★りんりんと虫音に力のありて闇 正子
蝉の激しい鳴声が去り、夜になると虫の音に変わります。ほっと穏かで秋の静寂感も湛えているものです。しかし、虫にとっては、その声もまた生きる力、生命力です。それを「力のありて」とされたのが新鮮です。(多田有花)
○今日の俳句
秋茄子の不ぞろいなるも強靭に/多田有花
真夏の暑さが去り、朝夕が涼しくなってくると、茄子が生き生きとして美味しい実をつけるが、皮が傷んだようなのも、曲ったのも様々。「不ぞろいなるも強靭」なのである。(高橋正子)
○むらさきしきぶ
式部の実色づき初めしに空晴るる 正子
今朝、ワイシャツをクリーニング屋の持っていく道で、今は廃屋になっている家に、むらさきしきぶが色づき初めていた。近所には、むらさきしきぶを植えている家はたくさんあるが、色づきはじめているのは、だれも住んでいない家。この実は、小鳥が大好きで、小鳥が食べれるものなら、人間も食べれるのではと、食べたことがあるが、棗や未熟なリンゴのような味がする。砥部の家にもひと株大きなのがあった。ヒヨドリをはじめ小鳥たちの恰好の餌で寒い季節が来てもまだ残っている。この実がある間、庭は小鳥でにぎやかになった。最後には、葉がからからと数枚残り、枝だけになり、たまに雪を冠ることもあった。黄葉もきれいだ。
コメント
お礼とコメント
正子先生、「秋茄子の不ぞろいなるも強靭に」を
今日の俳句にお取り上げいただきありがとうございます。
自家製の野菜をいただいたときの句です。容姿端麗とは
いきませんが、新鮮で美味しい、それが魅力ですね。
★りんりんと虫音に力のありて闇 正子
蝉の激しい鳴声が去り、夜になると虫の音に変わります。
ほっと穏かで秋の静寂感も湛えているものです。しかし、
虫にとっては、その声もまた生きる力、生命力です。
それを「力のありて」とされたのが新鮮です。