12月17日(1句)
★目覚めれば日毎蕾める寒椿/土橋みよ(正子添削)
朝目覚めて、庭に出ると、日毎寒椿の蕾が増えている。楽しみなことである。実際、蕾が膨らんでいるならば、「蕾む」ではなく、「ふくらむ」のほうがリアルになる。「蕾む」は蕾をつける意味にとられる。(髙橋正子)
12月16日(1句)
★地に降りしばかりの落葉鮮やかに/多田有花
落葉と言われ思うのは、その枯れの色である。それが地面に降ったばかりは、まだ鮮やかな色。落葉と言われるのが、少し忍びないほど生き生きしている。(髙橋正子)
12月15日(1句)
★冬晴れや松に置かるる長梯子/上島祥子
松の手入れをするのであろう。長い梯子が松に立てかけられている。それほどに成長した松が、冬晴れの空に姿を際立たせている。(髙橋正子)
12月14日(1句)
★呼び交わす番の声や浮寝鳥/桑本栄太郎(正子添削)
浮寝鳥の番が呼び交わし、お互いを確かめ合っている。寒々として水の上で聞かれるその声は哀れとも思える。(髙橋正子)
12月13日(1句)
★地の果ての海を照らせる冬の月/廣田洋一
「地の果て」はどの地かと、思ってみる。冴え冴えとした冬の月の光が波を光らせ、長く伸びて銀の道ができているのだろうか。スケールの大きな句。(髙橋正子)
12月12日(1句)
★冬啄木鳥森の中なる嘴の音/小口泰與(正子添削)
森の深くで、啄木鳥が樹を叩く音を響かせている。冬の森に生きている鳥の温みが伝わってくる。(髙橋正子)
12月11日
※該当句無し
コメント
高橋正子先生
12月12日の投句「冬啄木鳥」の句を添削していただき、その上12日の秀句にお取り上げ頂き、素晴らしい句評を頂き有難う御座いました。今後ともよろしくご指導の程お願い申し上げます。
高橋正子先生
12月13日の「地の果ての海を照らせる冬の月」を秀句にお選び頂き、その上正子先生には素敵な句評を賜り、真に有難うございます。
思い浮かべた地の果ては、ポルトガルのロカ岬です。断崖の下に広がる海に月光が線を引くのを思い浮かべました。
今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
高橋正子先生
12月14日の今日の秀句に「呼び交わす番の声や浮寝鳥」の句をご添削の上、
お選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難うございます!!。
近在にある池の様子を見に行き、番の鴨の浮き寝の様子を眺めてきました。
お互いに声を呼び交わしながらの浮き寝のようでした。
お礼
正子先生
12/15の秀句に「冬晴れや松に置かるる長梯子」をお選びくださり丁寧な句評を有難うございました。近隣の古いお宅のお庭に庭師が訪れていました。
正子先生
「地に降りしばかりの落葉鮮やかに」を
12月16日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
そろそろ姫路でも落葉は最終段階です。
地に舞い降りたばかり葉はまだ色を残しており
先に散ってすでに枯色となった落葉の中で目を引きます。
正子先生
いつも親切なご指導を賜り感謝しております。また、「目覚めれば」の句にコメントと添削を頂き有難うございます。「日一日」は「ひひとひ」と読むものと思い込んでおりました。ご指摘を受けて調べましたら、「ひひとひ」と読んだのは平安時代とのこと、芭蕉以降は「ひいちにち」と読むようになったことを知りました。「ひひとひ」という言葉を知りましたのは源氏物語だったことを思い出しました。添削句では「日毎」とすることで音の数が7音になってリズムが良くなることを教えて頂きました。庭の寒椿は蕾が増えるだけでなく一つ一つの蕾もふくらんでいます。俳句に読みたかったのは、先生が推測されました通り、蕾が膨らむ方だったことに気づきました。有難うございました。