●河野啓一
秋野行くよき草花を求めつつ★★★★
秋の野を行く爽やかさは、これまでの暑さを思えば代えがたいもの。よい草花を見つけながらゆく楽しみも加わる。秋の草花はどれも優しい。(高橋正子)
庭隅に植えらる無花果実を結び★★★
曼珠沙華今年は見ざるまぼろしに★★★
●小口泰與
書肆の灯や秋の新刊高々と★★★★
読書の秋を迎え、新刊書を高々と積んだ書肆が明るく灯を点している。新刊書の匂いがこちらまでしてきそうで、読書意欲を誘われる。(高橋正子)
川えびの定かに見ゆる葉月かな★★★
くさのほをうばいあってるあかとんぼ★★★
●桑本栄太郎
秋出水引いて下流へ草の向き★★★
月白や月のまぼろし青空に★★★
待宵の明日も晴れたる夜待ちぬ★★★
●多田有花
タンカーが連なり進む秋の海★★★
播州平野日ごと刈田の増えてゆく★★★★
播州平野も、見渡せば日々刈り入れが進み、刈田の部分が増えている。稔田と刈田のまじり具合が変化するのが面白い。「刈田が増える」の発想が新鮮。(高橋正子)
小窓から乗り出して見る今日の月★★★
●小西 宏
若魚の揺らぐ堤の彼岸花★★★
名月や丘に優しき家灯り★★★
月今宵無地の茶碗の五穀米★★★★
無地の茶碗に盛られた五穀米が古代を思わせる。今宵の月は古代と同じように澄み輝いている。それほどに照り輝く今宵の月である。(高橋正子)
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
9/19の投句に★印のご指導を賜わり、その上、正子先生には素晴らしい句評を頂いたたき厚く御礼申し上げます。有難う御座いました。
お礼
高橋正子先生
「月今宵無地の茶碗の五穀米」へご講評をお贈りくださり、たいへんありがとうございました。ときどき五穀米入りのご飯を炊いてもらって食べています。深い味わいや噛み心地が気に入っています。満月の夜の五穀米はとりわけ美味しく感じました。
お礼
信之先生、正子先生、
「播州平野日ごと刈田の増えてゆく」にご指導をいただきありがとうございます。
毎日のように増位山の頂から北の水田地帯を見ています。熟れた田が一枚一枚刈られていくのが見え、秋の進展を思います。
お礼
高橋信之先生、正子先生
「秋野行く」にご指導 とうれしいコメントをいただき厚くお礼申し上げます。早く本当に出かけられるようになりたいです。