●小口泰與
曇天の庭に咲きたる鶏頭花★★★★
曇天の下の鶏頭は、晴天の鶏頭よりも陰影に富んで、日本画的な絵になる素材だ。それに目を付けたのがよい。(高橋正子)
先駆けて山にひろごる茸かな★★★
秋の山靄の帳に隠れけり★★★
●河野啓一
秋涼し朝の窓辺に箕面山★★★
左右から手をひかれ幼子貝割菜★★★
シップ薬放せぬ脚ぞちちろ虫★★★
●小西 宏
桜葉に紅ひそひそと秋深し★★★
天辺を欠いて切り立つ秋の虹★★★
午後四時のひとり鳴きいる法師蝉★★★
●黒谷光子
さわやかにオリオン朝の鐘を撞く★★★★
朝の鐘を撞くとき、暁に空にはまだオリオン座が輝いている。「さわやかに」輝いているのだ。秋暁のさわやかさが読み手の心にも沁みこんでくる。(高橋正子)
紅葉の向うに青空澄み渡る★★★
紅葉のひときわ濃きへ床几置き★★★
●川名ますみ
台風過川の上流から青天★★★
多摩川の上手にひかり台風過★★★
朝顔の隙なきほどの門前へ★★★
コメント
御礼
高橋信之先生、正子先生
10/3の投句に★印のご指導を賜わり、そのうえ、正子先生には素晴らしい句評を頂き厚く感謝申し上げます。
有難う御座いました。
今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。