10月10日

●小口泰與
晩秋の湖心舟影長きかな★★★
名月や雲ひとつ無き明けの空★★★
朝寒と言葉かわせし庭越しに★★★

●桑本栄太郎
 白内障手術入院より
秋日眩し瞳孔開く点眼液★★★
秋愁や明日の手術を想いおり★★★

手術終え群青紺や秋の宵★★★★
前書きに白内障手術とある一連の句。白内障のためにぼんやり濁って見えた景色が、手術を終え物が鮮明に見えるようになった。なかでも秋の宵の群青紺の空の色は格別美しい。その色が見えて感激である。(高橋正子)

●小西 宏
絹雲に葉の紅極む花水木★★★★
花も可憐で美しい花水木であるが、秋の紅葉した葉も捨てがたい。高層圏にかかる絹雲との対比に紅が際立つ。(高橋正子)

竹揉まれ台風近し寺の奥★★★
振り向けば金木犀の葉隠れに★★★


コメント

  1. 桑本栄太郎
    2013年10月11日 16:29

    お礼
    高橋信之先生、正子先生
    「手術終え群青紺や秋の宵の句を10月10日の秀句にお選び頂き、素敵なコメントもお添え頂き大変有難うございます。白内障の手術の入院は、右目、左目と一日置きに行い手術の時意外は新しくて広い病棟、大きなガラス窓から嶺の入日などが眺められ、大変快適でした。

  2. 小西 宏
    2013年10月11日 20:24

    お礼
    高橋正子先生
    「絹雲に葉の紅極む花水木」へのご講評、たいへんありがとうございました。お言葉の通り、花も実も紅葉も北アメリカ原産らしい明るさを届けてくれる植物です。空によく似合います。