今日の秀句/4月1日~4月10日

4月4日(2句)
★人気なき朝の公園緑立つ/廣田洋一
「緑立つ」は、松の新芽がまっすぐ伸びることをいう生命感のある季語だが、この句にもその生命感が一句を支配している。「人気なき朝の公園」を静謐な場所に替えている。(髙橋正子)

★花残る枝に繋がる祭馬/上島祥子
祭の催事の合間に馬が桜の枝に繋がれている。満開のさくらではなく、「花残る枝」で、盛りを過ぎた静かさと安堵だ感じられる。が、なお残る華やぎがある。馬の静かな存在感が魅力の句。(髙橋正子)

4月3日(3名)
★城仰ぎ桜を仰ぎ歩きけり/多田有花
「城仰ぎ」「桜を仰ぎ」は作者の歩くままのの様子。その様子が、そのまま歩くリズム、俳句のリズムとなっている。城と桜の出合
が今年もまた新鮮である。(髙橋正子)

★新しき飛花ばかりなる水たまり/川名ますみ
「新しき飛花」は鋭い感性。今枝を離れて飛んできたばかりの花びらが、みずたまりに浮かんでいる。汚れなく、疵つかず、みずみずしい花びらの静かな生命感が純粋に詠まれている。(髙橋正子)

★4月2日(2句)
山桜明るき雨にしらしらと/川名ますみ
山桜は、染井吉野とちがって、花と葉が同時にあります。花と葉の色のまざり具合が、静かなゆかしさを感じさせます。そこに雨がふり、花の色が白かがって美しく見えるわけです。品のいい句です。(髙橋正子)

★ぱらぱらと雨で始まる四月かな/廣田洋一
「ぱらぱらと」の雨の擬音語が、すべてを語っていると言えるほど、効果的に使われています。作者の気分でもあるのでしょう。そんな気持ちで四月が始まりました。言葉にすれば、こんなことでしょう。「四月の軽い戸惑い、期待、気分の揺れ」。言外に句意のあるところがよいです。(髙橋正子)

4月1日(1句)
★谷渡る道のほとりの山桜/多田有花(正子添削)
元の句は、「谷渡る道に近かり山桜」でした。「近かり」が説明なので、写生に寄せて、添削句のようにしました。すると、山桜のイメージがはっきりしてきます。谷を渡ろうとすると、山桜が咲いています。山にある桜そのままの美しさに魅かれます。(髙橋正子) 


コメント

  1. 多田有花
    2026年4月3日 8:42

    正子先生
    「谷渡る道に近かり山桜」を
    「谷渡る道のほとりの山桜」に添削指導をいただき
    4月1日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    山桜は通常花を間近で見られる機会は少なく、
    つい「近さ」を強調してしまいました。

    • 髙橋正子
      2026年4月3日 9:46

      つい「近さ」を強調してしまいました。 ということですね。
      「近さ」の協調はとてもいいです。その気持ちが句にあらわれていないので、有花さんの意図と違う添削になったと思います。

  2. 廣田洋一
    2026年4月3日 11:54

    高橋正子先生
    4月2日の「ぱらぱらと雨で始まる四月かな」を秀句にお選びいただき、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難う御座います。
    今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。

  3. 多田有花
    2026年4月6日 8:51

    正子先生
    「城仰ぎ桜を仰ぎ歩きけり」を
    4月3日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    姫路城へお花見に行ってきました。
    桜は五分から七分咲きほど。
    三の丸広場の周囲の桜を眺め、天守閣も仰ぎそぞろ歩きました。
    気温もほどよく、今年のお花見を満喫できました。