6月27日(水)

★松葉牡丹のその色明るし子が摘みぬ  正子
膝をかがめ、幼き子が松葉牡丹の一番明るい花色を手折っている。傍でお母さんが優しい眼差しで、見守られています。(祝恵子)

○今日の俳句
植田には水の出入りの音つづく/祝恵子
植田には、いつも水があるが、入る水と、出る水とが静かに動いている。その出入口には静かな水音が絶えない。(高橋正子)

●晴れ。風が強い。マンション建設中のクレーンが倒れはしないかと、とっさに倒れそうな位置を想像。
一鉢だけのカサブランカがもう少しで開きそう。これも一鉢だけのこぼれ種の朝顔に支柱。

朝顔に支柱を風が強く吹き 正子
 
○ハイビスカス(仏桑華)

[ハイビスカス/横浜日吉本町]

★仏桑華被弾残塁かくれなし/藤田湘子
★けふの暑さ思ふ朝戸出の仏桑花/林原耒井
★激しくて一日紅の仏桑花/文挟夫佐恵
★仏桑花咲けば虜囚の日の遠き/多賀谷栄一
★仏桑花爆心に咲き喪の季節/下村ひろし
★口笛は幼くかなし仏桑花/塚原麦生
★海の紺ゆるび来たりし仏桑花/清崎敏郎
★島人の血はかくも濃し仏桑花/青柳志解樹
★仏桑花真紅の声を挙げて基地/山田みづえ
★仏桑花咲く島に来る終戦日/北沢瑞史
★仏桑花供華としあふれ自決の碑/岩鼻十三女
★窓際にハイビスカスの陽射し恋ふ/山元重男
★ハイビスカスばかり働き者ばかり/本田静江

 ハイビスカスはフラダンスを踊る人が髪に飾っている花として知った。未婚の女性と既婚の女性では、花を付ける位置が違うと聞いたことがある。アロハシャツにも描かれなじみとなっている。ハワイの州花となってハワイを代表する花であるが、沖縄にも自生していると聞く。おおらかで、明るく、穏やかな南国のイメージをまとっている。南国の楽園の花とイメージできる一方で、人知れぬかなしみをまとった花である。夏になると、ハイビスカスの鉢を買いたくなる。5,6年前購入したものがまだ健在であるが、肥料が足りないせいか、日差しが足りないせいか、真っ赤だった色が薄くなってきた。夏は、パッと真っ赤に咲かせたいと思う。
 
★街空の青にも開きハイビスカス/高橋正子

 ハイビスカスは、アオイ科フヨウ属の常緑低木で、学名は Hibiscus cv.(属の総称)。英名は Hibiscus。広義では、アオイ目アオイ科フヨウ属(Hibiscus)のことで、また、そこに含まれる植物の総称だが、日本では、そのなかでも熱帯および亜熱帯性のいくつかの種がとくに「ハイビスカス」と呼ばれ、南国のイメージをまとった植物として広く親しまれている。園芸用・観賞用としていくつかの種が「ハイビスカス」として流通する。その代表的なものはブッソウゲ(仏桑華、Hibiscus rosa-sinensis)である。ハワイの州花として知られる熱帯花木で、「ふよう」や「むくげ」も同じ仲間だが、ふつうは「ハワイアンハイビスカス」といわれる交配品種群をさす。和名の「ぶっそうげ(仏桑華)」は、葉が「くわ(桑)」に似ているからかもしれない。長く突き出た雌しべが特徴。「ハイビスカスティー」に用いられる花は、通常、ローゼル(Hibiscus sabdariffa)と呼ばれる別種のものである。

◇生活する花たち「あさざ・山紫陽花・コアジサイ」(東京白金台・自然教育園)

6月26日(火)

font size=”3″>★青梅と氷砂糖と瓶に透け/高橋正子
先日梅酒を漬けたばかりです。ホワイトリカーがないとすれば、梅のシロップ作りでしょうか。いづれにしても漬けて透き通った中身の青梅と氷砂糖のビンを見て、満足ですね。(祝恵子)

○今日の俳句
ピーマンの分厚く光るを収穫す/祝恵子
よくそだったピーマンの質感をよく捉えている。「分厚く」に納得。(高橋正子)

○繍線菊(しもつけ)

[しもつけ/横浜日吉本町]

★しもつけを地に並べけり植木売/松瀬青々
★繍線菊やあの世へ詫びにゆくつもり/古舘曹人
★しもつけの花を小雨にぬれて折る/成瀬政俊
★しもつけに肩ふれらるる家の角/岡田博允
★繍線菊やえんぴつ書きの母の文/山内八千代

しもつけは、近くの公団の植栽にある。白と赤、それに源平と呼ばれる紅白が混じったもの。泡のような小粒の蕾が集まっているのだが、それが弾けて可憐な花となる。花だけでなく、葉も魅力がある。花も葉もおしゃれな感じがする。こでまりや、ゆきやなぎの仲間なので、茎などはよく似ている。部屋に活けてみたい花だ。白がいいか、赤がいいか。どちらも欲しい。この花だけよりも、なにか他のものと合わせれば、もっといい花となる。

★しもつけの紅花備前に活けてみし/高橋正子

シモツケ(学名:Spiraea japonica)は、バラ科シモツケ属の落葉低木。漢名「繍線花」があてられる。別名、キシモツケ(木下野)とも呼ばれる。アジア原産地で、北海道から九州にかけての日本各地、朝鮮および中国の山野に自生する。成木の樹高は1mほどであり、初夏に小花(集合花)が傘状に群がり、淡紅色又は白色の五弁の花を沢山つける。秋には紅葉する。古くから庭木として親しまれてきた。和名は下野国に産したことに由来するという。同じシモツケ属の仲間にはコデマリ、ユキヤナギがある。 シモツケは富士山にも咲いている。寒さに強く、日当たりを好む。シモツケ(バラ科)花言葉は、いつかわかる真実。

◇生活する花たち「紫陽花」(北鎌倉・東慶寺)