、朝日の中に確認するのも嬉しいですね。(上島祥子)

■選者詠/髙橋正子
25.春愁やぬるき炬燵にいつまでも
26.球根植う空きたる土にアマリリス
27.山鳩の声に目覚めて夏めけり

互選高点句(5点)
05.春海へ汽笛響かせ船出づる/高橋秀之

集計:髙橋正子

※コメントのない句に、コメントをよろしくお願いいたします。

 

■4月月例ネット句会清記■

■4月月例ネット句会清記■
2026年4月19日
33句(11名)

01.花弁をぱつと撒きたる女の子
02.新しき樹木供養や百千鳥
03.尺八と琴の合奏花祭り
04.新緑に差し込む光手を翳す
05.春海へ汽笛響かせ船出づる
06.咲きほこる菜の花揺らし列車過ぐ
07.山桜明るき雨のしらしらと
08.新しき飛花ばかりなる水たまり
09.花冷の空に白さのひろがりぬ
10.赤き葉の今朝は緑や山の朝

11.梅の木の枝枝新芽沸き立ちし
12.こまぬきて四月も半ば暮れなずむ
13.すわり初め春日に笑むや乳歯二本
14.穂の出揃い夕日をゆらす青麦畑
15.花の土手郊外電車の音抜ける
16.囀りを競う川辺の社かな
17.囀りの中に耳立つ猫の朝
18.拭き上げて春日に光るランドセル
19.鈴鳴るや奉詠閑か花御堂
20.松蔭に蛹ひらくや寺の庭

21.アワビ張り付く水槽や春の市
22.花屑の光るさざ波岸へ寄す
23.子らの声風に散らばり花は葉に
24.豌豆の咲き上りゆく蔓の先
25.春愁やぬるき炬燵にいつまでも
26.球根植う空きたる土にアマリリス
27.山鳩の声に目覚めて夏めけり
28.川べりを彩り菜の花の咲けり
29.明けてくる磯鵯の囀りに
30.寄り添って咲くよ二輪のチューリップ

31.桜満つ川に沿いゆく吾子の笑み
32.桜祭り太鼓の音に吾子も揺れ
33.桜満つ離れぬ吾子の手をほどく

※互選をはじめてください。5句選をし、その中の一句にコメントをお書きください。

急告/4月月例ネット句会の延期について

花が終わり、急に気温が高くなりました。いかがお過ごしでしょうか。4月月例ネット句会にご投句をありがとうございます。

急なお知らせとなりますが、
急用のため、4月月例ネット句会の互選と入賞発表を延期いたします。ご投句は引き続き受けつけております。
どうぞ、よろしくお願いいたします。

投句:受付中(4月19日午後5時まで受け付けます。)
互選:4月19日(日)午後6時~午後10時
入賞発表:4月20日(月)

花冠代表 髙橋正子
2026年4月11日夕刻

■4月月例ネット句会ご案内■

■4月月例ネット句会ご案内■
4月月例ネット句会を下記の通り開催しますので、ご参加くださいますよう、ご案内いたします。

期 日  :4月12日(日)
①投句:当季雑詠3句
    4月6日(月)午前6時~4月12日(日)午後5時
②投句は、下の<コメント欄>にお書き込みください。
              ※どなたでも投句が許されます。

▼互選・入賞・伝言
①互選期間:4月12(日)午後6時~午後10時
②入賞発表:4月12日(日)
③伝言・お礼等の投稿は、4月13日(月)~
                 4月16日(木)
○句会主宰:高橋正子
○句会管理:髙橋句美子・西村友宏