●花冠2月号の雑詠投句をお願いします。
「花冠」No.370(2月号)の雑詠投句を下記の要領でお願いします。
投 句 :雑詠15句
投句締切:2023年12月15日(金)
投句場所:このブログの下にあるコメント欄
※一度花冠に投句された句を再度投句された場合は、髙橋正子選で、「月例ネット句会」、「自由な投句箱」から新しい句を選んで差し替える場合があります。ご了承ください。
2023年12月5日
花冠代表 髙橋正子
■雑詠投句を済ませた方(敬称略)(12名)■
小口泰與 桑本栄太郎 吉田晃 祝恵子 弓削和人 廣田洋一 川名ますみ 多田有花
柳原美知子 藤田洋子 友田修 高橋秀之
※ここのコメント欄に雑詠15句をご投句ください。
コメント
花冠雑詠15句投句「上州」
1榛名嶺のはるかに雲や花あんず
2摘みてきて蕨三和土にひろげあり
3浅間山真向いにして花を待つ
4初蝶や和紙のハガキの桜色
5残雪や土間の隅ずみ風棲める
6上州は風の国原揚げひばり
7噴煙の南へ流る余寒かな
8啓蟄や支流支流の水集う
9朝日差す田水や芹を摘む人よ
10毛鉤追う雪代山女錆び定か
11まんさくや浅間南面斑なり
12摘み草やきらら耀う水掬い
13利根川の瀞に映りし野梅かな
14青麦の同じ方へと波打てリ
15?の芽や瀬音山路を離れざる
よろしくお願い申しあげます。
花冠2月号当季雑詠15句
「枯野行」
①あおぞらを遠くに透かし秋すだれ
②山里の小川早瀬や芋水車
③玄関のコキア紅葉す幼稚園
④対岸の日差し明るき泡立草
⑤しぐるるや名も無き草の実をつけて
⑥大橋を渡り南座しぐれ降る
⑦登校の児童一列寒波来る
⑧日を求め急ぎ舞い居り冬の蝶
⑨鴨川の堰水光る冬日かな
⑩釣り人の湾処(わんど)に一人冬日さす
⑪葉を落とし早やも備える冬芽かな
⑫風垣や何処か遠くに海鳴りぬ
⑬南座に招き上がりぬ酢茎買う
⑭女子会の妻の遠出や冬ぬくし
⑮みずいろの空何処までも枯野行
お手数をお掛け致しますが、よろしくお願い申し上げます。
雑詠15句
田草取り水の濁りを遠ざかる
水桶の水真新らし新豆腐
菜園に初生り胡瓜の濃き一本
風さらに軽くなり十月の蜻蛉
花野ゆれ花影やわらかくゆれる
白紫陽花手折り置かれている手水
今頃は花栗匂う里の道
小アジカラッと揚がり春の宵
湯の町の奥は桜の常信寺
さみだるる庭へ田植え機濡れ置かれ
石透けるほどの瀬音に鮎錆びて
風かるく田を渡るころ村の盆
頬の蚊を打てば夜明けの遠汽笛
秋暑し石突く杖の遍路ゆく
酒一献白露の居間に父と居て
花冠2月号当季雑詠15句
踵かえせば冬日まともに眩し
手紙出す音の聞こえて冬の路地
冬夕焼け豆腐売りの車の声
冬に入る子の残したる千羽鶴
走り書き歩いてくるね冬の夕
日の落つる速さよ冬の散歩道
自転車も吾も見ており曼珠沙華
苦瓜の最後の重さもいでおり
秋祭り神社の案内掲示板
朝顔のあす咲く蕾ふくらます
クワガタの展示してあり美容室
音立てて開きそうです白桔梗
酷暑なり災害用のラジオ買う
落蝉の一つ二つと軒先に
立秋やするべきことを問うてみる
花冠2月号当季雑詠15句
1.雨あがり秋澄むいまを胸いっぱい
2.窓を開け空一色や秋日和
3.真葛原あまつぶ二三降りて止み
4.秋涼や水槽青を碧(みどり)にし
5.十年を経ての木犀懐かしや
6.中天へ茎まっすぐや曼珠沙華
7.冬の夜や明けたる街を待ちわびて
8.雪あられ阿吽に日差しさしにけり
9.にぎわいて根深多めの汁の湯気
10.石蕗花のにこにこ黄色庭の垣
11.万両や実の張り詰めて紅々と
12.静かなる雨に水鳥眠りたる
13.踏切の明滅のこす枯野かな
14.日の暮れしまぎわに農婦夕焚火
15.湯豆腐の昆布に中年箸をつけ
