4月18日(3名)
上島祥子
卯の花の白の軽さや夕暮るる★★★★
柔らかく生まれて薔薇の棘青し★★★
黄揚羽の碧をなぞる垣根かな(原句)
黄揚羽の垣根の碧なぞるかな(正子添削)
「碧をなぞる」の「碧」が抽象的なのが問題です。(髙橋正子)
小口泰與
頬白の鳴き声森を明るくす★★★★
利根河原雀隠れに鳥消えて★★★
春の森鳥語すずろに姦しく★★★
多田有花
<朝来市生野町寺町三句>
寺町の白壁に芽吹く楓あり★★★
石段へ花びら降りぬ西福寺★★★★
山桜いずこの伽藍の後ろにも★★★
4月17日(4名)
小口泰與
新社員こなから酒をたいらげし★★★
隠沼の桜満開鯉の口★★★
木群より雪消の浅間山(あさま)気負い立つ★★★
「気負い立つ」が説明に鳴っているのが、惜しいです。(髙橋正子)
多田有花
滑り降りたり春のローラー滑り台★★★
高々と紫木蓮ある町へ出る★★★★
<朝来市生野町寺町>
桜咲く芭蕉蓑塚来迎寺★★★
土橋みよ
子ら遊ぶ庭の向こうのネギ坊主★★★
朝日差す今日の独活の太さかな★★★
生活実感があるのがいいです。「朝日差す独活」がどこにあるのか述べるとよいです。俳句では、作者の立ち位置が大切です。
また、俳句では、一瞬の今を凝縮して読みます。昨日とは違う今のこと、今のものを詠むので、
「今日の」は省くとよいです。(髙橋正子)
昨日来しトンネル抜けるや山笑う★★★
「昨日来し」と「山笑う」の関係が感じられません。季語「山笑う」が付け足されたように思えるからです。(髙橋正子)
川名ますみ
ものの芽の湧き上がるごと青空に(原句)
ものの芽の湧き上がるなり青き空(正子添削)
「湧き上がるごと」は比喩ですが、自分の感覚として「湧き上がる」と言い切ってよいです。(髙橋正子)
石楠花の玻璃一枚をあふれたり(原句)
石楠花の玻璃一枚を咲きあふる(正子添削)
「あふれたり」がどのような状態であふれているのか、曖昧なので添削しました。(髙橋正子)
ほのゆるる姫檜扇の小さき色★★★
4月16日(3名)
廣田洋一
れんぎょうを横に見ながら駆競べ★★★
紅花も時々混じるクローバー★★★
紫の躑躅の光る平屋建て★★★
多田有花
<朝来市生野町三句>
見渡せば山桜また里桜★★★
一両の鉄道が来る春の町★★★
花吹雪ときおり起こし風すぎる★★★★
小口泰與
春風に言葉奪われ立ち尽くす★★★
うららかや子の言の葉の詩の如き★★★
一つ三つ椿落ちけり夕日落つ(原句)
一つ二つ椿落ちけり夕日落ち(正子添削)
「一つ三つ」よりこの景色では、「一つ二つ」の方が、自然になります。(髙橋正子)
4月15日(3名)
小口泰與
来し方は平平凡凡春の闇★★★
如月の小雨の中を駆けて来し★★★
ばらの葉の赤茶と緑混ざり合う★★★
多田有花
<朝来市生野町三句>
登りゆけば公園囲む桜かな★★★★
枝垂桜や城跡へ続く道★★★
子らの声響くよ桜咲く公園に★★★
川名ますみ
春の夕しろく弾める花の道★★★
小手毬のあたり一面弾む白(原句)
小手毬の白の弾めり帰路に沿い(正子添削)
もとの句は、「小手毬」と「弾む白」がはなれているので、「弾む白」が抽象的になり、イメージが曖昧になっています。(髙橋正子)
ぽむぽむと小手毬弾む帰路の道(原句)
ぽむぽむと小手毬弾む帰路であり(正子添削)
元の句の「帰路の道」は路、道と意味が重複しています。(髙橋正子)
4月14日(4名)
川名ますみ
春の夕しろく弾める花ばかり★★★
光の感じは良いですが、「花」が抽象的で惜しい。花のある場所や、具体的な花を言いそれに代表させるなど。(髙橋正子)
「花」が漠然としています。どこに咲いているのか、または、何の花か、などの手がかりがあるといいと思います。(髙橋正子)
高架より覗いてましろ花水木★★★
視点がよく軽やかさがいいです。(髙橋正子)
白山吹散るひとひらも可憐なり★★★
静かな感受性がいいです。(髙橋正子)
廣田洋一
囀りや親子で菓子を分かち合い★★★
ぶらんこや母親が先ずこいでみせ★★★
道端を掃き清めたる春の暮★★★
季語と所作があっているのがいいです。(髙橋正子)
多田有花
<朝来市生野町三句>
今はむかし生野義挙碑ののどけしや★★★
山桜銀山の町を取り囲み★★★★
景のスケールが大きく、今日の中で最も伸びやか。(髙橋正子)
街角につくし生いたる銀山町★★★
小口泰與
釣人の今日はボーズや蓬摘む(原句)
