●小口泰與
まんさくや鈍色の雲ひろごれり★★★★
寒さの残る、鈍色の雲のひろがり。その下に、まんさくが黄色いリボン状の花びらをくるくる巻くように咲く。味わいのあるコントラストである。(高橋正子)
紺碧の赤城や利根の雪解水★★★
かわたれの瀬音ごうごう雉の声★★★
●多田有花
初蝶や陽に翅広げ止まりおり★★★
地にありて瞬く群青いぬふぐり★★★
ゆったりと山路を歩く暖かし★★★
●桑本栄太郎
ひと時の矜持なりしか野梅咲く★★★
霞立つ輪郭のみやビルの街★★★
光るのものすべて輝き春きざす★★★
●黒谷光子
春耕の土くろぐろと光り合う★★★
窓越しの春光を背に聴講す★★★
我が庭も隣りの庭も黄水仙★★★
●河野啓一
燦然と朝日を反しクロッカス★★★
子ら寄りて春の小川のほとりかな★★★
花芽色刷いて桜樹遠霞★★★
●小西 宏
鶯の初音小さき窪の空★★★
笹薮に何か音するる暖かさ★★★
犬お出かけ春のセーター腰に振り★★★
コメント
好きな句
2013-03-07 20:46:00
★春耕の土くろぐろと光り合う/黒谷光子
水分を含んだ畑土が掘り起こされ、くろぐろと日に輝いて見える。「光り合う」が整然と耕された畝を想像させ、季節感、臨場感を与えてくれます。
御礼
高橋信之先生、正子先生
3/7の投句に★印のご指導と、「まんさく」の句に正子先生より素晴らしい句評を賜わり有り難く厚く感謝申し上げます。有難う御座いました。
お礼
信之先生、正子先生、★印のご指導をいただきまして、ありがとうございます。
河野啓一様、「春耕」の句にコメントをいただきまして、ありがとうございます。たいへん嬉しく読ませていただきました。