花冠2月号当季雑詠15句
高く飛ぶ十一月の揚羽蝶
また閉じる「奥の細道」芭蕉の忌
豊かさを葉に隠したり実万両
園丁の二人来たれり冬構え
墓道の赤く灯れる帰り花
九品仏静かに濡らす時雨かな
青天にすいと浮かびし冬の雲
踏む音の殊に大きな朴落葉
大綿や庭の木に列なしてをり
実万両たわわに光り立子句碑
水鳥や行きつ戻りつ橋の下
悴みし手に口づけの挨拶す
冬ざるる工事現場の白き椅子
なつかしき昭和の家の隙間風
崖の上窓を濡らせし波の花
俳誌『花冠』No.370(2月号)投句
芍薬を深く抱く師の薄き胸
青空へ紐を結びぬ竹簾
地域猫見上げる先に七夕笹
旧友と分けるゼリーのきれいな色
窓八枚真横に秋の雲たなびく
大切りのメロンをぐいとジューサーに
揚花火横浜港のリズミカル
にぎやかに母の友らと盆支度
雲も陽も富士へと沈む秋夕焼
口紅の唇埋めずショール巻く
懐炉手に祈り無音の舞台袖
手袋をぬぐや舞台のピアノへと
降る雪のごとく始まる連打音
冬天へ最後の主音届けよと
冬の夜を楽譜とドレス背負い帰る
花冠2月号雑詠投句
月低く四十九日を戻りけり
地にいくさ絶えることなし秋の星
秋の蝶いつも静かに花に来て
冬来る空どこまでも青々と
広々と陽を受け冬を迎える田
干柿に初冬の薄き光あり
暮早き空を惜しみて子ら遊ぶ
しぐれ去り夕刻の虹おいてゆく
ゆくものをゆかせて冬紅葉赤し
野の枯れに朱を残しおり烏瓜
冬半ば入日は塔の先かすめ
さんさんと桜冬芽の陽を浴びぬ
冬の鵙いまは静かに止まりけり
尾花枯れ枯れゆくほどに明るくて
山茶花の備えしつぼみ続々と
花冠2月号当季雑詠15句
泥んこの園児手に手に早苗束
植えたての早苗のみどりそよぎ出す
夏至暮るる夕空淡き硝子窓
ひと時を供え分ちて新茶の香
大雨が洗う夏越の杜に入る
夏草を刈り伏せしより濃き匂い
帯揃う新刊本の棚涼し
秋彼岸遺影いつしか灯になじむ
露草に墓苑の道の靴濡らす
竜胆挿すほのと白檀香る間に
仏壇に声掛けて出る秋祭り
家々の灯りてやさし虫の音に
御幸山冬めく色に日の射せり
鎮魂の杜の深さに散る紅葉
黄落の神苑しきり平和乞う
花冠2月号雑詠15句
水湛え朝空湛え田植待つ
白鷺の田に降りる朝師の訃報
山法師白を天へと捧げおり
旧友とピッツァ分け合う薔薇の卓
降り注ぐ滝音棚田に風わたる
花南瓜今朝満開の畑土踏む
今日一日秋燕に暮れ月の里
子の作る蒸しパン今朝は栗入りで
朝の窓開ければどっと稲田の黄
音高く潮の満ちくる虫の闇
鰯雲下校の子の声よく聞こえ
塀越しに物々交換甘藷・柿
谷水を啄み鶺鴒水の上
小雪の樽湯に深く木の香吸う
棚田米餅に搗く音橋わたり
花冠2月号雑詠15句
寝転びて見る青空と桜かな
紫陽花を濡らす優しき朝の雨
紫陽花に色なきをみる朝かな
紫陽花を無情に叩く雨の音
多摩川の水増す初夏や白き雲
木洩れ陽に寝転ぶ我と初夏の風
真青なる空に吹き初む夏の風
遊歩道蝉泣く声に埋もれけり
枝豆をつまむ今宵はブルームーン
早暁の呆れるほどの暑さかな
空蝉や一本の木のあちこちに
散歩道気づけばたわわ青蜜柑
側溝に掃き寄せらせし紅葉かな
切り通しいちょうと空の高さかな
オリオンの瞬く風の強さかな
花冠15句投句
病室の窓に打ちつく冬の雨
実家から届くみかんを籠に盛り
冬立の朝も定刻電車に乗る
うっすらと色づく紅葉陽に映える
爽やかに海から風が吹き抜ける
蟋蟀の鳴き声届く帰り道
鳥が行く先に大きな秋の空
乗り換えの駅に飛び交う赤とんぼ
夏休み終えてふたりの夕ご飯
帰省の子台風予想とにらめっこ
今日と明日賑わう食卓盂蘭盆会
来ては去り去っては戻る揚羽蝶
一輪の向日葵に差す陽は東
一株の紫陽花大きく鮮やかに
初蝶の舞い上がりゆく空広し