釣人に釣果あらずや蓬摘む(正子添削)
「ボーズ」は釣果のないことを言うのでしょうが、俳句の言葉としては強く(俗に)なりすぎます。(髙橋正子)
波たつや心許なき残り鴨★★★★
上州の山々笑う雪消川★★★
4月13日(5名)
多田有花
地に青き絨毯ムスカリの咲けば★★★
山はいま芽吹きの色の繚乱に★★★
鶯や姿を見せて囀りぬ★★★
小口泰與
春の森野鳥の声のおちこちに★★★
一斉に若葉吹き出す庭の木木★★★
残る鳥沼の若葉の匂い立つ★★★★
廣田洋一
菜の花や休耕田の生き返り★★★
いつもの道いつもの空や百千鳥★★★★
白き校舎後に映えて八重桜(原句)
白き校舎後ろに映えし八重桜(正子添削)
土橋みよ
独活洗う手の香抜けぬ夕厨(原句)
独活洗いし手の香抜けたり夕厨(正子添削)
土起こす足の沈むや春の朝★★★
花冷えの水歯に沁みる夕の膳(原句)
花冷えの水の歯に沁む夕餉かな(正子添削)
上島祥子
石塀を彩る若葉に風生まれ★★★
「彩る」が若葉の説明の寄っています。写生よりの句にすると、句が生きます。(髙橋正子)
石塀に若葉のひかり風生まれ(添削例)
石塀へ若葉の影や風生まれ(添削例)
ラベンダー細き茎伸ぶ朝の陽に★★★
若葉立つ川に碧の流れうみ
「若葉立つ」がわかりにくいです。(髙橋正子)
4月12日(3名)
小口泰與
赤き葉の今朝は緑や山の春★★★
梅の木の枝枝新芽沸き立ちし★★★
こまぬきて四月も半ば暮れなずむ★★★
多田有花
豹紋蝶翅半分となり飛びぬ★★★
高らかに燕歌いぬ青空へ★★★★
後ろより光を受けて黄水仙★★★
土橋みよ
野菜手に列ゆるみゆく春の市★★★
バス通りのアスファルト割れホトケノザ★★★
源氏物語1句
松風に琴の音添う須磨の秋★★★
4月11日(3名)
多田有花
自治会館前に少女ら花吹雪★★★
たんぽぽの風待ち首を伸ばしけり★★★
アネモネの花壇明るく色とりどり★★★
廣田洋一
花弁を垂らして揺れる蜘蛛の糸★★★
グラウンドを白く染めたるクローバー★★★
満天星のゆらゆら揺れて切りもなし★★★
小口泰與
チューリップ夕日を浴びて色増せり★★★★
ばらの葉の茶は緑へと春の朝★★★
一斉に芽吹く若葉や枝垂れ梅★★★
コメント
高橋正子先生
四月十三日の八重桜の句を添削して頂き有難う御座います。今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
正子先生
4月13日の句を添削して頂き有難うございます。添削句を原句と比較してリズムの重要性と詩情の豊かさを感じました。今後もどうぞよろしくお願い申し上げます。
正子先生、いつもご懇切なお導きをいただきまして、ありがとうございます。
「春の夕」の句は、通院途中に、小手毬、大手毬、雪柳と、白く弾む花が続く道を通り、句にした次第です。
読み返すと、仰る通り、具体的な景色が浮かびにくいですね。ご助言を踏まえ、改めて投句したいと思います。ありがとうございました。
正子先生
「山桜銀山の町を取り囲み」に
うれしい御句評をいただきありがとうございます。
生野銀山のあった朝来市生野町へ行ってきました。
自宅近所の市川にかかる生野橋はここから伸びる
生野鉱山寮馬車道(銀の馬車道)のために架けられました。
兵庫県の中央部にあり、先週土曜日は山も里も桜が満開でした。
お礼
正子先生
4/12の投句に星のご指導と添削句評を有難うございました。
直してみました。
【原句】石塀を彩る若葉に風生まれ
【改作】石塀の嵩ます若葉に風生まれ
【原句】若葉立つ川に碧の流れうみ
【改作】若葉して川に碧の流れ生み
【改作】若葉して川に生まるる碧かな
4月16日の投句(椿落つ)の句を添削していただき有難う御座います。庭の椿が三っ落ちていたのでそのままを詠いました。大変勉強になりました。今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。
正子先生、いつもご懇切なご指導を賜り、ありがとうございます。
「小手毬」の句への添削、納得いたしました。「小手毬やあたりも白く弾む花」などとも改作していましたが、添削句の方が、ずっと見たままの印象に近く、自然です。
「ぽむぽむと」の句の「帰路の道」は、不注意でした。投句後に、自分で「帰り道」と直しましたが、添削句の「帰路であり」の方が、すっきりと情景が見えますね。ありがとうございました。