4月2日

●小口泰與
ころおいや山茱萸の花雨と散る★★★★
赤城より風の荒める雪間かな★★★
春の田や二羽の鴉に鳶追われ★★★

●小西 宏
城山に海見下ろせば山桜★★★
石段を仰げば桜空に咲く★★★
川沿いの電車の窓に夜の桜★★★★

●桑本栄太郎
せせらぎの中へ緋色や落椿★★★
初つばめ見てより低く軒へ翔ぶ★★★

一畝の野風となりぬ花大根★★★★
種を取るために残された一畝の薄紫の大根の花は、ひっそりと野に立っている。風が吹けば野の風のままに、野の風となって吹かれる。菜の花とはまた違った趣だ。(高橋正子)

●多田有花
本堂の扉桜へ開かれる★★★★
暗い本堂の扉が明るい桜へと開かれ、明暗の対比がくっきりとした。(高橋正子)

花の丈桜若木のまだ低し★★★
頂を囲み躑躅の咲き初めし★★★

●黒谷光子
校庭も役所の庭も花の時★★★
遠目にも土手の桜の咲き初める★★★★
連翹の傾る野川の水の音★★★

●川名ますみ
丘の風辛夷の花を折りたたむ★★★★
丘の辛夷は風を受けやすい。咲き切った辛夷の花は、風を受けて花びら折れることもなく、折り畳んでいる。辛夷らしい姿。(高橋正子)

これ以上研げぬ青なり花の空★★★
花辛夷折り目をつけずたたむ風★★★

●古田敬二
満開へたか―いたかーいと嬰児揚げ★★★
桜咲く二足歩行の嬰子行く★★★
桜咲く隙間に空の見えぬほど★★★


コメント

  1. 古田敬二
    2014年4月3日 7:28

    好きな句
    一畝の野風となりぬ花大根 栄太郎

    中七の表現にひかれました。花の揺らぎに風が見えたんですね。
    昨日、散歩のとき、私も花大根の群生を見ました

  2. 小口泰與
    2014年4月3日 10:25

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    4/2の投句に★印のご指導を賜りありがとう御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

  3. 川名ますみ
    2014年4月3日 19:20

    お礼
    信之先生、正子先生、いつもご指導を賜りまして、ありがとうございます。
    この丘の辺りは、辛夷がよく植えられていて、間近に見る機会にも恵まれました。花びらが、折り目をつけるほどでもなく、優しく風にたたまれる様に心惹かれました。拙い表現にお汲みとり頂き、感謝いたします。

  4. 桑本栄太郎
    2014年4月3日 20:16

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    4月2日の投句「一畝の野風となりぬ花大根」の句に★印のご指導を賜り、嬉しい素敵なご句評も頂戴しまして大変有難うございます。うす紫色の大根の花は大変趣を覚えます。又、今回の故郷へ帰省し春の菜園の面白い光景を見る事が出来ました。冬の間食べきれなかった大根は、首の上の葉っぱの部分を切り取られ、畑の中に列をなして立ち上がっていました。葉の部分を切り取ることにより、大根に「す」が入らずかなり保てるようです。

  5. 多田有花
    2014年4月4日 18:39

    お礼
    信之先生、正子先生、
    「本堂の扉桜へ開かれる」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
    いつも行っている山寺の本堂前の桜が開いてきました。
    そこに向って開かれている本堂の扉です。