今日の秀句/11月21日~11月24日

11月24日(1句)

★初雪や山間部落平らかに/小口泰與
山間の部落のどこにも初雪が降って、しずかに、平らかな印象になっている。
作者の心のなかにも山間のしずかな部落が広がっている。(髙橋正子)
11月23日(4句)
★帆をたたみ湘南の海冬めける/廣田洋一
湘南の海と言えばヨットやサーフィン、海水浴で賑わう光景を想像する。今、ヨットは帆をたたみ、海からはヨットの帆や波の白い煌めきが消え、冬めいている。(髙橋正子)

★馬棚つづく空や浅間に冬来たる/小口泰與
放牧の牛馬は平地に下りたのであろう。馬棚が空へと続く様に伸びている。浅間に冬が来たことを思う。(髙橋正子)

★しぐれ去りわずかな虹を残しゆく/多田有花
冷たいしぐれが去り、うれしいことに「わずかな虹」を残してくれた。(髙橋正子)

★小春日や貨物列車のどこまでも/桑本栄太郎
貨物列車が走るのを見た人は誰でも思うだろう。いったいどこまで続くのだろうと。麗らかな小春日に長い貨物列車が通り過ぎるのを見ると、小春日和の彼方へ連れていかれる気持ちになる。(髙橋正子)
11月22日(1句)

★コンテナに冬陽が当たる貨物駅/多田有花
貨物駅にコンテナが並んでいる様子は壮観なのではと思う。冬陽が当たると、コンテナにがっしりと見え、存在感が増す。(髙橋正子)
11月21日(1句)

★知らぬ間に冬木となりぬ桜かな/桑本栄太郎
桜は花の時が最も注目されるが、花が終わり赤い蕊を降らすともう葉桜のきせつになる。夏日蔭を作ってくれたと思うと、紅葉がはじまり、冷たい風と共に葉を散らす。気づくと葉がすっかり落ちて冬木となっている。月日の過ぎ去る速さに気づくときでもある。(髙橋正子)

コメント

  1. 桑本栄太郎
    2024年11月22日 18:29

    御礼
    高橋正子先生
    11月21日の今日の秀句に「知らぬ間に冬木となりぬ桜かな」の句をお選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
    つい先日まで他に先駆けて紅葉となりました桜の葉も、先日の木枯し二号により殆ど葉を落とし冬木となって居りました。桜は春の花、夏の葉桜、秋の紅葉、冬の裸木のオブジェとなって人々を楽しませて呉れますが、季節の移り変わりの早やさをも感じさせて呉れます。

  2. 多田有花
    2024年11月23日 17:40

    お礼
    正子先生
    「コンテナに冬陽が当たる貨物駅」を11月22日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    姫路貨物駅はJR神戸線のひめじ別所駅のやや神戸寄りの場所にあります。普段はあまりなじみがありませんが、JR神戸線を走ると車窓からずらっと並んだコンテナが見えます。

  3. 多田有花
    2024年11月24日 13:22

    お礼
    正子先生
    「しぐれ去りわずかな虹を残しゆく」を11月23日の秀句にお選びいただきありがとうございます。
    昨日は朝、昼と二度のしぐれがありました。暖かい姫路でもここ数日で周囲が冬らしくなってきました。しぐれがあがったあと散歩をしていると、虹の足の下の部分が見えました。虹を見るといいことがありそうな気になるから不思議です。

  4. 桑本栄太郎
    2024年11月24日 16:56

    御礼
    高橋正子先生
    11月23日の今日の秀句に「小春日や貨物列車のどこまでも」の句をお選び頂き、嬉しいご句評も頂戴しまして大変有難う御座います!!。
    先日の小春日和の日の光景ですが、最近の貨物列車は車両の数がとても長く連なり、延々とどこまでも続きます。

  5. 小口泰與
    2024年11月25日 8:54

    御礼
    高橋正子先生
    11月23日の投句(冬来たる)の句を正子先生には添削をして頂き、そのうえ秀句にお取り上げ頂きうれしい句評をたまわり厚く御礼申し上げます。
    今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。

  6. 小口泰與
    2024年11月25日 8:57

    御礼
    高橋正子先生
    11月24日の投句(初雪)の句を今日の秀句にお取り上げ頂き、正子先生には素晴らしい句評をいただき有難う御座います。
    今後ともよろしくご指導のほどお願い申し上げます。