自由な投句箱/11月29日

今日の秀句/11月29日(2句)

★ストールをさらりとショートヘアの背に/川名ますみ
ショートヘアのうなじから背にかけて、しなやかな女性の姿が思い浮かぶ。ストールもショートヘアも「さらり」として絵画的な印象の句。(髙橋正子)
★大ぶりのポプラ枯葉や風に添う/桑本栄太郎
ポプラの葉のなかでも特に大ぶりの枯葉が、風に吹かれて運ばれているのだろう。少し吹かれては、止まり、また吹かれては動く。風の気持ちに添うように。(髙橋正子)

11月29日(6名)

廣田洋一
散紅葉しづこころなき城の跡★★★
一陣の風のまにまに紅葉散る★★★
ブロッコリー弁当箱の甘き色★★★★

多田有花
再現の池の面に冬の城★★★
冬浅き夜の野点傘の下★★★★
照明に照らされ残る紅葉かな★★★

小口泰與
眼間の入日まばゆし冬浅間★★★★
羽ひろぐ冬白鷺のまばゆきし
「まばゆきし」は、正しくは「まばゆかりし」となります。(髙橋正子)

この沼の冬翡翠の舞い出でよ★★★

桑本栄太郎
冬ぞらの哀しきほどの青さかな★★★
大ぶりのポプラ枯葉や風に添う★★★★
白き実のあらわとなりぬ冬紅葉★★★

弓削和人
時雨るるやおにぎり片手の駅前バス
「おにぎり片手の」の「の」の使い方は、問題です。「駅前バス」も省略しすぎで、無理な表現です。俳句では、「ひとつ」の事を言おうとしてみてください。(髙橋正子)

夜店急く傘持つ人や町しぐれ
「夜店急く」は省略しすぎの表現。一句を散文を書くように書いて、それから省略できるとことを省略しては、どうでしょうか。(髙橋正子)

木枯をのこして明けの旅切符
この句の場合、「木枯をのこして」を率直に表現されたら、いかがでしょうか。
(髙橋正子)
川名ますみ
聖橋渡り冬紅葉の湯島★★★
低く来てしずかしずかに冬の雷★★★
ストールをさらりとショートヘアの背に★★★★
今日の俳句
★冬空をいま青く塗る画家羨(とも)し/中村草田男(なかむらくさたお)
 画家が冬空を青く塗っているのを見ている。見ているうちに冬空を青く塗る画家の心境を羨ましく思った。おなじところに居ながら、二人は、画家と作者は、反対の心境なのだ。(髙橋正子)

コメント

  1. 廣田洋一
    2024年11月29日 11:31

    自由な投句箱
    ★散紅葉しづこころなき城の跡
    ★一陣の風のまにまに紅葉散る
    ★ブロッコリー弁当箱の甘き色

  2. 多田有花
    2024年11月29日 12:33

    自由な投句箱
    再現の池の面に冬の城
    冬浅き夜の野点傘の下
    照明に照らされ残る紅葉かな

  3. 小口泰與
    2024年11月29日 13:27

    自由な投句箱
    ★眼間の入日まばゆし冬浅間
    ★羽ひろぐ冬白鷺のまばゆきし
    ★この沼の冬翡翠の舞い出でよ

  4. 桑本栄太郎
    2024年11月29日 17:08

    自由な投句箱
    ★冬ぞらの哀しきほどの青さかな
    ★大ぶりのポプラ枯葉や風に添う
    ★白き実のあらわとなりぬ冬紅葉

  5. 弓削和人
    2024年11月29日 21:52

    Unknown
    ●時雨るるやおにぎり片手の駅前バス
    ●夜店急く傘持つ人や町しぐれ
    ●木枯をのこして明けの旅切符

  6. 川名ますみ
    2024年11月29日 23:58

    自由な投句箱
    聖橋渡り冬紅葉の湯島
    低く来てしずかしずかに冬の雷
    ストールをさらりとショートヘアの背に

  7. 桑本栄太郎
    2024年12月1日 17:42

    御礼
    高橋正子先生
    11月29日の今日の秀句に「大ぶりのポプラ枯葉や風に添う」の句をお選び頂き、過分なるご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
    急激な寒波到来と木枯しに、枯葉の落葉が増えて来ました。大きなポプラの枯葉は風に吹かれれば、音も大きく存在感があります。