10月15日

●小口泰與
百千の鵙や電線我が物に★★★
秋深き赤城の襞の迫りくる★★★
山風に南へ藁塚の倒れけり★★★★
風によって南へ倒れるということは、もう、北風が吹き始めたのだろうか。刈田に立つ藁塚の倒れた様におかしみもあるが、寂しさもある。(高橋正子)

●河野啓一
あぜ道をたどれば秋日鳥の声★★★
森の辺の雑木色づく秋夕日★★★
さざめいていろは楓は渓のなか★★★

●桑本栄太郎
コスモスの宙の背丈よ青空に★★★★
青空の遠き木の枝や朝の鵙★★★
校庭の駐輪数多や体育の日★★★

●多田有花
澄む秋を映して青し音水湖★★★★
「音水湖(おんずいこ)」というのを初めて知ったが、西播磨の揖保川支流にできた人工湖とのこと。春は桜、秋は紅葉が楽しめるようだ。水はひたすらに青く、まさに「澄む秋」をそのまま映した湖だ。すっきりとした句だ。(高橋正子)

山里の青空に映え柿の色★★★
ひやひやと秋の雨降る午後となる★★★

●小西 宏
源流を滑らかに聞き赤のまま★★★
雨のごと木の実音する日暮れ道★★★
家閉じて台風を待つオンザロック★★★


コメント

  1. 小口泰與
    2013年10月16日 10:09

    御礼
    高橋信之先生、正子先生
    10/15の投句に★印のご指導を頂き、大変に嬉しく感謝申し上げます。その上、正子先生には素晴らしい句評を賜わり重ねて御礼申し上げます。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。

  2. 多田有花
    2013年10月16日 18:57

    お礼
    信之先生、正子先生、
    「澄む秋を映して青し音水湖」にご指導、ご句評をいただきありがとうございます。
    先日登った山から音水湖がきれいに見えました。
    このあたりは鳥取県境に近く、自然がたっぷり残っています。